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ベルギー(四歳)の雑記部屋
楽しい家族旅行(前編)
楽しい家族旅行
「……かぞくりょこぉっ?!」
まだ、どこか舌ったらずな響のハスキーボイス。
最近、何かといかがわしい事件ばかり……
例えば、どこぞの国の軍用ヘリが講堂に突っ込んできたり、謎のテロリスト集
団が図書室に乗り込んで来たりだとか……
そんな事件が頻発し、もはや『いかがわしい』の域を越え、その手の事件が起
こる事こそが『日常』にすらなりつつあると言う、何とも哀れな大学、相模大
から坂を下って数分の場所にある、ぼろアパートの一室。
九月の夕暮れに、開ききっていた窓から差し込む、朱色に染め上げられた日
の光の変り、とでも言わんばかりに飛び出てきたのは、そんな少女の……いや
美少女の悲鳴にも似た声であった。
およそ美少女に必要である、全ての条件を完璧に兼ねそろえた少女。
メノウのような瞳に栗色の髪、年の頃なら13~14。
彼女ほどの美貌であればまず、そっち方面(どっちだ?)の趣味がない男でも思
わず劣情を抱かずにはいられないであろう。
それどころか、その対象が女性であったとしても十分に――――――――――
――…失敬。
……と、妙な方向に話しがそれたが……
ともかく。
そんなファッション誌の銀幕を飾っても違和感のないような少女が、ぼろア
パートの一室で、しかも今時滅多に御目にかかれないアナログなダイヤル式の
黒電話の受話器を片手にしている様はある種、異様な光景であった事は確かだ
った。
『そ。家族旅行。最近、家族みんなで顔を合わせることも滅多にないしサ。あ
っ、もちろん家族って言うのは、私としゅーくん、そしてあんた達、姉弟でっ
て事だからね?で、秋といったら行楽の季節だろ?…それで…………って、ち
ょっと!聞いてるのか?コラ、美沙!?』
数秒ほど前から全くリアクションを返さない少女に不信を感じたのか、受話器
の向こうからそんな叱責の声が上がった。
「……聞いてるのかって、あんたねぇ……。」
全く予想だにしなかった事をさらりと言われ、硬直していた少女……結城美沙
は多少…というか胸一杯に秘めた呆れを隠す事もなく受話器の向こう側の人物
に向けた。
受話器の向こうにいる人物、相模大のクイーン麻籐美貴…何を隠そう弱冠19歳
にして二児の母と言う世界記録を持つ女…美沙の実の母親である。
今でこそある非常にいりくんだ…いや、本人が自らがいりこませてしまったあ
る事情のため麻藤の姓を名乗っているものの、れっきとした超巨大コングロマ
リットを率いる日本でも有数の財閥、結城の直系に当たるトンでもない人物で
ある。
『な、なによ……』
「……あのねぇ」
じと~~~。
電話越しに話しているため、実際にはそんな美沙の雰囲気など伝わるはずもな
いのだが美貴はどこかたじろいだ声を出し、美沙はため息をつきながら先を続
けた。
「そもそも、なんでいきなり家族旅行なわけ?それに、私や樫緒はともかくと
して、どんな口実で美紀ちゃんも一緒に旅行に連れてこーよって、しゅーじく
んに説明するわけ?
………あっ!それともこの際、鷲士くんに本当の事、教える気になったと
か!?」
『ち、違うわよっ!!』
慌てて美貴。
電話越しにもその狼狽振りが伝わってくる。
一方、沙は母の案の定な答えに顔をしかめ…
「なあんだ……期待して損した。この際言っておくけどさぁ、私もカシオも正
直、今のぬるま湯みたいな状況あんまし気に入ってないのよねぇ。こっちとし
てもさ、元のさやに収まるのなら早い方がいいって言うか…」
『そ、そんな事、キミに言われなくたってそのうち何とかする予定だよっ!そ
うでなくても最近ますます、どつぼに、はまりギミだし……だからさ、くれぐ
れも……』
「ハイハイ、わかってますよ。だから余計な事はするなって言いたいんでし
ょ?」
なだめるように美沙。
完璧に母娘の立場が逆だが、この件については全面的に美貴に問題があるのだ
から仕方がないとも言える。
『う、うん。でね……』
美貴は弱気に続けた。
『ほら…なんて言うのかな・・しゅーくんにいずれ本当の事話すにしてもさ、
いきなりってのもなんかあれじゃない?だから……』
「その前にワンクッション置いておきたいと?」
『う、うん。徐々に徐々にって分けじゃないんだけどさ。エヘへへ』
「………」
照れた様に笑う実貴に美沙は盛大にため息をつく。
顔は渋面、眉間には皺ができ、御世辞にも機嫌よさそそうとは言えないが…
『………美沙?』
「…分ったわよ。OK、ここは一つ娘にどーんと任せて。」
『う、う~~、ありがと~美沙~~』
「あ~もうっ、分ったから泣かない。じゃあなんか、こっちで口実も段取りも
考えておくからさ、いい?今度の週末、ちゃんとあけておくんだよ?」
『うん。ほんとありがと~~。…ヒック。』
「じゃ、そろそろ鷲土君帰ってくるから、電話切るよ?」
『うん、じゃ…』
がちゃん…リィン。
僅かにベルの音が混ざった音とともに受話器が置かれ……。
「家族…旅行ねぇ」
――――――――――――ニヤリ――――――――――――――
……僅かに上唇の端がつりあがる。
娘の思いやりに感動にむせび泣く美紀であったが…はたして、この時、自分の
娘の顔に浮かぶ笑みを見ていたとしたら、一体どのような反応を示したであろ
うか・・
その顔……美沙、自分で曰く、何かとんでもなく素晴らしい事を思いついた時
の顔。
周囲の人間、曰く、何かとんでもなく厄介な事を考え付いた時の顔。
勿論この場に美沙以外の人間はいない。
つまり美沙を止めるものもまた、いない。
美沙はおもむろに携帯を取り出し、ピッポパ…プルルルルル、プルルルル
ル。
コール音が、なる事きっかし2回。
『ボス?』
携帯から聞こえてきた声は美沙の右腕でもある片桐冴葉である。
「冴葉、例の妖刀の噂……裏はとれた?」
『はい。既に出所も確かめてありますが……情報部が総合的に判断した結果、
信憑性は極めて低いとの事でしたが……。』
「…OK、わかった。サンキュー。ま、でもそれ、駄目もとで当たってみる
わ。」
『ボス自らですか?・・なんでしたら、こちらの方で適当な人員を…』
「あー……いや、そりゃいいわ。」
『…と言いますと?』
「まー…なんてゆーか、今回はついで、というか何と言うか…」
『?』
―――と、がちゃり。
玄関の方から音が聞こえる。
「あ!じゃあ、鷲士君帰ってきたみたいだから切るね」
『・・よく事情はわかりませんが、解りました。とりあえず重要と思われる資
料だけでもそちらに送っておきますので。では。』
ピッと無機質な電子音がなり携帯が切られる。
「ただいま~~。今、帰ったよ~。遅くなってご免ね~。すぐ夕飯用意するか
ら~。」
それと立ち代るように今度は男の声。
この、ぼろ部屋の主であり美沙の父親でもある、ほえほえ大学生、草刈鷲土の
帰還である。
「おかえりなさぁい!」
買い物袋を両手に下げすっかり所帯じみた鷲士を邪気の無い笑顔で迎え美沙。
それにつられ鷲士もにっこり。
「ねぇ、鷲士くん。そんな事よりもさ…私、鷲士くんにお願いがあるんだけ
ど。」
「ん、お願い?なんだい。」
今度の週末…彼は、どんな災難が自分を襲うかも知らず……やっぱり、ほえほ
えと笑顔を浮かべるだけなのであった。
『いや~、実に坊ちゃまは優秀……』…『結城家の跡取なるもの常に…』…
『あなたは他の下賎な人間とは違うのですからもっとしっかり…』…『それで
こそ、結城一族の…』…………………………
「……ふう。」
真夜中。
今日もやっとの事で1日の実務を終えた、結城グループの若き次期総師結城樫
緒は私室にて大きなため息をついた。
そこらのホテルとはそれこそ比べ物にならないほどの広さを誇る一室。置いて
ある調度品もどれも一言で高級、と言ってしまうにはあまりにもったいないも
のばかりだ。どれか一つ無作為に取っても最低でもニ~三百万はくだらないだ
ろう。
だが彼は、そんな誰もが羨むような部屋の中で何に感慨にふけるでもなし、
ただボーっとソファに坐り、数枚の書類と、そして自分の顔が映し出されてい
る、大理石で出来た不思議な光沢のあるデスクとにらめっこをしていた。
「………」
たったそれだけの事であるはずなのに、だがこの少年の場合それが恐ろしいほ
ど絵になる。
淡々とただあるがままに美しい…美沙や美貴といった、『そこに在るが故に美
しい』という美ではなく、むしろ『美しいが故に在る』と言う、儚げな……だ
がそれ故に美しい。
そんな一種、神秘的とさえ言える美しさを持った少年……それこそがこの結城
樫緒という少年であった。
メノウのような瞳に亜麻色の髪……
「姉様……」
自分の顔に双子の姉……美沙の面影をみいだし呟く。
確かにこの二人……樫緒と美沙を客観的に見た場合…特にそれが性別学的に見
た場合……一方が男、一方が女…まるで同一人物が男だった場合、女だった場
合をそれぞれシュミレートしているかの様な…と言っても語弊の無い、それ程
までに似通った容姿をしている。
だが、そこに…冷たく光を反射する大理石に映されたその顔は……
パーツ、配置……そのどれもが同じであるはずの顔は……
明らかに姉のそれとは違う……全くの別物。
なぜか?
それは本人が一番よく知っている。
「……僕は姉様の様にはなれない。」
無表情にデスクに映った唇が上下する。
なぜなら自分は……
「?」
……と、違和感を感じ顔をしかめる。
ばっちりと着こなしたタキシードのポケットになにか変な物が……
「……これは…」
樫緒の柳眉が訝しげに寄せられた。
……ネコ耳、よくUFキャッチャーなどで見受けられる、頭につけて戯れるも
の。
なぜか、それがあった
樫緒は首を傾げ……だが、すぐに納得したように掌を叩く。
「そうだった…」
それは今日、取引先の会社が主催した立食会の最中……
――――――――――――――――――――――――――
「っく……あ~?なんで、こぉ~ンなところにガキが~?」
酒臭い息。
突然、視界に入ってきた正視するにも堪えない酔っ払いを見て、樫緒は僅かに
顔をしかめた。
――立食会……などと言ってしまうと、中世の王族や貴族たちが開いた華や
かで壮麗なパーティーを想像してしまいがちだが……そこは猿まね大国日本人
のする所である。
タダでうまいメシが食えタダでうまいサケが飲めるのだ。
当然、はめを外し、度しがたい愚行を犯してしまう者も出ると言うもの……
中には本来の立食会の意味である、自分と同程度または格上の、将来、自分の
商談相手になり兼ねない、もしくは商談相手にしたいと思っている人物へのア
ピールよりも…………
そう、例えば目の前に出された肴にうつつを抜かしてしまったりする者もい
る。
いわゆる、この世界の勝ち組と負け組はまずそこから分かれる。
……不幸にもこの日、その憂き目に遭ってしまったのは――
「たくっ…どこから入って、って…おぉ…よ~く見ればカワイ娘ちゃんじゃァ
ないか。」
もっとよく見ていれば、自分がいかに無謀な事を口ばしっているか理解できた
のにもかかわらず…不幸なことに、他人の足を引っ張る事だけで築き上げてき
た社長と言う椅子で、毎日の大半を部下のあら捜し、と言う劣悪な趣味で過ご
してきたこの男には本来人間に有るはずの『危険なものに対しての根源的な恐
怖』という本能さえ欠落していた。
目の前にいる人間が自分など、瞬き一つでも葬る事の出来る力と権力を持って
いることなどとは露とも思わず……きっと主催側の用意したコンパニオンガー
ルか何かだろう……とたかをくくり下卑た笑みを浮かべる……まぁ、実際には
ガールではなくボーイだったりするのだが。
「…………」
「黙ってないで、なにか面白い事でもして見せろ……ん、何だその顔はぁ?…
そうか……がはは、わかった、わかった。これが欲しいんだろう?」
そういって懐から取り出したのは数枚の紙幣。
金で世の中どんな事でも出来ると思っている腐った目。
確かにそれも一つの真理ではあったが……この場合、話は別。
「…………」
樫緒は無視を決め込む。相手をする価値も無い、そう思っているのだろう。
ここまで冷淡にあしらわれたなら普通なら引き下がるというものだが……
「ほおぉ、かねはきらいかぁ……じゃあ…………」
なにかしら納得したらしい男が懐から何かを取り出す。
それが…………………『ネコ耳』であった。
「ほれ、わしからのプレゼントだ。」
そう言って、ポン。
恐れ多くもその『ネコ耳』を、樫緒の頭に、………………装着……・・いや、
………装着させてしまった。
哀れな男の末路が決まった。
「消えなさい。」
ただ一言。
男の姿が文字通り跡形も無く消え去った。
きっと今ごろは、太平洋のどこかで酔いを覚ましている事だろう。
超能力……とでも言うのだろうか。
来訪者と血を交えた結城一族に代々伝わる力。
彼の場合その知覚範囲においての事であれば自分の思いの及ぶことのない事か
ら、美沙辺りからは『樫緒の世界』などと呼ばれているが……今、現に消えて
しまった男の事からも、あながち間違いでもないといえる。
桁外れの力。
それはいつの世も恐怖の対象でしかない……その為に受け入れてもらえなかっ
た事、本当の自分を理解してもらえなかった事、こんな能力いっそ無ければい
いのに…そう思った事は山ほどある。
「……………」
……とは言え…
「これは……姉様に差し上げれば喜んでもらえるかもしれませんね。」
頭の『ネコ耳』をとりポケットに忍ばせ、ポツリ…
それはそれ……なんだかんだいって姉思いの樫緒少年なのであった。
――――――――――――――――
と、言う訳で今に至るのだが……
「………………………」
無愛想に映る自分の顔、手にはネコ耳。姉辺りなら喜んでつけそうなものだ
が……・・
それから起こったこと…たぶん、それは魔が差したとでも言うのだろう。
それ自体はどんな人間にだって有る事。
だがこの場合問題だったのは…………………
ともかく、この後の出来事を樫緒は一生後悔することになる。
だが、それはそれ。
その手はゆっくりと頭の方へと伸び…………ネコ耳を…ゆっくりと…今
装・着・完・了。
「……………………………」
…………なんとも言えない空気が当たりに漂う。
…自分としたことが……馬鹿な。
もう、はずそう。そう思い頭に手を伸ばしかけたその時………・・がちゃ
ん!!
後ろ…バルコニー(比喩ではなく文字通り)からよりによって美沙の姿
が……!!
「やっほー、カ~シオ~! 遊びにきてやったぞ…………ぉおお?」
「ね、姉様!?あっ、こ、これは…ち、ちがっ?」
「あ、あんた…………」
「だ、だからっ、ち…」
「…………いい」
「はっ?」
「すっごくいいっ!!」
「ち、ちょっと。ねえ様?」
かくして――――――姉の暴走は始まった。
ネコ耳を装着した樫緒…その威力がどれほどのものだったのかはご想像に任
せるとして。
その日、散々、姉にいじられまくり、あまつさえ『しっぽ』までつけられ…さ
らには写真まで取られ…その後、結局カシオ少年、事あるごとにそれをネタに
ゆすられる事になるのだが……それは、また別の話しである。
手始めとしてこの日、家族旅行の件も飲まされてしまったと言う事は言うまで
もない。
そして、何日かが過ぎ週末になり…家族旅行当日
(後篇へ続く)
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