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2010.06.25
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6月19日グループE第2戦@モーゼス・マヒダ(ダーバン) 62,010人(91%)
オランダ代表 1-0 日本代表
【得点者】
後半8分 ウェズレイ・スナイデル(インテル)


 日本は明らかなカウンター狙いだったが、確実なボール保持ができないかぎり深追いはしない。後半20分を過ぎたころになると、目に見えて消耗する傾向がある。ここで頑張れるかどうかが命運を握るため、後半に向けて体力を温存しようとした前半だった。結果、オシムが指標とした「日本のサッカー」はほとんどできなかったといってよい。だがカメルーン戦でひとつになった各選手は、役割分担が明確になりつつあった。遠藤保仁(=ガンバ大阪/30歳)はボールチェイシングにも奔走し、阿部勇樹(=浦和レッズ/28歳)と長谷部誠(=ボルフスブルク/26歳)のふたりと形成する中盤が、オランダの危険なアタッカーたちを絡めとろうとしていた。お世辞にも「完璧」とは言えないまでも、彼らの中盤がよく効いていたのは間違いない。
 しかも今大会は、ヨーロッパ組に躓きが目立つ。
 グループAでは、前回準優勝国のフランスが第2戦(=16日)のメキシコに0-2で完敗、ニコラ・アネルカとレイモンド・ドメネク監督の決裂をきっかけに、南アフリカ(=22日)にも2点を先行されて予選敗退をきっしている。
 グループBでは、韓国が04年ヨーロッパ王者のギリシャ(=12日)を2-0で破り、同じくCではアメリカ(=12日)とアルジェリア(=18日)に引き分けたイングランドが薄氷のスタートを切っていた。
 ヨーロッパ組に感染した衝撃は、まだまだ続く。グループHではスペインが初戦のスイスに0-1で敗れるという大波乱があった。グループFのFIFAランキング4位・イタリアにいたっては、80位のニュージーランドから1点も奪えず、31位のスロバキアには3失点を許して南アフリカから姿を消した。

 何が起きてもおかしくはなかった。オランダに圧倒的にボールを支配されながらも、「もしかしたら」という儚い期待を観戦者が抱いたとしても不思議ではない大会と化していた。

 前半25分過ぎからじょじょにギアを上げはじめた日本は、本田の積極性が光り、大久保嘉人(=ヴィッセル神戸/28歳)の肉体も切れていた。しかし本来のジャパネスク・フットボールが陰をひそめ、オランダ守備陣を脅かすにはいたらない。スナイデルのミドルシュートが日本のネットを突き刺したのは、そんな矢先の後半8分の出来事だった。
 その10分後、采配ミスとしか思えぬのが松井大輔と中村俊輔(=横浜F・マリノス/31歳)の交代である。
 以前から指摘してきたことだが、現在の俊輔には全盛時のようなピンポイントのサイドチェンジが見られなくなった。味方の上がりを待ってからボールを離そうとする反応の遅さは、後方から彼を抜いていく選手が少なかったことにも原因があるが、だがそれにしても、ボールキープの不安さも露呈したあげく、奪われたボールを2度にまでわたってシュートへもっていかれている。
 追加点を奪われれば、得失点差でデンマークと並んでしまうのだ。「結果論」と言ってしまえばそれまでだが、「采配ミス」を指摘されても仕方のないカードの切り方だった。選手のコンディションを最もよく理解しているのは、指揮官にほかならないからだ。
 オランダの数少ない「穴」といわれたジオヴァンニ・ファンブロンクホルスト(フェイエノールト/35歳)攻略に期待がかかったのが、松井である。さほど身長の変わらぬ松井のドリブルでオランダの左サイドを突破し、圭祐や嘉人を使う、あるいはハセの飛び込みを狙おうというのが指揮官の意図だったのだろう。加えて松井のポジションで突っかけてファウルを奪えれば、プレースキッカーを務める圭祐にも絶好の位置となる。
 ただ肝心の松井が、描いた絵図の働きに充分応えることがでないでいた。さらに俊輔の投入で増やしたはずのパスの起点は、予想以上に脆く、まるでマイナス1名で闘っている錯覚にも襲われた。ここは「パサー」と「ドリブラー」という引き出しを兼ね備えた中村憲剛(=川崎フロンターレ/30歳)というカードはなかったのだろうか。いまだに悔やまれる後半の25分間だった。

 予想していた通り、日本は後半25分過ぎから疲労が見えはじめるようになる。すくなくともスコアをイーブンにもっていかなければならないという気持ちが焦りを生み、そのストレスが、守りに徹した各選手からさらにエネルギーを吸い取っていくようだった。指揮官は残り15分で岡崎慎司(=清水エスパルス/24歳)と玉田圭司(=名古屋グランパス/30歳)という交替カードを切ったものの、頼みの綱である俊輔からのラストパスは沈黙したまま、終了のホィッスルが虚しく空気を貫いた。
 それにしてもホッとさせてくれたのは、39分に見せた川島永嗣(=川崎フロンターレ/27歳)のゴールキーピングだ。足が重たくなった佑二のパスミスからカウンターを喰らったが、ロビン・ファンペルシー(=アーセナル/26歳)のドリブルを見事に抑え込んでいる。1点を争う次戦デンマークとの大一番を考えれば、彼がはたした役割は大きい。グランパス時代、どうしても超えられぬ厚い壁だった楢崎正剛は、次のブラジル大会で38歳を迎える。次大会のアジア予選で鍵を握るひとりとして、永嗣の存在はますます欠かせなくなるにちがいない。

 と、ここまでレポートしてきた時点で不安になるのは、世代交代への取り組みである。次期代表監督はもちろん、Jリーグ各クラブの協力がなくてはジェネレーション・チェンジがスムーズにすすむわけもない。4年後に30代後半に突入する俊輔や佑二、イナたちはもちろん、34歳になるヤット(=遠藤)やタマ、33歳の松井、32歳の嘉人や駒野と、次のアジア予選で彼らが起用される見込みはひどく薄い。今大会で日本協会が手にする賞金(=優勝賞金約26億円)を有効に役立ててもらうことを祈るばかりだ。





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最終更新日  2010.06.27 02:34:09
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