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カローラ・レビン

　　トヨタ　カローラ・レビン（ＴＥ７１）

僕が免許を取って初めて買ったクルマでした。
当時スカイラインＲＳに強く憧れていたものの１８才で安月給の僕には
とても買えるようなクルマではありませんでした。
そこでＲＳと同じＤＯＨＣエンジンを搭載しＦＲという駆動方式だった
ＴＥ７１レビンを購入したのです。

僕は山形の合宿教習で免許を取ったのですが、
合宿に行く前に既に購入して免許を取得当日に納車してもらいました。
今にして思えばド初心者、ましてや田んぼのあぜ道で教習した奴が
乗れるような親切なクルマではありませんでした。
ハンドルは鬼のように重く、クラッチはいきなり繋がるドッカンタイプで
ほんと、泣きそうになりました。
それでも翌日友人を乗せひたすら渋滞の生みの親となりながらも
ドライブをしてところいきなりラジエーターホースがパンクし煙モクモク・・・
幸いメカには詳しかったので事なきを得ました。

このクルマを乗りこなせるようになるまでには１年近くかかりました。
その頃には赤だった車体は黒に塗り替えまさに愛車となりました。
ちょうど運転にも自信が出てきた時期で「おれって上手いじゃん！」なんて天狗になっていたのでした。
ある日のドライブ中初めて通った峠道（勝手に峠と決めた）でその事件はおこりました。
前を走るシビックＳｉ。その前をアルト４７万円が走っていました。
のんびり走るアルトをシビックがあおっていたのですが急にアルトがスピードを上げはじめました。
必死に追い上げていくシビックでしたが差は開く一方。
僕はシビックにパッシングを浴びせ道を空けさせアルトを
追いかけましたが追いつくどころかますます離れていきました。
敗北でした。完全な敗北でした。
たしかに初めて通ったとても狭い道でした。
でも、相手はたかだか５５０ｃｃで馬力だって２０馬力そこそこの軽自動車。
こっちは１６００ｃｃのＤＯＨＣエンジンを積んでいるいるのです。
負けるはずがないのです。あってはならないのです。腕の差で負けたのです。
それまで自分がいかにクルマの性能に頼って走っていたのかというコトを痛いほど解らせてくれました。
長く伸びた天狗の鼻はポッキリと折られました。
それ以来何かに取り憑かれたように毎晩その峠道に通い続けましたが
２度とあのアルト４７万円に出会うことはありませんでした。
しかし、１０年後に違うかたちで再会となりましたがそれはまた別の機会に書きます。

レビンには約１年半ほど乗っていました。
運転することが楽しくほんと毎晩ドライブしていて月のガス代が６万円いったことも・・・。
そしてこのレビンが僕の自動車人生を変えてくれたのでした（ちとおおげさ）
２ＴＧというエンジンは古典的なドッカンツインカムで高回転まで回さないと
走ってくれません。でも、高回転まで回した時の気持ちよさは最高でした。
その後憧れだったＲＳに試乗する機会があって乗ったのですが
低速から吹けあがるエンジンはひどく味気ないないものでした。
「楽しいクルマに乗りたい！」
そう思いだしていた僕はやがて外車へ目を向け始めていきました。