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スバルR2バン



 フィアット・リトモを手放してからしばらく空白の時間が流れました。
それでも楽しいクルマに乗りたい思いは続いていましたが
リトモのような凶暴なクルマよりも可愛いクルマがいいなと思い始めていました。
「ぽかぽか日和にのんびり走りたい」がコンセプトでした。

 すぐに候補として上がったのはイタリアの FIAT500
このクルマは「ルパン三世・カリオストロの城」で
ルパンが乗っていたクルマとしてあまりにも有名ですね。
専門店なども多く維持も楽そうだったのですがいかんせん値段が高い。
お決まりのパターンとして手が出ません。
そこでお手軽な値段(当時はね)で小さく可愛いR2に決めました。

 R2はベストセラーであったスバル360の後継機種で
ハイウェイ時代(?)にふさわいい高性能車だったようです。
(詳しくはここへ

 以前に日記へも書いたように、その小さく可愛いクルマは
雑誌の売買欄で見つけ1万8千円で購入いたしました。
僕が買ったR2は空冷の後期型という不人気さに加え
バンタイプでなかなか買い手がつかなったようでした。
うすぼけたガンメタ色だったR2は1万8千円という価格からしても
かなりボロボロでした。
購入後すぐに車検取得とレストアの為にクルマ屋に持ち込み
その際にペパーミントグリーンへオールペンしてもらいました。

 実際に乗れるようになってからは細かな所をコツコツと自分で直し
ウッドハンドルやバケットシートなどクルマの代金よりも高いパーツを付け
お気に入りのクルマへとして完成しました。

 しかしこのクルマ、いかんせんパワーがなく遅い。
それも当たり前、今まで乗っていたのがツインカム車なのですから
360ccの軽自動車が遅いと感じて当然なのです。

 R2は「ポンポンポンポン」とい2ストローク独特の音と共に
真っ白い煙を機関車のごとく吐き散らして元気に走りました。
R2に乗っていると道行く人は必ず振り返り
小さな子供は「オモチャが走ってる~!」と
指を差し笑っていました。
そして何よりも見知らぬオジサン達に沢山声をかけられました。
「綺麗に乗ってるね~」「昔乗ってたんだよ~」
皆一様に少年の頃のような笑顔でそう語ってくれました。
レビンやリトモのように速いクルマは好きです。
でも、遅くたって沢山の人を笑顔にすることができるR2を
もっと好きになりました。

 しかしながらこのR2を毎日の通勤の足として使うには
苦労が絶えることはありませんでした。
まずバッテリー(オルター含む)が弱く冬の朝などは
毎日押しがけ(一人押しがけプロとなった)し
横浜という土地柄 坂道が多く1速全開でも止まりそう
さらにギヤが抜けるのでギヤレバーを押さえ続けてなくてはなりません。
ヒーターはエンジンルームの熱を直接モーターで室内へ導くので
排気漏れした生ガスが容赦なく入り込み即具合が悪くなるという代物・・・
ライトは暗い、ワイパーは遅い(リトモよりはまし)など
本当に疲れるクルマでした。

 エンジンが調子悪くなると自分でエンジンを降ろし
自力でオーバーホールもしました。
でも、組み方が悪かったのか余計に遅くなりました。。。
それでも死ぬほど長い直線で97Km/hは出ました。

 R2だけを所有していたのは約1年ぐらいで
遠出もできない通勤にも辛いという軟弱な理由から
普段の足としてソアラ(後記)を購入しました。
R2は会社の倉庫へ置かしてもらい
倉庫と会社への往復や暇な時間に乗り回していました。
その後、会社の方針で倉庫を千葉へ移す事となり
僕も千葉へ短期ながら転勤となってしまい
R2を維持することが難しくなりソアラを購入した中古車屋に
処分してもらうことになりました。
しばらく経ってその中古車屋の前を通るとR2は路上に放置状態でした。
とても哀しい気持ちになりましたがR2を維持し続けることができなかったのは
自分の不甲斐なさからなのです。

 沢山の人を笑顔にしたペパーミント色の小さなクルマは
とても切ない思いでのクルマです。
(本当はこのクルマにはもっと切ない思いでがあるのですが
それは書かずにおこうおと思います)


※写真が無い為イメージ画像です。

R2

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