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2017.06.07
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カテゴリ: 「京」ものがたり
「ちょっと言いたくなる京都通」として奥深い京都の良さや
京都の人も知らない情報などをおりまぜながら、
わかりやすく紐解いていきたいと思います。
ぜひ身近に京都を感じてください。

さて、京都の観光名所と言えば、やはり寺社が一番に挙げられますが、
美術館や文化的な資料館も、見逃せない名所です。

個人で蒐集品を展示し、小さいながら独自の文化活動を行っている所もあります。

今回ご紹介する「細見美術館」は、建物、施設、展示室、作品…などディテールにいたるまで
アートであるという考え方をお持ちで、美術館ならではの


今、最も注目の日本画家の作品なども取り上げつつ
ご紹介してまいります。

■ 建物は「京の町家」がコンセプトえ。
芸術の秋です。最近、美術館が何かと話題を呼んでいます。
今回は京都ならではの日本美術が楽しめる美術館をご紹介しましょう。
1998年に、京都の文化エリア岡崎に開館した細見美術館。
今年で19周年を迎えます。
19年前の美術館の在り方は美術品を楽しむことが最優先で、「カフェやレストランも美術鑑賞の一貫に」という考え方は、まだまだ浸透していませんでした。
しかし、その頃すでにこちらの館長は、美術鑑賞後、感想を語り合ったり買い物を楽しんだりする時間を「まるごとアートを楽しむ時間として提案する」新しい美術館の在り方を実現させていました。
館内には、ゆっくりくつろげるカフェやパティオ、ミュージアムショップ、最上階には半屋外のお茶室などが併設されています。
特筆すべきは、馴染みやすいモダンアートの展示ではなく、京都に根づいた日本美術を新しい感覚で、もっと身近に楽しもうという館長の柔軟な考え方です。

もっと気軽に日本画を鑑賞したり、パティオで休憩しながら作家について語り合ったり、絵はがきを見たり…そんな新しいアートとの親しみ方が可能なんだと、細見美術館は教えてくれます。
第40回建築協会賞を受賞した建物は、建築家、大江匡氏の設計。
地上3階、地下2階の建物は、洋館で在りながら「京の町家」がコンセプトです。
左官職人が櫛で横にひとつひとつ波のような線をつけた、櫛目引きという技法がとられた外壁が独特の印象。
無機質なコンクリートとは違い、光の陰影によって表情が異なり、微妙な味わいを醸し出しています。

建物自体が現代美術であるという美術館のテーマが明確に表現されています。
また、中庭は「交流の場」であることをコンセプトにしていることと、スペースそのものがアートであるという考えから、新進アーティストの作品展示や数々のイベントが行われています。
コンサート、ワインの試飲会、ウエディングパーティといった、固定観念にとらわれない様々な目的に使用されています。
近くに京都会館があることから、そこでコンサートを行ったミュージシャンがこちらでパーティを開くことも多いそうです。

■ いろんな所に遊び心があるんどす。
「細見美術館」の斬新なロゴは、広告業界で著名なデザイナーが手がけました。
ロゴそのものもアートであるという考え方が生きています。
また、カタカナの「ホ」に細見の家紋から笹と竹をデザインした入館シールも話題のひとつ。
曜日によって色が違う入館シールは人気があり、集めている人もいるそうです。
細かいところまで遊び心を散りばめ、その感性こそ現代アートであることを発信しています。
展示室は、「ガラスだけのケース」を意識し、お座敷で見ている感覚を実現しています。
柱などの障害物がないすっきりとした展示ケース。
床と棚に同じ桜の木材を使用しているため、いっそう作品との距離が近くに感じられます。
古代から近代までの日本美術ほぼ全ての分野、時代を網羅するコレクション。
中でも、平安・鎌倉時代の仏教・神道美術、室町水墨、茶の湯、桃山の茶陶や七宝工芸、琳派、江戸時代の絵画など約1000点を所蔵しています。
それらを中心に季節に応じた展覧会を開催していますが、誰か一人の画家だけに特化せずに、幅広くコレクションしているため、古代から近代までの時代のストーリーや日本美術の流れがよくわかる内容になっています。
これらの所蔵は大阪の実業家、故細見良氏にはじまる細見家三代の蒐集がベースになっています。
初代から館長の細見良行氏まで、それぞれが自身の審美眼を信じて集めてきたコレクションの数々を元に財団法人細見美術財団が設立され、美術館開館の運びになりました。
そこには、初代細見良氏の「価値ある美術品の数々は、お預かりしているもので、国民の皆様にいつかはお見せする機会を持ちたい」というたっての想いがあったのです。
遺言に託していた初代の願いが美術館という形によって叶えられました。

■ 日本画は、やっぱりよろしおすなあ。
幅広いコレクションには、秀逸な作品であるのにも関わらず、これまでに注目を浴びてこなかった絵師の作品も多くあります。
それらを評価すべき作品として、ピックアップしスポットライトを当てて紹介するということも細見美術館は行ってきました。
そしてその絵師たちが再評価され始めています。
とりわけ琳派の絵師、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、神坂雪佳(かみさかせっか)の二人は、現代の日本美術界では最も注目を集めている日本画家です。
伊藤若冲は、海外のアーティストに評価されたのをきっかけに大きな展覧会を開いた後、若手シンガーがCDジャケットに若冲の絵を使用したことも起因し、人気が上昇しました。
若冲の作風は、当時では大変めずらしいクローズアップの手法、ボタニカルアートを思わせる細密な筆さばきなど、斬新で大胆な構図やタッチが今もって高い評価に値すべきだと言われています。
神坂雪佳は、絵師であると共に工芸作品の図案家でもありました。
デザイナーとしての資質をうかがわせる斬新な作風が人気です。
現在は、雪佳の絵を広告等に使用したいという企業からの声が大変多いそうです。
2001年、エルメスのカタログ「ル・モンド・エルメス」の表紙と巻頭に、なんと雪佳の絵が起用されました。
日本人としては初めてのことです。
このように海外では評価が高い日本美術、琳派。
モネやゴッホをはじめ印象派の多くの画家達が、日本画の影響を強く受けていたのは有名な話です。
日本でも日本画が、もっとクローズアップされてほしい気がします。
日本で美術展というと、海外のアーティストの作品展に人気が集まっており、日本美術はどちらかというと地味な存在。
特に若い人はあまり関心を持っていないのが現実。せっかく日本に生まれて、日本美術を知らずにいるのはなんともったいないことでしょう。
「日本美術という堅苦しい概念を捨てて、自分だけのお気にいりを、ぜひみつけてほしいです」とこちらの広報担当の三宅由紀さんは語ります。
まずは美術に触れること。
気軽に観ていくうちに、初代細見氏の持ち続けた「審美眼」を養ってゆければ素敵ですね。
最上階は、正面に東山を望む絶好の見晴らし。
京都ならではのロケーションで京都屈指の絵師達のコレクションを楽しみ、語らい、くつろぐ素晴らしいひととき。
初夏前の一日、新しい視点で日本美術に触れてみませんか。


取材協力:細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺6-3
電話 (075)752-5555





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最終更新日  2017.06.07 08:30:54
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