
信州伊那谷の卵や
2025年11月22日
伊那谷の卵屋の僕ら、今回はお隣の木曽谷へ。
昔は塩尻まで出てから中山道を南下して……1時間半。遠かったなぁ〜。
でも今は権兵衛トンネルを抜ければ 40分で木曽
。
そこから北へ15分で 奈良井宿
に到着!午前の仕事を終えてからでも余裕で行けちゃう、便利な時代です。

少し前は平日ガラガラで心配になるほど静かだった奈良井宿。
でも最近は京都・奈良・東京に飽きた海外の方が、レンタカーで訪れていることも。宿場町にとっては、これはこれで必要な流れなんでしょうね。
とはいえ、 静かに歩きたいなら、お隣のちょっと南下した穴場の木曽福島宿
もおすすめ。
美味しいお店も多いし、たぐちさん・かねまるパンさんなど名店もあり。
秋は栗子餅、初夏はほうば巻などなど、季節を感じる名品もあります。

今回、なぜ僕が奈良井に来たかというと……
栗子餅? ちがう。五平餅? ちがう。そば? いや、もちろんうまいけどそれでもない。
……と、ちょっと引っぱりましたが、実は 目的が2つ
。
まずひとつめは――

北側のSL広場の駐車場から歩いて10分ほど。
線路を渡り、T字路の左側にある 会津屋さん
。ここのおせんべいが、とにかく美味い!
この2つが大好きなんです。
味は……ぼんち揚げ? 歌舞伎揚げ? 近いけど違う! 独特のしっとり食感
と手作り感が、もう唯一無二。
写真を撮る前に食べ切っちゃったのは内緒。

今回はもうひとつの目的の場所、奈良井駅の方へ。
ちょっと散策するとその途中には大宝寺というお寺が。。。
以前から気になっていたのが、、、お寺なのになぜ???

1. 隠れキリシタンの信仰
江戸時代、キリスト教は禁止されていたため、信者たちは密かに信仰を続ける必要がありました。
大宝寺の地蔵尊は「子育て地蔵」を装っていますが、胸には十字架の刻みがあり、隠れキリシタンが「マリア」として信仰していた伝説があります。
2. 発見の経緯
昭和初期に藪の中から発見。頭部や手などは欠けていましたが、子どもが持つ蓮の茎が十字架に見えるなど、マリアを思わせる特徴があります。
3. 寺としての背景
大宝寺は臨済宗のお寺。拝観料(100円)で参拝可能です。
和風と洋風が混在する不思議な空間。
どうりで外国人観光客の方々が入っていくわけだと納得しました。

向こうの突き当たりが 奈良井宿の「鍵の手」。
🔑 鍵の手って何?
江戸時代の宿場町で、 敵が一気に攻め込めないよう、あえて道をカクッと折り曲げた
防衛・防火の構造。「鍵のように曲がっている」ことからそう呼ばれます。

奈良井宿の中心付近、会津屋さんやきむらやさんの近くに 道が直角に折れているポイント
があります。
奈良井駅から鳥居峠へ向かって歩くとクランクになっていて、すぐ分かります。
① 防衛:
② 防火:
風の通り道を分断し、火事が広がるのを防ぐ。
③ 景観:
街並みに奥行きを持たせる。

「うだつ(卯建)」は、隣家との境に張り出した 防火壁兼ステータスの象徴
。
立派なうだつを建てるにはお金がかかるため、「うだつが上がる(=出世する)」の語源にもなりました。
奈良井宿では、木曽漆の町並みに溶け込む重厚な造りが見られます。

やっぱり宿場町は魅力的。欧米や東南アジアの方まで、多く訪れていました。


奈良井宿の北側、中山道の難所。かつては旅人が越えた峠道で、今はハイキングコースとしても人気。
奈良井宿から徒歩で向かえますが、山道なので靴はしっかりしたものを。
※現在は熊出没注意のため、安易なおすすめはできません。

間口が狭く奥行きが長い「うなぎの寝床」形式の家屋。
税金対策や防火・防風の工夫であり、1階を商売、2階を住居として使うのに適した構造です。
奈良井宿を歩くと、その奥行きの長さを体感できます。

夜の風情も良さそうですが、宿場町の中には旅館は少ないので、宿泊は木曽福島などが中心になりそうです。


会津屋さんから奈良井駅の方へ歩いて、鍵の手を通り過ぎ、さらに200メートルほど。
お団子の「きむらや」さんの並びにある、 笹屋酒店
さん。
ここで売っている 井筒ワインの「生ワイン」
が、時期限定で知る人ぞ知る逸品!一般の酒屋ではほとんど見ません。
ワイン好きなら絶対に飲んでほしい一本です。(ちなみに主は下戸)
帰り際、線路を渡ると電車の音が……「来た来た!」とちょっと得した気分に。
そんな小さな発見も楽しい、奈良井宿のふらり旅でした。

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