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あの海に来ている。日本からの津波漂流物が所々流れ着いているという。数ヶ月前から西海岸の市長等が集まり、その漂流物を丁寧に集め、大切な物や持ち主が確認できる物は東北の人々にお返ししよう、と日本側とも相談しているらしい。毎日砂浜を歩いて探している人もいる。ハワイの NOAA に勤めている親友も、漂流物関連の問い合わせが随分増えているので職員を回そうか思案中、と言っていた。ここにも流れ着くのか、と思いながら眺めていると違う海に見えてくる。遥か北の漁村に、25年前に日本から流れ着いた漁船が祀ってあるらしい。亡くなった漁師のご遺族の許可を頂き、丁寧に修理され、太平洋で命を亡くした人々のご冥福を祈る思いが込められているという。その姿を熱心に撮影している方から画像を借りた。アタクシもいつか、海に撒いてもらおう。
2012.04.02
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世界中ゼルダ気分になれる、グーグル地図の 8bit 版。丁寧に「お城」表示もあったりする。地図の右上の「quest」をクリックすると、全部 8bit になって笑える。ずっとこのままにしてくれないかな。コチラはまだしばらく「四月一日」なので、しっかり探検しよう。
2012.04.02
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緩和ケア看護士が、看取った患者の「後悔」を語る。特に男性の間では、「あんなに働くんじゃなかった」という後悔が多いとの事。ガーディアン紙によると、死を目前にまるで悟りを開く様な賢明さで人生を振り返る患者達との会話を、オーストラリアの看護士がブログで掲載していた。そのブログが話題を呼び、書籍化。彼女が纏めた末期患者の後悔・トップ5:1・世間が「こうあるべきだ」と言う人生ではなく、もっと自分らしく生きる勇気があれば良かった。振り返ると、叶えられなかった夢がどんなに多いかはっきりと見える。殆どの場合、夢の半分も実現できずに、それが自分の選択の結果である事を思い知りながら死ななければならない。健康であるうちはなんでも出来る。だが失ってしまうまで気付かない。2・あんなに働くんじゃなかった。看取った男性の患者が全員こう言ったらしい。子供の成長を見逃し、パートナーとの交際を蔑ろにしてまで仕事に専念するんじゃなかった。3・感情を素直に表現する勇気があればよかった。人間関係を保つために自分の感情を押し殺して暮らす。その結果、自分の可能性を生かしきる事なく平凡な毎日を過ごしてしまう。4・友達と連絡を保っておくんだった。死ぬ数週間前に古い友人の大切さに気付き、連絡しようとしてももう遅い。皆、死ぬ間際になって友人が恋しくなるらしい。そして 5 なのだが。訳するのが難しい。I wish that I had let myself be happier. いい加減に直訳してしまうと、5・自分がもっと幸せに暮らす事を許してやるんだった。「幸せ」は選択できる事だと最後まで気付かない人が多い。古いパターンに捕われたまま、変化を恐れ、人にも自分にも「これで充分」と偽るが、心の底では本当に笑う事を願っている。アタクシは何を悔やむのだろう。- - -notes: もっと幸せに過ごすのだった?自分をもっと幸せに暮らさせてやるんだった?悔悟 = repentance, remorse遺憾 = regret
2012.02.03
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空が暗くなり、さらに黄色くなり、「青い玉」が降って来たと言う。木曜の午後、英国ドーセットで起こった奇怪現象。ガーディアンによると、航空技術士(? aircraft engineer)のホーンズビーさんは庭に降った「あられ」に混じってガラスの破片らしき物が落ちているのを発見。踏むと消えてしまい、見回すと庭中にいくつも散らばっていたと言う。不思議に思った彼はそれをつまみ上げようとするも、ジェリー状でうまくつかめなかったと言う。スプーンを使って収集。「外側に殻のような物があり、中身は柔らかかった」との事。ホーンズビーさんが実験してみた所、匂いもなく、水に沈む。庭の一部だけに降った不思議な物体は「海洋性無脊椎動物の卵である可能性がある、」と大学の研究者。面白い。「青い」+「海洋性無脊椎動物」と言うといつかのカヤック旅の途中で遭遇したあの不思議な流浪者に共通しているが、どうなのだろう。
2012.01.31
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休日の朝、ベッドでごろごろしながら紅茶を飲んでいた。ふと本を取りに書斎へ行った。ほんの数秒。戻って来たらこんなありさま。クリーマーのミルクに夢中。顔がそのまま抜けなくなっちゃったら笑ってやる。
2012.01.29
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怪猫に乗せて撮影の図。小さな小さな万年筆。大きな大きな怪猫。気持ちよくお昼ねしてたのに、起きちゃった?耳が反応してる?いつもいつもいつもくーくーイビキかいて寝てるんだからちょっとぐらいいいよね?…なーんてクスクス撮影していたら叱られた。「うるっさいぞ、ごるぁ!!」きゃーごめんなさいごめんなさい。「なんだこりゃ。」その後しばらく、ぽてぽて遊ばれてしまった。気をつけてね。一応昔は高級品だったらしいから。じゃなくて、どうでもいいから齧らないでね。悪かった。アタクシが悪かったから。もう勘弁して。機会があったらまたするけど。「ねー、このてっぺんのリングに付いてるプラプラは何?」え?「ねー、何?何? 紅い石。」それはね、半端に余ってたチェーンとガーネットを付けてみたの。「やっぱりこれかじっていい?」...だめ。
2012.01.26
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飛行機の窓から、ずっとずっと眺めていた。このごろ日本語を使う機会がないので、せめて日本語の小説を読もうと iphone に何冊も詰め込んでいる。でも疲れていると「日本語の本」を読む気力が湧いてこない。仕事の書類に目を通している方がよほど楽だ。こんな事ではダメだ。分かっているんだけど。
2012.01.23
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毎日通うと、いつの間にか頭痛がする。なぜだろう。Staff & delegates' entrance の前で緊張する。(あんまり)イケナイ事はしてないはずなのに。なぜだろう。UNITAR の wi-fi 信号が HQ より強いのも、なぜだろう。
2012.01.22
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At last ~My love has come alongMy lonely days are overAnd life is like a songOh yeah, at last ~The skies above are blueMy heart was wrapped up in cloversThe night I looked at youEtta James, RIP
2012.01.21
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大好きな灯屋師匠様が作って下さった動画を、嬉しくってまたご紹介。何度見ても口元が緩んでしまう。ギャーンッッ! rock 'n' roll!灯屋兆助師匠様、有り難うございますはぐ!
2011.12.20
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わくわく。劇場最前列で幕開けを待つ顔。席で飛び跳ねそうなほどソワソワしていたので笑われた。幕に映写された青い文字の光が眩しい。あのリックマン氏が「ゼミの毒舌講師」役、という夢の様なキャスティングだ。「Die Hard」の優雅な悪役、「Robin Hood」の唯一の見所のノッティンガム司法官役、「ハリー・ポッター」のスネイプ先生役などで有名になったリックマンだが、アタクシがファンになったのはずっと昔。ガキの頃観た「Truly Madly Deeply」だった。あのちょっと鼻にかかった低い声で、けだるく、恨めしそうに台詞を言われるともうイチコロ。そのリックマン氏が、ちょっと乗り出して腕をのばせば届く所にいた。劇が終わった後、「ステージ・ドアで待ち伏せしてみる?」とムーミン。いやいやいやいやいや。鼻血出ちゃうかもしれないし。やめとく、と似合わず控えめなアタクシ。だが劇場から出るのをもたもたしていたら、歩道に出た途端、ステージ・ドアから出演役者がにこにこ出て来る所だった。え?え?と戸惑っていたらついにアラン・リックマンも目の前に現れてしまった。「お嬢さん、サインですか?」と聞かれるがままにプログラムにサインをしてもらってしまった。きゃー。アタクシ、アガってしまって「ア、アリガトウゴザイマス」と言うのがやっとだった。そんなアタクシを尻目にムーミンはなんとリックマン氏と談笑していた。「席はどこでしたか?」と聞かれて「最前列です!」と答えている。あぁ。普通の会話でも「あの声」を使用するのね。「最前列だったらツバが飛んだでしょう?」とリックマン氏。「いやー、それも嬉しかったです」と即答するムーミンにリックマン氏が爆笑。しばらく二人であーだこーだと喋っていた。アタクシ、懸命に腕をのばしてその様子を撮影。リックマン氏の車を見送った後、隣の劇場の前を通ろうとしたら、サミュエル・L・ジャクソン氏がいた。ひゃー。
2011.12.17
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静かだけど、何してるの?「ん?分からない?」…分かんない。何?ヨガ? 「違~う。しょうがないな。」ずももももも。「これでどう?分かったでしょ?」あはは!えっと。イモムシの真似? 「違~う。シャクトリムシ。」 あっそ。あのさ、この辺のオヤブンなんでしょ?いいの?そんな格好してて。もっとこう、凛々しく、とは言わないけど、え~っと…シャキッ 「…何の事ですか?お嬢さん。」
2011.08.29
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あぁ、具合が悪そうだな、と思った時、このビデオをそっとかけてみてびっくり。それまでぐったりしていた祖母 がとたんに「あら~、可愛い!可愛いわね」と円満の笑顔になった。そして、アタクシの幼児時代にそっくり、と笑う。とたんに元気になって不思議。嬉しかった。眠いのに、にっこり笑って、またコテッと寝てしまう。数回見ていたら食欲も出たらしく、ゆっくりプリンを食べたり。この子と、ビデオを撮って下さったご両親に心から感謝する。 母も「そっくり。ほんとそっくり」とどこか懐かしそうな顔をしていた。アタクシ、嬉しいけれど「そっくり」とは思えない。どことなく似ている様な気がしなくもないが、古い写真の小さなアタクシは、この子の半分も可愛くない。 あんまり言うので、父にも見せてみた。何かとぶっきらぼうで無口な父だ。父ならはっきり「似てない!」と言いそう、と密かに期待していたらまたびっくり。「う~ん。」と真顔で眺めていた。にこりともしない。そして、一言、ぼそり。「タリアの方が可愛かった。」 うそ~「昔は。」 あっそ。- - -おまけ:
2011.08.28
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これが北米救急車の、患者を乗せた後部。下は助手席に乗った時に写させてもらったスウィッチ・パネル。呑気に救急車の中の風景を撮影する余裕が出来るほど、この頃乗る機会が多い。ヨボヨボ祖母が入退院を繰り返している。食欲が落ちてしまい、小さく小さくなってしまった。怪猫の方が体重があるかも?という冗談が、冗談ではなくなって来つつある。その割に(?)頭ははっきり冴えているし、相変わらずニコニコ可愛いし、ちょっぴりガンコババアなのも相変わらず。幼いアタクシ達が渡米してしまうのなら一緒に行こう、と何もかも捨てて来てくれたヨボヨボ祖母だ。ベテランだった仕事も、沢山いた親友も、自慢だった小さな小さな家も、何もかも。今回も、きっと大丈夫なのだけど、やっぱり心配。
2011.08.20
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今晩もどうせ残業なんだから、夕食は抜け出してピクニックにしちゃわない?と近くの湖のほとりでごろごろ。芝生に寝転んで空を見上げた時、日本の「明日」はもう七夕なんだ、と気づいてぎょっとした。そして、二人並んでベトナム料理やらスナック菓子やらをもぐもぐしていたら、これまたびっくり。大きなリスが突進! え?え?とあっけにとられていたら、一枚落としてしまっていた ポテトチップ を拾ってぽりぽりぽりぽりぽりぽり。 りすって、ポテトチップなんか食べるの?
2011.07.06
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Here's the Time newsfeed listing ways we can help. Click the link to see the full article & updates. The article also has links for retweeting to your networks, and sharing on facebook.Current list:The Red Cross: The Japanese Red Cross has already deployed 11 national disaster response teams to respond to the crisis but you can support their efforts by donating money. Similar to their efforts to help Haiti after the earthquake in 2010, Red Cross is accepting donations either online or via text message. Simply text REDCROSS to 90999 [in the US] to donate $10 from your phone (you'll be prompted to confirm with a second text reading YES).Shelterbox: The UK-based organization has 18 international affiliates and it has launched an online fundraiser for the earthquake and tsunami relief efforts. Shelterbox provides assistance to afflicted countries by delivering large utility boxes that contain a shelter and other emergency relief tools. To donate online, simply go to your country's site and click DONATE.International Medical Corps: To donate to this global non-profit's Emergency Response Efforts fund, simply go to their site and select the amount you wish to donate (be sure to note if you want your donation to be a "recurring gift" for future relief efforts) and fill in your information.GlobalGiving.org: Working with other organizations such as the International Medical Corps, D.C.-based organization GlobalGiving has launched the Japan Earthquake and Tsunami Relief Fund, which will give aid to on the ground organizations providing emergency services. They are accepting donations online with a funding goal of $90, 000.Convoy of Hope: This non-profit focuses on disaster relief efforts and you can donate either online at their site or via text message by texting TSUNAMI to 50555 [in the US] (you'll also be prompted to confirm with a follow up text of YES).Salvation Army: The Japan branch of the Salvation Army has been working in Tokyo to offer shelter to stranded commuters and they are reportedly organizing a team to send to Sendai Friday night. They also have their Hawaii branch standing by, ready to help. You can help their relief efforts by texting JAPAN or QUAKE to 80888 to make a $10 donation [in the US]. - - -If you are trying to find loved ones, Google has made a people finder tool. http://www.google.com/crisisresponse/japanquake2011.html
2011.03.12
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以下は地震対策まとめコピーですくろひげ屋様の記事から転載させていただきました ----------------------------------------------------------地震・津波被害に関する最新情報はこちら【全国非難場所一覧】http://animal-navi.com/navi/map/map.html東北地方太平洋沖地震 関連リンク集TVネット配信(アカウント不要):NHK総合(ニコニコ生放送) http://live.nicovideo.jp/watch/lv43018790フジテレビ(ニコニコ生放送)http://live.nicovideo.jp/watch/lv43019860NHK総合(Ustream)http://www.ustream.tv/channel/nhk-gtvTBS(Ustream)http://www.ustream.tv/channel/tbstv災害伝言板:DoCoMo http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi?es=0au http://dengon.ezweb.ne.jp/service.doSoftBank http://mb.softbank.jp/mb/information/dengon/index.htmlWILLCOM http://www.willcom-inc.com/ja/info/dengon/e-mobile http://dengon.emnet.ne.jp/NTT-Web171 https://www.web171.jp/Google Person Finder 2011 http://japan.person-finder.appspot.com/?lang=ja避難所:全国避難所マップ http://animal-navi.com/navi/map/map.html23区避難場所 http://cgi.mobile.metro.tokyo.jp/aps/tosei/bousai/hinan.html宮城県避難場所 http://www.pref.miyagi.jp/kikitaisaku/wagayade/hinan_bash ...福島県避難場所 http://www.bousai.ne.jp/vis/jichitai/fukushima/refuge_fra ...岩手県避難場所 http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?of=1&ik=0&cd=28306東京都内避難所一覧(Googleマップ) http://bit.ly/g5l5PO各種情報:津波警報・注意報(気象庁) http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/全国鉄道運行情報(NAVITIME) http://www.navitime.co.jp/train/道路交通情報(国土交通省) http://www.mlit.go.jp/road/roadinfo/メディア:産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/朝日新聞 http://www.asahi.com/毎日新聞 http://mainichi.jp/日経新聞 http://www.nikkei.com/Tips:ケガ・キズの手当て応急処置 http://www.jon.gr.jp/qq/first_aid/index.html緊急時用の水の確保方法 http://r.nanapi.jp/392/災害伝言ダイヤル「171」の使い方 http://r.nanapi.jp/5941/Twitterで信用できるアカウント:NHK広報局(@NHK_PR) http://twitter.com/nhk_PRNHKニュース(@nhk_news) http://twitter.com/nhk_news総務省消防庁(@FDMA_JAPAN) http://twitter.com/FDMA_JAPAN【地震に遭遇したときの対応マニュアル】http://matome.naver.jp/odai/2129850837113580401【NHK各放送局災害情報】各地域の災害情報確認のときに。http://www3.nhk.or.jp/saigai/jishin/index.html【持ち物】□現金□身分証明書□印鑑・預金通帳・保険証□飲料水(1人1日3リットルが目安)□非常食(缶詰・お菓子等)□携帯電話と非常用充電器□ティッシュ□タオル(5枚くらい)□懐中電灯□カイロ□サランラップ□毛布□家族の写真(はぐれた時の確認用)□ホイッスル(生存率が格段に上がる)□メガネ□いつもの薬【緊急行動パターン】・窓・ドアあける・荷物は玄関へ・底の厚い靴をはく・ガスの元栓を締める・米を炊く(ガス釜の場合は不可)・出来るうちに携帯充電・停電時ブレーカー落とす ・24時間は地震が続くだろう・とりあえず落ち着く・災害用伝言ダイヤル171の利用(避難場所も伝える)・電話は最低限・Skypeなら使える・警察を偽った詐欺電話に注意窓ガラスが割れて怪我をするおそれがあります。窓を開けるのは地震が起きる前か、揺れが収まってから窓ガラスが割れていないことを確認してから開けましょう。まずは開けるなら『ドア』です。避難場所を確保してください。【避難時の注意】・倒れかけのタンスや冷蔵庫に近づかない・ガラスや塀に注意・壁の亀裂や柱の傾きは倒壊のおそれあり、即避難・狭い道、崖沿い、川沿い、海を避ける・海沿いの人は高台に避難・ヘルメット着用。せめて帽子を着用・火が付きやすい化繊の服を避ける・マスクや濡タオルを装備する・火災時は風上へ・車は走るのをやめて路肩に寄せて停まれ【地震が起こる前なら】□ヘルメットはあるか□非常食の蓄えはあるか□水の蓄えはあるか□応急処置セットはあるか□寝袋はあるか□非難所・非難所までのルート【NTT公式情報】公衆電話は災害時には優先的につながります。災害時には被災地の公衆電話は無料で使ます。ただし国際電話は使えません。●無料公衆電話のかけ方。・緑色のアナログ公衆電話緊急ボタンを押すか、10円玉を入れれば通話できます。通話が終わると10円玉は戻ります。・デジタル公衆電話テレホンカードや10円玉を使わず、受話器を取るだけで通話できるようになります。【災害用伝言ダイヤル】◆被災者の方1.伝言ダイヤル「171」を押す。2.「1」を押す3.自宅の電話番号を押す。4.伝言を録音する。◆安否を確認したい方1.伝言ダイヤル「171」を押す。2.「2」を押す3.安否を確認したい方の電話番号を押す。4.録音された伝言を再生する。【Google Person Finder】Google安否確認サイトhttp://japan.person-finder.appspot.com/?lang=jahttp://goo.gl/rlR07【災害用伝言掲示板】au http://dengon.ezweb.ne.jp/service.dodocomo http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi?es=0softbank http://mb.softbank.jp/mb/information/dengon/index.htmlウィルコム http://www.willcom-inc.com/ja/info/dengon/【TwitterSOSタグ】GPS機能もつけてつぶやくこと。#j_j_helpmeその他ハッシュタグ⇒ #prayforjapan (応援) #earthquake (地震) #eqjp (地震) #jishin (地震) #j_j_helpme (救助要請) #hinan (避難) #anpi(安否確認) #daijyoubu (安否確認)【救急処置】意識がなく倒れている人がいたら 仰向けにし顎を上げて気道確保 呼吸・脈拍があるか確認 確認されなければゆっくり二回肺が膨らむのを確認しながら人工呼吸※この時あごをあげ気道確保→人工呼吸後心臓マッサージ※AEDがあればAEDをすぐに使用すること【骨折かどうか】 腫れている 変形している 自分で動かせない、または微動でも激しい痛みがある 変色している【骨折処置】 用意:タオル、副木(硬い棒・板状のもの)、縛るもの 目的:固定し、骨折箇所の負担を減らす 方法:骨折場所を中心に、タオルでくるんだ副木を縛りつける【物に挟まれたときの処置】体の一部を長時間強く挟まれた状態の被災者の方は、無闇に救助したりせずに救急車を呼んで下さい。クラッシュシンドロームに陥り、最悪の場合死に至る恐れがあります。逆に、挟まれてすぐなら躊躇なく助けてください。【簡易トイレの作り方】便器の中にビニール袋を二重に入れ、口の部分の一部を管などに括る。ビニール袋の中に新聞紙を入れ、消毒液を入れるか、スプレーする。必要に応じてビニール袋を替える。----------------------------------------------------------一人でも多くの方が助かりますように
2011.03.12
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サーフィンをしている間、遊んで待ってる。首に結んでもらったピンクのバンダナをはたはた翻して、波打ち際を楽しげに走り回ってる。ずっとずっと向こうからお散歩してきた人に棒をちょっと投げて遊んでもらって、きゃー、びちょびちょ!と笑われても笑顔で駆け回って、でもその最中片目でちゃんとサーファーを追ってる。もう帰るの?もっと遊ぼうよ。
2011.02.23
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雪がしんしんしんしん降る朝、どんどんどんっと洋館のドアを叩く人がいた。年末の、一人でお留守番の早朝だった。出てみるとずぶ濡れの女性が雪かきスコップを持って立っていた。帽子も被らず、手袋さえしていない。手が真っ赤だ。寒そうなので、思わず、入ってコーヒーでもいかがですか?と訊いてしまった。「一人の時はドアチェーンを外さないように!」と言われているのに。「いえいえ、でも、歩道の雪かきをさせて頂いていいですか?子供のプレゼントを買うのにお金が足りなくて、ちょっとでも稼いでやりたいんです。五ドルでいかがですか?」うっ...ちょうどまた雪かき競争をしなきゃ、と長靴を横目で見ていたところだった。長靴と言えばこの人、運動靴だ。ズボンの裾もびちょびちょ。大丈夫なんだろうか。じゃあ、二十ドルで、ウチと、お隣もして頂けますか?と持ちかけると、嬉しそうに雪かきを始めてくれた。なんだか楽しそうでさえある。子供のためになんて重労働をしているんだろう。大変だろうな。このシーズンのために買い込んでおいたチョコレートの大箱があったな。それに、あの手作り石けんも喜んでもらえるかな。彼女が雪をざくざく掻く音を聞きながら色々小さなプレゼントをかき集めた。手袋もどっかに予備があったっけ。雪と共に、罪悪感が積もっていく様な気がする。出て行って手伝った方がいいよね。そうだ、コーヒーを持って行こう。そしてさりげなくそのまま手伝っちゃおう。と、コーヒーを淹れていたらまたどんどんどんっとドアを叩く音。速い!まさか、終わっちゃった?「終わりました~♪」わぉ。アタクシだったら一時間はかかるのに、えっと、お隣もやって頂けちゃったんですか、もう?「全部出来ました~♪」雪がまだごんごん降っていた。彼女の頭の上に積もっている。凄い~。えっと、とっても助かりました。これとこれとこれとこれと、お持ちになって下さいね。で、五十ドル札しかないので、そのままお持ちになって下さい。これはお子様に。これは、もし宜しかったらご使用くださいね。彼女が去った後、なんだか不思議な気がした。あんなに速く出来ちゃうんだろうか?ま、いいか。いや、やっぱり不思議だ。そろそろ、雪で遊びに飛び出した怪猫を中に入れる時間だし、と出てみるとやっぱり。玄関から見える所しか掻いていない!ぷっと噴き出してそのまま一人でくすくすくすくす笑ってしまった。怪猫が、そんなアタクシを横目でちらり。そうだよね。もしかして一々ちゃんとやってたら体が持たないのかもね。ま、いいか。その後、お隣の雪かきをしながら、やっぱり寒かった。けれど、くすくす笑いながら雪かきをするのは初めてだった。
2011.02.20
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誰もいない砂浜。吹雪の中、えっちらおっちら超えてきた峠が、その直後積雪で閉鎖されてしまったらしい。一昨日到着した時、暗い海に雪がぼんぼん降っていた。うわぁ、と景色に見とれていたら、ホテルのお兄さんが大きな大きな暖炉に薪を足してくれていた。I know it's not cold in here, but the snow makes me want to build a really epic fire!ひっそりとした広いラウンジに、暖炉がぱちぱち、ぱちぱちぱち、ぱちぱち。なんだかわくわく嬉しい。この二日で本を五冊も読んでしまっている。日本語の本も読まなくちゃ。和英辞典持ってこなかったけど。海を眺めながら、手紙も書こう。あの人と、あの人と、あの人にも。ちょっと長い手紙を書いてみよう。昨日は雲がびゅんびゅん飛んでいた。今日はウソみたいな青空。木曜日に街を抜け出してきて良かった。
2011.02.20
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この人は、発泡スチロール派。アタクシだったらきっとお鍋かぶり派。from: guardian.co.uk
2011.02.06
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目を白黒させている。市会議員選挙に出ろ、とお偉方数人に迫られて。まわりが弁護士ばかりなので自然と「元弁護士」の政治家の友人が何人もいる。いつも集まって一緒にげらげら笑っているのが州議会議員とか国会議員とか市会議員とか市長などなどばかりだと「今度はあんた出なさいよ~、あはは」なんて冗談はしょっちゅう飛び交う。だが、今回はどうやら迫力が違う。ナントカ会の会長のオバサマが怖い。このごろ、口元は笑っているのに目元が笑っていない。青筋を立てて「だから何故?え?なんでよ、え?」なんて訊かれても困る。一緒に出ようよ、と言ってくれる市会議員やら市長やらのオジサマ達にも申し訳ないのだけれど。日本語では上手く言えない。豊かな街作りや、貧富の差の是正など、現実的に取り組んでいる人の応援をしているとよく判る。血と涙の滲む大変な仕事だ。アタクシなんかでは、勤まらない。明白だ。ぎゃー。
2011.02.06
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チョコ・キャンディ・アップル♪キャット・シッターちゃんのお土産なんだけど、アタクシも欲しいなぁ...と思っていたら、もう一人(?)欲しそうな人(?)が出現。
2011.01.04
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今年は猫年!...な文化もあるらしい。ホントに。洋館はいつも猫年にゃん。下半身、ウサギっぽいし?猫正月って、やっぱり寝正月らしい。今年もどうぞ宜しくお願い致します
2011.01.02
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どうぞよいお年をお迎え下さい。まだ 2010 の北米より、愛を込めて。
2010.12.31
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大好きだった義父が亡くなってしまった。雪が静かに降っていた。
2010.12.10
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自転車なのに、「敏捷」だ。まるで猫が飛び跳ねる様。cyclists dismount って表札に、にやり。
2010.11.19
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びっくりした。今朝日本語の文章使用例を探索しようと google 日本 を開いたら「スティーヴンソンの誕生160周年」のロゴが!google 北米 でも google 英国 でも表示されないのに、なぜ google 日本でスティーヴンソン??ちなみにこの春、ヨーロッパでしか表示されなかったサンテグジュペリのロゴが大好き。ついでだけれどきっと北米でしか表示されなかったドクター・スースのロゴも好き。
2010.11.12
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上の窓二つがアタクシの部屋。色々なホテルに泊まるけれど、この秋滞在したリゾートで衝撃を受けた。お化けの出る高級ホテルの話題ばかりで申し訳ないのだが。大草原の古城ホテルの話がまだ途中で恐縮なのだが。ひー。ごめんなさい。昔... と言っても、1970代まで起こっていたので比較的「最近」の悲劇なのだが、この国でも先住民を多文化に同化しようと、色々酷い事をしている。その中でも「寄宿学校制度」は残酷だった。先住民の家族から、子供を拉致同然の状況で寄宿学校に放り込み、家で馴染んでいた言葉の使用を禁止して、英語とキリスト教の授業を強制した。親から引き離された上、ひもじい思いをしたり慣れない生活に苦しんだり、あげくの果て虐待されて亡くなったり。未だにこの忌まわしい「寄宿学校制度」・「先住民共生制度」の過去は大問題だ。その曰く付きの寄宿学校(兼ミッション)の一つが最近高級ホテルに作り直された。付近の先住民団体が集まって色々議論したらしい。こんな呪われた建物、全部焼き払ってしまえばいい。そう発言した人も少なくなかったらしい。でも結局、ある老婆の提案に皆賛成した、と従業員の Gさんに伺った。この悲しみで渦巻く建物達を、力を合わせ、幸せな所に作り替え、我々の若者が楽しく勤められる所にしてみせましょう。私達の生活を破壊しようとしたこのミッションを、今度は私達の生活を支える場所にしましょう。そして数年前、豪華なリゾートが誕生した。「ときどきお化けが出るけどね」とGさんは笑っていた。 亡霊の出るホテルはもうたくさんなんだけどな。「ロビーから、正装した生徒達が整列して向こうの白い教会までゆっくり歩いて行くのを見たお客が随分いるしね。」 ひっ。ロビーには、あの老婆の肖像画が飾ってあった。チーフで提案主の彼女が、エプロン姿で、頭にスカーフを巻き、目を伏せて猫を撫でている絵だ。窓からはのどかで平和な谷が見渡せる。スパ、ゴルフコース、カジノ、ウエディング・チャペル、博物館、プール、サウナ、テニス・コート、レストラン、バー、カフェ。小さいけれど何から何まで揃っているリゾートだ。当時の牛小屋は洒落たお土産店に変身しているし、大工仕事のワークショップはそのまま使われている。至る所に「寄宿学校」時代の写真が飾ってある。みんな笑顔だ。胸が痛む。博物館の他に、ティーピーもあった。向こうに教会が見える。古いけれど、とても美しい教会だった。近くで見ると、所々痛んでいて、修理中・危険なので立ち入り禁止。生徒達の姿は、アタクシには見えなかった。
2010.11.12
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買っちゃったんだ。二週間ほど前。mac air の 11"。ちっちゃな割には優れもの。軽い!出張に嬉しい。いや、毎日嬉しい。13" にするか、11" にしようか、二日も迷った。結局、可愛さに負けて 11" にした。まるで雑誌を持ち歩いている様な感覚だ。本当に封筒に入れてみていた所を見つかってしまい、ゲラゲラ笑われた。やってみたかっただけだもん。フラッシュ・ストレージ 128GB。ついでにアップグレードを二つ:メモリを 4GB にして、 CPU も 1.6GHz にしてもらった。ムーミンの macbook pro がゴジラに見える。怪猫もやけに大きく見える。確かに大きいんだけど。
2010.11.07
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お気に入りの席で、ちょっと豪華なランチを頼んで、お洒落なお客が行き来するのを横目でちらり。さて。iphone で読みかけの小説を読むか。それとも秘書のPが送ってくれておいた書類に目を通すか。また新しく買ってしまった万年筆でメモを取るか。それとも...と、迷いながら窓の外を眺めて、結局しばらくぼーーーっとしていた。ふと隣席の会話が耳に入ってきた。「my thirties have been so much fun. i didn't expect it, but it's been the best by far.」確かにアタクシも三十路を楽しく暮らしている。忙しい割には好き放題している気がする。古代ローマでは平均寿命が 28 歳だったらしい。先月発表された国連のデータによるとアフガニスタン人の平均寿命は世界最短で 44.6 歳。やはり平均寿命世界一の日本は 83.2 歳。ほとんど倍。調査データのない国々もあったので「世界最短」は実はもっともっと短いのかも。どう生きるべきか。実はこの夏、アリストテレスの倫理学の読み過ぎ。死ぬまで頭でっかちなのかな。
2010.11.06
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...と飛行機が飛んでいきます」先月、八人乗りの小さなプロペラ機に小さな小さな仔猫ちゃんが乗っていた。キャリーケースに入れられて、離陸前から鳴いていた。怖かったんだろうな。怪猫はあいかわらずヌクヌク。
2010.11.05
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やっぱり好きだ。ヘリコプターより、ジェット機より、小さなプロペラ機が好き。水上飛行機が一番好き。ただ、受託手荷物が十キロまでなので、三日以上の出張は苦しい。荷物の詰め方が下手なのだろうか。
2010.11.04
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昼間、明るいとまったく怖くないあのエレベーター・ホールだ。だが消灯後、まっくらな空間で、遺体の話をひそひそされてはたまらない。イヤな事にまたぴったり言い当てていたらしい。ホテル従業員の E と K の説明によると、ケリーの言う「最近」とは 2001 だった。その九月、急用でホテルに泊まった若いビジネスマン。あまりにも急な出張のため、家族旅行中だったのだがそれを二日抜け出し、単独でこの田舎町まで飛んできたという。だが、到着した次の日、あのテロ事件が起きた。ビジネスマンの家族はちょうどニュー・ヨークの観光中だった。数時間後、彼の家族は皆亡くなってしまったという訃報が取り次がれた、という。ここまで説明して「後はその五階を」と K が促す。発見された五階。 まさか。よりによってあの事件に巻き込まれたなんて。こんなプレーリーのど真ん中のど田舎で。だから「ここにいるべきじゃなかった」と繰り返しているのだろうか。でも発見が遅れたって何?手入れが行き届いたこのホテルで?「こちらの階段でよろしいですか?」と聞く K の様子がちょっとおかしい気がした。今度はまた違う階段を使うらしい。イヤな予感がする。- - -続くあるいは、目次
2010.07.27
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ボール・ルームを後にして、ケリーは頭を振った。「あたし、どうしちゃったんだろ。」え?「なんかさ、自分の感情じゃないのに、動かされちゃってるみたいでさ、変なんだ。」そ、それって怖いよ。それこそもう止める?止めようよ。やだよ。「大丈夫だよ。変に情緒不安定なのはボール・ルームのせいだけじゃないし。」えぇ?ホテル従業員のK達も心配そうに立ち止まって聞いている。「ほら、あの自殺の人。若い人。結構最近。凄く混乱してるの。訳が判んないの。ショックと悲しみで混乱して、ここにいるべきじゃなかったとか来るべきじゃなかったとか。そればっかりぐるぐるぐるぐる。」「そんで遺体が見つかるまで時間が経ってない?毎日ハウスキーピングが入るのに?二日とか三日とか?なんかいるべきじゃないところだか、違う部屋?だか判らないけど、なんかしらの理由で発見まで時間が経ってる、違う?」 発見されなかったって、何それ?い、イヤだ。Kが顔を顰めている。「あ~~~やだ。なんで判るんだろ」とケリーがため息。「見つけたのは貴女達じゃないけど、貴女知ってる人だね。ハウスキーピングでもなくて。匂い?やだ、匂いがして苦情だね?マネージャーが発見して、その人辞めてるね?」 「いるべきじゃない所、って何?」- - -続くあるいは、目次
2010.07.27
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満開のシーズンに行くと駐車場までバラの香り。十月に行っても嬉しくなるほど咲いているのだけれど、七月に行くと、もう大変。ちょうど涼しく曇った日だった。一々バラの名と、何年に何賞受賞、と札に書いてある。例えば、1944 にトップに輝いた「Peace」などは、アタクシでさえ聞いた事がある。 Peaceコロンとしたイングリッシュ・ローズがかわいい。ピーチお姉様に喜んでいただけそう。 Alnwick Jude the obscureナントカ賞受賞のバラがどどどどどどっと咲き乱れる中、まだ名もなく、記号表示だけの「test garden」を覗くのが好き。 例えば、「09R302」。うまく写せなかった、小振りで深紅のバラ。 不思議な「09R401」は、つぼみの色が濃く、散り際には淡い桜色。いつかこのテスト・ガーデンを卒業してお店に並ぶのだろうか。それにしても広い。一々眺めて写真を撮ったり香りにうっとりしていると、あっという間にレストランの予約ぎりぎりの時間になってしまう。 What a peach Comtesse de provence Day breaker Pink promise Betty Prior Heart of gold Debut Grand dame Little artist sSweetness青っぽいラベンダー色の不思議な色。 Dream come trueびっくりした。バレーボールほど大きな大輪の花だった。 Catalina Welcome home Pumpkin patch Cinco de mayoどれが一番奇麗だった?と聞かれても困るけれど、この 2009年の「Cinco de mayo」は優雅な色だ。やはりうまく写せなかった。もっと渋く、煙たい色だった。日本の伝統色なら濃紅(こいくれない)あたりから浅蘇芳(あさすおう)のグラデーション、とでも言うのだろうか。 Sheer magic Elina Gemini Carefree spirit Just Joey Ralph Moore Pride 'n' joy Marietta名札がなかったミニバラ同じく名札行方不明 Escapade Sweet surrender結局四分の一も廻れなかった。前回は芝生に毛布を敷いて、ピクニックをしたり読書したりお昼寝をしたりのんびり過ごしたのにね。
2010.07.25
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彼女は泣いていた。暗闇の中、やっと見えるケリーの輪郭。ぐすん、と手の甲で涙を拭く。しばらくして、あぁ。とため息をついた。幸せと愛情で満ちあふれてて泣けちゃったよ、と言う。え?「昔ここで舞踏会ってしょっちゅうあった?そういうのって年に二回とか三回とか思ってたけど、毎月?いや、毎週?あったみたいだね。ここで出会って、恋に落ちて、結婚した後も仲良くここで踊って、二人ともこのボール・ルームが一番大切な思い出の人がね、まだ踊ってるのかな、音楽が聞こえるよ。」こちらまで切なくなる涙声だ。「あたしなんで泣いてるんだろ。止まんないや。」へ?「こんな風に愛し合って、幸せに暮らして、おじいさんおばあさんになっても一緒に踊って、ほとんど一緒に死んでいった人って、いいな。羨ましいよ。あたしこれ程愛される事は一生ないんだろうなって思うと余計泣けてくるよ。」暗闇の中、見えない人々がクルクル踊りながらすぐそばを通っているのだろうか。ぞくり。鳥肌が立った。「ご存知の方少ないですけど、確かに昔は毎週舞踏会があったんです、まだ馬車の時代ですけど」とKが震える声で言う。「踊る婦人や紳士方が見える、ってお客様、私もお相手した事あります。もっと多いのが、音楽が聞こえるって...」お、音楽って、今聞こえてんの?ケリーの輪郭が首を傾げる。「ピアノが聞こえない?なんか聞いた事ある曲だけど、なんて言うんだろ。」...聞こえない。だが思いあたる。それって、こういうの?と「美しく青きドナウ」をちょっと歌ってみると、そうそうそう、それ、とケリーが頷く。まぁ、ありがちだけど。もしかして二人とも「古いワルツ」=「美しく青きドナウ」しか思いつかないのかもしれないけれど。アタクシ、聞いてしまったらしい。あの晩。エレベーターが、深夜真っ暗なこの階で止まってしまったあの晩、かすかにピアノが聞こえた。あの時、エレベーターの中、苦笑した記憶があるのだ。「あー、『美しく青きドナウ』ね、あれ弾いてれば気楽に十分は稼げるもんね」と同じように時間を稼いだ事があるので、頷ける選曲だ、と思ったのはとんだ間違いだったのだろうか。下の階のレストランからだと思ったけれど考えてみるとおかしい。レストランがピアニストを雇っていたとして、あの時間にはもうとうに帰ってしまっているはずだ。鳥肌が治まらない。それにしてもあれほど恐れていたボール・ルームで、そのまま少女漫画にできそうな美談に恵まれようとは。次の日、もう一度覗いてみた。ガラス越しに見た昼間のボール・ルームはどこか寂しげだった。- - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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アタクシ、なんでこんな所でこんな事しているんだろう。さっきのは、何だったんだろう。あの閉まったドアから逃げるように、足早に廊下を進むケリーに追いつく事に気を取られていたら、あれほど怖かったエレベーター・ホールを難なく通過していた。いつの間にかやはり真っ暗なボール・ルームの前にいた。ガラスの、ちょっと豪華な両開きの扉が八つほど並んで閉まっている。中を覗くと、カーテンの隙間から黄昏時の光がまだ見える。随分高緯度地帯なんだな、と改めて思い知る。今何時だろう。九時に集合したんだっけ?暗く広いボール・ルームだ。目を凝らすと、真ん中に椅子やらが積まれているのがやっと見える。「開けますね」とKが解錠してドアを開いた。大きな窓から外を覗いてみたくなり、歩み寄った。表の大通りが見える。「タリアさん、そんな事して、ボール・ルームの窓から女性の幽霊が覗いた、なんて噂が立ったらどうするんです?」とR君が無理に冗談をとばす。あはは!そうだね。いいんじゃない?思ったより怖くない。「怖そう」と緊張していた分、ちょっと物足りない様な気までする。E も K も薄暗い中談笑している。「消灯後ここに来るの初めて。」「あたしも。あたしこのボール・ルーム好きなんだよね。」肝心のケリーは...?さっきまで恐ろしい事をぶつぶつ立て続けに呟いていたのに、急に静かになってしまった。ケリー、どうなの?ここは?返事がない。輪郭だけぼんやり見える彼女に近づくとぎょっとした。肩が震えている。ど、どうしたの?大丈夫?ケリー?ケリー!- - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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「電話がかかってくるでしょ」と暗闇の中からケリーの声が聞こえる。 ひっとKが反応した時点で目を瞑りたくなる。ずんずん廊下を進むケリーを追いながら聞いてみた。電話って、電話ボックスから? 「え?違うよ。あの物置部屋からだよ。」 げ。 「フロントにかかってくるでしょ。何だろね。あれはマズいね。」そうなの?かかってくるの?と恐る恐る聞いてみると、E も K も恐怖で目を見開いていた。「電話、取り払ってあるんです。」「かかってくるはずないんです。それでもかかってくるので...」「電話線も切って引き抜いたって聞いてますけど、それでも...」 こ、怖すぎ。ケリーがさらにイヤな事を言う。「あれはマズいよ。なんか渦巻いてるよ。怖いね。あれは怖いよ。なんだか判んないけど、やだね。」 こ、こわいよ... 「でも、あの部屋だけじゃないでしょ。 かかってくるはずのない電話。」 もう、イヤ... 「で、ついでだけどあの電話ボックスも『何か』あるねぇ。」 - - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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つくづく思う。盛り沢山過ぎやしないか?アタクシ達、興奮しすぎてオカシクなっていたのか?メモを読み返すのに一苦労している。自分の字とは思えないほど字が乱れている。時々手先が見えないほど真っ暗な中、手探りで書きなぐっていたにしても酷い。とにかく。電話ボックスの写真を撮ったついでに、と皆の先に回ってもう一枚撮ってみた。暗闇に背を向けていると怖い。圧迫感なのか、視線なのか、「何か」を感じる気がする。ええぃ、考え過ぎだ。もう一枚。と思ったらまた iphone がフリーズした。え?するとケリーが「ちょっと待った」と声をあげた。 イヤです、あなたの「ちょっと待った」なんてキライです。Kが「オーノー」と後ずさっている。「オーノー」って何? ケリーが閉まったドアの前で顔をしかめている。「開けましょうか?」とKが鍵をじゃらじゃら取り出した。それをケリーが止めた。 イヤーな感じだから、開けないで。とケリーが言う。 「イヤーな感じ」?何?何?アタクシには、判らない。E が両手で顔を覆っている。「この部屋、マズいでしょ。本来オフィスなのに物置になっちゃってるでしょ。」とケリーが聞くと同時に、R君が頷いていた。「そうです。便利な位置で、大きな窓もついてて、オフィスにしたらいいのに、と僕いつも思ってたんですけど、物置です。」数秒の気まずい沈黙が流れた。何がどうマズいのだろう。聞いてみよう。 「ねぇ、」と聞きかけたそのときだ。閉まったドアの向こうから ごと...と鈍い音が聞こえた様な気がした。いや、気のせいだ。気のせいだよね?ケリーが顔をしかめたまま、「行くよ」とすたすた歩いていってしまう。残されそうなアタクシ達は顔を見合わせたまま。「ねぇ、今、何か聞こえなかった...?」 気のせい...?- - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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あの雑音の件があったばかりで、E も K もまだ R君を小突いていた。必要以上に大きな笑い声をあげながら。すると背後で ちん...と金属音が鳴った。 ひっ...! 見ると、電話ボックス。う、う、 う、嘘でしょ。あの「花嫁」が電話をかけた直後にこの階段から落ちて死亡した、と言われている電話ボックス。冷水をざっぱーーーん!とかけられた様に血の気が引いた。後から気付いたのだが、この電話ボックスの件はメモに書いていない。きっとビビりすぎてそれどころではなかったのだろう。E と K がさっきまで殴っていたR君にしがみつき、三人とも目を見開いて電話ボックスを凝視している表情が今でもありありと浮かぶ。まさか、と思ったけれど、ケリーは二つ並んだ電話ボックスを一瞥すると背中を向けた。「じゃ、行く?」と先を示す。アタクシ達、逃げるように暗闇の中へと向かった。振り返ると、首の折れた花嫁が立っているんじゃないか。おもしろ半分に古城ツアーなんてしているアタクシ達を恨めしく見ているんじゃないか。勇気を出し、恐る恐る振り返ってみた。ちょっと、ケリー、と言いかけたアタクシに、「後で」と釘を刺されてしまった。後で...?- - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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コンファレンス・レベルの踊り場で騒いでいたのは、先に進むのが恐ろしかったからだ。きっと。踊り場は、左奥の廊下が明るいのでほんのりと光が差している。「黒い陰」と「栗色の巻き毛の少女」が出る左奥の廊下だ。下のメザニン・レベルとほぼ同じ踊り場だ。薄暗い踊り場の右に見える赤いランプの非常階段の下には「殺された工事員」。この右先にはあの真っ暗なエレベーター・ホールがある。アタクシが気味悪い経験をしたエレベーター・ホール。怖い。暗闇からにじみ出る悪意を感じる様な気さえする。考え過ぎだ。ただ怖いだけだ。あの奥にはボール・ルームがある。きっとさらに真っ暗だろう。Kが「出る」と言っているボール・ルームだ。どうしても行きたくない。行きたくない。暗闇の中、舞踏会の幽霊だなんて、まっぴらごめんだ。ここに立っているだけで怖い事ばっかり。その上に・「絶叫する女性」・「自殺の青年」・「遊ぶ男の子」・「首の折れた花嫁」メモを取る手がそろそろしびれてきた。指が冷たい。もうイヤだ。- - -続くあるいは、目次
2010.05.03
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日本語の練習を酷く怠っている。主に両親やヨボヨボ祖母との会話にしか使わないのでまた言葉が出てこなくなってしまった。読めるけれど喋れない、書けない。数ヶ月前また責務が増えたのをいい事(?)にコンピュータを買い替え、それを日本語入力可能に設定するのもついつい怠っている。久しぶりに古いコンピュータを開いてぽちぽち。あちこち飛び回る事も増えた。飛行機の窓からこの海域を眺めてため息。もうすぐ、またカヤック・キャンプに行ける。この島々の間を縫うように旅するのが好きだ。だがそれまでに、去年書き始めた古城ホテルの記事を終わらせなければ情けない。当時随分書きためたのだが読み返してみるとどうも長ったらしくて恥ずかしい。まだ本番が控えているのに今までの話が延々と続いているのもこれまた恥ずかしいけれど。思い出して、また怖くて眠れなくなってしまったらどうしよう。
2010.03.14
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今年も一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。怪猫とムーミンも新年のご挨拶申し上げます。平和で、健康で、幸せでありますように。
2010.01.01
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もうやだよ。もういいよ。もう止めようよ。背筋がぎんぎんに冷たい。いや、冷たい様な、ちりちりと痛い様な、まるで脊髄がドライ・アイスになった様でいても立ってもいられない。嘘だ。なぜアタクシはこんな所でこんな事をしているのだろう。こんな馬鹿な。こんな荒唐無稽な。D君と夕食を食べたのが気が遠くなるほど昔に思える。明日、全国会議の最終日、専門を絞ってのワークショップを控えているのも遠い夢想かもしれない。ただの怪談だったら幽霊や怪奇現象はせいぜい二つか三つにしておいた方が真実味があっていいだろうに。見ると E がアタクシにしがみついたまま可哀想なほど震えている。ガチガチガチ、と歯の根が合っていないみたいだ。もう止める?と訊くのは何度目か。「続けて下さい!」と声を揃えて言う。 だって、アタクシ達は明日帰っちゃうからいいけど、あなた達は...このままこのホテルで働かなくちゃならないのに、とは言葉にならなかった。「だからこそ知りたいんです! 」とそれまで一番怯えていた E が顔を上げたのが印象的だった。薄暗闇の中、まだ先に進みたくなかった。この踊り場からあの暗い廊下へ右に進むと、あのエレベーター・ホールの暗闇に謎の気配が潜んでいる。ケリーもまた溜め息をついていた。あたしもこんなの初めてでかなりびびってるんだけど、なんでこう色々判るのか自分でも不思議なんだ、と言う。 具体的にどういう風な訳?頭に浮かぶって言ってたけどイメージが見えるとか何なの?う~ん、としばらく唸ってから、言葉が頭の中に浮かぶ、自分の感情じゃないのにそれを感じる、ずっと知っていた知識を読み取るように口にしている、とさまざまならしい。 あんたさ、まさかアタクシが今何を考えてるのか判ったりする?と冗談半分に訊いてみた。は? と「??」な表情を見せた後、 真剣に聞いとんのか、おんどりゃあああっ!?? (要約)と冗談半分に叱られた。緊張していた一同全員どっと笑い、ちょっと震えが治まった。K:じゃあ私も訊いていいですか?大声で叫ぶ女性がいてそれが三階だとか、この廊下を走る女の子は栗色の巻き毛だとか、細かい事までぴったり迷わず言い当てられてびっくりしているんですけど、他にはどうです?あの自殺の男性が何階だか判ります? へ?五階って言わなかったっけ?と即答するケリーに、アタクシ達揃って首を振る。 ぶんぶんぶんぶんぶんっ。上の はアタクシだ。一人だけそれが「ぴったり正解」だと知らなかった。げぇええ、うそ。うそ。@#$%#&。 (要約) と E が上品とは言いがたい言葉を呟いた。K:じゃあ、「比較的最近」って前おっしゃってましたけど、いつ頃だったとか、状況とか、そういのはどうですか?いつの間にかまたひそひそ声になっていた。ケリーは顔をしかめてぼそぼそしゃべりだした。よく聞き取れるように皆で二三歩近づいた。「あんまり考えたくないんだけど」「一緒に気分が滅入る様な気がして。前にも言ったけどショックで打ちのめされて、喪失感が津波みたいに、いや、瓦礫が崩れるみたいに ー 」その時だ。 「ざざざざざざざざざっっ!!!!!」耳をつんざく様な大音量で、無機質な雑音が炸裂した。固まって立っているアタクシ達の調度真ん中ほど。腰の辺り。飛び退いた。鼓動が耳の奥で響く。どっくどっくんどっくん出るなら出ろ見えないモノとの間合いはどう取るんだすると続いて 「ざざざっっっ!!! どこにいるっっ!!!!???」 へ?と思う暇もなく R が腰のトランシーバーを外して口元へ運んだ。「まだコンファレンス・レベル。すげーの。」と答えながらすまなそうに手を振る。 バ、バカヤロー...R に寄ってたかってぽかぽか殴る E も K も泣きそうな声だ。ケリーは大笑いしている。アタクシはと言うと ちびっちゃったかも知れない...- - -続くあるいは、目次
2009.07.03
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顔の間近でいきなり絶叫されたらそれが生身の人間でも怖いだろう。想像しただけで怖い。なのに、「このホテル、開かずの間があるね。」 な、な、何て事おっしゃるのですかっっ「客を入れない部屋。三階で、この絶叫する女性が出るとこ。うん、三階。」一人頷いている。 なんで判るのさ???スタッフを見るとまた固まっていた。 「そ、その通りです」と K が言った。「イヤです、もう」K が E にしがみつき、E はアタクシにしがみつき、アタクシは震える手で一生懸命メモを書き続けていた。ケリーがまだ顔をしかめている。「ベッドの下?なんだろう。ベッドの下って?」「気が違ってるのかな。強気の客が叫ぶのやめろ!って怒鳴ったりすると今度は部屋の隅でしくしく泣いたりするね。」「気味悪い人だ。ぼさぼさの白髪まじりのブロンドで」ひっ、と E がまたアタクシの腕にしがみついた。「目が真っ赤に充血してて。ちょっと待って!」ケリーが声を荒げた。「あたし三階だった!」 そういえば隣室がうるさいからと六階に移されたと言っていた。 まさか。頭皮がざわざわする。「でもあたしが聞いたのはカンカン鉄を叩くみたいな金属音だったよ。あぁ。やだ。やだ。あれだね。」K が上ずった声で説明した。「3○○号と3○○号、出来る限り入れません。」今度はケリーがアタクシの反対の腕をぐっと掴んだ。「隣。」 ひっ。K が続ける。私、一度だけお客様が入っててびっくりした事があるんです。大きな会議が二つもあって、この町小さいですし、ホテル室全部埋まってて困ってたお客様がいらして、早番の新米のスタッフが入れちゃったんです。夜中になって大騒ぎになりました。大声で泣き叫びながらそのお客様、廊下に飛び出て、近くの部屋全部叩いて助けてくれって起こして、過呼吸になって救急車呼んで、大変だったんです。びっくりしました。私当番でした。その晩、そのお客様が寝ようとしたらベッドの下からカチカチ変な金属音がしたらしいです。なんだろうって、起きて、下を覗いたらベッドの下、あの、「彼女」が目の前に顔を突きつけてきて 「ぎゃーーーーっ」て叫んだ、って言うんです。 ア、アタクシ、もう結構ですので、勘弁してください......だがまだまだ続く、古城ホテルの心霊ツアー。「ぎゃーーーーっ」...- - -続くあるいは、目次
2009.06.29
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同じ様な大理石の踊り場と、絨毯の広間に出た。日本式で言うと三階、【C】=コンファレンス(会議室)レベルだ。メザニン同様、左右に廊下が延びている。だが今度は比較的明るい。左の廊下の照明が点いたまま。正面には大きな革張りの椅子が二つ。左側に電話ボックスが二つ。あの電話ボックス。旧式のボックスが取り付けられた時、きっと白黒映画に出てくる様な、受話器が二つに分かれた電話だったのだろう。そして右の暗闇の先は、アタクシが怖い思いをしたエレベーター・ホール。しばらくの間、消えたシャンデリアの下でケリーの言葉を聞いていた。右手が攣るほどメモを書いた。「まず左」と明るい廊下を示した。「ここも子供がいるけど女の子。」「うわっ!」と E がアタクシに飛びついた。大丈夫?「確かに、お、女の子です」とやはりガクガク震えている。あら~、可愛い子だし、迷子なだけだよ、怖くないよ、誰かを探してこの廊下を走るでしょ。「ひぃぃぃ」と E が歯を食いしばる。栗色の、巻き毛。と言いながらずらりと並んだドアの一つに向かった。「そうなの?」とアタクシにしがみついている E に聞くと、コクコクコクコク。この子も、客が心配してフロントに問い合わせが来るらしい。ケリーがドアの前に立っていた。あの子、時々このドアの取っ手をガチャガチャ鳴らすでしょ。何ここ?会議室?マズイねここ、と眉を寄せた。 ...マズイ?今「怖くないよ」って言わなかった?「ご覧になりますか?」と K が鍵を取り出した。青髭に出てくる様な、腕輪サイズのキーリングに鍵がジャラジャラついている。彼女が鍵を探している間にやっと iphone が再始動した。あー良かった。初めてのフリーズだったのでちょっと冷や汗をかいていたが無事らしい。すかさずカメラのアプリを起き上げた。扉の向こうは普通の会議室。R が電気を点ける前、レース・カーテンの向こうに群青色の空が見えた。女の子は怖くないけど、この会議室、苦情が来るでしょ、この隣、調理場だね。見ると両開きの扉がある。「そうです、この会議室用の特別ケータリング用調理場です」あんまり使ってないでしょ。でも日暮れに食器やらお鍋やらを壁に投げつける様な凄い音がして苦情がくるのね。マズイよ。マズイよここ。それを聞くと同時にシャッターを押した。その瞬間、K がまたヘタッとしゃがんでしまった。「黒い影って思い当たらない?」とケリーが R に聞いている。なんだ「黒い影」って。得体の知れない恐ろしさに脊髄が冷たくなった。「あぁ。怖いね。怖いよ。出よう」とケリーが出て行くのでそそくさと後に続いた。逃げるように踊り場に戻った。 黒い影って何?こ、怖いよ。何なの?スタッフが三人ともそわそわ顔を見合わせていた。私たち、この廊下苦手なんです、今晩 ○○室の係なんだけど、って言うと皆「あぁ、一緒に行ってあげるよ」ってお互いサポートするんです、それほど怖いんです、だから夜も電気消さないんです。食器を投げる現象を調べに行っても毎回鍵が頑丈に掛かった真っ暗な調理室で食器は動いてないし、会議の前日のセットアップをしてると誰かに見られてる気がするし、照明が点いてるのに、時々黒い大きな影が...K が言葉を切った頃にはアタクシまた鳥肌だらけだった。全身鳥肌。脚にまで鳥肌が立っているのが判る。「でもやっぱり一番怖いのはあの絶叫する女性だね。」そんな真剣な顔で、こんな古城の薄暗闇で言ってほしくない。そして、ケリーの次の言葉で逃げ出したくなった。そして思い出しては一週間ほど眠れなくなった。- - -続くあるいは、目次
2009.06.28
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K がうずくまっていた。なぜ判るんですか。やっと絞り出した様な声を出す。ホテルの怪談を知っているスタッフが同行していると、どうしても視線や僅かな動作やらで無意識に「現場」をしめしてしまうのかも知れない。そう思いつき、気をつけて観察していたがアタクシには探知できない。だがケリーがそれらを読み取っている可能性は否定できない。仮に彼女が身ぶり言語を読み取る訓練を積んだ達人だとする。それで説明できるだろうか。本当に彼女が言うように、この非常階段の下にはひび割れた床があるのだろうか。ふー、とケリーが溜め息をついた。ただ落ちたんじゃないね。押されたか、取っ組み合いだったか、誰かに落とされてるね。しゃがんでいた K がへたり、と座ってしまった。「他に何か?」と目を大きく見開いて聞く。ずっとずっと昔だね、とケリーが付け足した。「あの自殺の若い男性は最近だけど、この非常階段の人は、百年...は経ってないけど、もしかしてこのホテルの建設中?そうだね、まだ工事中。で、床がひび割れてるのは彼の身体の衝撃じゃなくて、持ってた工具箱かなんか、鉄製の重い物。」 なんで?なんでそんな事まで判るの...?今のとこそんだけ、と目を伏せた。K と E が顔を見合わせている。「いいですか?あたし達が知ってる話。」アタクシはさっきから一心不乱にメモを取っていたペンを握り直した。(余談だが、このメモを訳しながら書いている。)K は、「その通りです、全部」と言う。「全部合ってます」ババババッと鳥肌が立った。同時に、R が驚きの声をあげた。「ボク知らなかった!」R はひびがあるのは知っていたし、それが落下事件らしいとも先輩に聞いた。けれど新入りをからかっているんだろう、程度に思っていたらしい。それが事実であり、大昔で、工事中だったなんて初耳だと言う。「押されて落ちたなんて、あんまりだ」と眉をしかめた。「オフィスに当時の新聞記事が保存されているから後で見せてあげる」と K が立ち上がった。「建設中のホテルの写真も一緒に掲載されてるから。」鳥肌が治まらない。一致する点が細かすぎるし多すぎる気がする。イヤな疑問が浮かぶ。本当に霊視しているのか。それともテレパシーで、K や E など、生きている人間から読み取っているのか。後で思い返すと自分で鼻を鳴らしてしまうほど非現実的な質問だ。ここはあんた達が言う花嫁さんと、それからあの小さな男の子と。それだけかな。このメザニン・フロアは他にたいした事ないね、と言うケリーにスタッフは頷いていた。メザニンの特等ラウンジを幾度か使った。だがそれはエレベーターの正面にあり、こんな奥まったところからは見えない。メザニンには他にレストランがあるが、そこには何も出ないらしい。「でも上のボール・ルーム、出るでしょ」と付け足した。ぞっとする。舞踏室の幽霊なんて強烈だ。会いたくない。広い広い暗闇に逃げ惑う自分の姿を想像して震え上がった。「ひびの入った床、覗いてみます?それとも後にします?」と K が聞いた。非常階段のひびを見て、それからまたこの踊り場に戻ろう、と言う事になった。色々な階段を上ったり下がったり、思わぬ運動だ。まず非常階段から下を覗いた。確かに、真ん中の正方形に不自然なひび割れがあった。この写真を撮った後、非常階段を下りた。そこでひび割れた床のアップ写真を撮ろうとしたら iphone がフリーズした。これってマズイ?いや、気のせいだ。気のせい。そうに違いない。メザニンの踊り場に戻ると、恐る恐る「花嫁」の階段を上った。ここを上がると彼女が使った公衆電話があるはずだ。そして上り詰めたところで、ケリーが恐ろしい事を言った。このフロア、一杯いるね。- - -続くあるいは、目次
2009.06.28
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E が両肘を抱いてがくがく震えていた。気付くと、薄暗闇の中、アタクシ達は寄り添うように身体をくっ付けていた。さっき会ったばかりなのに。予想以上に怖い。もう沢山だ、と目を瞑りたかった。同時に、始まったばかりの冒険にどきどきわくわくしていた。そんなアタクシ達に目もくれずケリーはツカツカツカ、と大理石の踊り場に続くちょっとした広間に進み、「あそこだね」と近くの戸口を指差した。白い踊り場を背に立つと左右に薄暗い廊下が延びている。ケリーは右よりの戸口を指差している。よく見ると非常階段らしい。赤い表示ランプが点いている。つい数秒前「花嫁の亡霊が立っている」と言われた踊り場に背を向けていると、背中に冷気が吹き付ける気がする。気がするだけだ、と自分に言い聞かせていると背後で「...ひっ」と気味悪い声がした。- - -続くあるいは、目次
2009.06.27
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そして、ケリーが躊躇なく向かったのは奥の、白い大理石の階段だった。白いドレスの人はあっちだよ、と言う。 こわいよ...ロビーから上がる階段はあっちにもこっちにもあった。さすが古城だ。どっしりと広い階段もあれば、両隅にも細い大理石の階段がある。昔、着飾った貴婦人がドレスの裾を引きずりながらしゃなりしゃなりと通ったのだろう。よく見るとうまくロココ風に偽装した防火ドアもあちらこちらにあり、それらを開くと非常階段があるらしい。実際、ロビーを見渡しただけでは階段がいくつ続いているのか容易には判らない。ずっと続いている会議は近くの大学で開催されていた為、ケリーもアタクシもラウンジと自室と前記の特等ラウンジ以外、この広い広いホテルをほとんど知らなかった。最終日にだけ、人数を絞っての専門会議がホテルで行われる予定だったが、それはまだ翌日に控えていた。階段の下で立ち止まった。「まずいかな。逃げるみたいに上がってっちゃったよ。」 えぇっ!?今?今?「見えなかった?」 ぶんぶんぶんぶんっ。見えましぇん。見たいのか見たくないのかも判りましぇん。どういう姿なんですか?と K が聞いた。「だから長い白いドレス。リボンも白い。白くて長い手袋。」手袋?舞踏会にしていくみたいな?かちかちかちかちかち。変な音が耳についた。見ると E の歯が鳴る音だった。大丈夫?ヤメとく?「大丈夫です。でも怖いんです。どうして判るんですか?どうしてこの階段だって判るんです?」 ケリー、今、「まずいかな」って言わなかった?大丈夫、とケリーはゆっくりと階段を上り始めた。「でも、このロビーの階段に出るとか、メザニンの柵越しにロビーを見下ろしてるとか、それはメインじゃないのね、この人の場合」スタッフ K+E+R:コクコクコクコク!「頭に浮かんだ事そのまま言うけど、焦ってる。間に合わない。電話がなんとか。走って下りた。落ちた。」K+E+R: 「落ちたのは、この階段じゃなくって、もう一つ上からで、今向かってる踊り場で死んだ?そうね?」K+E+R: 「でも、もう一つ上って階段続いてないじゃない?おかしいな。ハズレかな。」ケリーの言う通り、そのロビーからの階段はそのまま上に続かなかった。階段を上りきると同じく奇麗な白い大理石の踊り場に出た。よく見ると、その広い広い踊り場のずっと奥に隠れる様に、ぐっと狭くなった階段が続いていた。あー、ここねぇ、とケリーが頷く。 ...こ、ここって...?まさか...?「俯いてる。ん?違う?変な俯き方してる。ここで会うと怖いのねー。」彼女の事はこれくらいでいい?あんた達の聞いてる話とどう?合うみたい?と溜め息をつくケリーにスタッフが答えた。私たちは彼女の事「花嫁さん」って呼んでるんです、結婚式の当日に亡くなられて、上の舞踏室で式を挙げる準備をしていて、忘れ物の事でコンファレンス・レベルの隅の、このすぐ上の公衆電話を使って、そのままこの階段を下りてこようとしたところ落ちて首を折ってしまわれたんです。当時の新聞記事もあるんです。 ぞくっ...白いドレス+白いリボン =「花嫁さん」とは、想像していなかっただけにギョッとした。怪談なら当然白っぽいドレスの女性でしょ、程度にしか思っていなかった。「変な俯き方」とは折れてしまった首なのだろうか。アタクシ達は、彼女が「落ちた」と言われている階段をおっかなびっくり見上げていた。彼女が死んでしまったのは、今 R が立っているあたりなのだろうか。大理石の床をまじまじと見てしまう。「ここだけじゃないね、階段を落ちて人が死んだの。落ちて、痕がついてる、今でもその痕が見えるとこあるでしょ、床が割れてるね、この近くね、違う階段だけど」 こ、こわっ。そんな訳ないでしょ、なんで床が割れるのよ、ねぇ?とスタッフ三人を見ると また固まってた。 こわいよー...- - -続くあるいは、目次
2009.06.23
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