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カテゴリ: カテゴリ未分類
「五味宏基って、だれ?」という人は、もう多いと思う。
今年の5月、ヨルダン、アンマンの空港で、手荷物のクラスター爆弾が破裂し、空港職員を死傷させた事件を起こした人物である。

彼の弁護をするつもりはない。でも弁護かもしれない。見ず知らずの私だけど、どうしても言いたい。聞いてもらえますか。

いつか、ある大きな新聞社に勤める記者の講演を、録音反訳しました。
冒頭、その人はこう言い放ったのです。「我々の給料は、M新聞にくらべると、全く違う。優秀な記者が集まるのは当然である」
あっけにとられました。給料の多寡が能力のよしあしを決める、ある意味では真実でしょうが、自分からは言ってほしくないし、それを第一のはかりにするような新聞記者は、品性が欠けていると思いました。

私は筋金入りの毎日新聞読者です。会社に知り合いがいるわけでも何でもありません。宣伝のつもりはありません。
長い間のつきあいで、読みやすいから読んでいます。
内輪の話になりますが、「くりくり」は、創刊号に感激しましたし、中学生のときには竹橋の編集部に遊びに行ったこともありました。地方版に詩が載ったこともありました。あれは小学3年のとき。


「五味宏基」。この名前はよく紙面で見かけていたからです。
報道写真に署名があります。いつも、いい写真を撮る人でした。
心が揺れる写真も多かった。でも、インパクトの強い写真ではありません。むしろ、穏やかな、きれいな写真の印象があります。
それらが、珍しい名前と共に記憶に残っていたのです。

毎日新聞は、事件を起こしたときに、すぐさま現地に本社の幹部を派遣しました。
当然のことと思います。
「五味宏基」で検索してみてください。この事件の報道以外に、たくさんたくさん彼の撮った写真も検索されるはずです。それらの写真をごらんになれば、きちんと仕事を積み重ねてきた人物だったと、おわかりになると思います。彼の撮ったこういう写真が、たくさん紙面を飾っていたのです。
何も起きなければ、彼が軽率にも爆弾を拾って「使用済み」と思い込まなければ、ある程度の出世の道がひらかれていたのかもしれません。社内のことや彼個人を知りませんので何ともわかりませんが、読者にとっては「いい仕事をする人」だと思っていたのです。

繰り返しますが、私は彼の知り合いでも何でもありません。
実際の人柄も知りません。
ただ、事件を起こした後の、彼の態度、コメント、新聞社の対応、紙面での扱い、どれをとっても、「誠意」がありました。きちんとした報道を感じました。


普通の精神状態を保てないような戦地で仕事をしていたとはいえ、軽率だったことは否定できません。彼についての報道は、もちろん否定的なものばかり。それは、当たり前でしょう。でも、「事件」だけで彼のすべてを断罪する記事ばかり。あんなにたくさんいい仕事を積み重ねてきていたのに。

すでに使用済みだったとの「思い込み」。
「思い込み」は、よくあることです。
彼の場合は、それが取りかえしのつかないことだった。
致命的な地雷を踏んでしまった。

たまたま、それが酒ではなくて爆弾で、場所が海外の空港で、空港職員を死傷させ、彼が新聞社に勤めていたばかりに、狂った歯車が、さらに大きく回ってしまいました。
神様のいたずらとしかいいようのない、彼の「思い込み」。

帰国後、五味記者は、毎日新聞を懲戒解雇されました。
その後の消息は、わかりません。
一生償いきれないものを背負って、彼がどうやって生きていくのか、もちろん気にするのは大きなお世話です。
でも、少しだけ、気になります。

おかした罪を償うための事件の顛末本なんか、決して書いてほしくない。言い訳なんかしないでほしい。
あの、たくさんの紙面を飾った写真の腕で、人知れず再起してほしい。
五味宏基、当時36歳。
大きな十字架を背負ってしまった彼のこの先、どうか荒れずに、くじけずに、いい写真を撮りつづけてほしい。

見ず知らずの人なのに、思い入れが深すぎると言われれば、確かにそうなんだけど。変かなあ。





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Last updated  2003年11月09日 17時32分30秒
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Re:五味宏基さんへ(11/8)  
アキアカネ  さん
う~ん、この麻nekoさんの日記を五味宏基氏に読んで欲しいです。<br>「毎日」も企業だから懲戒解雇も仕方なかったのかなぁ。<br>でも彼はきっとこれでは終わる人ではないと思うけど。事件の真相なんてものでなく甦って欲しいですね。 (2003年11月09日 12時55分31秒)

Re:五味宏基さんへ(11/8)  
ムートン さん
私は、人生のハードルというものは乗り越えられる高さを自分で設定するのだと信じています。<br>彼は確かにかなりの高さに設定したと思いますが、それは彼にとって乗り越えられる高さのはずです。 (2003年11月09日 14時45分13秒)

Re:アキアカネさんへ  
麻neko  さん
>う~ん、この麻nekoさんの日記を五味宏基氏に読んで欲しいです。<br><br>私も、そう思います。どうしたら読んでいただけるでしょうか。<br> (2003年11月09日 17時28分49秒)

Re:ムートンさんへ  
麻neko  さん
>私は、人生のハードルというものは乗り越えられる高さを自分で設定するのだと信じています。<br>彼は確かにかなりの高さに設定したと思いますが、それは彼にとって乗り越えられる高さのはずです。<br>-----<br>このムートンさんのコメントも、ご本人に読んでいただきたいです。<br><br> (2003年11月09日 17時32分30秒)

Re:五味宏基さんへ(11/08)  
さかもと さん
私は五味くんの友人です。このホームページを読んで嬉しくて、一言書きたくなりました。
友人と言っても、私が田舎へ帰ってしまったので、もう10年以上会ってませんが、おっしゃるとおりに
彼は真面目で誠実な人です。あの事件は今も彼を知る人は皆信じられない思いだと思います。
もうすぐ一年ですが、元気にしてるのか、写真を続けているのか、知りたいです。 (2004年04月20日 19時49分54秒)

Re[1]さかもとさんへ  
麻neko  さん
>私は五味くんの友人です。このホームページを読んで嬉しくて、一言書きたくなりました。

ありがとうございます。私にとっても嬉しい書き込みです。感謝申し上げます。

>友人と言っても、私が田舎へ帰ってしまったので、もう10年以上会ってませんが、おっしゃるとおりに
>彼は真面目で誠実な人です。あの事件は今も彼を知る人は皆信じられない思いだと思います。

ああ、うれしい。やっぱり私の考えは間違っていなかったんですね。

>もうすぐ一年ですが、元気にしてるのか、写真を続けているのか、知りたいです。

私も、知りたいです。見ず知らずの人間が、こんなふうに書きたくなるほどいい写真を撮っていらしたこと、ご自身に知っていただきたくて。

書き込み、ほんとうにありがとうございました。
(2004年04月21日 00時43分47秒)

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