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ブルボン朝 フランス王朝史3 (講談社現代新書) [ 佐藤 賢一 ]
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ルイ十五世は、それを容れた。最後には容れなければならなかった。たとえ王政の否定に通じるものであっても、それが優れた文化として光を放つなら、フランス王家は容れなければならなかった。「絶対王政」など絵空事の理想にすぎず、文化大国としての求心力を維持できなければ、フランスなどいつバラバラになるとも保証の限りではないからだ。
文化は拒むことはできないーそれこそはブルボン朝の宿命だった。
フランス王家はフランス人という意識を高め、フランスという国を存在せしめた。わけてもフランスを神格化するまでに称揚したブルボン朝は、この文脈において歴史の最たる功労者といえそうである。