「よきマネジャーは、決して教室では育成されない」
と考えるミンツバーグは、理論だけの経営理論を徹底的に批判している。
常に実践を重視し、
アート(直感)と
クラフト(匠の技)と
サイエンス(科学)のバランスが大切だ、と考えている。
これは現場で格闘しているビジネスパーソンにとって励みになる言葉だ。
イノベーションを生み出すのが、企業家だ。
ただし企業家は発明家ではない。
発明家の役割は、アイデアを生み出すことだ。
企業家の役割は、発明(アイデア)を利用して新しい事業を行うことだ。
ビジネスも同じだ。11社は
1つだけの単純明快な「ハリネズミの戦略」を
つくり、
実行し続け、
それ以外は一切やらない。
そのために図の3つの円が重なる部分を見つける。
まず「自分が世界一になれる可能性がある部分」を探し出し、
「自分たちが情熱を燃やして取り組めるもの」を見つける。
これで社員に「情熱を持ってやろうよ」と呼びかける必要もなくなり、
動機付けも不要になる。さらにそれらが「収益をもたらす」ことだ。
企業文化は簡単には変えられないし、操作もできない。
だから、まず人々の行動を変える。
そして「新しい行動で成果が出る」ことを人々に認めてもらう。
そうしてやっと、企業文化が少しずつ変わり始める。
だから企業文化を変えるのは変革の最初ではなく、最終段階なのだ。
実際には内発的動機付けにも、報酬はある。それは「楽しさと達成感」である。
ここで欠かせないのが「自分はこの仕事をこなせる力がある」という
「有能感」だ。
この有能感は、誰でもできる仕事では得られない。
自分の能力を最大限に発揮し、達成した時、初めて得られる。
そしてこの有能感に、
「この行動は自分が選んだ」
という自律性が伴えば、大きな満足が得られ、仕事の成果もあがる。
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