いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

十八、映画がつまらなくて?

十八、映画がつまらなくて?


 トイレの外には、心配そうな表情で私を待つジャオ君がいた。申し訳ないことをした、と思った。きっとジャオ君は私がビンビンを好きだなんて思いもしないだろう。「不好意思(ごめんなさい)、体の調子が悪いみたい。」そう謝る私に、ジャオ君は優しく言った。

 「他のところへ行ったらよかったんだ。字幕のない映画、美咲には難し過ぎたよね?退屈させてごめん。」と。

 私は、彼のあとについて、もう一度映画館へと続く階段を上った。

 ソファに戻ると、「どこ行ってたの?やっぱり美咲には字幕ナシの映画はつまらなかったみたいだね(苦笑)それならそうとハッキリ言ってくれれば良かったのに。」とビンビン。

 映画はまだまだ途中だったけれど、私たち4人は、微妙なムードでその映画館をあとにした。

続く→


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: