いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

四五、からかわないで

四五、からかわないで


 彼はもちろん、私の前で彼女の話題を出すことは一度もなかったけれど、私はときどき、彼の首筋にキスマークがついていることに気づいていた。それを見る度に、二人がうまくいっていることを嫌というほど思い知らされ、「あのとき私を抱こうとしたのは何だったの・・・」と、今更考えても仕方のないことばかりを何度も思い返していた。

 ビンビンは、私のそんな気持ちを知っていたと思う。知った上で、ときに私をからかった。

 あるとき彼から、『僕は美咲と、普通の朋友じゃなく、特別な、好朋友(親友)になりたい。』こんなメールがきた。

 私は、たとえ彼女になれなくても、好朋友になろうと言ってくれたことに感動し、『私も、あなたと好朋友になりたい。まだまだ言葉の壁もあるけど、お互いにもっと理解し合っていきたい。』と返事した。

 すると、彼からは、『愛情無国界(愛に国境はない)』の5文字が・・・。

 『何言ってるの?からかわないで。』と私が精一杯の返事を返すと、

 『とぼけないで。』と彼。


続く→


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: