とちめんぼう

深井零の謎



1 視力
「ぼくのマシン」から考えると室内こもりきりのパソコン少年で、
早いうちから近視になったと思われる。なぜ視力がいいんだろうか?
・遺伝的に人並み外れて視力の良い家系で、長年のVDT作業でも平気だった。
・実は早いうちから眼鏡になっていた。履歴書にはメガネ姿の写真が貼ってある。しかしFAFに送られるとき、強制的に近視矯正手術をされた。現代では近視矯正手術を受けた人はパイロットになれないが、近未来は視矯正手術が発達しており、
パイロットにも宇宙飛行士にもなれる。
・実は近未来にはコンタクトレンズが発達していて、小説には書かれていないがコンタクトレンズをしている。プールで泳ぐときにはどつき漫才……じゃない
度付きのゴーグルをしている。〈改〉ラストシーンで「かすむ目で」とあるのは実はコンタクトレンズが外れていた(嘘)
・実はFAFに送られるとき視力回復訓練を受けた。
・実はFAFに送られてすぐジャムのコピー人間にされていた。コピーはクローンなので長年のVDT作業で落ちた視力もリセット!豆ピーチを食べていたのも、どうせ光学異性体で全部まずいから、何を食べても一緒だったからだ。(つじつまが合わない……)

2 体力・運動神経・空間認識能力
 室内こもりきりのパソコン少年が、なぜパイロットになれるほどの体力・運動神経・空間認識能力を持っていたのか?
・実は幼少の頃から湘南で鍛えたスイマーであった。潜水も得意だったので平衡感覚の鍛錬もばっちり。
・実は最初の里親に引き取られる前はオオカミ少年だった。(日本にオオカミがいるかー!!)
・数多くの里親のうち、ある数年間育てた里親が教育ママで、スポーツクラブなど稽古事に無理矢理通わせた。零少年はそれが嫌で飛び出した。
・ほったらかしの里親のもとで、幼少時は毎日暗くなるまで外遊びをしていた。
それで運動能力が鍛えられた。
・吝嗇な里親のせいで高校に通う電車賃がもらえなかった。仕方なく毎日一時間走って通った。
・吝嗇な里親のせいで中学に入る頃から肉体労働のバイトをさせられ、体が鍛えられた。
・FAFに送られるとき脳に直接操縦を教え込む機械にかけられたが、運動神経をアップする機械にもかけられた。(そんなのがあったら私も欲しい……)

<殴られ男>
深井少尉が殴られた時のシチュエーションが不思議。
きっと殴りたくなるようなカチーンとくる態度をとったんだろうなあ……

1 「准将そっくり」の某大尉に殴られた件
 これは……複雑な女心がからんでいそうでいろいろ妄想をかきたてられますねえ。
 ・バーで黒ビールを飲んでいる深井少尉を某大尉がお持ち帰りし、いい雰囲気に。コトに及ぶ前に敬礼し、ムードぶちこわしだと殴られた。
 ・コトに及んでいる最中に敬礼し、殴られた。当然であろう。
 ・コトに及んだ後に敬礼し、殴られた。某大尉が腹を立てたのは敬礼そのものでなく、せっかくいい雰囲気だと思ったのに深井少尉がさっさと帰ろうとしたためである。

2 ブッカー少佐に殴られた件
 これは難しいです。わからない。 
 「穏健な心の持ち主」(〈改〉P238)のブッカー少佐がなぜ殴ったのか?
 何に腹が立ったのか?
・食堂で食事中に神を信じるか云々の話になった。少佐は常々深井少尉の飯の食い方が癇に障るなあと思っていらいらしていたので些細な話題でカッとなってしまった。
・深井少尉は以前から少佐が何を話しかけても黙っているだけで、少佐は我慢の限界だった。神を信じるかと聞いたのはただのきっかけであり、少佐の今までの我慢も限界でとうとう殴りつけた。
・実は少佐は深井少尉を殴った当時は神を真剣に信じていたので、腹が立った。(ジャムと何年も戦ううちに不可知論者になった。) 
・少佐が妻と別れた最後の喧嘩が似たようなシチュエーションだったので、憤悶や後悔の念がこみ上げてきて殴ってしまった。
 結婚数年目、妻が何を言っても無視して黙っているだけになり、ある日話しかけても無視する妻に我慢ができなくなってとうとう殴ってしまったのだ。妻を殴ったのはそれが最初で最後だった。しかし二人に間には決定的な溝が……(以下略)
・深井少尉の顔に蚊がとまっていて、少佐はそれを叩いた。あとですまんすまんと謝り、すっかり親しくなった。

年齢が高すぎないか?

29才というのはもちろん原作にはないのですが、
「解析マニュアル」に載って以来ほぼ公式設定になっているようです。
でも私は25・6だと思ってます。
高校を出て、
「解析マニュアル」にあるとおり専門学校に通ったなら
どんなに長くても3年。
すると新卒で就職して21才。
原作ではフェアリイにきてから4年。
29才とすると25才でフェアリイに送られたことになる。
職場に放火するまで、4年も会社員生活に辛抱したとは思えないんです。
4年間、職を転々としたならつじつまが合うんですけど。
それとも「ぼくの、マシン」事件で捕まって学校が遅れたのかな。
25・6才とすると10才ほども年上の少佐にタメ口をきいているのか……
でも正直、深井零がもうじき30才!!っていうのが納得いかないんだよな。

<なぜあんなところを噛みちぎったか?>

雪風第1部(って呼べるのが嬉しい)で
どおおおぉーしても触れたくなくて触れずにはいられないのが
あの!シーンであります。

<改>だと367頁ですね。

初めて読んだ時は、そりゃちょっと嫌な気分にはなりましたが
目的のためには手段を選ばない戦士、という感じが出ていて
極端に深井に…じゃない不快にはなりませんでした。

しかし今読み返すといろいろ弁護やら理屈やらをつけたくなるんですよ。
で、強引な考察をいくつか。

なぜあんなとこを噛みちぎるなどという猟奇なことをしたんでしょうか?
本文にもあるように、光学異性体かどうか調べるには味を確かめるしかなかったわけですが、じゃあなぜ腕とか首(それじゃ吸血鬼になっちゃうか)ではいかんのかという疑問が残ります。

1 娯楽小説としての側面もあるわけなので作者としてはちょっとエッチで衝撃的なシーンが必要だった(初期の他の作品にも結構えげつないシーンもありますから)

2 マーニーは手に注射器を持っていて危なくて腕には噛みつけなかった
(無理があるなあ……)

3 服を引き裂いてみると人体とは思えない部分が現れるのでは?と考えた
(あんまり考える余裕なかったろうなあ……)

4 実は深井さんには猟奇的な面があった(ないと信じたい)

5 過去に女性にひどい目にあわされているので恨み辛みがこういう形で現れた
 (やりすぎ……)

6 母親に捨てられたトラウマ(でもここまでやるか?)

7 なんとなく噛みちぎりやすそうだった(ヤダ)
8 いちど噛みちぎってみたかった(すごくヤダ)

1,7ぐらいが妥当かなあとおもっております。


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