トカトントン 2.1

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2005/10/17
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カテゴリ: 読書
pilotfish

■熱帯魚関係の頁によると、水槽の新規立ち上げ時など、水質が安定しているか、またはサカナを飼育する環境となっているか、確認するためにとりあえず泳がせてみるサカナのことをパイロットフィッシュと呼ぶそうだ。だからこれはある特定のサカナに対する名称ではない。生態系を維持するのに不可欠であって、その役目が終われば死んでしまうことを前提に飼われるサカナ。ね、テーマが匂い立つようでしょ。

■主人公は40過ぎの独身の編集者。夜中家に帰ると2匹のチワワが尻尾を振りながら駆け寄ってきて、ビールを飲みながらアクエリアムを眺めるのだ。そして彼には年下の彼女がいて、時々泊まりにきては、よろしくやっている。主人公の特権というにはあまりにも、羨ましすぎるプロフィールに、でもまだ読んでみようかと思わせるものは、いくつかの音楽の引用だったり、どこで春樹的なものを逸脱するのかなぁという意地の悪い期待感だった。

■で、読後感はそんなに悪くない。リアリティを感じないのは私にとってこの作品の欠点ではない。展開とか象徴にくすぐられるところが多かったから。この雰囲気は村上春樹というよりは佐藤正午の方に近い。死んでいったり去っていったり、失われていくものが数多く主人公の周りに登場するのだが、それらが全て、彼の中で存在し続けるのだというテイストはこの作者の独特の感性なのではないだろうか。

■19年ぶりに昔の彼女(今は人妻)からかかってくる電話。19才年下の彼女。おそらくこの作者はムーンライダーズを聞いている。これは推測に過ぎないけれど、彼はこの曲のことを知っているに違いない。

ボクが19で、キミが生まれて、キミが19の時、ボクと出会って 、床の下は皮膚一枚で地獄 『G.o.a.P(急いでピクニックに行こう)』from Amature Academy

聞いたことがない人は一度この曲を聞いてみると良い。頭から離れない歌詞。頭から離れないメロディ。いつかこの気分を何らかの形で創作に利用したいと考える人はとても多いと思う。

■主人公の部屋の中で常に小さな音で流れているのはポリスの「シンクロニティ」、そして彼が回想する様々な出会いのBGMは「アクロス・ザ・ユニバース」。共通認識としての音楽を持ってこられると、たいがい私はその話から離れられなくなる。ま、そればっかりではないけれどね。同じ主人公が再び登場する続編「アジアンタムブルー」も今度読んでみることにしよう。サリィさん、ありがとうございました。





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Last updated  2005/10/17 08:29:59 PM コメント(2) | コメントを書く


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ミリオン@ Re:「北の国から」を友達にすすめてみる(01/02) こんばんは。 嬉しいです。頑張って下さい…
Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
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