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講談社文庫「13階段」著者:高野和明ISBN:978-4-06-274838-4本体:648円いま「ジェノサイド」という小説で大ヒットしている高野和明氏のデビュー作。当時からスタイルは変わっていない。非常に丁寧な筆運び、圧倒的なリアリティ、重厚な伏線どれをとってもデビュー作とは思えない。確かに地味ではある。けれどそれも味となる。膨大な時間をかけて構成された背景がみえる。これぞ小説と思う。最近のライトノベルっぽい、背景のない取材もされずに書かれた、大人を阿呆にさせるようなそういう小説もどきが100万部売れていたりして周りがそれを祭りにする。そういう商業的すぎるやり方がたまに怖くなり、また憎らしくなる。今日もまた思う。一所懸命に実力を積み重ねてきた作家が報われますように、と。久々の星四つ。
2012年02月04日
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講談社文庫「チェーン・ポイズン」著者:本多孝好ISBN:978-4-06-277145-0本体:695円ライトなエンターテイメントミステリー。冒頭、どうしてもしっくりこない部分があった。違和感。文章の流れがそこだけ浮いていると思った。最後に実は、その違和感の部分が、最初にして最大のトリックだと知ることになった。わざとか? 読み終えてから思った。いや、何度も書き直したのだろう、だから流れが悪くなったのだ。その肝心な部分がもう少しうまく書けていればもっともっと評価される本になったはずだ。非常におしい。もったないミステリーだった。でも、終盤の怒涛の逆転劇は見事だった。思わず、読み返してしまった。おしい! 星みっつ。
2012年01月31日
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集英社文庫「歪笑小説」著者:東野圭吾ISBN:978-4-08-746784-0本体:619円通常の文庫本は、単行本として出版されたのちに文庫化される。しかし、近年その流れが変わっってきており、この本も例外ではない小説すばるに掲載されていたものが単行本化されずにいきなり文庫として発売された。内容は出版業界をめぐる、どたばたユーモア小説。著者が今をときめき東野圭吾という点によってのみ、この本に価値がある。彼が書くからリアリティーが生じ、ブラックユーモアになる。連載小説のページ単価や、印税のパーセンテージ、メディア化の帯の作成、さらには、ほぼ実名か、と思われる有名人の名前。いつもミステリーを書いている東野圭吾氏が楽しんで書いたのがよくわかる。それが伝わる楽しい小説だった。
2012年01月31日
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講談社文庫「魔笛」著者:野沢 尚ISBN:978-4-06-274886-8価格:648円地下鉄サリン事件以来、新興宗教を題材に多くの小説が書かれたが、この本はその中でも異色のミステリーである。スパイとして公安が送り込んだ人物が実行犯になって、これと複雑な状況におかれた刑事が対峙する。野沢尚は、まだそれほどメジャーな作家ではないが知る人はみな一目置く実力派である。魔笛はその中でも傑作と呼ばれており完成度が高い。重厚なミステリーだった。★★★☆☆
2012年01月22日
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