妖精のいたずら

妖精のいたずら

つれづれ草・・・第二章・・・


         「再会」

 しばらくの間忙しさにかまけてあの日のこともすっかり忘れていた。
 仕事が来た。いつも通り発注をする。 担当は俺だ。
 俺の仕事は、イベント屋だ。 あまり大きな組織ではないがそれなりに人もいる、それに最近口コミで少しだが仕事が増えてきた。
 社長はめったに顔を出さない、それを良いことの息子がのさばっている。
みんなの鼻つまみで業者にも受けが悪い。(女にも手が早いので有名である)が本人はまったく理解していない。
 今日も現場に向かう車の中で携帯がなった。
「はい 須藤サービスです」(イベント屋が何でサービスなんだ?)
「あ、すいません堂本企画です」
女性の声だ。一瞬「あいつのとこ女いたっけ」訝しげに「片岡です」と、答えてしまった。
「すいません。今現場にいますがチョットもめているんです、」
聞くと、周りでガヤガヤ騒いでいる声が聞こえる。
思わず「堂本はどうした? なにもめてるの?えーとにかく直着くから待っててよ」 
(ばかめ あいつまたポカやったか?)毒づきながら車のスピードを上げた。

 現場についてびっくりした。
 まだセッティングも何もできていないじゃないか!
 「おい!どうなってるんだこれは・・・!」思わず怒鳴りながら堂本を探してみるが、(まずくなると姿をくらますくせに都合がよくなると出てくる)やつは見当たらない。
「いったいどうなっているんだよ?」一人でぶつぶついいながら会場内を探してみる。  
 人だかりが見えたので言ってみると、なにやら言い合っているのが聞こえてきた。
「ばかやろう! そんなもんでステージが持つかよ。 何人乗ると思っているんだ?」
「でも、計算では大丈夫と出ていますから・・・。」女の声だ。
「何が計算だ! 何かあったら俺たちの責任になっちまうんだぞ?」
「でも、・・・・」後が続かないようだ。
俺は営業スマイルで人ごみの入って行くと「どうしました?」と、周りを見渡した。
「おー、片岡さん。 聞いてくれよこの姉ちゃんがよいつもの半分でやれって言ってんだよ!」
指差されて女性が頭を下げている。俺は思わず「あんた誰?」聞いてしまった。
少しむっとした顔で「堂本企画の小野です」
「へ、やつは?」
「今日は来ません」きっぱりと言いやがった。
「あ、そう。 で なんでまだセッティング終わらないの?」
「私の示した材料では建てられないそうなんです。弱くて問題になると・・」
「ふーん それより設営終わらなければもっと問題になるんじゃないの?」
彼女は困った風に下を向いたままだ。このままじゃいつまでたっても、出来上がりそうにない。
おれは振り返って「棟梁 いつものとおりで頼むよ!」
「でもそれじゃ私が・・・」
「そんなことは後でいいだろ!今はセッテイングが先だろうが・・・!」
「棟梁 大至急で頼むね!」   
「いいのかい?俺たちのやり方でやっちまって」
「あんた達に任せたほうが安心だものやってください。」
「そうかい じゃ始めさせてもらうわ。 さあみんな仕事だ!」
現場に向かう仕事師達を見やりながら彼女に向き直って「なんで堂本は来ないの?」きつい言葉で問いただしてみた。
「私に現場の仕事をくれたんです。『片岡が担当だから大丈夫だ』って言われてきたんですがぜんぜん違ってました。」
「なにが違うというの?」
「だって、現場の人達の肩持って私の話なんか聞いてくれませんでした。」
俺は、あっけにとられて彼女を見た。 (何を考えてるんだ、自分の意見が通らないのが面白くないのか?)
「じゃあ聞くが、設営できなくて時間に間に合わなくても構わないというのか? それでいいと教わってきたのか? 君の計算が絶対大丈夫だという自信はあるのか? 万が一のときはどうするつもりなんだ?」一気にまくし立てて彼女を見た。
 「?」( 泣いていやがる。 これだから嫌なんだ!)
しょうがねえな「ごめん 言い過ぎたようだ。」
「いえ  すいませんでした」頭を下げたが肩が震えているのが判る。
「後は俺がやるから今日は帰っていいよ」(泣かしたのばれたら皆に何言われるか分かんないしな しかし、泣くことか?)
「でも、この仕事を確認しなくては・・・」
「いいよ、帰って」(あんたがいたら邪魔になるだけだし・・、みんなも、やり難いよ)口には出さずに歩き出していた。
振り返るとまだそこに立っているじゃないか。
「何だ、まだいるの?いいよ帰って」
「・・・・・・」
「とにかく今日は帰れ! 話は明日聞くから」
もう、俺は振り返る事はしなかった、とにかくセッテイングするのがさきだ。






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