たこ焼きとラフランス

宮之浦岳登山






宮之浦岳 、それは深き水を湛え太古の森を宿す、屋久島中央部にそびえる山のことである。


港の近くで夜を明かし、明け方、我がパーティは 白谷雲水峡 へ。

駐車場に着いた時にはもう明るくなってた。
時間に余裕もあるからみんなゆっくり準備をする。きれいなトイレもあるね。


で、出発。総勢5名のパーティなり。

とはいっても白谷雲水峡の当たりはじっくり見て回りたかったから、非常にゆっきりとしたペースで進む。

屋久島宮之浦岳といえば、ジブリ作品もののけ姫のモデルとして有名で、苔むした木々や鬱蒼たる木々は正にもののけ姫のシシ神の森を彷彿させる。

というかシシ神の森だこれ、間違いなく。
白谷雲水峡は写真なんか見るよりももののけ姫見た方が理解が早い。
道を歩くと野生のシカと遭遇。
最初こそ珍しかったが行く先々で出会うので珍しくも何ともなくなった。

縄文杉はまだまだ先だけども、途中途中で大きな杉と出会う。写真は省略。


屋久島はかつては林業が盛んだったために、材木を運ぶためのトロッコが山の中を走っていた。
世界遺産に登録された今日こそ伐採は行われてないが、道沿いにある巨大な切り株を見ると、その事実に改めて気づかされる。
いや、別に伐採が悪いことだって言ってるんじゃないよ。そんな時代もありましたっていう話。

僕らもその恩恵をあずかり。


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トロッコ道を行く。


トロッコ道が終わりを迎えるころ、天気が急激に悪化した。
屋久島は1月に35日雨が降るとまで言われておりまして。その雨が多いこと、天気が変わりやすいこと。
まぁ、気象の知識はあまりないが、南国の海に突然ボーンと高い山があれば、雲がぶつかって雨が降りやすいであろうことくらいは理解できる。

例にもれず雨が降る。
最初は小雨。

そしてどしゃ降り。


折しも。

トロッコ道が終わってからは急激な登り道が続く。
ひたすらに階段が続くのだ。
さらに、運悪く、縄文杉観光客の団体が逆方向から向かってきた。その数は優に100は超えるであろう。
観光客のガイドは笑顔で言う。
「あ、どうぞ先に登ってください~」(登山は登り優先が基本)
で、そう言われて登らないわけにもいかないからほいホイホイと登って行く。
階段ばかりが連続してきつくはあるが、所々で階段が途切れるために息継ぎはできるし、普段なら何ともない所なのだが・・・。

降りしきる雨、低まる士気。大勢の観光客に気を使って歩くというストレス。
というかガイドが先に行け先に行けと言うから、階段途切れたところで呼吸整える間もなく階段突入。

全体としてペースがガクッと下がるのは理解に苦しくないことでして。

その時僕は先頭を歩いていた。

だんだん後ろの人が自分に追い付いてくるのが遅くなってくる。
後ろを振り向いたら皆俯いて歩いている。先ほどまでの元気は何処へ。
顔を見たらお前はゾンビかと思った。

上を見ると道の見えるところまでずっと観光客がいる。

ガイド「あ、先に行ってください~~」
僕「いえいえ、どうぞ先に行ってくださいな~」

もう上に溜まってた人を流す以外に手段はなく。
次から次へと降りてくる観光客。中々途切れない。

ようやく途切れる。


まぁ、観光客がいなくなったから道が楽になるかと言われたらそんなことは全くなく。
やはりキツイことはキツイ。


士気低下してるパーティに向かって僕は叫ぶ。

僕 「みんな頑張るんだ!!縄文杉を見に、宮之浦岳のてっぺんに行くんだろ!?こんな階段がなんだ、雨がなんだというんだ?共に行こう!そして終わった時に皆で笑おうではないか!!」

この僕の言葉を聞いて、皆の目に再び光が灯った気がする。そして笑顔が。

A「いいこと言うじゃ~ん!!」
B「そうだよな、その通りだ」
C「きつい~」
D「でもまぁ何とかなるさ。どうせ、あと少しだろう?みんな頑張ろう!!」
皆「お~~!!」





というのはフィクションである。現実はやはりテンションがひたすら低いまま、働きつかれた奴隷集団の如く登山道を歩く。笑顔?何かの冗談ですか?




とにもかくにも、僕らは縄文杉に到着する。

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これが縄文杉か~そうか~。
雨は止まず、疲労はなかなかのものだが、一同にひと時の笑顔が戻る。
皆で記念撮影してにっこり。ややひきつった笑顔ではあるが。


縄文杉を後にして一路本日宿泊する新高塚小屋へ。

そこまでの道のりもそこそこにつらかったが、なんとか到着。


新高塚小屋にはすでに別のルートから登った探検部のパーティが到着してた。
我々の到着が遅いから心配していたらしい。

宮之浦では遭難しない限り死なないよと私は思う。即死は別として。こんな人が多い山、救難体制はばっちりだろう。
ただ宮之浦で遭難したら死ぬ。たぶん死ぬ。水には困らないけどもこんな深山幽谷に迷い込んだらひとたまりもないであろう。
船乗り場で宮之浦岳で遭難者がいるというニュースを見た話をしたと思う。
我々が歩いていた時、頭上にはひっきりなしにヘリコプターが飛んでいた。スピーカーから大音量で遭難者の名前を叫んでいた。
遭難はしたくはないものである。


小屋は満員だったけども高校の山岳部の方たちがスペースを開けてくれたため小屋の中で寝ることができた。感謝である。

炊事をしてるとシカが寄って来た。超近距離で逃げもしない。人慣れしてるんだろうな。

ご飯を食べておやすみなさい。小屋泊は他の登山者の迷惑になるからお遊びも何もなく、日が暮れたら騒ぐこともなく就寝。これ鉄則。


翌朝。
まだ暗いうちに起きて炊事。シカの目が不気味に光っている。


いろいろ準備完了。出発。今日はいよいよ宮之浦岳山頂にアタック。晴れるといいな。

上に行くと植生が変わり、もはや杉のような大木はなく、低木が生い茂るだけとなった。


結果から言うと山頂はひどくガスってて、何も見えなかった。
僕は悲しい。悲しいぞぉぉぉおお・・・・。

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しかも風がびゅうびゅう吹き付けて非常に寒い。1分1秒もいたくない。
あれほど経ちたかった山頂に1分1秒たりともいたくないとはなんという皮肉であろうか。


とはいえ、道中ところどころ晴れ間もあった。

とはいえ、別に写真を載せるほど展望が開けたわけでもなく。



aaaaa.jpg
シカ大好き!かわいい!!キャ~~!!
って人向けの写真。花之江河という所でのワンショット。もちろん野生。
最もそんな人がこのブログを見てるかははなはだ疑問である。


ここまで来ればあと少し、にわかに降り始めた雨もなんのその、ついに淀川登山口に到着。撤収。


車で麓まで。


麓はもう雨は降ってなかった。この島の天候は島のあちこちでバラバラなのだろう。

もう一方のパーティの到着を待ち温泉へ。温泉の新聞を読んで福田総理辞任を知る。
旅をしてる間も世間は動いているのだと感じる。

宮之浦岳登山は中々に悔いが残るものとなった。







(2008夏季旅行の続き→ 2008夏季旅行後編 )



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