『奈良への移住~そして新生活』

『奈良への移住~そして新生活』

2023.09.22
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カテゴリ: ネコ
かつて、ネコを飼うということを考えたことはなかった。
犬は飼った経験はあるが、ネコを飼うという発想自体まるでなかった。

ところが引き取ることになったのだ。それも二匹の老ネコを。
それが今から約5年ほど前。

さらにそこから遡ること5年、僕は妻のマンションに転がり込んで一緒に生活を
するようになっていた。そのマンションでは既に柴犬を飼い始めてもいた。

それから5年ほど経ち、ネコを引き取ることになったのだが、経緯はこうだ。
妻には成人に達した娘が二人いる。その娘たちが子供のころから飼っていた
ネコが二匹おり、その世話を一人暮らしでしていたのが長女。狭いコーポで

ことになるに至り、ネコを飼い続けることが難しくなったという。どうしよう
かと妻が相談されたが、もはや選択の余地などあるはずもない。10歳を迎えた
ネコをいまさら見ず知らずの人に渡せるわけがないではないか。もちろん引き
取ることに賛成をした。一つ、我が家には犬がいることだけが懸念材料だった
が、そんなケースは世にたくさんあるのでさほど心配はしていなかった。
(結果、最初はネコよりも犬の方がかなり神経質になっていた)

自分は、ネコなどほとんど触ったことがなかったので、もちろん戸惑いはあった
が一緒に暮らすことに何の躊躇もなかった。この時二匹とも10歳。
スコティッシュフォールドという種類で、聴けば10~12年の寿命とのこと。狭い
コーポに暮らしていたので運動不足、太りすぎという状態だったのをよく覚えてい
る。


広くなったので運動量も増え以前よりもかなり健康的な環境になったのではないか
と思う。さらに犬もいて刺激も増えて少しずつスリムになってきていた。

最初は引っ掻かれるのではないかと触るのも恐々だった自分も抱っこもできるよう
になり、そのうち家族と認めてくれたように感ずる。時々だけど稀に甘えてくるこ
とも出てきたし。



さらに2年が経過したころ、僕たちが引っ越しをすることを決めた。そう、こ
の奈良への転居。もちろん犬も猫も一緒に暮らせるのが大前提だ。気がかりだ
ったのはこの老ネコ二匹が環境の変化にどれだけ耐えてくれるかということだ
ったが、一緒に暮らし始めて以来かなり元気になっていたので越してからの事
はさほど心配はしていなかった。唯一、心配していたのは引っ越し当日、車で
の移動約三時間だ。人間二人と犬と猫のお引越し。狭いケージに二匹を入れて
なるべくストレスを掛けないよう夜中に車を走らせたのがつい先日のことのようだ。

荷物の運び込まれる前の新居に到着したのは深夜12時近かったと思う。
まずネコと犬を家に入れるも、シイナは知らないところに連れてこられて
ケージから出てこない。犬も戸惑いソワソワ。新生活の始まりだ。

まだ家具もない中で寝る支度を整え、持ってきたストーブに火をつけ暖をとった。
そうそう、ついて早々シイナが姿を消してしまい、外に出てしまったのかと慌て
て探し回ったっけ。結局二階のトイレの隅で小さくなって隠れていたんだけれど
きっと怖かったのだと思う。

でも名古屋の3LDKのマンションから奈良の戸建てに転居してきてよかったと思
っている。ネコにとっては二階建てでかつ、比較的広いベランダもあり、狭いな
がらも庭もあって、かなり行動できるスペースが広がったから。
マンションのベランダから見える外の景色よりも圧倒的に広く、のびのびして
いる姿を見せてくれていた。シイナに至っては老ネコとは思えない身体能力
を披露してくれていた。庭から部屋に入ってきたと思えはそのまま階段を駆け
上がり、また猛スピードで駆け下りてきたり、高さ80センチほどのテーブル
にダイレクトで飛び乗ってきたり、洗濯物の中にある僕のくさい靴下(ネコが
いたずらしないように障害物を置いてあったのだが)を器用に持ってきて、雄
たけびをあげたり…とにかくこちらに越してきてから犬も猫も本当に元気で暮
らしていた。転居してもうすぐ三年。いつもこの子たちを見て越してきてよか
ったよね、と話していた。

今年4月に二匹の猫は15歳を迎えた。二匹とも同じ誕生日なのだ。
そしてこの猛暑を乗り切り少し秋の気配が見え始めた9月上旬。シイナの食が
細くなり始めていることに気が付いた。それでもまだ走り回っていたし、いつ
ものようにテレビを見ていると視界に入り邪魔をしてきたりといつもと変わら
なかったので夏バテで少し食欲が落ちているのだろう、としか思っていなかった。
相変わらず、強い主張で甘えてきていたし。
ところが、9月10日ころ。
毎朝楽しみにしていたペースト状のフードを全量食べなられなくなってきている
ことに気づいた。それでも最初のうち、朝には催促してきていたので一時的なこ
とかと思ったが、日に日にその状態は悪化してきていた。カリカリも食べなくな
ってしまってきた。それでも一日に何度も顔の近くまでフードを持っていくと少
しは食べていたので、オヤツのチュールなども与えて少しでも口にするように促
してはいた。が、それもすぐに受け付けなくなってしまった。10日ほど経過した
22日の今日はもう立ち上がって歩くこともかなり危うい。移動するに這うよう
な状態。呼吸も弱々しくなってきている。いよいよ覚悟しなくてはいけないのだ
と思う。つい4~5日前はまだ回復の望みを捨てていなかったが、さすがに覚悟
する時が近づいたように思う。本当は抱っこしたり撫でたりしたいがそれも辛そ
うで時々近くで見守り声をかけるのが精いっぱいだ。

数日来、呼吸をするたびに声が漏れるようになってきた。口呼吸をしている証拠
だ。その声が時折大きくなる時があった。朝から1時間に一度くらい、負担にな
らないように傍に行き、声をかけていたがだいぶ辛そうな姿は見ていて辛い。
正午に差し掛かった頃、この数日聞いたことのないほどの大きな声をだしたので
慌てて傍に駆け寄る。かなりしんどそうで態勢を何度もかえる。それでも落ち着
かなかったが、急に呼吸が弱々しくなっていった。

そして、徐々に呼吸がよわまり…ついに止まってしまった。
体はそれからしばらく痙攣なのか、手や足を動かしていたけれど呼吸は止まって
いた。

覚悟はしていたけれど、あっけなく逝ってしまった
妻と僕、そしてネットを介して娘が最期に立ち会えたことは良かったと思う。
ひっそりと人知れずなくなる猫も少なくないと聞く。

それにしても、わずかな異変からたった10日ほど。
ほぼ、寝付いたりすることもなく手のかからない子だった。最後までトイレで用を
足していたし、弱りながらもベランダに出たり庭に出たり、家の中を移動して心地
よい場所を探しながら過ごしていた。今日だって、庭のデッキによろよろしながら
も自分で出ていき、そして家の中に入ってきて…と思うように過ごせたのではなか
ったか。

9月に入ったばかりの頃にはまるで想像もしていなかったシイナの死。今は受け入れ
て祈るほかない。今までありがとう、シイちゃん。時々夢に出てくるんだよ。

一番かわいく撮れたと思う一枚を貼っておきます
五年前のシイちゃん





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最終更新日  2023.09.22 20:19:25
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