前回の続きです。
この地ヨハニスベルクとシュロス(城という意味)・ヨハニスベルクはシュペートレーゼ発祥の地として有名で観光客も大勢訪れる観光地になっています。日本人でわざわざここを訪れる人はドイツワインが好きな人だけだと思いますが。
このシュロス・ヨハニスベルクのワイン造りは1000年以上前から行われているので興味のある人はネットで調べてみてください。

このシュロス・ヨハニスベルクは川沿いの丘の下側から見ると立派なかっこいい建物に見えますがその反対側、入り口のほうから見るとそんなにすごい建物ではありませんでした。
ここは醸造所、ワインショップ、レストラン、管理している人たちの居住地が併設されています。
もちろんアポなしで醸造所の中を見学することはできないのでワインショップに入りました。
たぶん試飲をすることができるだろうと思いおそるおそる奥のカウンターで尋ねたら試飲をさせてくれました。
荷物の重さから考えてここで買うか買わないかは微妙だったので(買っても一本のみ)たくさんは試飲せず、興味のある種類でその中で開栓しているものだけを試飲しました。
まずは07年のシュペートレーゼ・トロッケンです。辛口は全く期待していなかったのですが、これが一番衝撃的ですばらしいワインでした。
ものすごくフルーティでこれでトロッケン?と思うようなかんじですが、上品で優雅なすばらしい質でした。
次に同じ年のエアステスケヴェックスを試飲しましたが、こちらは硬くていかにも辛口といったかんじでした。ミネラルや酸をけっこう感じるので典型的なラインガウの辛口というかんじでしたが。
でもいまいちパッとしなくてパワーをあまり感じなかったのでいつ開けたの?と聞いたら3日前だそうでした。これが開けたてだったらもっと好印象になったかもしれません。
日本に帰ってからゴーミヨを購入したのでこのワインの評価をみたら93点という辛口の中ではかなりの高得点だったので実際もっとすばらしかったのでしょう。ちょっとくやしいです。
それにしてもシュペートレーゼ・トロッケンとエアステスケヴェックスは等級としては同じくらいなのにここまで味わいが違うのはびっくりです。他の醸造所ではそこまでそうは感じませんでしたがここの差はすごかったです。2007年の葡萄の特性もあるのかもしれませんが。エアステスケヴェックスのほうが使用する葡萄の規定が厳しいので上級になるのかもしれませんが、どちらのほうが好みかというのは醸造所やヴィンテージごとに異なるので飲んで確かめてみるしかないと思いました。
甘口はシュペートレーゼのみです。貴腐のついた葡萄がはいっているのかちょっととろっとした甘口でした。前に飲んだヴィンテージよりこっちのほうがシュペートレーゼ発祥の地に恥じないシュペートレーゼでした。
ただ飲んだのは2006年で、ゴーミヨを見たら07年のほうが何点か得点が高かったのでそっちも飲んでみたかったです。
結局試飲したのは3種類でしたかなり実りのあった3種類でした。
そしてその後レストランで昼食です。というかワインがメイン。

ここの景色は最高です。というか景色自体はこの地方では丘の上に登ればどこでも見られる風景ですが、この風景を眺めながらワインと食事ができる、ていうのがいいのです。とっても優雅で裕福な気分にさせてくれました。

これは外から撮ったものですが、同じような景色をレストランからも眺められます。奥に横にラインガウが流れていて(左が上流)、奥の集落がガイセンハイムで、右手前の集落がヨハニスホーフもあるGrundという通りの集落でヨハニスベルクの畑の葡萄からワインを造っている醸造所が集結しています。
ここでは上級のものはグラスでは置いていないのでQBAのファインヘルプと甘口のカビネットを飲みました。両方とも素晴らしかったです。日本に持って帰ってまで飲みたいほどではありませんが、こうやってレストランで優雅にすごすには十分なワインでした。
QBAといってもボトルで買うと12ユーロなので平均的な醸造所のシュペートレーゼくらいの値段です。だからQBAといっても質が高いと思うのと、他のシュペートレーゼを買ったほうが良いと思うのと両方のことを思いました。
食事はサラダのみにしたのですが(といってもけっこうなボリューム)、パンについてくるサワークリームみたいのがとてもおいしかったです。ひょっとしたらリースリングがこの中に入っていたかもしれません。この代金で3ユーロが日本のお通しみたいに自動的に加算されていて少しムッとしましたが、それでも食べたことがないようなパンに付けるおいしいものだったので納得はできました。
そしてショップでシュペートレーゼ・トロッケンを買おうと思ったらなんと昼休みの時間で閉まっていたので、バスで丘をくだってハッテンハイムに向かったのでした。
この醸造所はたしか06年産のワインからケラーマイスターがかわっているそうで、ゴーミヨでもそのころから評価がとても高くなっています。
実際僕も飲んで、前に飲んだ印象とは全然違うワインですばらしい質だと僕も思いました。カラーも換わった気がします。上品なんだけどさわやかでシャープなイメージになっていました。
機会があったらもっと色々な種類を飲んでみたいと思っています。
ラインガウの観光スポットとしては一番有名なクロスター・エーベルバッハ(鷲のマークのワイン)も少し訪れたのですが、片方だけ行くなら僕はシュロス・ヨハニスベルクのほうをおすすめします。景色もワインの質もこっちのほうが上です。ヨハニスベルクは何度でも来たいと思いました。
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