やっと去年9月の旅(旅程は こちら
)のレポートを再開します。
といっても現在自宅のパソコンがネットにつながらない状況が続いているのであいかわらずローペースな更新になるのは間違いないですが・。おそらく行ってから一年が経過してしまうでしょう。
今回はフランクフルトのワイン祭りについてです。
この時のドイツ巡りのひとつの目的としてワイン祭りを体感したい、というのがありました。
ドイツのワインに関連している町のほとんどが年に一度はワイン祭りを開催していて8月か9月に行われていることが多く、ネットで街ごとの開催日をチェックしていてルートと照らし合わせながら考えた結果、数日間開催しているフランクフルトのワイン祭りは行くことを決めました。
ワイン祭りが開かれている町はワインの産地である町(村が多いが)がほとんどで、その町に醸造所を持っているところが数ヶ所集まって広場などで開催されている、という形でやっています。
村の規模(村民の数であったり醸造所の数であったり)でワイン祭りの規模は大小さまざまな形がありますがその村の醸造所が中心、というのは変わりません(地元に根付いている醸造所は参加すると思いますが、VDPに加盟していて全国的に評価が高い醸造所は地元のワイン祭りには参加していないところも多いです)。
ワインの醸造所はないけれどその地方の中心となる都市でもワイン祭りは開かれていて、そういうところではその地方全体から醸造所が集まって開催されているようです。
ラインガウではヴィースバーデンやフランクフルトがその形です。
この先は実際の様子をレポートしながら解説していきたいと思います。
ワイン祭りは広場で開催されることが多いと思いますが、フランクフルトの場合は数百メートルの通りの車道を使って開催されていました。道の両脇に各醸造所のブースとそのまわりに飲むためのテーブルが置かれています。
ひとつひとつの醸造所がこういうブースを持っています。
冷蔵庫や食器洗浄機も完備です。グラスには醸造所名が彫られているところも多かったです。
このラインハルツハウゼンは一番大きいし豪華なかんじでしたが、他もこういうような移動式のものをそれぞれが所有しています。フランクフルト以外でもヴィースバーデンや醸造所のある村のワイン祭りなどこれを使う機会が多い、という産地の特徴からこういった移動式のしっかりしたものを持っているのだと思いました。
このブースでワインを注文し、ワイングラスのデポジットと共に代金を払い、近くで飲む、といったスタイルです。
このくらいのやりとりはドイツ語でできるのですが、醸造所の人とのテンポのよいやりとりがすごく楽しくて、ワイン祭りってかんじでした(笑)。
ワインを注いでくれた後にZum Wohl(乾杯)といってグラスを差し出してくれるのがすごくかっこよく思えて好きでした。
いくつかの産地のワイン祭りを訪れてわかったことなのですが、地方によってグラスに注ぐ量が決まっているのです(そのワイン祭りが量が一定なのはもちろんのこと産地で一定なのがまた面白いです)。
ラインガウは一杯が100mlで、これが普通なのかと思いきや、200mlのところもあるしファルツでは250mlでした(たしかヴュルテンベルクも)。
質より量というお客が多いところが多いのだなと納得したような気がしました。
ラインガウのような生産量の少ないところはしっかりと味わってほしいから、と少ないのでしょうか。僕のように色々飲みたい人間にとっては少ないほうが助かります。
一杯の値段はどこもだいたいが3ユーロから5ユーロくらいのもので辛口のほうがレパートリーが多いです。量が違うのに値段が変わらないというのは、少ないところのほうが質のよいものをだしている、という見方もできると思います。
参加醸造所は20弱くらいだったと記憶していますが、ゴーミヨの4房、5房の醸造所は参加していなくて、その次に評価の高いところや生産量が多く資金のあるところが中心といったかんじでした。
なのですごく飲んでみたいというところは少なく(それが絞りやすくて楽といえば楽だったのですが)、僕が飲んだ中ではラインハルツハウゼン、Jakob Jung、Barthが名の知れているところです。
そういうかんじだったので、一通り飲んでからは日本ではあまり飲めない古酒の甘口を醸造所名ではなく、銘柄選ぶという方針に切り替えました。
どれもまったく聞いたことのない醸造所の97、03のアウスレーゼ、97のアイスワインを飲みました。どれもすごくおいしいというレベルではありませんでしたがよい経験となりました。
フランクフルトには一泊して三回このワイン祭りには行きましたが、僕はそんなにアルコールは強くないので、許容量を考えながら良さそうなものを吟味しながら飲まなくてはいけないので大変でした。
そんな少ない杯数の中でも光るものはありました。
今回の大きな収穫はふたつ、ひとつがエアバッハにある Jakob Jung
です。
ゴーミヨで三つ房なので名前は知っていたけれど飲んだことがなかったので真っ先に飲みましたが、僕の好きな系統のクリーンでさわやかでなおかつ素朴さもある味の傾向でした。特に09のカルタヴァインは秀逸でした。
ヤコブ・ユンクのブースです。
夜は会場は人でごった返していて大変でしたが、昼はこのようにがらがらでした。
もうひとつはハッテンハイムにある バース
のリースリングのゼクトです。ちょっと値段が高いなあと思いながら期待せずに飲んだらこれがすばらしかったです。雑みがなく気品あふれる味わいでした。
僕が今までに飲んだゼクトの中では一番好みでした。
ここもユンクも日本に帰るまでに醸造所を訪れたかったのですが、時間があわず訪れられなかったことが今回の旅での大きな心残りでもあります。
フランクフルトはビジネス街なのでスーツ姿でワインを飲んでいる人が多いのは他のワイン祭りと違うところだと思います。仕事終わりはもちろん、ランチで食事をしながらワインを飲んでいるのはうらやましかったです。
といったワイン祭りの説明が中心のフランクフルトのワイン祭りレポートでした。
ワイン祭りは基本的に、下のクラスの定番のワインと醸造所が余っていて在庫処分をしたい上のクラスのワインが出ている、というスタンスだと思うので、最良のワインが飲めるわけではありませんが、色々な醸造所のを気軽に飲めるし雰囲気も楽しいし、旅行に来たついでにワインも楽しみたいという方にはうってつけだと思います。ドイツを訪れる方はワイン祭りの日程も調べて旅程を組むことをおすすめします。
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