先週末はSKEの公演に当選し急遽名古屋行きが決まったのですが、せっかく名古屋に行くので他にも予定を作りたいと思って愛知在住のドイツワインマニアの テンカワさん
に連絡をし公演の前日の土曜日にワインを飲むこととなりました。
水曜の夜に初めて打診してかなり急だったのですがなんとか予定があい、僕を含めて三人で飲むこととなりました。場所は昨年名古屋で飲んだ時と同じゲンゲンバッハというドイツ料理屋です。
今回はわかる人だけだからマニアックめでいこうという話をしていてラインナップを考えていたのですが、テンカワさんはわかる人がいればお宝も放出したいという時期だそうでかなりのお宝を持ってきてくれることとなりました。
エムリッヒシェーンレバー
Monzinger Halenberg トロッケン 2008
シェーファーフレーリッヒ Monzinger Halenberg グローセスケヴェックス 2009
ホスピティエン Scharzhofberger アウスレーゼ ゴールドカプセル 2010
フリッツ・ハーク
Brauneberger Juffer sonnenuhr ベーレンアウスレーゼ 1975
全て葡萄品種はリースリングです。

僕はフレーリッヒのGGを持ってくることになったのですが、残りが甘口2本だったのと同じ畑で面白いと思ったのでシェーンレバーのも持ってくることにしてナーエの辛口2本を東京から持参しました。
シェーンレバーのはあまり期待していなかったのですがこれがかなり良かったです。
ミネラル感たっぷりのしっかりした飲みごたえで華やかさもありました。少し年数が経っていますがまったり感もなく今が飲み頃だと思いました。
これはQbAですがGGのワンランク下に位置していて20ユーロ弱します(安価なところでは20ユーロくらいのGGがあるということを参考までに)。
この造り手のニュアンスが満載でこの醸造所の代表的な辛口ワインだと思いました。GGまで買わなくてもこれで充分だと思いました。もし日本に輸入されたら4000円くらいになると思うのですが、気軽に飲むにはちょっと高いですが値段相応の満足度は得られると思います。下手なGGよりはおいしく飲めると思います。
こういう辛口ワインをもっと日本に輸入してほしいものです。
あと、開けたてがキラキラしていて華やかで一番おいしかったのがGGレベルではないということを表しているのかなーと思いました。
フレーリッヒのGGはシェーンレバーとは逆で最初はパッとしませんでした。しかし時間が経つにつれ重みと深みを感じられるようになってきてコクもありさすがGGと思えるポテンシャルを感じることができました。
やわらかい味わいで辛口の上級ワインというよりはファインヘルプのアウスレーゼを想像させました。残糖はGGなのでトロッケンレベルなのでしょうが収獲糖度が高い葡萄を使っているのが明らかというくらい果実味を感じました。
時間が経ってポテンシャルの片鱗が感じられたのと甘みをけっこう感じたので、もう数年寝かせるとこのワインはもっとよくなる、というか化けるような気がしました。
同じ畑の二種類の辛口ワインを飲んだわけですが、ヴィンテージが違うので生育条件が異なるので単純な比較にはならないのですが、収獲する葡萄のコンディンションの違いというのを考えることができました。
シェーンレバーの飲んだワインはハレンベルクの自分の所有の部分の中で、堅実で安定感のあるワインを造ることを目的としたもの、フレーリッヒのは最良の葡萄からそのポテンシャルを引き出す醸造をしたワイン、という違いを感じられました。
両方ともGGで同じヴィンテージならば思想の違いなどもっと他のことも感じることができると思うのですが、ランクの違うものでも感じられることがあって面白かったです。
今回は書きませんがGGの存在意義というのを考えたりもすることできました。
アウスレーゼは、何種類か候補を挙げてもらった中で、 2010年のアウスレーゼ
が気になっていたのでこのワインを持ってきてもらいました。
最初は気がつきにくいのですがやはり2010年らしい酸とパワーを奥に感じました。
きれいで安心して飲めるアウスレーゼです。少し物足りなくも感じますが今飲むなら十分おいしいと思えます。値段もあって自分では自らこのワインをまた選ぼうとは思いませんが。
コンディンションのよい完熟した葡萄を使っていることは感じられるのだけどシャルツホーフの畑の魅力はあまり感じなかったので、この前のヘーフェルと同様エゴンミュラーの所のようなオリジナルな部分の樹ではないのではという気はしました。
テンカワさんがここのピースポーター・トレプヒェンと同じ味がすると言っていました。僕も標準的で没個性的だと感じました。それがこの醸造所が評価が高くない理由のひとつだと思うのですが、その安心して購入できる安定感が特徴と言い換えることもできます。
僕はこの醸造所のはほとんど買わないのですのですがPiesporter Schubertslayのワインだけは気に入っています。この畑は単独所有なのにErste Lageに指定されています。
そして今回の目玉です。
古酒はコンディンションが重要なので過度な期待はしないようにしているのですが問題は全くないと感じました(輸入元はドイツ商事)。
最初はまだパッとしませんでしたが5分くらいしてもうすごさを感じられました。
落ち着いた飲み口の中にふわっとわき立つ香りとどっしりとした葡萄の味(貴腐を想像させます)があります。
時間が経つにつれしっかりと酸があるのも感じられました。若いワインのフレッシュな酸とは異なる抑えめだけど存在感のある酸でした。これが良いバランスを作っていました。
甘さはそんなに強くは感じなかったのですがそれがアルコールが9パーセントもあるという理由であり、その少し高めの度数がしっかりとした骨格を作っているのだと感じました。
僕自身の好みはかなり残糖のあるワインが熟成した時のほうが幸福感を強く感じるのかなと思いましたが。
となんだが冷静なコメントを書いていますが、自分の大好きな造り手でもあるしかなりテンションが高くなりおいしく飲みました。
古酒は頭で考えながら飲むのではなく感じるものです。
37年の歴史とヴィルヘルムさんが醸造を引き継いでからの10年目の作品ということを噛みしめながらしみじみと堪能したのでした。
こんな場とワインに出会えたことに感謝です。
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