毎年9月の第4週の週末にはVDPの競売会が開催されています。
金曜に行われる モーゼルの競売会
には昨年が三度目の参加でしたが、土曜に行われるラインガウの競売会には初めて参加しました。

開催場所はクロスター・エーバーバッハKloster Eberbachです。翌日日曜の グローセス・ケヴェックス(辛口の最上級)の試飲会
が行われてこちらには2度参加しています。

午後のオークションはこちらで行われて午前中の試飲会は奥にみえる半分のスペースで行われていました。

外側を囲んで醸造所ごとにブースがあってワインの試飲ができます。多くの所は当主も参加していて当主自らがグラスにワインを注いでくれます。
真ん中にはコミッショナーのテーブルが配置されていてオークションに入札したいワインの相談、申し込みをする場所がありました。
競売会の詳細などは他の地域も同様なので知りたい方は 過去のモーゼルでの会
のことを書いた記事をごらんください(システムなどを知るにはそのリンクからさらにさかのぼることになりますが)。
今回はラインガウの競売会はモーゼルと同様午前中の試飲会のみ参加しました。この日の午後はモーゼルに戻って クリッツクライネの試飲会
に参加したのです。そして翌日またラインガウに戻ってくるというかなり無茶な行程をたてました。
試飲したワインの感想ですが、書いたメモを失くしてしまい強く印象にのこったものしか書くことができません。すみません。
VDPのホームページに落札額が掲載されているので興味がある方はそちらをごらんください。( こちら
もしくは http://www.vdp.de/nc/de/aktuelles/aktuelles-detailseite/article/rueckblick-vdp-versteigerungswochenende/
からラインガウを選択)。
3本とか落札できる用意している本数がかなり少ないものもたくさんあったのですが午前の試飲の場ではリストの37と41以外の39種類(たぶん)のワインを飲むことができました。古いワインは他の地域でも数種類出品しているのですが、古いワインも何種類も試飲できたのが他の地域とは異なるラインガウの特徴でした。
モーゼルがほとんど甘口なのに対しラインガウは数は少ないながらゼクトも赤もトロッケンのリースリングもありました。
ゼクトと甘口以外の白は、すごく美味いもしくは買いたいと思うほどのものはありませんでした。競売会にだすくらいなので高水準ではありますが。
赤(シュペートブルグンダー)は若いものでは白辛口と同様の感想でしたが、リスト5番のアウグスト・エーサーの1973年のシュペートブルグンダーがすばらしかったです。今回の中で一番感動したのがこのワインでした。

メモがないので細かい感想は覚えていませんが40年経っている古めかしい枯れたかんじはそんなにはなかったことに驚きました。甘口仕上げではないらしいのですがふくよかさがあったので今の規定でいうアウスレーゼクラスの葡萄から造られ、だからこそ今も枯れることがないということが想像できます。
クロスター・エバーバッハは本拠地ということも赤、辛口からエーデルズースまで、年代も様々で何種類も出品していて試飲することができました。
アイスワインとベーレンアウスレーゼは熟成はしている貴重なものではありますがヴィンテージもあってかたいしたことはなかったです。
一番すばらしいと思ったのは1942年のシュペートレーゼでした。

写真のワインで、もう黒い液体になっていました。貴腐ワインだとある程度熟成すると黄金色もしくは黒くなっていくのですが、そこまでのクラスでなくてもここまで時間が経つとこういう色合いになるのです。
70年経っているワインなんて初めて飲みましたがまだおいしく飲めることにびっくりしました。たくさん量を飲むようなワインではなくてほんの少し飲むだけでも幸せな気持ちになり満足しました。
Bickel-Stumpf、Höfler、Schmitt's Kinderというフランケンの醸造所のワインもあったのですがそれだけで飲んだらおいしいと思うのですがラインガウのと並べて飲んで比べてしまうと、というものでした。
ベーレンアウスレーゼ以上の極甘口はフランケンのも含めてあまり良いものはありませんでした。ラインガウの競売会だけではなく競売会に出品する極甘口ワインは最高品質のものはなかなか出品していないようです。もちろんデンホフなどのように毎回すばらしいところもあるし今回の他の競売会でのツィリケンやモリトールみたいなTBAに出会うこともあるのですが。
シュペートレーゼ、アウスレーゼは極甘口よりは好みのものが多かったのですが、もっと寝かせないと本領を発揮しないワインが多数でした。競売会に出すワインは寝かせて価値が出るという前提で造り手も買う側も考えているので当たり前のことです。今美味しいワインを探す場ではないのです。
その中で僕のお気に入りの醸造所のひとつである ヨハニスホーフ
のシュペートレーゼ・ゴールトカプセル(23番)は今飲んでもすばらしかったです。僕の大好きなベルク・ロットラントの畑ということもあってふくよかでボリューミーで、あきらかにアウスレーゼ以上の糖度があるのですが今でも調和がとれていました。
購入してまた飲みたいと一番思ったのはこのワインでした。出品したのはマグナムだったので750mlは醸造所に行けば購入できるかと思ったのですが、後日知人に依頼したのですが無理なようでした。
もっと他にも個々のワインについての感想を書きたいのですがメモなしではこれが限界です。いい加減なことも書けないので。
モーゼル、ラインガウ、ナーエの競売会に何度か参加している中でトータルでの満足度は今回のラインガウが一番高かったのでした。個々のワインでは他の競売会でもっと素晴らしいワインに何度か出会っていますが、試飲会に参加しての満足度はこれが一番だったのです。古いワインも試飲できるということが大きいと思います。
ただそれは試飲ならということで、古いワインは出品本数はかなり少ないので落札するのはかなり困難で、若いワインでもラインガウは他の地域に比べて一種類で用意している本数が他の地域より少ないので落札を目的に参加するのならラインガウはけっこう厳しくて落札の結果も含めると満足度はあまり高くならないかもしれません。
甘口が好きで購入を目的に参加するのなら本数が多いモーゼルをおすすめします(いづれにしろ購入方法は事前に調べておく必要はあります)。
ラインガウの競売会は雰囲気も他の2つの地域とは少し異なりました。上流階級の社交の場というかんじで高そうな服装の方が多かったのが印象的でした。
モーゼルはマニアも含むワイン好きが中心で、ナーエはその地域の地元のワイン好きが多くてアットホームな雰囲気、と3つの会それぞれに色があるのが面白かったです。
メモ書きを忘れたためレポートを不完全なものになっていて悔しいし、簡単には購入できないような古いワインを飲んでみたいということもあるし、この時期にドイツに訪れたらまたラインガウの競売会に参加したいと思いました。
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