温故知新

2006.06.30
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夫が姑(夫の実父)と喧嘩をした。


人生計画が出来ていない。
転職なんかして、親戚縁者はじめ周囲に恥をさらして生きている。

話は以前からもめていた話やら、かつて決着した話にまで及び、
よくも男同士の電話でここまで、と思うほど、長い時間、もめていた。

が、結果だけ言えば、夫は全ての言葉を飲みこんで電話を切った。

もし、子どもがいなかったら。

ブチ切れて、30代の自分たちの価値観だけをまくしたてて電話を切り、

好き放題に暮らすことだって可能だろう。
事実、夫の兄夫婦は、瑣末なことで喧嘩して2年、音信不通、嫁は電話にも出ない、という抗議行動に出て、
結局、大人側が折れて、今もハレ物に触るように気を使っている。
が、子どもがいれば、自分の親は、子どもにとってはおじいちゃん、おばあちゃんだ。
『大好きなおじいちゃん、おばあちゃん』がいるということが、どれだけ大切なことかは、
子どもの反応や成長で一目で分かる。
そして、私はまた妊娠している。
実家が終わっている以上、夫の実家の助けなしに出産、育児をすることは、なるべくなら避けたいと考えてしまうのだろう。

そして、事は2段階構えになる。

もし、娘が障碍児でなかったら。

自分たちだって、夫の実家と同じように、

予測の範囲を超えない程度の出来事しか人生には起こらない、と信じて生きていたと思うし、
転職、それも、ステップダウンと思えるような転職など考えも及ばなかったと思う。
そもそも、こんなに出費がかかるようなこともなかったかもしれないのだ。

「わしも人間や。人生思ったようにいかんこともある、それは分かる。だからこその計画やろ。備えやろ。」

人生を60年以上。それも真剣に、真面目に生きてきて、困難にもいくつもぶつかった、

測りしれない人生がある、それが今の私たちなんだ。
電話を切ってからも怒り冷めやらぬ夫を見ながら、私はぼんやりと、その重みみたいなものを感じていた。

「障碍児の父も大変だね…」
自分自身につぶやくように言った夫に、
「そのしんどさを、ご両親に分かってもらいたいんだね。」
と、私は口をはさんだ。

障碍児の親の気持ちは、実の親でも分かってもらうのは難しいんだよ、彼らは障碍児を育てた経験はないんだから、ね。

腹立ちを紛らわしようもなくイラだっている彼を見ながらも、
私は自分が一人ぼっちではなく、彼とがっちり肩を組んで歩いているような気持ちになって、こっそり、幸せを感じていた。






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Last updated  2006.06.30 12:44:49
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