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2005年03月27日
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フィゲーラスまでは1時間ほどの列車の旅であった。2等車両に乗ったが結構快適である。
運賃も日本では考えられないくらい安かった。
あまり混雑はしていなかったし、始発ということもあって4人のボックス席を確保することができた。
クロスシートの向かい合わせの座席を確保したということである。
私たちは楽しく語らったり、時折車窓からの眺めに心を引かれたり、他の乗客の様子を見たりして過ごした。
そんなことをしているとフィゲーラスにはあっという間に着いてしまった。

ここの駅は島式のホームが2つあるだけの素朴な田舎駅である。キオスクのようなものも見あたらない。
駅前にはバスの発着所があって、近くにはトタン屋根とテント地の覆いがあるだけの市場があった。
地元の人が何人も買い物をしていたが、新鮮な野菜が沢山並んでいたという記憶がある。


そういうところで時間をつぶすのも悪くはないが、私たちは初期の目的であるダリ美術館へと急いだ。
案内板が少なくて、しかも地図を持っていないので、ほとんど勘を頼りに進んだ。
駐車場の中を通り、広場をやり過ごして何とか見つけることができた。
よくぞ迷わなかったものだ。

ダリ美術館は外観からしてユニークである。
まずその色彩だが、生物界で毒のある生物がおおむね派手な色をして、いかにも毒があることを強調しているように、この美術館も毒々しい色合いをしている。
そして屋根には玉子のオブジェがいくつも並んでいる。

チケットを買って早速中に入ろうとしたが、結構人が来ていて30分ぐらい並ばなくてはならなかった。
中にはいると、様々な仕掛けがこらされていて楽しい。
プラド美術館などと雰囲気がまるで違うのである。それは、子供を見ていたらわかる。
ダリ美術館にやってきた子供たちは嬉々としてはしゃいでいるのだから。


昼食もとらずにじっくりと腰を据えて鑑賞していたので、退場したのは午後2時を過ぎていた。
いかにもおなかが減ったので、近くのバールで簡単な食事をしようと中に入った。
お客はほとんどおらず、若い主人が暇そうにテレビを見ていたが、私たちは言葉が話せないから、難しいメニューのものは頼めない。
セルフで選べるサンドイッチや飲み物をトレーに乗せて会計を済ませ、テーブル席に着いた。

わたしが一番最後にテーブルにトレーをおこうとした瞬間、何かに躓いてバランスを失った。

幸い、衣服などにはかからなかったが、トレーやテーブルにコーヒーがかかってしまい、わたしのグラスのコーヒーは半分も残っていなかった。

そのとき、暇そうにしていた主人がやってきて、テーブルなどを綺麗にふいてくれ、減った分のコーヒーをわたしのグラスに注いでくれた。
わたしは、その代金を払おうとしたが、いらないという仕草をし、だったら手間をかけた分、チップを取ってくれと差し出してもいらないという。
バルセロナではタクシーの運転手にチップが少ないといわれたのだが、この違いにわたしは驚き、この青年の実直さに感心をした。
そういうことがあったのもプラスして、わたしはフィゲーラスの街が大変気に入った。









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最終更新日  2005年03月27日 15時54分22秒
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