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掲示板でグヤトーンについて質問があったので、今週は東京サウンドのValve100SEアンプを紹介しよう。エレキギターやギターアンプで知られるグヤトーンのオーディオ向けブランドが、社名でもある「東京サウンド」なのである。このアンプの特徴はなんと言ってもデザインであろう。半透明パネルを通して真空管の灯りがほんのりと見える様子はユニークで好ましい。2000台を超える大ヒット商品となった前作のグレードアップ版である。 回路構成は12AX7の1段増幅の後、ホージュン・コントロールが入り、12AX7と6L6GCシングルのパワーアンプ段になる。出力トランスは自社開発の比較的大型のものが使われている。出力は8W+8Wなのでまずまずであろう。初段の12AX7のカソードバイパスコンデンサーが省かれているためか、雑音は0.5mVと少し多めのスペックになっている。NFBが少量かけられているので歪みもあまり多くない。 5つのつまみは左から、入力セレクター、テープモニター、音量、ホージュン、電源スイッチとなっている。つまみを回したときの感触もよく、高級感がある。ホージュン・コントロールは一種のトーンコントロールで、中低域を増強するものだ。後面の入出力端子も前作に比べて高級なものに変更されている。コンパクトだが、ケースに入っているので真空管の保護という点では理想的である。性能と価格のバランスがよく、個性的なデザインの素晴らしい製品だと思う。
2005.04.22
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早速、A-505プリアンプの特性を測ってみた。無帰還アンプのため歪みはかなり大きいが、素直な特性である。 左右のゲインの違いを補正するために、SRPPのカソード抵抗を片チャンネルだけ可変にしているところが芸の細かいところである。トーンコントロールはお得意のラックス型ではなくCR型なので、フラット時の特性は少しうねる。この段は左右のゲイン差を調整しきれなかった。大した差ではないが。 次にリファレンスアンプと比較試聴してみた。明らかに艶のある音だが、オーケストラを聴くと少しスケールが小さくなって音が中央による感じがある。人の声を聞いてみると…、張りがあって艶があって素晴らしい!
2006.04.30
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サウンドウォリァーのSW-T10という製品は最近インターネットや通販で大々的に売り出されているのだが、「管球王国」などの雑誌に紹介されていないためその実力は未知数である。製造元は長野県にある城下工業という電気屋さんで、一般向けオーディオ製品を作るのはこれが初めてらしい。カタログによると6BQ5の3極管接続(3結)で1.6Wを得ているようだが、驚くべきことに歪み率は10%となっている。早速6BQ5の規格を調べてみると、3結動作A級シングルで、電圧250V、負荷3.5kΩのとき出力1.94W、歪み率9%となっており、大体当てはまっていることがわかった。 6BQ5は3結にするとあまり電流が流せないため、出力が取れない。従ってあまり3結では使われないのだが、このアンプではあえて3極管接続、無帰還、ということを売り物にしている。そういう点で出力よりも音質優先の設計に違いない。無帰還にした理由はたぶん、小さな音量で聴く場合に存在感のある音にしたかったのではないかと思われ、トーンコントロールを搭載しているのも、ラウドネスコントロールとして使えるようにしたためであろう。構成は1/2 12AX7-6BQ5(T)という風に考えられるが、カタログによるとフォノイコライザーアンプも付いているらしい。これはトランジスター回路であろう。 写真から見るとレバースイッチが4個、つまみが3個付いているが、その用途は不明である。なかなかよいデザインであるが、果たして出来映えはどうか。ホームページによると東急ハンズ渋谷店にあると言うので、早速見に行ってきた。写真のとおり木目が美しい感じでコンパクトだ。かなりよい印象である。ただ、つまみやスイッチの横に何も説明がないので面食らってしまう。トランスケースの上に表示があり、左から電源スイッチ、トーンコントロールON/OFFスイッチ、音量、低音コントロール、高音コントロール、入力切り替えのスイッチ2個(3系統)となっているようだ。使い勝手としては、残念ながらあまりよくなさそうだ。 このあたりを考慮して総合点は価格相応という感じだと思う。
2005.04.03
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結局、2台目のメンテナンスも終了した。本当は製作編としていろいろ紹介しようと思ったのだが、なにしろ1台目の裏ぶたを開けてから1年以上かかったので、その気になっているときに一気にメンテナンスを終了してしまうことにした。2号機は差動増幅のバランスが少し崩れていたので、初段と2段目の球を交換したら調整可能な範囲に入った。Noiseは入力ショートで0.122mVと1号機より劣る値だが、決して悪い値ではない。最大出力は2.5%歪みで65W出る。2台のアンプを並べてみた。モノラル1台で重量は15kgあるため、2台で30kgとなる。最近のTRアンプはこれ以上の重量級が多いが、ステレオアンプとして扱える重量ではないと思う。 久しぶりに音を聴いてみた。リファレンスのAccuphaseに比べて、艶のある良い音だ。
2013.11.05
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荒木町のメゾン・ド・ミナミというレストランのオーナーである南氏の主催で、ヴィンテージスピーカーを聴く会が開かれた。お酒やお弁当も出るので、アペリティフの会と称するようだ。場所はレストランのあるビルの上階で、オーナーの趣味の部屋らしい。ここに24名の聴衆、つまりおじさんたちが集まった。Western Electricの励磁ドライバーや、JBL、Altecの初期モデルを鳴らす、と言うので期待して試聴に臨んだ。 実は、以前レストランが牛込柳町にあったとき、やはりWestern Electricの巨大なスピーカーを聴く催しが行われて参加したことがある。「WEオーディオコンサート」の記事古いシステムとは言え、そのとんでもない能力に驚かされたものだ。 今回はそんなに巨大なものはないが、Westernの555ドライバーや713ドライバーを用いた大型のモノラルシステムが5種類と、ステレオとしてJBLの初期バージョンとAltecの箱に入れたWesternのシステムの2種類の、全部で7種類のスピーカーを聞き比べるという意欲的な企画であった。これは555ドライバーを用いたモノラルシステム。 さらに、ソースはLPとCDの4種類、切り替えて聴かせてゆくので、かなり時間がかかっていた。アンプはVT52のダブルプッシュプルというもの。悠然とシステムに向き合う南氏。 スピーカーがずらっと並んでいるため、それぞれの音量はまちまちで、比較するのが難しい感じだったが、なかなかバランスの良いシステムが多かった。中でも、ステレオのJBL初期バージョンは帯域も広く、軽快な鳴り方で好ましいと感じた。手前の555ドライバー搭載システムのすぐ近くに座ったのだが、最後にこのスピーカーが鳴り出した瞬間、その大音量に飛び上がった。優に100dBを超す音量で、555の特別エネルギッシュな音で耳が痛くなってしまった。 とにかく、これだけのVintage品を短期間に収集して、バランスよく組み上げたた氏の努力には敬意を表したい。もう一度、じっくり聞いてみたいものだ。
2025.03.03
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昔、MJ(無線と実験)誌でSRPP論争というのがあった。「SRPPは本当にプッシュプル動作しているか」という指摘に対して、「アマチュアの製作したプッシュプルアンプの大部分が盛大な2次歪みを発生しているにもかかわらず一応プッシュプルと呼ばれているのと同じことではないか」と開き直って反論したことがある。(MJ誌'89.5) 真のプッシュプルアンプならば、プッシュプルのバランスを取るだけで2次歪みは完全に打ち消されるはずだが、実際にはそうでないアンプが多い。例えば図のようなマラード型位相反転では、上側の負荷抵抗に比べて下側のそれを大きく選ぶことで、何とかバランスさせるのが普通である。 しかし、この回路のバランスは増幅度に依存しているため、ある条件でしか完全にはバランスせず、個体差や経年変化の影響も受けやすい。常に完全にバランスさせておくには、負荷抵抗を可変にして、歪率計とにらめっこで決定するより他にはない。実際、マランツのパワーアンプなどは、メーターを見ながらこのACバランスを調整できるようになっている。歪率計を持たないアマチュアはバランスの取りようがないのだ。 プッシュプルのDCバランスを取るだけでACバランスが取れ、真のプッシュプルになるような位相反転回路は何か。私の意見は以下の通り。ダメな回路…マラード型(1段差動)、古典回路、オートバランス回路、カソード抵抗が別々のウィリアムソン型など。よい回路…2段差動増幅、アルテック型(PK分割)、カソード抵抗が共通のウィリアムソン型、交差接続型など。 要するに、バランスがゲインに依存する回路はダメで、上下対象の回路がよい。もしマラード型でバランスをよくしたいならば、黒川達夫氏のアンプのようにカソード側に定電流源が必要である。また、2段目を差動増幅とするならば、1段目はどんな位相反転回路を持ってきても大丈夫である。差動増幅によるバランスの改善効果が大きいからだ。この6CA7(T)パラPPでは2段差動増幅を採用することにした。
2012.03.04
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6RA8PPパワーアンプの詳しい測定データと写真を、こちらにアップした。なかなか優秀な特性である。 負荷抵抗を8Ω、開放、0.1μFのみにしたときの方形波特性(10kHz)を下に示す。0.1μFのみにしたときは、かなりリンギングが出るが、発振さえしなければOKである。
2006.09.24
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さて、アンプを設計する際は自由度が大きいため、何らかの方針を定める必要がある。こうすれば良いアンプができるはずだという発想、思い込みから出発するのが普通だ。客観的に証明されたものである必要はないので、これを「仮説」として示していこうと思う。今回は300Bはなぜ音が良いかを考えてみよう。300Bは音が良い真空管だと言われている。Western Electric という、当時世界最高の技術者を集めた会社が作った映画館のシステムに使われたことも影響していると思われる。WEオリジナルのの300Bシングルアンプ、WE91の回路をコピーして作る人も多い。しかし、何しろこのアンプは1930年代の設計である。前段は5極管で構成されているため、Gainも高すぎるように思われる。実際、今販売されている300Bアンプはこれとは異なる現代的な設計のものが多いのだ。ではなぜ、他の出力管に比べて、300Bは音が良いと言われているのか。【仮説1】300Bアンプではドライバ段と出力段の歪打ち消しが自然に起きるため、トータルの歪が少なくなるのが音の良い理由である。 解説しよう。300Bは大電流を流せる出力管なので、歪は決して小さくない。シングルの動作例でも5%くらいの歪があってその成分は主に2次歪である。一方、300Bはバイアス電圧が-80Vなどととても大きいため、前段は大きなドライブ電圧を要求されることになる。従って、前段の歪が大きくならざるを得ないのだ。ここで、前段の歪と出力段の歪は位相が逆なので、歪打ち消しが自然に起こることになる。このため、トータルの歪が少なくなるわけである。この目的から考えると、ドライブ段はあまり強力なものにしないで、適度に歪ませるのがよいと考えられる。実際、武末一馬氏のようなベテラン設計者は、ドライブ段に12BH7Aを好んで使用していた。12BH7Aは特に歪の多い球だから、歪打ち消しに都合が良いためである。ただ、私は12BH7Aを使おうとは思わない。歪打ち消しが起こると言うことは、300Bの歪とドライブ管の歪の差分を聴いているわけなので、ドライブ段にも歪の少ない球を起用したいところだ。と言うわけで、ドラ-バーには5687を用いる予定である。ところで、仮説1は確たる根拠があるわけではない。トータルの歪が少なくなることは本当だが、それで音が良いかどうかは分からない。あくまでも仮説というゆえんである。
2021.08.18
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