中年よ、大志を抱け!

中年よ、大志を抱け!

肉体問題3点セット



さて、それじゃ、はじめは「体毛」です。

世の中、男性のツルツルスベスベが流行ってます。トレンディードラマに出てくるようなカッコいい男性は、たいていみんなツルツルスベスベのお肌をしていますよね。

「無駄毛の処理」、「美肌」とか言って、男性雑誌にも、そういう事する所の広告や、毛を取っちゃうクリームの宣伝が載ってます。・・・体毛が濃いと女性に嫌われちゃうんだそうです。

まだ25歳くらいだったでしょうか、その頃の僕にとっても、この体毛問題は結構大きかったですね。なんせ、顔は、ちょっとヒゲを剃らなかったらすぐ濃くなって来るんですから。・・・しかし、顔はまだいいですわ。剃ればいいんだから。

問題は、うでと手の甲、ももと脛、そしてお乳とお腹にまで毛が生えてることでした。

こんなところに毛が生えてたら、嫌がられるだろうな、、、と思っていましたよ。別に誰か女性に見せて聞いたことありませんでしたから、結局は雑誌などからの情報だけからそう思いこんでた訳だったんですけどね。

あんまり気になったんで、ちょっとお腹やお乳の周りの毛を剃ってもみました。・・・しかし、しばらくしたらまた生えてきます。やっぱ、永久脱毛かな・・・なんて思った事もありましたね。

ア~ア、と思いましたよ。何で毛深く生まれてきたんや、って。

顔もこんなん。太ってもいる。毛深い。・・・チェってなもんです。

ところが、ですよ。ある時アメリカに行って驚いたんですが、アメリカの男性の多くは、乳も腹も腕も腿も脛も、どこもかしこも毛深いんですね。そして、浜辺なんかを堂々と彼女を連れて歩いてるわけです。

僕は、あるアメリカ人男性に「日本じゃ毛深い男は女性に嫌がられるって言うけど、アメリカじゃどうよ?」と聞いたら、「知らんで、そんなん。毛があって当然やろう?大人なんだから。」と言うわけです。

ふ~~~ん、ってなもんです。ついでにアメリカ人女性にもインタビューして見ました。「女の人って、毛深い男を嫌がるもんかえ?」・・・すると彼女は、「毛で男を選んだ事は無いわさ」と言いました。

なるほど・・・

それを聞いてから、日本じゃ事情は違うかも知れんけど、とりあえず、毛、隠さんでもええやろう、と思うようになりました。

日本の女性がもしも毛深い男性を嫌うと言うなら嫌えばええわね。女性は世界中にい~~~っぱいおるけんね、ってなもんです。

それで、それからは海に行ってもプールに行っても、惜しげも無く体毛をご披露した訳です。って、今まで隠しとったわけじゃないんですけどね。

すると、ですよ、みなさん。

「ふ~ん、うで、毛深いのね。ちょっと触ってもいい?」・・・スリスリ・・・
「ふ~ん、お腹にも毛があるのね、ちょっと触ってもいい?」・・・スリスリ・・・
「えへっ! お乳の周りにも毛があるのね! ちょっと触ってもいい?」・・・スリスリ・・・
「ああっ! こんなところにも毛がある! ちょっと触ってもいい?」・・・スリスリ・・・「あかんて、そこは・・・」・・・「うふんっ」・・・スリスリ・・

って、結構評判いいじゃないですか。体毛さまさまってくらいですよ、ほんとに。

・・・そこで結論。 体毛が濃いからって悩む必要は無いっ! です。


さて、お次は「日焼け顔」です。雑誌によると、たくましい男性は、あさ黒くて精悍な顔をしてるんだそうです。白い顔なんて、なまっちょろくて女性に嫌われるんだそうです。

僕は2年ほどある人材派遣会社にいたことがあって、そこから愛知県内にある車の組立工場に派遣されていました。ライン作業です。しんどいんですわ、これが。ま、その話は別の機会に。

さて、その頃会社の寮に住んでいたんですが、寮の隣の部屋のE君が、よく遊びに来てくれてました。

彼がある時、「これ買いました」、と持ってきたのが、名前は知りませんが、顔を日焼けさせるマシーンでした。

「何これ?」と聞くと、「僕、顔が白いから日焼けしようと思って」と言う訳です。

「日焼けって、なんで?」と聞くと、「顔が白いと女性に嫌われるんだそうで」・・・とは、はじめは言いませんでした。いくらなんでもそれじゃあまりに直接的だと思ったんでしょうね。・・・でもすぐばれましたけどね。 最初は、「顔が白いと不健康に見えるから」、と言うんです。

よくよく聞いて見ると、彼はとても顔の色が白いので、女性の前に出ると恥ずかしい、と言うわけです。

しかし、彼の顔色は、白いと言うより不健康な黄土色、というふうで、インスタントラーメンばっかり食べとらんで、ちゃんと食事しろよな、という感じでした。

顔の白さで言ったら僕の方がもっと白いくらいでした。・・そう、僕は顔色が白く、日に焼けてもすぐにさめちゃうんです。でも、恥ずかしいと思ったことはありませんでしたよ。美しいと思ったことはあってもね。・・・ブラジルに来た始めの頃は、職場のおばちゃん達に、「肌白いね、羨ましいわ」と言われるくらいでしたもん。さすがにブラジルに4年も住んでいると、強烈な紫外線のせいで黒さが持続してますけどね。

でも、E君がせっかく高いお金出して買ったものでしたから、ケチをつけたら可愛そうです。それで、「ふ~ん、そんなもんがあるんや」、と、感心してみせました。

やがてE君の顔色は、たしかに日焼けして来ました。・・・でも、精悍さが出てきた、とは思えませんでした。そりゃそうです。精悍さって、目の輝きとか表情とかに出るもんなんですから。白人にだってなんぼでも精悍な人はいるでしょう。肌の色じゃないですよ、絶対。

顔ばっかり日焼けして、首やうでは白いという妙な状態で、それでもE君は得意気でした。

彼は、僕より3センチ背が低かったのですが(それだって別に低すぎる訳じゃありあませんでしたが)、背が低いからと上げ底の靴を履き、足をくじいてしまったり、鼻がちょっと曲がってるからと整形したり(大して曲がっちゃいなかったんですけど)、二重まぶたの方がいいからとまぶたを整形したり(僕は二重ですが、一重の方がよっぽど男らしいと思ってます)、、、大学くらい行かないと人が馬鹿にするんで、どこでもいいから入るために入学金を稼ぐんだ、と言ってた割にはそういうことにお金を使ってばかりいて、結局、「ここは給料がよくないから」、と別の所に移って行きました。

僕は、そういうことにお金を使うのが悪いと言ってるんじゃないんですよ。何に使ったって、その人の自由なんですから、それについては別にいいんです。

ただ、彼が実態のないものに振りまわされてると思ったんです。なんか、本質的なものに触れてない、と思ったわけです。

そう遠まわしに言うと、彼は、「だってこれで僕の悩みが解決するんだからいいじゃないですか」と言うわけです。・・・たぶん、更に新しい悩みがわいてくるんだろうな、とか、でも、出来れば別の事に関心を持って欲しいな、とか思いましたが黙ってました。彼の言う事もよく分かったからです。

目の前の事を解決しないと全てのことがうまくいかないように思えてしまう事ってありますもんね。逆に言うと、これさえなんとかしたら全てがうまく行くんだ、って思う事、僕にだってありますよ。後からしょーもなかったな、って思える事でも、そん時は一生懸命って事が。

だからよけいに、「青年雑誌よぉ、みんなあんたらを信頼して見てるんだからさぁ、しょーもない広告とか記事を載せんなよなぁ。みんな結構“純”なんだからよぉ」、って思ってしまうわけです。

という所で結論。 ちょっとくらい顔が色白だったってかまやしません。顔は人柄がもろに表現されますから、精悍さを出したいなら、そういう性格になるよう努力する事っ! です。


さて、最後は「口臭」です。

大体今までのパターンからお分かりのように、僕は、僕自身や身近な人の体験から、青年雑誌を中心としたマスコミの商業主義に振りまわされるのはアホらしいでぇ、っていう事を言ってるわけなんですが、今度の、「口臭」については、ちょっと違います。

僕自身、自分や他人の口臭について大変気にした時期がありました。たしかに口臭がひどい人のそばにいるのって、なかなか耐え難いんですよね。だから、もしも自分がそうだったら、と思うとやっぱりね。

その頃、別の病気の治療のために行ってた病院のお医者さんに、それとなく聞いたところ、「どれどれ、ハーッとしてごらん・・・別に、普通だけど。最近気にし過ぎる人が多いけど、ほとんどは別に気にする必要はないんだよね。君の場合も、別になんともないよ、大丈夫だよ。」と言われました。

実際、自分の口臭に過敏な人は多いそうですが、多くの場合、ただ本人が気にしてるだけで、別にクサイわけじゃないんだそうです。

朝起きた時すぐの生理的口臭、って言うのがあるでしょう? あれはちょっと臭いかな?って誰でも思うんですが、それは歯を磨いたり、唾液の分泌が活発になったら終わる事なんだそうですから、心配するべきものじゃないんだそうです。

また、デートの前に、いくら先輩のおごりでも、ニンニクたっぷりのスパゲッティーや餃子を食べてくるなんてのはやめといた方がいいですね。タバコのニオイも嫌なもんです。でも、そういうのは、いろいろ対処の仕方がありますよね。

仁丹とかをなめるのも一つの手なんですが、仁丹なら銀色のじゃない方が、僕は好きです。グリーンのとか、梅のとかが。・・イチゴミルクの飴をなめるっていうのもお勧めです。人によってはちょっとブランデーで口をゆすぐって言う人もいるようです。

ですから、そう言う種類の口臭は、まあ、エチケットという範囲の対処の仕方をしたらいい訳です。そういえば、なんという本か忘れてしまいましたが、江戸時代に書かれたある本の、ある年寄りの武士の日頃の態度のすばらしさを挙げた文章中に、「彼の口はいつもほのかな甘いニオイがしていて、そういう事にも気をつける立派な武士だった」といったようなことが書いてありましたが、口臭は、昔から気になる事の一つではあったようです。

さて、以上のような種類の口臭以外に、歯槽膿漏とか虫歯とかの口内のトラブルとか、胃などのトラブルから来る口臭がありますね。それとか、唾液があんまりでないとか。そういう病的なのはきちんと治さないといけません。単に口臭、ってだけの問題じゃないですからね。ちなみに、歯槽膿漏の場合、ナスを黒焼きにしたものの粉を歯茎に塗るといいそうで、ナスの黒焼き配合の歯磨きなんてのも売ってますよね。

また、歯槽膿漏でなくても、たとえば天然の塩で歯ぐきをマッサージするとか・・・これは歯のためにもいいそうですが・・・そういうことはしておいた方がいいですね。


そこで本日の総論! 体毛が濃いだの、顔が色白だのなんてこと心配する必要は無い! 僕もそうですが、なんちゃ困ったことにはなりませんでした。しかし、口臭は気をつけるべし!・・・ですわ。


では。

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