恋愛と人生
今回はそう言った重たい話題をいつものようにごく軽めに…
６人の子供がいらっしゃるあるおばあちゃんが、ご主人が亡くなってしばらくしてこう言いました。
「私は亡くなった主人と恋愛をしたことは無かった。好きとか、そう言う気持ちは別に無かった。ただ娘の頃に周りの人に勧められて結婚して、家を守るために一生懸命だった。好きだなあと思っていた人は別にいたけど、その人とは別に何も無かったし、結婚もできなかった。今ごろになって、もしその人と一緒になってたら…と思うことがある。考えてもしょうがないことだけど」
そのおばあちゃんに対して僕は何も言えませんでした。
考えてみると、恋愛が成り立つにもいくつかの条件があるように思います。住んでる環境や時代的なものとか、その人やその人の周りの人の考え方とか、恋愛できる人と出会えるかどうか、仮に恋愛できそうな人がそばにいても思い切って気持ちを打ち明けられるかどうか、打ち明けたとして受け入れられるかどうか・・・
そのおばあちゃんに限らず、恋愛なんてしたことが無い、とか、淡い恋心くらいは抱いたことがあるけど・・・とか、お年寄りからでなくてもそういう話はよく聞きます。
そういう話を聞くと、必ずしも全ての人が恋愛をすることが出来るわけではないということを思います。僕もそういうことがありました。・・・当たり前のことかもしれませんけどね。だから「愛は勝つ」という歌がありますが、僕はあんまり好きじゃないんです。ちょうどその頃フラれたんで、嘘つけ！と思ったわけです。
まあそれはともかく、僕が結構尊敬していたある人は、山登りが好きで、自分はいつ山で死ぬかもしれないから結婚はしないつもりだと言ってました。またある人は、自分のしたい仕事をがんばりたいから、と、恋愛を寄せ付けないようにしていました。また別の人は、病気のお母さんの面倒を見なければ行けないからそういうことは考えられない、と言ってました。彼等と会わなくなって１０年以上経ちますので、今でも彼らが独身なのかはわかりませんが、そういう、みずから恋愛を拒否しているような人も現にいます。
僕は、そういう生き方があってもいいと思っています。恋愛だけが人生ではないと思ってるわけです。
恋愛できないのは普通じゃない…なんて言う風潮が、特に若者をターゲットにした雑誌やドラマなどにはよく見うけられますが、そんな事はないですよ。
ただ、でも、恋愛は良いもんだなぁ…とも思ってるんですけどね。
さて、恋愛は人生に大きな影響を与えることがあります。好きな人と一緒にいると人生が明るくなりますし、辛いことを乗り越えられる力がわいてくることもあります。また、結婚し子供を持てば新しい家族を持つことも出来、それがまたがんばれるもとになることもあります。その意味で恋愛は、人生に潤いを与えてくれ、また、人格を高めてくれるものになりうると思うわけです。
ところが、一方で、恋愛によって人生を狂わせてしまったように見える人もいます。
ある人は、真に愛することの出来る人にめぐり合えた言って、それまで共に暮らしてきた家族を捨て、結局はその真に愛することが出来ると言う人にも捨てられ、家も財産も失ってしまいました。本人は、その女性といる時には目がくらんでいたんだろう、なんて今さらのように後悔していますが、そういう人も結構いるんです。
ここが恋愛の落とし穴でもあるわけです。
では、そういう落とし穴に落ちず、すばらしい恋愛をするにはどうしたらいいのか、なんですが、、、、、、それがわかってたら誰も苦労はしないわけで…
ただ、僕の経験上思うんですが、恋愛って感応現象みたいなもんで、その初期は、顔の良し悪しだとか、肉体的な物だとか、表面的な心のあり方に相手が寄って来たり、反対に自分が相手のそう言ったもののあり方に引き寄せられたりすることもありますが、だんだんと付合いが進んでくると、心の深いレベルに接し、より深く心が結ばれるか、逆に離れてしまうか、と言うもののように思うんです。
もちろん常に自分の周りに自分の心に感応する人がいるわけではないのは言うまでもありません。その意味では、恋愛をしたいと思うなら、出会いの数量も大きな条件としてかかわって来ると思います。
…これは、恋愛に限らず、仕事でも趣味でもなんでもそうだと思うんですが、消化吸収をして肉体を形成して行く主体は自分の身体でも、食べ物という、外からの栄養がどうしても必要であるように、自分の心の世界を豊かにするものは、自分自身の意志や、志向や、考えといった心の働きが主体ではありますが、その材料は、他人や他人の行いといった、自分以外の人の心が与えてくれるもんですもんね。目の前に適当な人がいなければ、視野を広げなきゃ、と思うわけです。また、視野が広がれば、ああ、こんな世界があったのか、って気付くこともありますしね。
…というところで本日の結論。恋愛は、なんだかんだ言っても最終的にはお互いの心の問題。よく言われることですが、いい恋愛をしようと思うなら、いい相手が感応してくるように自分を磨くことが一番！…です。
結局、お互いの心の琴線に触れ合えるかどうか・・・・ですもんね。
そして、そんな相手としっくりいくと、恋愛って本当に素晴らしいものになると思うわけです。
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