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VUの移動には、ロケーション重視で担ぎ上げをよくしています。これまで無線機はFT-817で、50MHzは自作の、144と430MHzは既製品のアンプを使っていました。定格出力20Wの144と430のアンプは、バッテリ運用では10Wそこそこしか出力せず、そのせいかどうか599で聞こえている局をコールしても気づいてさえもらえないことが多くパワーアップを考えていました。アンプを換える方法では、結局トータルの大きさと重量が大きくなりそうだったので、新しいリグFT-857を手に入れました。 モービルホイップで144のFMや7MHzをワッチした感じではこの新しい機械はなかなかよさそうです。担ぎ上げでバッテリ運用することを考え、電源電圧と送信出力の関係を、144MHzで計測してみました。下のグラフは比較のために、手元にある同クラスのIC-706mk2Gと、少しジャンルは違うもののFT-847とともに144MHzの最大出力50W設定での出力電圧と送信時電流を、電源電圧を変えながら測ってみたものです。 電源電圧が高いところではいずれのリグも定格+αを出力しますが、特にIC-706は電圧が低すると出力が大幅に下がってきます。これに対してFT-857は電源電圧が下がった際の出力低下が小さい上(電源電圧12V未満では、10W近く857の出力が706のそれを上回ります)、消費電流は逆に857のほうが2A前後小さくて、FT-857がIC-706mk2Gよりもバッテリ運用に適していることがわかります。FT-847は出力パワの点ではFT-857よりもさらにすばらしく、電源電圧が10V程度までほとんど出力低下がありませんでした。 FT-857のさらに優れているのは、以下に示す受信電流(電源13.8V、CWモード、スケルチオープン時)の小ささで、IC-706の約半分です。857は706よりも軽く、また消費電力、出力、のどれをとっても移動運用、特に担ぎ上げには有利のようです。固定機?のFT-847の消費電流の小ささもあわせて考えると、八重洲はバッテリ等貧弱な電源を使う状況への配慮が開発時によくなされているのかもしれません。 FT-857 0.70A IC-706mk2G 1.36A
2012.06.26
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UHFの山口を、とのリクエストをいただいたので、岩国市の銭壺山に移動してきました。これまで移動運用はほぼすべて広島県からだったので、県外に無線目的で移動するのはおそらく初めてです。 山頂では、HFの八木を二本上げておられる局があったので、144&upに出てよいか、と聞いてみたところ、過去にもQSOいただいていたJI4VXIさんでした。聞けば、年間150回ほどこの場所で運用されているとのこと、舌を巻いてしまいました。 ねらいは坂出のCUXさんと浅口のDGQさんです。144と430も八木は用意していましたが、とりあえずモービルホイップで出てみると、両局とも全く苦労せずQSOできました。500mそこそこと、さして標高のない銭壺山ですが、海に向けて広く開いている抜群のロケーションに助けられました。 さらに一番のお目当てだった1200MHzは、16エレシングルを東に向けてCUXさんもDGQさんも599で入感、あっけなく交信いただけました。ランダムのQSOが難しい1200MHzも、場所を選べばそれなりに飛んでいくようです。 このあとホイップでCUXさんに50から10MHzをサービスさせていただいて、今日の移動を終えました。 帰路、移動に使っている車の下回りからの異音に気づきました。そろそろ古くなってきたのでどこかにガタが出てきているのかもしれません。あとで車やさんにもって行きます。
2013.12.08
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昨日固定機の電源電圧を測ってみて、電源ラインの電圧降下が思いのほか大きいことがわかりました。 車に積んであるIC-706は、以前電源電圧を測って、送信してもほとんど電圧が落ちないことを確認したつもりになっていましたが、もう一度念のためにしらべてみました。 結果は恐ろしいものでした。無線機の電源コネクタ位置の電圧は、電源オフの状態で13.2から13.5Vほど。706の電源を入れると、それだけで0.2Vほど低下しました。送信するとさらに電圧はがっくり低下し、送信電力30Wで11.5V、50W送信だと(実際には50Wも出ていないと思われますが)、10.5Vまで落ち、スピーカからはハムが出てきます。これまで706の不具合は、回り込みが主因と思っていましたが、電源電圧の低下が問題だったようです。バッテリ電圧とほぼ等しいと思われるシガーソケットの電圧は送信時もほとんど変化ありませんでしたので、無線機の電源ラインの問題のようでした。 そこで、電源の引き直しをしました。これまで使っていたケーブルはおそらく2sqのあまり太くないもので、途中に車のACCに連動してオフするためのリレーと、自分で巻いたコモンモードフィルタを入れていました。これを、3.5sqのケーブルに変更した上で、途中の抵抗を避けるためリレーやコモンモードフィルタを省略して直接706につなぎました。 電源改修の効果はすばらしく、7MHzのモービルホイップで試した限り50Wフル出力でも無線機の動作は全く安定しており、固定から安定化電源とダイポールで運用しているような感覚でした。 思えば、ダミーロードで動作が安定することから回り込み自体は確かにあったのですが、過去の、電源電圧が落ちていないという間違った測定結果から電源電圧には問題なしと思い込んでいたのがいけませんでした。一番基本的な電源系の問題を解決するのに何年もかかったことになり、われながら恥ずかしい限りです。 でもこれで、また移動運用に出かけるのが楽しみになりました。なお、電源を切り忘れてバッテリをあげるとまずいので、706のオートパワーオフ設定をしておきました。初めて使う機能です。
2009.11.29
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