うりぼうず

うりぼうず

政治系


 田中元首相逮捕のニュースを聞いたのは、高校の時、林間学校から帰る電車の中。小学6年(だったかな)の時には、「日本列島改造論」がベストセラーになっていた。会社の新入社員など、角栄逮捕後に生まれた連中なのだから、彼らにとって角栄は、ワタシにとってみれば吉田茂にあたるような感覚なのか。
 それにしても、田中真紀子が言う「主婦感覚」というものが、なぜ共感を呼ぶのか。あんな大豪邸に住んでいる人間が、「主婦感覚」などと言うことを言えば、一般の主婦たちからは「フザケルナ」と罵声が上がるようものではと思うのだが。
 ただ、この本、所詮は田中真紀子ではなく、角栄を書いている。角栄がよくも悪くも書くに値する魅力を持っているのに、真紀子はそれだけの存在だということか。

 ★外務省「失敗」の本質(今里義和、講談社現代新書)
 一連の外務省不祥事、シェンヤンの領事館駆け込み事態などに見られる対応の失敗などに触れたもの。著者は、中日新聞の論説委員。外務省のキャリアは、一般の省庁キャリアよりも、さらに高いプライド(思い込みの部分が大きいのだろうが)を持っている様子。彼らは、受験エリートの一方の頂点である東大法学部の中でも、さらに優秀な成績を修めたという自負があるのだろう。しかし、所詮は受験というのは受験でしかない。多分、自分たち以外は「あほ」としか見えない部分が大きいんだろうな(この本は、そういった視点ではないが)。
 本にもどれば、対外関係など、かなり国民の情動的な反応を引き出しやすい側面を持っているが、マスコミなどのミスリードの大きさをも指摘。ただし、それらの条件の変化を読み取れない外務省の問題点にかなりの大きさを割いている。
 ただ、吉田茂の時代と比べれば、外務省のおける役割など大幅に低下しているだろうに、その変化を自分たちが気づいていないことに本質があるように思われた。

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