DUからつい最近購入したテナーカルテット盤で、HPで試聴してそのスタン・ゲッツを思わせる艶やかなトーンと、歌心溢れるアドリブにこれはいけそうだと判断して買い上げた。 おおっ!ショーターの「ぺネロープ」も演っているではないか! 1曲目はケニー・バロンの名曲「VOYAGE」ときた。こんなところからもJOE ROBINSONというテナー奏者がゲッツつながりなのが、垣間見れる。 アウトしたフレーズを使わず、中音域から高音域にかけてゲッツによく似た音色で端正なスタイルで吹奏するので、早いフレーズも一音一音はっきり聴こえてきてそんなところからもとても歌心のあるプレイヤーなのが分かる。 3曲目のバラード「IN TIME」ではその非凡な表現力の真価が発揮される。 このレコーディング時(2001年)40歳だったというが、このバラード表現には一本とられた。若すぎても、年老いてもできない、まさに男盛りの今しか吹けないような、苦みばしって渋くハードボイルドなんだけれども、ほんのりした甘さが見え隠れする極上のナンバー。 JOE ROBINNSONは1982年にサキソフォンを始め、1984年にカンタベリーからロンドンへ移住して、自身のグループの他スタン・サズルマン、トミー・スミス、ウィントン・マーサリス、テレンス・ブランチャード、カーク・ライトシー、ピーター・キング、などと共演した経歴があり、学校で音楽の講義も受け持っているという。 ピアノのJOHN DONALDSONはイアン・バラミーのグループに在籍していたこともある有能なピアニスト。 このアルバムでもソロにバックに活躍している。 惜しむらくはリズムがベース、ドラムとも少し弱いか? もっとも自己主張の強いリズム隊だと、フロント主導型のバランスが崩れてしまうわけで、そこらへんが微妙なんですけど・・・ 6曲目のショーター「PENELOPE」のカバーは珍しい。他にあまり聴いた記憶がない。 先の5曲とは曲調のためか、ROBINNSONの表現も幾分ミステリアスな成分を含んでいる。 全7曲、7曲目は5曲目のセカンドテイクなので、CDで40分ちょっとは短いような気がするが、演奏が充実しているのでこのくらいの収録時間で充分満足できると思う。 メンバーはJOE ROBINSON(TS)JOHN DONALDOSON(P)SIMON THORPE(B)SPIKE WELLS(DS) 録音は2001年8月12日 去年の春先、駅前の「グルーヴィン」で安く手に入れた。 冴えないジャケットのクレジットを見て即買いを決め込んだ。 DAVE LIEBMAN,PAUL BOLLENBACK,TONY MALABY,ERIC FELTEN ,DREW GRESS等有名どころが参加。製作が1992年となっている。というと有名どころもリーブマンを除いて、今ほど名が知れていない比較的初期の演奏が記録されているなという計算が働いた。 スタンダードが結構入っている。 トニー・マラビーがスタンダードをどんな風に料理しているのであろう? 家に帰って早速プレイボタンを押してみる。 様々なフォーマットで演奏されているのであるが、デイブ・リーブマンとトニー・マラビーに焦点を絞って聴いてみた。 リーブマンがソプラノサックスで3曲、クインテットで演奏されていて、トニー・マラビーの方はTP,TB、G,にスリーリズムのセプテットの編成。 リーブマンが「BEAUTIFUL LOVE」とリーダーCRAIG FRAEDRICHのオリジナル2曲、トニー・マラビーが「SO IN LOVE」「SOCIETY RED」「WHAT IS THIS CALLED LOVE」他1曲を演奏している。 リーブマンはいつもの如くクロマティックなラインを織り交ぜながらメロディック、ハーモニック、リズミック三つの面からアプローチを試みて緩急自在なプロフェッショナルなソロを展開している。リーダーのトランペットはアップテンポのオリジナル曲で冴えをみせているが、リーブマンとの力量の差を正直感じると言わざる得ない。 トニー・マラビーは10年以上前から今の吹きすさぶと形容してよいようなスタイルを既にこのレコーディング時に持っており、個性的なトーンでもってオリジナルなプレイを展開している。もっとも今なら吹かないような、フレーズ、ジャズ演奏でのクリシェなんかが入っていて微笑ましい。 現在の姿を認識しているからというのもある程度言えるのかもしれないけれども、やはりビッグネームや話題のミュージシャンは若手の頃や下積み時代の演奏にもなにか他と違うきらっと光る個性を持っているのだなぁと思った。 1992年作品 WASHINGTON D.C. HOT HOUSE RECORDSから1985年にリリースされたレコードで、10年以上前に岡山のLPコーナーで買った。大好きなチャールス・マクファーソンとダスコ・ゴイコヴィッチがメンバーに入っていたからに他ならないのであるが、ベースのLARRY GRENADIERの最も初期の録音(ひょっとして初吹き込み?)プレイが収められているレコードでもある。 1曲目は「BLUES FOR RED」レッド・ガーランドに捧げられた曲だと思う。 LARRY VUCKOVICHのピアノタッチにガーランドの影響が強く窺えるので、間違いないだろう。実際、歯切れがよく軽快なタッチとブロックコードの多用がガーランドを連想せずにいられない。まずは腕試しといった感じの後は、マクファーソンの「FEEBOP」に続く。 ゴイコビッチとマクファーソンの二菅で演奏されて、快活でありながら両者ともベテランらしい余裕を感じさせるプレイでソツのなさを見せつける。 ゴイコビッチはこの頃の方が現在のプレイよりハードな印象で、反対にマクファーソンは音色が現在の方がより肉厚なトーンになった様に感じる。録音のせいかもしれないけど・・・。 3曲目はスローテンポで「INVITATION」をピアノトリオでプレイ。 アル・ヘイグの同曲が名演で有名だけれども、ブコヴィッチの演奏もなかなか捨てた物じゃないです。でも、ここは、マクファーソンのアルトをフィーチャーして聴きたかったのが本音のところです。 4曲目はVUCKOVICHのオリジナル作で、中近東の旋律っぽいテーマが二菅で奏された後、ピアノ、アルト、トランペットとソロが続く。モードでアドリブを取っているマクファーソンやゴイコビッチは最近のプレイではあまり聴けないとおもうので、少し珍しいといえるか? 5曲目はバラードメドレーでマクファーソンが「EMBRACEABLE YOU」ブコビッチが「LUSH LIFE」ゴイコビッチが「YOU DON`T WHAT LOVE IS」を演奏していて、この辺が最も各人の持ち味が発揮された演奏だと感じる。 ラストの「星影のステラ」では、ラリー・グラナディアがテーマを取るが、ここもマクファーソンにテーマを演奏してほしかったところ。アドリブはしっかりとっています。 触れなかったがEDDIE MARSHALLも歯切れのよいシンバルワークでセッション全体をしっかりサポートしていると付け加えておく。 録音は1983年8月26,27日1984年12月27日 昨年の2月にDUから通販で入手したCDで、トランペットワンホーンものなので、どんなものかなぁと買ってみた。ピアノの替わりにギターが参加したカルテット編成。 TORE JOHANSENは1977年生まれのノルウェーの若手トランペッターでトロンハイムの音楽学校で1996年から2000年にかけてジャズを学んだ経歴の持ち主。 このアルバムは3枚目のリーダーアルバムで、このアルバムに参加しているギタリストHALLGEIR PEDERSENとドラマーROGER JOHANSENのオリジナル作品とスタンダード「IF I SHOULD LOSE YOU」「A NIGHTINGALE SANG IN BERKELY SQUARE」「EVERY TIME WE SAY GOODBYE」、チック・コリアの「WINDOES」が収録されている。 バンドのメンバーは全員70年代生まれと若いが、彼らの音楽的嗜好はこのアルバムを聴く限りオーソドックスな4ビートジャズ中心のメインストリームなものの様だ。 TOREのトランペットは北欧の清楚でマイナスイオンをたっぷり含んだ空気の様に、爽やかで気持ちよい。 音色にジャズ奏者が一般的に持っている陰りやくぐもったところ、ダークネスな部分があまり感じられない。かといって明るいわけではなくて、朝靄のような乳白色した印象といったところか。 スタイル的にも実直で難しいプレイはあまり行わない。 聴いていて悪い気はしない・・・が個人的にはもう少し汚れたというか、捻くったところが音色的にも、スタイル的にもあった方が好みなのは私が古い人間なのか? 時々棚から取り出して聴きたくなるアルバムなので、好きな部分もあるのだけれど・・・ メンバーはTORE JOHANNSEN(TP)HALLGEIR PEDERSEN(G) OLE MORTEN VAGAN(B)ROGER JOHANSEN(DS) 録音は2002年7月22日 今月になってDUから通販で入手。 好きなツーテナーもので、おまけにピアノレスなので二人とも思いっきり暴れてくれている。ドラムはジム・ブラックで4ビートプレイがたっぷりと聴ける。 NYダウンタウン派のエラリー・エスケリンがこのリーブマンとのセッションでどういう演奏を繰りひろげているかがキーポイントのCDだと思う。 エスケリンは思ったよりまとも?なプレイを展開している。 アドリブに入るとリーブマンに比べるとやや抽象度の高いフレーズが入らないことはないが、むやみやたらに音を外したりフリーになることも無く、楽曲に沿ったプレイを展開。 エスケリンは、hatLOGYで現在展開している自身の音楽での非常にオープンフォームなタイプの演奏でアブストラクトな音色の変化が感じられる多彩な表情をみせてくれているが、こういうストレートな楽曲(タッド・ダメロン「GNID」や「WHAT IS THIS THINGS CALLED LOVE」)でのプレイもそういう自身の持ち味を残したままオーソドックスなプレイスタイルも立派にできる事を証明したと思う。 最もエスケリンの曲、3曲目「YOU CALL IT」などはフリータイプの演奏でエスケリン以上にリーブマンの血管ぶち切れプレイが聴ける。 5曲目の「WHAT IS THIS THING CALLED LOVE 」はコニッツの「SUBCONSCIOUS LEE」(リーブマン)とタッド・ダメロン「HOT HOUSE」(エスケリン)が同時に吹奏されて、スリリングであるとともに種明かしがされているようで、ジャズを聴くことの満足感を味わえる1曲だと思う。 7曲目ではウェイン・ショーターの「VONETTA」が演奏されている他はリーブマン、エスケリンの楽曲。 この種のバトルセッションはお手のものであるリーブマンに充分引けをとらない演奏を展開しているエスケリンのプレイは特筆されてしかるべきものがあると思う。 リーブマンとエスケリンのことに終始してしまったが、リズムセクションの素晴らしさも付け加えておきたい。 特にジム・ブラックの4ビートプレイの素晴らしさに感服した。 この人どんどん凄くなっていてこういうストレートなプレイでも大物の風格を見せるようになってきていると思う。 メンバーはDAVE LIEBMAN(TS)ELLERY ESKELIN(TS)TONY MARINO(B)GIM BLACK(DS) 録音は2004年5月30日 NYC オランダの若手女流アルト奏者のリーダー作品。 GWに「ノルディックサウンドヒロシマ」に頼んで入荷してもらった。 オランダの女性アルト奏者というと、ジャズではキャロリン・ブロイヤーが有名だが、このTINEKE POSTMAもひけをとらない有望な人材。 このアルバムではクリス・ポッターが賛辞を書いている。 アルトの音色はダークネスな成分を含んだジャズ向きのサウンドで、フレーズもストレートで淀みなくよく歌ったもので好感が持てる。 ピアノのROB VAN BAVELにフェンダーローズを弾かせてこれが、楽曲を活かしていて好印象を抱かせるアレンジになっている。 このデビューアルバムでも自身のオリジナル曲を中心に演奏しているが、1曲目や5曲目などミディアムからアップテンポの曲に魅力を感じる。楽曲の中に俗っぽくならない程度にキャッチーでポップなメロディーを挿入しているところにが、上手いと思う。 ジャズは曲や演奏が分かりすぎても面白くないし早く飽きがくる。反対に難しすぎても馴染むのに時間がかかったり挫折して聴かなくなるケースが多い。 TINEKE POSTMAはその辺の塩梅が良くわかっているのか、微妙なバランスでジャズ入門者もベテランのファンも納得させる結構イイ曲を書くと思う。 メンバーはTINEKE POSTMA(AS,SS)ROB VAN BAVEL(P,EL-P)JEROEN VIERDAG(B)MARTIJN VINK(DS) 録音は2003年4月19,22日 MATTHEW SHIPPをちゃんと聴くようになったのは、実はとても遅くて21世紀になってから。(リーダーアルバムという意味)「OUT THERE」誌上で結構話題にされていたし、どんなピアニスト、音楽家なのか気にはなっていたのだが、聴いた事はこのCDをN山さんから借りるまでなかった。 この時全部で4枚マシュー盤を借りて聴いてみた。 この作品以外はhatLOGYでトリオのものや、ジョー・モリスとのデュオも良かったのですが、自身のレーベルという事で、THIRSTY EARのこの作品を選んでみた。 マシューのピアノはタッチが重い。ヘビーウェイト級の筋肉の躍動感、パワーを嫌でも見せつけられる。 身体能力の差というものを、管楽器やドラムなどの打楽器ではないのにこれほど感じさせるピアニストはここ最近ではマシュー・シップが筆頭に上げられると思う。 2曲目の導入部のよじれた感じで入ってくるラインなど、聴いていてゾクッと来るぐらいかっこいい。 マシュー・シップの面白いエピソードをひとつ。 一日に何度も自分のレコードを置いているレコードショップに売れたかどうかチェックしにくるそう・・・今はどうか知らないが・・・ マシューの音楽は多様性に富んでいて、その全貌は未だに私は分からないのだけれども、 こういうストレートな演奏でもとても個性的なピアノを弾いて非常に才能のあるミュージシャンだと思う。 このアルバムではROY CAMPBELLがマシューの音楽をよく理解した鈍い輝きを発したトランペットを吹いていてアルバムの出来に貢献している。 勿論、WILLIAM PARKER,GERALD CLAVERのリズム隊といっていいのか?有機的なパルスを常に発信し続ける鉄壁なサポートなのは言うまでもない。 録音は2000年1月6日 NYC 去年のGW明けに倉敷の「レコード屋」で買ったもので、\690でこの時は10数枚珍しいCDを買い込んだ。通常のプライスだったら、このような存在を全く知らないCDは買うのに勇気を要するけど、\690だったし、曲もカル・ジェイダー、ジョビンの「白と黒のポートレイト」、ショーティー・ロジャース、ヘルメート・パスコールの曲、「TANGERINE」などをやっているので、少し期待して買ったのだと思う。 PLAZA JAZZ TRIOというトランペット、サックス、パーカッションの編成でラテンを演奏するグループとSTEKPANNAという北欧のギタートリオの全く別のふたつのトリオが合体して一つのグループになったというユニークなグループ。 そんなバンド結成までのヒストリーが信じられないほどしっくりした一体感のあるバンドサウンドになっていて、躍動感溢れるラテンサウンドが繰りひろげられている図式。 ギターのMADS KJOLBY OLESENはフィンランド出身のギタリストでそのプレイは、そのせいかスタイリッッシュでクールな印象を受けて、全体のバンドカラーの舵取り役、制御装置の役割を担っているように感じる。 GEORGE HASLAMの轟音バリサクや活きのいいペット、グルーブしまくったパーカスを北欧勢(ベースはスコットランド出身だが)のギタートリオ隊が微妙なコントロールを施してトータルサウンドとしてのバランスを保っているように思える。 5曲目MADS OLESEN作曲の「MATUSALEM」はそんな北欧のひんやりした空気感とラテンのホットネスがうまくブレンドされた彼らのバンドサウンドの特徴がよく顕れた曲だと思う。 6曲目の「タンジェリン」もクラブのフロアで映えそうないい仕上がり具合。 こんなCD、あの時「レコード屋」に寄らなかったら一生知らず仕舞に終っていただろう。 そう思うと一枚の作品との出会いは一期一会なんだとつくづく思うのであります。 メンバーはSTEVE WATERMAN(TP,FLH)GEORGE HASLAM(BS)MADS KJOLBY OLESEN(G) STEVE KERSHAW(B)ROBIN JONES(PER)PETTER SVARD(DS) 録音は2003年4月17日 OXFORD
WILLIAM PARKER(B) ERI YAMAMOTO(P) MICHAEL THOMPSON(DS)
1 ADENA 2 SONG FOR TYLER 3 MOURNING SUNSET 4 EVENING STAR SONG 5 LUC'S LANTERN 6 JAKI 7 BUD IN ALPHAVILLE 8 CHARCOAL FLOWER 9 PHOENIX 10CANDLESTICKS ON THE LAKE