クラシック音楽は素敵だ!!

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三枝成彰:ヴァイオリン協奏曲

知られざる名協奏曲・3



さて、「知られざる協奏曲シリーズ」の第三回は日本人作曲家。知られざる名曲には日本人作曲家の作品も数多く存在していると思うので、このシリーズに少しづつ登場させていきたい。

SaegusaS
現在はもう少しお年をめされてますが・・・



三枝成彰のヴァイオリン協奏曲「雪に覆われた伝説~シベリウスへの墓碑銘」は1991年11月7日の初演をCD化したもので、HBC(北海道放送)の創立40周年委嘱作品。

 北海道のイメージと重なる雪に覆われた国、フィンランドの大作曲家シベリウス。彼のヴァイオリン協奏曲冒頭主題と似たような音型で始まり、あの寂しい中にも情熱的な音楽を模したような、ロマンティックな協奏曲に仕上がっている。

 全体は26分、三楽章切れ目なく演奏される。吉松隆は「難解音楽撲滅」を主張、クラシックは分りやすくて美しい旋律から構成されるべきで、難解な現代音楽は淘汰されるべきだと訴えているが、三枝氏も同じように、「ロマンティックの復権」をことある事に主張している。弦を多用し、非常に甘美な旋律は氏独特のものがある。

 この協奏曲、三枝が音楽を担当した「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」と作曲時期が重なっているらしく、似たような旋律があちこちに出てきて思わず笑ってしまう。「シベリウスへの墓碑銘」という仰々しい副題がかえって敬遠されている原因だと思うが、曲は全編、雪に閉ざされた仄暗い雰囲気の中に、情熱的なソロ・ヴァイオリンの旋律がうねり、終盤には「三枝メロディ」による劇的なクライマックスを形作る。非常に分りやすく、もっともっと聴かれてもいい曲だと思う。

 三枝氏とは一度仕事でお話を聞く機会があった。オペラ「忠臣蔵」の初演の頃で、非常にエネルギッシュで、「日本のクラシック界の構造を変えたい」と意気盛んであった。最近あまりTV等でもお見かけしないが、お元気だろうか。未完のピアノ協奏曲やチェロ協奏曲もあるようなので、是非発表して頂きたいものだ。


SaegusaVnC
堤俊作指揮/札幌交響楽団/深山尚久(ヴァイオリン)
東芝EMI  TOCZ-9181 3000円




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