クラシック音楽は素敵だ!!

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知られざる名協奏曲:モシュコフスキ

知られざる名協奏曲


♪知られざる名作曲家達♪



Hubay
イエネ・フバイ
さすがヴァイオリンのスペシャリスト
SaegusaS
三枝成彰
日本では有名人ですが・・・
Stanford
スタンフォード
エルガーやパリーと同時代人です
<SchoeckCelloC
オトマール・シェック
リートの世界では超有名人
Martucci
ジュゼッペ・マルトゥッチ
知られざるイタリア音楽の巨星!

いわゆる名曲・名作曲家として名高い人達は、クラシック音楽の歴史の中で むしろ少数。 これは例えば、戦後漫画の歴史に置き換えてみれば分りやすいだろう。

戦後60年、手塚治虫が作った漫画の歴史の中で、数百・数千人の漫画家が誕生し、そして消えていった。10年・20年前の作家達のうち、今でも単行本が発売されているのは ほんの一握りの人気作家達だけだ。 むしろ時間の経過の中に埋もれ、忘れ去られていった作家達の方が圧倒的に多いのは誰にでも理解できるだろう。

 クラシックも同じである。「我こそはベートーヴェンの後を継ぐ者」と野心を抱いて作品を発表しても、続々と天才達が出現し、そうではない人間達の作品は今日殆ど演奏されることはない。しかし、そうした中にも 忘れ去るには惜しい 、きらりと光る素晴らしい作品が埋もれているのだ。

 名曲や高名な作曲家達については、すでに他のブログで語られているので、このシリーズでは 本当に希少な作品 、しかし CDになっていて 誰でも聴くことの出来る作品を紹介していきたい。これは自分のライブラリーをWEB上に整理していく作業でもあるのだ。

 さて、では「知られざる協奏曲」の第一回は モシュコフスキのヴァイオリン協奏曲 を取り上げてみたい。

モーリッツ・モシュコフスキ

Moszkowsky

まさに19世紀ドイツ人、というかんじですなぁ



モーリッツ・モシュコフスキ(1854~1925) はポーランド系ドイツ人。13歳ですでにピアノ五重奏曲を作曲していた程ピアノの才能に恵まれており、後に作曲の傍らヨーロッパ各地を演奏旅行したほどの腕前であったという。

ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲の他に数多くのピアノソロ作品や管弦楽曲、交響曲も二曲あったらしいが、その殆どは現在めったに演奏されず、ピアノソロ作品以外はほとんど録音もされていない。

 ちなみに、200曲以上ののピアノ小品を残しており、《花火》作品36-6や4手のための《スペイン舞曲》作品12(1876年出版)は有名。ホロヴィッツやアムランらが《15の超絶技巧練習曲 15 Études de Virtuositié》作品72を好んで弾いている。

 その僅かに録音が存在するのがこの ヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲ホ長調 。両曲共に、19世紀末の爛熟した世相を見事に反映した、華麗で甘美な曲想を備えた傑作。知名度ではピアノ協奏曲のほうがかなり上のようだが・・・

 ヴァイオリン協奏曲の出だしは「さぁ、これからお伽の国に参りましょう」とでも言うような 颯爽として華麗な開始。 決して力まない、明るさに満ちたパッセージが次々と溢れ、聴く者を飽きさせない。なんと幸福感に満ちた楽章なのだろう・・・

 第二楽章は前の楽章でちょっとはしゃぎすぎたので、ここらでちょっと物憂げに一休みしましょうか、でも決して暗くなったりはしませんよ、という感じでゆったりとさせてくれる。喧騒を忘れ、優しく甘いヴァイオリンの音色にひたすら酔えばいい、という表現がぴったりな楽章。

 そして第三楽章はもう豪華絢爛、ヴァイオリンのヴィルトゥオージーティ(名人芸)をたっぷり楽しんでくださいな的「お楽しみ」の旋律盛りだくさん。 難しいことは申しません、 オーケストラとヴァイオリンの名人芸をたっぷりお楽しみ下さい、みたいな音楽が展開するのだ。

 ピアノ協奏曲もそうなのだが、このモシュコフスキの音楽は本当に超ド級の ポジティブ・シンキング に貫かれている。豪華華麗な曲想には聴き手を不安にさせる一点の曇りもない。これは、6歳違いのマーラーがその作品の中で繰り返し訴え続けた不安感や焦燥感とあまりにかけ離れているのが面白い。

 この違いが何故生まれたのか、という点は書き始めると長くなるので割愛するが、マーラーが19世紀末に、すでに厭世観を主題にした曲を作ったのに対し、モシュコフスキは爛熟の極みに達した世情を見事に旋律化した作品を作った、全く正反対のベクトルを持った作曲家だったといえるのではないか。

 「クラシック音楽」が思想や高邁な理想を具現化しているというのは 一部の聴き手の勝手な思いこみである。 モシュコフスキのような、ひたすらに華麗な旋律を愉しませるという作曲家も数多く存在したし、聴き手はその時の気分で音楽を選べばいい。であれば、モシュコフスキの音楽はもっと聴かれてもいいはずだ。

カップリングのカルヴォーヴィチも素晴らしい!

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ブラビンズ指揮/BBCスコッティッシュ響/リトル(ヴァイオリン)
ハイオペリオン  CDA67389   2820円 


こちらが入手しやすいピアノ協奏曲です!(NAXOS) これも素晴らしい!!
モシュコフスキ / ピアノ協奏曲Op.59 / 組曲「異国より」Op.23
ヴィト指揮/ポーランド国立カトヴィツエ交響楽団/パブリク(ピアノ)
ナクソス   8.553989
990円




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