海砂のつらつら日記

海砂のつらつら日記

2011/09/30
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カテゴリ: 読書

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名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。(「BOOK」データベースより)

一読して何とも言えない表題通りのグロテスクな世界にげんなりします。
多分、東電OL殺人事件をモチーフにしているということを知らなければ
「おい、作者は何を書きたかったんだ??」と突っ込んだに違いありません

殺人事件が出てきますが、ミステリという感じでもないので、結末を知っても
楽しめる作品だと思いますが、 未読の方は以下ネタバレしてますのでご注意ください




主人公の「私」、妹で美しい容姿を持つ「ユリコ」、高校の同級生である「和恵」
そして、中国人の「チャン」、これらの人物の独白や日記をもとに
彼らの、グロテスクな心情がつづられていきます。


この二人が絞殺体で見つかり、容疑をかけられているのが「チャン」。
「チャン」は「ユリコ」の殺害は認めているが「和恵」は知らないという。

「和恵」は「チャン」に殺されたのか?
なぜ、一流企業に勤めながら「和恵」は娼婦となってしまったのか?

各人物が自分の主観で物語を語る上に、どの人物も平気で嘘をついてるようなので
真実がどこにあるのか、結局は読者の想像に任せられているという感じでしょうか。
「和恵」はこの中でも素直で正直なように書かれているようなので、彼女の日記が
一番真実に近いと著者は考えているのでしょうか。

どの人物も嫉妬や、プライドや、何とも言えない負の感情があふれているので
それを受け止めるのが結構しんどいです。精神状態が元気でないととりこまれそう(笑)。
特に、一見一番平凡に見える「私」の悪意はうすら寒いものを感じるほどです。


彼女がどんどん常軌を逸脱していく様子が、客や同僚、家族の態度で察せられるのですが
本人は全然そのことに気づいていないところが怖いですね。。。

そして、Q学園の中での内部生と外部生との確執。
小説内の出来事でしょと思っていたら、結構リアルだそうで、
うちみたいな貧乏人は無理して名門学校に子どもを入れない方が良さそう


たくさんの女性がこの作品でも描かれているが、まともに見える人がいないよ!!
まともに見えていた「ミツル」も宗教(オウムを暗示してる??)にとらわれ
刑務所ですごすことになるし。。。
「私」に怪物だと言われていた「ユリコ」が実は一番まともだったりして。。。

最終章はちょっと蛇足だったかな~と思う。
和恵の日記で終わりでもよかったな~
「私」まで立ちんぼにならなくても。。。

それにしても東電OL事件はいろいろ疑問も多い事件のようですね。
容疑者であるネパール人は有罪となりましたが、今も冤罪だと言ってるようですし、
(実際一審では無罪だったみたいです)
被害者の父親は小説のように彼女が学生のときに亡くなったらしいですが、
その死の前にいろいろあったという噂もあったり。。。
いやぁ~事実は小説より奇なりです。

この事件を知ることができたということで読んで良かったなと思いましたが
小説自体はおもしろかったのかつまらなかったのか・・・判断に苦しむ作品でした





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最終更新日  2011/09/30 11:40:30 PM
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