2006年07月19日
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カテゴリ: 思い出


マツ のことを書こうと思い立ったのは、

みきちー27さんの日記 のサブロー君の写真を見たからです。

サブロー君の目の優しさに安心すると同時に、

最初に会ったときの マツ の目を思い出したのでした。

上目使いに目を細め、白目を剥くようにして、

「絶対に信用できない、来ないで!」って言ってる目。

マツ 、本当に人間が怖かったんだね。

それまで、どんな怖い思いをしてきたのか。



マツ も心を許してくれました。

サブロー君も、絶対に大丈夫と思います。

早く檻が取れると良いのですが。



マツ は、ごく普通の柴犬の雑種という感じの犬でした。

マツ と仲良くなってから次第にマツのお腹が膨らみ始めました。

お腹に赤ちゃんが出来ていたのでした。

出産間際になって、床下で子犬が産まれては困るという理由からでしょう、

ある日、私が出勤するとそれまで自由に暮らしていた マツ は鎖で繋がれていました。

ボロボロの古びた大きな木箱をひっくり返して、それが急ごしらえの犬小屋となっていました。

もっとちゃんと雨風がしのげるようにして欲しいなあ。



いろいろと私なりに思いましたが、本来世話をしているのは私ではありません。

せめても、と、機械の掃除に使ったりするウェス(ボロ布)を分けてもらって、小屋の中に敷いてやりました。


そして、 マツ は数匹の子犬を産みました。

出産のときはちょうど帰宅している日だったので、本当に何匹産んだのか定かではありません。



でも、残されていた子犬は一匹だけ。

あとは全部山の中に捨ててきたという話でした。

私たちは、「・・・・・・・・・・」言葉もありませんでしたが、当時のことです。

不要な子犬は山に捨てるか、川に流すか、だったのでしょうね。

でも、子犬たちが何匹も育ったとして、そのすべての命に責任が取れたかどうか、、、。

犬小屋の周りを見てみたら、死んだ子犬が転がっていました。

出産時に亡くなった子犬のようでした。

ネズミの死骸も一緒に転がっていました。どうして?

一人で頑張ったんだなあ、壮絶な思いで産んだんだろうなあ、こんな所で。


子犬が一匹だけで、 マツ のオッパイはパンパンに腫れていました。

全くご飯も食べずに、一週間ほど小屋に篭もりっぱなしで、たいへん心配しました。

鎖はすでに解かれているにもかかわらず、呼んでも全く出てきません。

具合が悪いの? オッパイ痛いの?

ずっと奥の方にいて、様子が分かりません。

不潔な場所でしたから、産後の感染症も心配でした。



でも、 マツ は復活しました。

ある日、私たちの目の前で、突然小屋から飛び出して・・・・・・そこらじゅうを走り回ったのです。

マツ の嬉しそうな顔、走っているときの得意そうな顔、ニコニコしながら、体をくねらせて

尻尾をブンブン振り回して、私たちに挨拶しにきてくれました。



「きゃ~、マツ、久しぶり~  元気になって嬉しいよ~」



私たちは仕事をほっぽり出して、外で マツ と一緒に追いかけっこになりました。

遊んで遊んで、笑って笑って・・・・・・・ マツ と出会って一番楽しかったひと時。



でも、そのわずか二週間後、やっぱり別れはやってきました。


「マツ、元気でね。マツ、可愛がってもらうんだよ。マツ、さようなら」



子犬は飼ってくれる人が決まっていました。

真っ白な子犬でした。

子犬の飼い主さんも引き上げが決まって、

わずか生後二週間で一緒に連れて帰ることになりました。


マツ 、ますます寂しいね。

子犬がいなくなっちゃって、オッパイは大丈夫かな


マツに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらのお別れでした。



本来の会社に戻ってからも、ときどき様子を聞いたり、
ドッグフードを送ったりしていましたが、

そのうち現地の事務所の仕事も終了し解散したと聞きました。


マツはどうなったの?

誰か面倒みてくれてるの?



事務所が解散して、連絡が取れず、分かりません。



・・・・・・・そして、間もなく


「マツは車に撥ねられて死んだらしい」 と聞かされました。



事務所が解散して、見捨てられたのでしょうか。

食べるものがなくなって、放浪に出たのでしょうか。


ごめんね、マツ

幸せにしてやれなかったね

無責任な人間(私を含めて)に翻弄された一生だったよね

でも一生懸命に生きたよね、マツ


マツ、本当にさようなら





この記事は こちら の続きです



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。





おかーさん 早く遊ぼうよ~

エステル



ね、ね、何して遊ぶ~~

早く遊ぼ~



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



緋佳の
つばめ観察日記



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



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最終更新日  2011年12月07日 13時43分37秒
コメント(13) | コメントを書く


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Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
nyanpoo911  さん
マツちゃんの一生や、子犬のことなど、とても複雑な気持ちです。

けど、マツちゃん、ひと時でも信頼で出来るいい人との時間を過ごせたのですよね。そんなことも知らないよりは、ずっと幸せだったのではないでしょうか?と思う反面、もっと幸せにしてあげられなくてゴメンねってとも強く思いました。

このように、辛い思いであろうと思われます経験を書いていただきありがたいです。本当にいろいろと考える機会を与えていただいています。

すみません。気持ちを文章にできません。 (2006年07月19日 10時59分18秒)

Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
claris.r  さん
いろんな出会いがありますね。
うちの近所にも 設備会社の店先に豆柴ジョン君がいます。 時々 ぐるぐる巻きに絡まってたりします。一度ほどこうと首輪はずしたら 逃げてしまって真っ青になった事がありますよ。もし車にひかれたら私のせいだと・・・。

エステルちゃん いいお顔ですね。
コーギーもかわいいけど ラブはもーーーかわいいです。ハイジと一緒に寝ています。 ちゃまは寝る時は ケージの中で 仰向けです。 (2006年07月19日 12時47分54秒)

Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
nyanpoo911  さん
マツちゃんの一生や、子犬のことなど、とても複雑な気持ちです。

けど、マツちゃん、ひと時でも信頼で出来るいい人との時間を過ごせたのですよね。そんなことも知らないよりは、ずっと幸せだったのではないでしょうか?と思う反面、もっと幸せにしてあげられなくてゴメンねってとも強く思いました。

このように、辛い思いであろうと思われます経験を書いていただきありがたいです。本当にいろいろと考える機会を与えていただいています。

すみません。気持ちを文章にできません。 (2006年07月19日 13時25分36秒)

Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
nyanpoo911  さん
すみません。手違いで、二重にこめんとしてしまいました。 (2006年07月19日 13時29分58秒)

Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
切ないですね。いつも身勝手な人間の都合に振り回され、犠牲にされる小さい命。
人間がもう少し心に余裕があって、子犬数匹の面倒をみることくらい、負担にも思わない、もしくは、みんなで小さな命をはぐくもう・・そういう人だらけであったとしたら、その子たちも不遇な生涯を終えることはなかったのかなと思います。
犬はどこまでも人間に依存する生き物ですから、
人間が、犬に信頼されるにふさわしい器とならなければ、いつまでも可哀相な子が後をたちませんね。

今回の記事を拝見して、私自身も、動物たちに愛されるにふさわしい人間になりたいと思いました。 (2006年07月19日 16時22分06秒)

nyanpoo911さんへ^^  
緋佳  さん
nyanpoo911さん こんばんは~♪
>マツちゃんの一生や、子犬のことなど、とても複雑な気持ちです。

>けど、マツちゃん、ひと時でも信頼で出来るいい人との時間を過ごせたのですよね。そんなことも知らないよりは、ずっと幸せだったのではないでしょうか?と思う反面、もっと幸せにしてあげられなくてゴメンねってとも強く思いました。

今の私だったら、マツへもっと違った対応ができたのでは、、、と思うのですが。

>このように、辛い思いであろうと思われます経験を書いていただきありがたいです。本当にいろいろと考える機会を与えていただいています。

そんなふうに言ってくださると嬉しいです。
過去のことを、あれこれと悔いるだけの話を書くことは、あまり好きではありません。
でも、私の体験やそれに関する私の気持ちを知っていただくことも・・・・と思っています。

>すみません。気持ちを文章にできません。
-----
いいえ、十分にお気持ちは伝わってきます。
ありがとうございます。 (2006年07月19日 22時10分53秒)

claris.rさんへ^^  
緋佳  さん
claris.rさん こんばんは~♪
>いろんな出会いがありますね。
>うちの近所にも 設備会社の店先に豆柴ジョン君がいます。 時々 ぐるぐる巻きに絡まってたりします。一度ほどこうと首輪はずしたら 逃げてしまって真っ青になった事がありますよ。もし車にひかれたら私のせいだと・・・。

それはたいへんでしたねーー
無事だったんですね、良かったです、ホッ。。

>エステルちゃん いいお顔ですね。
>コーギーもかわいいけど ラブはもーーーかわいいです。ハイジと一緒に寝ています。 ちゃまは寝る時は ケージの中で 仰向けです。
-----
ハイジちゃんと一緒に寝てるのですね。
ハイジちゃん、幸せですね。
ちゃまちゃんは寂しくないのかしらね~
マイペースですもんね。 (2006年07月19日 22時17分18秒)

nyanpoo911さんへ^^  
緋佳  さん
nyanpoo911さん またまた、こんばんは~♪
>すみません。手違いで、二重にこめんとしてしまいました。
-----
いえいえ、そういうことってありますよね~
私もやってますよ~^^ (2006年07月19日 22時19分17秒)

エレミア1986さんへ^^  
緋佳  さん
エレミア1986さん こんばんは~♪
>切ないですね。いつも身勝手な人間の都合に振り回され、犠牲にされる小さい命。

私も、そのうちの一人だったんですよね。
最後までキチンと幸せを与えてあげるべきでした。
今の自分だったら、違っていたと思いますが。

>人間がもう少し心に余裕があって、子犬数匹の面倒をみることくらい、負担にも思わない、もしくは、みんなで小さな命をはぐくもう・・そういう人だらけであったとしたら、その子たちも不遇な生涯を終えることはなかったのかなと思います。
>犬はどこまでも人間に依存する生き物ですから、
>人間が、犬に信頼されるにふさわしい器とならなければ、いつまでも可哀相な子が後をたちませんね。

おっしゃるとおりだと思います。

>今回の記事を拝見して、私自身も、動物たちに愛されるにふさわしい人間になりたいと思いました。
-----
私の記事がお役に立てれば嬉しいです。
読んでくださったみなさん、それぞれが何かを感じてくれれば良いと思います。 (2006年07月19日 23時03分55秒)

そうでしたか…  
justA05  さん
ハッピーエンドじゃないのだろうなとは思っていましたが。
なかなか、責任の持てる範囲って限られていますし、難しいですね…。
マツが一時でも幸せに過ごせたのは、窮屈な思いだけして死んでしまったよりも良かったのかなとも思いますし、その時の経験が今の緋佳さんのご活動に繋がっているのであれば、マツも良しと思ってくれるかもって思います。

でもやっぱり、最後まで幸せなのが一番なんだけど。。
運命?とか出会いとかタイミングとか時期とかって難しいですね。

今日もエステルちゃんの和み笑顔でほっこり。
もちろん、シェリーさんの美人なほほえみも知ってますよ~*
(2006年07月21日 00時09分21秒)

Re:心を開いてくれたマツの話(2)(07/19)  
ぴろりん村  さん
マツちゃんのこと、とっても切ないですね。
犬にだって心があるのに、人間、飼い主の意向だけで
犬の人生を人間の都合で作り上げてしまうのが切ないです。
幸せな子もたくさんいるけど、一方でそうでない可哀想な子もたくさんいるんですよね。
みんなが幸せになってくれればいいのに・・・。
でも、ひとときでも、人間の愛情を受けてくれた瞬間があっただけでも、きっとマツは嬉しかったでしょうね!
私にもとても苦い思い出があります。
まだ小学2年生のときですが、小さな子ネコが私のあとをついてきました。
親に相談すると、動物病院にもっていけばもらってもらえると聞き、もっていきました。
(こういう無責任な親だから、捨て犬捨て猫が減らないんだと思います)
しかし・・・そんなはずはあるわけがなく・・・
「山に捨ててきなさい」と言われました。
ミルクと少しのエサを置いて・・・
今でも、そのことを思い出すと胸が痛くなります。


(2006年07月21日 13時36分28秒)

justA05さんへ^^  
緋佳  さん
justA05さん こんばんは~♪
>ハッピーエンドじゃないのだろうなとは思っていましたが。
>なかなか、責任の持てる範囲って限られていますし、難しいですね…。
>マツが一時でも幸せに過ごせたのは、窮屈な思いだけして死んでしまったよりも良かったのかなとも思いますし、その時の経験が今の緋佳さんのご活動に繋がっているのであれば、マツも良しと思ってくれるかもって思います。
>でもやっぱり、最後まで幸せなのが一番なんだけど。。

私の周りで助けを求めている動物に出会ったときに、マツや隣家で餓死した犬のことを思い出して、、、できるだけのことをしてやろう、と思うのです。
でも、それでも未だに至らないことばかりです。

>運命?とか出会いとかタイミングとか時期とかって難しいですね。

活動などと言えるようなことは、何もできていませんが、いつも慈しみの心を忘れず、心が感じるとおりに行動しよう、、、と思ってはいるのですが・・・・
ままならないことも多いですね。

>今日もエステルちゃんの和み笑顔でほっこり。
>もちろん、シェリーさんの美人なほほえみも知ってますよ~*
-----
シェリーにも出番を作ってあげなくては、ね。 (2006年07月21日 22時26分51秒)

ぴろりん村さんへ^^  
緋佳  さん
ぴろりん村さん こんばんは~♪
>マツちゃんのこと、とっても切ないですね。
>犬にだって心があるのに、人間、飼い主の意向だけで
>犬の人生を人間の都合で作り上げてしまうのが切ないです。
>幸せな子もたくさんいるけど、一方でそうでない可哀想な子もたくさんいるんですよね。
>みんなが幸せになってくれればいいのに・・・。

ほんとにそう思います。

>でも、ひとときでも、人間の愛情を受けてくれた瞬間があっただけでも、きっとマツは嬉しかったでしょうね!

そう言ってくださって、ありがとうございます。
私はマツを裏切ったような気がしているのです。

>私にもとても苦い思い出があります。

そのお話も思い出されるたびに辛いでしょうね。
その経験が今のぴろりん村さんの優しい気持ちへと通じているかもしれませんよね。
人って辛いこと、悲しいことを経験してこそ、成長してゆくのかもしれません。 (2006年07月21日 22時48分05秒)

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