“やおっち”的電脳広場

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第二部第15話



あの一件以来、やはり彼女からのメールはめっきり少なくなってしまいました。

彼女から来ることは、もうほとんどなくなってしまい、彼が送らない限りは返事が来ない、というよりもその返事すら来る回数も少なくなってしまいました。

以前が以前だっただけに、彼にしてみれば何か物足りないというか、生活の一部の何かが抜け落ちたような感じがして、どうもしっくりこない、と言ったところでしょうか。

「俺、そんなに気に障るようなこと言ったかな?あのメールが本当に原因なのかな?」

最近の彼は、いつもこう自問自答するようになりました。

そして、そんな状態がしばらく続きました。

そうこうするうちに月日は流れ、GWになりました。
そう、二人が知り合ってからちょうど一年が過ぎたのです。

そんな時期、彼女からメールが。

彼女:「そういえば、知り合ってからもう一年になるけど、覚えてる?」

久しぶりの彼女の方から最初に送ってきたメールでした。

彼は、普通に返信しました。

彼:「うん、覚えてるよ。もう一年なんだね。早いね~。」

そこから、久しぶりにメールのやりとりが始まりました。

その後、メールをやりとりするうちに時間も遅くなったので、そこで彼は思い切ってこんなメールを送りました。

彼:「一年経った記念に、二人で出かけようか」

すると、時間を置かないで彼女から返信が。

彼女:「一周年記念みたいでいいよね~。会おう会おう。いつにする?来週末なんてどう?」

彼は返信します。

彼:「来週末でOKだよ。待ち合わせとか詳しくは直前でもいいけど、その日の予定は全部空けておいてね。」

しかし、ここで彼女からのメールは途絶えてしまいました。

「まいったな。OKかどうか、これじゃ分からないじゃん・・・。」
彼はすっかり困ってしまいました。

そしてまた、この日以降彼女からのメールは来なくなりました。
その後、彼は何度か確認メールを送ったのですが、やはり彼女からの返信はありませんでした。

「おいおい。あいつ(彼女)は立場が逆ならすぐ電話して「どうなの!?大丈夫なの!?ちゃんと連絡してよ!」って言うのに自分の場合は・・・。」
と彼は相変わらず彼女の行動に困ってました。
彼女に電話しても留守電ばかり。全く何の音沙汰もなくなりました。

そうこうしているうちに、金曜、つまり彼女と会う前々日になりました。

夜、彼は彼女に最終確認メールをします。

「もう金曜日。日曜は予定空いてる?大丈夫なのかな?」

間もなく彼女からメールが届きました。

しかし、その内容は彼を驚かせるだけでなく、ある一つの終末へと向かう片道切符となったのです。

さぁ、その内容は?
これが二人の間を決定的にする出来事となるのでしょうか!?(続く)

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