母乳育児の基礎知識


~母乳育児の基礎知識~


母乳を出すにはまずは正しい知識を持って下さい。
私が考えるにおっぱいには 溜まり乳(張り乳)タイプ 差し乳タイプ があるようです。(医学的な根拠はありません)
母乳の出が悪い、という人はたいていはあまりおっぱいが張らない(溜まらない)差し乳タイプであることが多いです。

【溜まり乳(張り乳)タイプの特徴】

○出産後割合早い時期からからおっぱいが良く張る&良く出る
○少し時間が開くとおっぱいがパンパンに張り、母乳パッドが手放せない
○夜など授乳間隔が開くとおっぱいが痛くて目が覚める、パジャマに漏れる
○お風呂に入って温まると自然に母乳がにじみ出て自分のまわりがミルク風呂になる
○おっぱいが痛い、おっぱいが詰まる、しこりが出来やすい、乳首の先に白斑(水ぶくれ)ができる、乳腺炎になりやすいなどおっぱいトラブルが多い
○高カロリー、高脂肪、乳脂肪、甘いもの、餅米などを食べると途端におっぱいが張る又はおっぱいトラブルになる

【差し乳タイプの特徴】

○出産後数日経ってもあまりおっぱいの張りというものを感じることはなかった
○搾ってもにじむほどしか母乳が出ない
○当初の一回の母乳量は5ccとか10ccほどだった
○よほど時間を開けないとおっぱいが張ってこない
○自分でもおっぱいはあまり出ないほうだと思う

また必ずしもこの2つのタイプに分かれるというものでもなく、混合型の人や最初の2~3ヶ月は溜まり乳だったけれど徐々に差し乳になった、というような人も案外多いです。
私の場合も1人目の時こそ、出産後何日経っても一向におっぱいが張ってくるという感覚を感じることが出来ずにいて、その後もずーっと差し乳のままでしたが、2人目3人目の時は出産後2週間ほど経った頃にはやや溜まり乳気味になり、おっぱいにリズムが出てきた2~3ヶ月の頃になってようやく普段はあまり張らず、必要な時のみおっぱいが作られるようになるという差し乳タイプのおっぱいになってきたという感じでした。。
私が第1子出産後に、母乳が出ないと思いこみ、悩んだように差し乳タイプの人はただ待っているだけでは母乳はなかなか出るようにはなりませんが、母乳の出る仕組みを良く理解し、母乳を出す為のコツや授乳方法を良く理解して実践と勇気をもってとり組めば、今よりきっと母乳がたくさん出るようになりますし、母乳オンリーを目指すことも、混合でも母乳の割合を増やすことが充分可能になると思います。

私は差し乳タイプのおっぱいの持ち主なのでおっぱいが出過ぎて困る溜まり乳さんのことはあまり詳しくありません。
このタイプのおっぱいの方は私の母乳育児仲間である溜まり乳ママの「ふみまるさん」のHPを参考にされてみて下さい。
fumimaru

【差し乳タイプのおっぱいの基本的な知識】

差し乳タイプのおっぱいは産後、何日経っても張るということがほとんどありません。
でも張らないから出ないと諦めてしまっては、出るようになるチャンスを逃がしてしまうことになってしまいます。
差し乳タイプのおっぱいというのはおっぱいが張る(母乳を溜める)ということはしませんが、一旦リズムを作ってしまえば赤ちゃんが吸った時だけ必要に応じてそのつど母乳が作られるという授乳生産型のおっぱいだと理解して下さい。
これぞまさしく一見張らない貧弱なおっぱいが赤ちゃんが吸った刺激でおっぱいがみるみる湧いてくる 魔法のおっぱい になりえるおっぱいなのです。

しかし、出ないおっぱい、張らないおっぱいを赤ちゃんが吸えば湧いてくる 魔法のおっぱい にする為には、張らないおっぱいを何度も吸わせる頻回授乳を続けておっぱいにドンドン必要だよ!もっとたくさんおっぱいを作ってね!とおっぱいに学習させてやる期間を乗り越えていくことがとても重要になってきます。
この期間はママと赤ちゃんにとっても不安で辛い試練の期間となることと思います。

まず母乳の出口を作ってやることが大切なので片方の乳頭の先に20本近くあると言われているおっぱいの出口である乳管を出来るだけたくさん開いてやることが大切です。
出来れば乳輪の外側を掴んで乳頭方向にしごいてみた時に5~6本くらいの乳管が開くように出来ればいいと思います。
特に初産の人の場合は乳腺も乳管もいままで使うことがなかったものなので機能してくれるようになるまでは少し時間のかかるものだということを良く理解して下さい。
だからおっぱいが出るようになるのもゆっくりゆっくりなんですね。
乳管開通のやり方については次のページ(乳管開通法)で詳しく紹介しています。
それからミルクと母乳では飲ませ方が根本的に違うということを知っておいて下さい。
ミルク育児の場合、又は混合育児で母乳量がこれ以上増えなくてもいいと思われている様な場合は1回の授乳である程度のまとまった量を飲ませることになると思います。
量の目安は母乳+ミルク、もしくはミルクのみでミルクの缶に書かれているその月齢に応じた量を飲ませることが一般的だと思います。
また消化吸収に時間がかかる為、授乳間隔も3~4時間開き、それらの場合は約3~4時間おきに授乳するというリズムになることが多いです。
でも母乳育児の場合、もしくは混合でも今以上に母乳量を増やそうと思っている場合は出来るだけ回数を多くおっぱいを吸わせること(頻回授乳)が必要になりますから、ミルクの缶の規定量のミルクを足す必要はありません。
1度の授乳で飲ませる量もミルクの場合よりもずっと少ない量を飲ませることになりますからその分、授乳間隔を短くして回数を多くするリズムになるものだと理解して下さいね。
母乳がほとんど出ていない状態からのスタートの場合 は、乳管開通と平行してミルクの缶の規定量より少し少な目のミルクを飲ませつつ、おっぱいのみを吸わせる回数が1日12~15回くらいになるように頻回授乳を繰り返し、様子を見ながら徐々にミルクの量や回数を減らしていくという方法を取ります。
母乳が少しづつは出ているがまだ量が足りないという場合 も、乳管開通と平行して出来る限り泣く度吸わせるという頻回授乳を頑張り、ママがどうしても辛くなってきた時のみミルクを少な目に(40~60程度)足し、様子を見ながら足す量や回数を減らして行くというやり方を実践されるといいと思います。
そうやって張らないおっぱいを根気よく吸わせ続けることによっておっぱいはもっともっと必要なんだ、ドンドン作らなくっちゃ、と反応し母乳の分泌量が増えていく仕組みになっています。
母乳量を増やす混合のやり方の具体的な方法やミルクの足し方については「母乳量を増やす混合のやり方」を参考にされてみて下さい。

また良くベビースケールで出た母乳量を計って確認したいという人がいますが、これも善し悪しです。
母乳の場合は新生児期だと1回に30cc母乳が出ていれば頻回授乳で充分、やっていける量なのですが、ミルクの缶に書いてある数値には○○ccも足りない!と頻回授乳でフォローするということをせず、足りない分をきっちりミルクを足してしまっては授乳間隔が開いてしまい、母乳の出を良くする頻回授乳が出来なくなってしまうことがあります。
ベビースケールを使うのは自由ですが母乳はミルクと同じ量飲ませるものではないし、また出る量も多いときや少ないときと一定しないのが普通ですから、あまりスケールの数字にとらわれずに、1日1回程度体重増加を見る程度にとどめておきましょう。
また良く、おっぱいを搾乳して母乳がどれくらい出ているかを調べようとする人がいますが、母乳は搾って出る分(溜まっていた分)が赤ちゃんが飲める分ではありません。
母乳は赤ちゃんが吸った刺激によってそのつど必要な量が作られ湧いてくる仕組みですから、赤ちゃんがおっぱいを吸った時はたとえ搾って全く母乳が出なかった時であっても吸えば母乳が湧いてくる仕組みになっています。
このようなことから赤ちゃんが飲む量は溜まっていた分+吸った刺激で湧いてきた分となりますから、多い時は搾った時より赤ちゃんがおっぱいを吸った時の方が何倍もの量の母乳が出るときもあると考えてるようにして下さい。

【母乳が足りているかの判断の目安】

○おしっこが1日6回以上出ているかどうか(本当に母乳が足りない場合は母乳体の水分量が不足しますからおしっこの回数も減ります)
○3ヶ月までの時期なら赤ちゃんの体重が1日平均15~20g以上増えていれば大丈夫です(一般的に新生児期はゆるゆるウンチで回数が多いというのが普通ですが、まれに溜めて出すタイプの赤ちゃんもいますからウンチの回数で母乳不足を判断することは出来ません)

生後3ヶ月までの時期ならば
1日平均を出すときは産まれた日からの日数で割るより一週間単位で増えた体重を割るといいと思います。
最初の一週間が増え方が悪くても徐々に増え方が良くなっていれば大丈夫です。
またあまりに体重増加が悪いのに無理して母乳オンリーで頑張るより、最初は無理せず何度か少な目にミルクを足すところから始めて、体重増加の様子を見ながらミルクの量を減らしていくことはいくらでも可能ですから、ママに少しホッと出来る時間が作れる範囲内で頑張って行かれるといいと思います。

私の例を挙げると新生児期の1日の授乳回数は20回くらいでした。と、いうより何回か数えられないほどでした。
ほとんど1日中おっぱいは出しっぱなしの様な状態で完全に裸族と化していました。
ここで大切なポイントは張らないと出ないと思って張るまでまで待ってから飲ませようとしたり、授乳間隔を開けて飲ませようとしていたのではなかなか母乳量は増えないということです。
母乳を溜めようとすることは、作っても必要ないと判断されてしまうので新たに作られなくなってしまいます。
そうして頻回授乳で頑張っていると次第に母乳の出も良くなっていき、赤ちゃんも成長と共に飲み方が上手になって来ます。
今まで1時間ごとに授乳していたような場合でも3ヶ月頃になると授乳間隔が多少開いてくる時も出て来たりします。その頃になると赤ちゃんも徐々に昼夜の区別もつき夜も少しまとめて寝てくれるようになって来ます。

新生児期の赤ちゃんはほ乳力も弱く、口も小さいのでおっぱいを吸うとすぐに疲れて途中で眠ってしまいます。
でもまたすぐ起きて泣くのでママはまとめて飲んでくれればゆっくり寝てくれるのではないか、と思うでしょう。
出ないおっぱいを何度も吸わせるよりは、ほ乳瓶でミルクをたくさん飲ませればきっ とぐっすり寝てくれるのでは?と思うかも知れません。
でも新生児の本来のリズムはこんな感じが普通のことです。
赤ちゃんがまだママのお腹の中にいた頃は約40分ごとに寝たり起きたりを繰り返していたそうです。
暖かい羊水の中で40分おきに寝たり起きたりを繰り返していた赤ちゃん。そんな赤ちゃんがいきなり外の世界へ出て来たのだからいきなりママと同じ様な規則正しい生活ができるはずがないんですね。
そう考えるとお腹の中とよく似た暖かさを感じることのできる抱っこやおっぱいだと泣きやんだり、ウトウトしたりするけれど、冷たくて固い布団の上に置けば泣いてしまう、ということも良く理解出来ると思います。
ママのお腹にいた頃は昼も夜もない世界です。
だから新生児ちゃんは昼夜なく泣き、眠るのです。
こう考えれば赤ちゃんが昼夜逆転になることも寝て欲しいときに寝なくても納得できると思います。
でも徐々にお腹の外の生活リズムに適応してくれるようになりますから、それまでは無理強いせずに、無理にリズムを作ろうとも思わずに、ゆっくり赤ちゃんのペースに合わせてあげて欲しいと思います。

母乳は毎回同じ量出るのではなく、赤ちゃんも毎回同じ量飲むわけではありません。
時間の開くときもあれば頻回に欲しがるときもあるものです。
ママに疲れが出てくると多少母乳の出も悪くなることもありますが、出が悪い時があっても足りないということではなく、そんな時またすぐ欲しがったら欲しいときにいつでも飲めばいいわ、という風に考えてみて下さい。
新生児の間は 昼夜を問わずにママは赤ちゃんと一緒に寝て一緒に起きる生活 をしてみましょう。3ヶ月頃になればこちらが無理にリズムを作ろうとしなくても赤ちゃん自身がリズムを作ってくれるはずです。
こんな大変な時期がずっとつづくことはありません。
きっと段々落ち着いてきます。
しばらくは赤ちゃんに振り回されて大変ですが 期間限定 だと思って頑 張って欲しいと思うのです。
世の中のママ達は、そうきっと私達の母親もみんな、同じ様な時期を乗り越えて来たのだと思います。

また、母乳の量が少なくて不安があるママは 「母乳とミルクの授乳リズムの違い」 のページを参考にされてみて下さいね。


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