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2026.07.04
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Miki Matsubara - 真夜中のドア / Stay with me (Music Video)





欧州を襲う猛暑、ワイン産地に深刻な影響──収穫から醸造まで脅かす
6/30(火) 12:03配信 Forbes JAPAN

今回欧州を襲っている熱波で、人々は1週間をはるかに超えて苦しみ続けている。気温はしばしば摂氏35度超(華氏100度)に達し、夜間でも摂氏28度(華氏80度)を下回ることがない。フランスを中心とした南欧一帯に、まるで電気毛布が(これも欧州ではあまり見かけないものだが)かぶせられているかのようだ。欧州の住宅にはエアコンを備えた家がほとんどないため、政府機関は冷房の効いたショッピングセンターに行って涼むよう人々に呼びかけている。

この熱波は、ブドウ畑のブドウの木にも深刻な影響を及ぼしている。木々には、照りつける太陽や吹き込む熱風から身を隠す術がない。

すでに4月の時点で、異例の暖かさが2週間ほど続き、ブドウの木の生育は猛スピードで始まった。5月に「グルナッシュ・デュ・モンド(Grenaches du Monde)」コンクールでルシヨンを訪れたとき、小さな房をつけたブドウの木が予定より進んでいることは一目瞭然だった。6月に数週間続いた高温少雨が、その進行をさらに加速させた。

では、ブドウ畑には何が起きているのか。この天候はブドウ畑にさまざまな影響をもたらしうる。

■収穫の前倒し

この時期、生産者は収穫開始時期をかなり正確に見積もれる。シャンパーニュは8月に収穫が始まるし、ボルドーもおそらく同様だ。ルシヨンでは、7月にもブドウの収穫が始まる可能性が言及された。

これは「ロジスティクス(物流)」上の問題につながりかねない。南欧では通常、8月が休暇の月である(そう、欧州には1カ月の休暇がある)。多くのブドウ栽培者にとって、休暇は日程変更か中止を迫られるだろう。例年より早い収穫期に向けて、十分な収穫労働者を確保するのが難しくなる可能性もある。



■水分ストレスと熱ストレス

暑いときに水分を十分に取らない人間は、失神したり他の不調に見舞われたりする。ブドウも同じだ。水が必要である。

根を長く伸ばした古い木は、まだいくらか湿り気の残る深さの土壌まで届くことができる。だが若い木は苦戦する。

「十分に」暑い状態が長く続くと、ブドウの木は「防御モード」に入ることがある。葉には気孔と呼ばれる小さな開口部があり、そこを通じて植物は呼吸し、二酸化炭素を取り込む。しかし気孔は、植物体内の水分が蒸散する経路でもある。そこで、わずかに残った水を守るため、気孔を閉じる。すると成熟が止まる。

つまり、やや直感に反するが、暑さがかえって成熟を止めてしまうこともあるのだ。これが水ストレスである。ブドウは適切に熟さない。

■日焼けしたブドウ

高温で日差しが強いと、「日焼け」したブドウが出るリスクもある。日光にさらされすぎると、実がしなびて小さなレーズン状の粒になってしまう。実質的には枯死である。これは通常、房の片側、日光を受けた側だけに起きる。そのため収穫時には、片側は通常の完熟果なのに、反対側は小さく硬くしぼんだ「ブドウではないもの」が混じる房が持ち込まれることになる。

■バランスを欠いた果汁

例年より高温で乾燥した条件下でブドウが急速に成熟すると、ワインへと発酵するブドウ果汁(マスト)のバランスが不均衡になることもある。一般に、マストが最良の状態になるには3要素が適切に交差する必要があるとされる。糖、酸、フェノール類である。

成熟が進むと糖度は上がる。成熟の終盤、収穫直前には、この糖度が非常に速いペースで動くことがある。数日で大きく変わりうる。糖が高いほどワインのアルコール度数は高くなる。

糖と並行して、ブドウの酸度は逆の方向に動く。下がっていくのだ。熟していないブドウは(ほかの果物も同じだが)刺すように酸っぱく、あまり甘くない。熟しすぎると、締まりがなく、つまり酸が足りず、甘さばかりが際立つ。



理想的には、これら3要素は完全に熟したブドウへ向けて同時に進む。糖は上がり、酸は下がり、フェノール類は成熟する。

成熟が猛烈な速度で進むと、この3つの過程は「足並み」を崩しかねない。それぞれが最適点に同時に達することはなく、果汁はバランスを欠く恐れが出てくる。

さらに、あらゆることが速すぎて、完璧な収穫タイミングを選ぶのが難しいという課題もある。

■収穫時の課題

暖かい天候が収穫期まで続けば、ほかの課題も生じる。



切り取られる前に何時間も日光にさらされたブドウを、摂氏38〜49度(華氏100〜120度)の状態で運び込まれることも問題である。破砕してタンクに入れると、高すぎる温度で激しく制御不能な発酵が始まることがある。通常、醸造家は赤ワインの発酵温度を摂氏約29〜32度(華氏85〜90度)以下に抑えたいし、白ワインはスタイルにもよるが、摂氏約10度(華氏50度)未満というさらに低い温度を望むこともある。

ブドウを1晩、あるいは数日間クールルームに入れる醸造家もいるが、設備が必要でコストもかかる。さらに(エネルギー消費によって)温室効果ガス排出も増える。

問題を和らげる別の方法は、機械収穫である。機械なら夜でも問題なく収穫でき、収穫チーム全員に夜勤を頼むより、トラクター運転者を夜勤に説得するほうが容易だ。機械収穫のもう1つの利点は、非常に速いことである。最適な成熟の「窓」が短い場合(この条件下ではそうなり得る)、完璧に熟したブドウを取り込む助けになる。手摘みでは、やや未熟な段階で早く始め、やや過熟の段階で遅く終える必要が出るかもしれない。

■灌漑

思われている以上に一般的だが、ブドウ畑が灌漑されていれば、干ばつは当然ながら問題になりにくい。ブドウ畑の灌漑に関するFranceAgriMerの報告書は、米国のブドウ畑の75%が灌漑されていると推計している。欧州でも灌漑は広く行われている。(欧州では灌漑が禁止されているといわれることがあるが、そうではない)。

ただし、灌漑には水へのアクセスが必要であり、水は無限の資源ではない。アルゼンチンのメンドーサでは、アンデスの融雪水であれ、ボーリング井戸の地下水であれ、水へのアクセスは厳格に規制されている。水利権が、新たなブドウ畑造成の制約要因となっている。

もう1つの例が、コロラド川流域からの水をめぐる争いである。主にアリゾナ州とカリフォルニア州で利用され、その用途の中心(70〜80%)は農業だ。しかし、ラスベガス、フェニックス、ロサンゼルスといった大都市への供給ニーズと競合する。このケースはブドウ畑を含むものではなかったが、同様のことが他地域で起きても不思議ではない。

水、すなわち水へのアクセスは、将来、最も激しく争われる天然資源の1つになる可能性が高い。

■気候変動に対するワイナリーの解決策は何か?

容易な解決策はほとんどない。短期的にはなおさらだ。そして、気候変動と地球温暖化の影響がますます明確になるにつれ、問題は時間とともに深刻化していく可能性が高い。

ブドウ畑では、生産者は注意深く見守り、ブドウの木の健康状態を監視できる。緊急灌漑の可能性もあれば、日光曝露を減らすためにキャノピー(樹冠)管理を調整することもできる。より長期的には、どこにどのように植栽するか、またどの品種を用いるかを変える問題にもなる。

品種によっては高温や干ばつに強いものもある。米国などのアメリカ大陸の国々では、こうした変更は比較的容易に行える。許可される品種に関する規則が、ほとんどないか、あっても少ないからだ。課題はむしろマーケティングかもしれない。ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンは知名度の高い売れ筋である。一方で、ラベルにアンタン・ヴァスやトゥーリガ・ナシオナルと記されたワインを売るのは難しい。欧州では、特定地域で許可される品種を定める規則がほぼ常に存在する。規則は変更できるが、ゆっくりとしか変わらない。たとえばボルドーは最近、トゥーリガ・ナシオナルの試験的な植栽を限定的な規模で認めた。

醸造面では、こうした状況で生産者を助ける手段がいくつもある。不均衡なマストを調整する技術や製品は存在するが、限界もある。たとえば酸の不足やタンニンの欠乏は補正できる。

しかし、ここでも商業的な課題がある。暑い天候のブドウは破砕場に高糖度で持ち込まれやすく、その結果ワインのアルコール度数も高くなる(ただし酵母のタイプによっては低減できる)。近年、市場は低アルコールワインを求める方向へシフトしてきており、この点が課題となる。

■さらなる気候変動の難題

高温と少雨だけが、今日のワイン生産者にとっての課題ではない。地球温暖化と気候変動は、より予測不能で、より極端な気象を生み出しているように見える。春の遅霜がより頻繁になり、芽を枯らす。シーズンを通じて予測不能な雹が、ブドウと木の双方を損傷する。2017年と2020年にナパとソノマで起きたような山火事(森林火災)。ブドウ畑を丸ごと流してしまうほどの豪雨……。

ブドウ栽培家、そしてワインメーカーにとって、暮らしは決して楽ではない。





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Last updated  2026.07.04 00:00:18
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