悠学日記

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岩本 悠

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2017.07.23
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本日の島根の地域紙に以下のようなコラムを掲載した。


ーーーーーーー 【×】を【+】へ  ーーーーーーーーー 


「島根の子どもたちの課題とこれから必要な力」といったような趣旨で
講演依頼を受けることが最近多い。特にPTAから。
そうした研修会で、あくまで私見として以下のようなことを話したりする。

概して、島根の子どもたちの「人間性」は【〇】。
挨拶の良さ、素直さ、まじめさ、優しさ、人情、郷土への愛着などは
全国に誇れるほどだと思っている。


一方、自らの意志で一歩踏み出す「主体性」は【△】。

少数の子どもが多くの優しい大人たちに囲まれて育つ。

子ども一人ひとりによく目が行き届く半面、
大人たちが子どもの問題をいち早く見つけて解決してあげる、
失敗のリスクはあらかじめ取り除いてあげる、
悩み迷わないよう先に教え導いてあげる、
つらそうにすればすぐ助けてあげる。

そうした結果、子どもたちから
「自ら課題を見つけて、自分たちの手で解決していこうとする機会」や、
「できるかどうかわからなくても挑戦し、失敗から学ぶ機会」
「苦しくても、自らの意志で歯を食いしばってやり抜く機会」もしくは
「うまくできずに挫折し、また自分の足で立ち上がる機会」などを


長い目で見たときに、何が本当にこの子のためになるのかと自問し、
すぐ手や口を出したくなっても、待ち、見守っていられる寛容さを持ちたい、
と私は親として日々思っている。


また、多様な人たちと共に対話し考え行動する「協働性」も【△】。
小集団のなかだけで交流が少ない環境だと、人間関係の固定化、

異なる背景や文化の人たちと共に新たな価値を創造する協働性は身につきにくい。

異なるものへの排除や拒絶感ではなく、
異質性への好奇心や違いを楽しみ活かそうとする姿勢を育むには、
異世代や多文化との交流や協働活動、越境体験などの機会が大切である。
可愛い子に旅をさせられる親でありたい。



そこで、もし「そんな島根の子どもたちを伸ばすために、
大人たちが意識すべきことは?」と保護者から訊かれたら、
自分ならどう応えるか自問してみた。

一つは、「大人の質問力」と言うかもしれない。
島根では講演会や研修会の質疑で質問する大人がほとんどいないのと同様、
授業でも自分から質問できる子どもはほとんどいない。
普段の会話のなかで疑問文は少なく、分からないことや知りたいことがあっても
訊けない子どもが多い。それでは学力も育たない。

山陰は、奥ゆかしさが美徳であり、
出しゃばることや自己主張は端ない、という風土だと思う。
そこで、その奥ゆかしさや謙虚さを活かし、
人の意見や考えを伺うこと、つまり、よく「訊く」こと。
訊かれて応える形であれば、「出しゃばった感」を周囲に与えずに、
自分を表現しやすくなる。

そして問われることで、思考が深まり、対話と探究がはじまっていく。
問いからの対話が多くある家庭や学級ほど、子どもの言語能力、
論理的思考力、表現力、そして好奇心や学びの意欲は高まりやすい。
山陰の美徳を活かした訊く文化を家庭や地域で育むことは、
子どもの学力育成にも、かなり効いていく。


もう一つは、「×を+に」すること。
山陰は、【×(バツ)】つまりダメな点やできていない部分、
不足やリスクを見つけるのがうまい人が多く、
負や陰に目がいく傾向があると思う。
この【×】を見つける力を活かし、
【+(プラス)】も見つけ認めること。

子どもは足りていない点やできていない部分ばかり指摘されていると、
自信や自己肯定感、やる気は削られていく。
できた部分や成長した点を認められることで、
子どもは意欲を高め課題にも向かっていける。

強みや得意を活かし伸ばすことで、
弱みや苦手が補われ改善することもある。

【×】も観方を少し変えただけで【+】に見えてくる。
さて、自分は今日、子どもや妻、同僚の【+】を
どれだけ見つけられるだろうか。


岩本悠





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Last updated  2017.08.11 23:50:03
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