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平均調和安定教えて頂いたこと51 「平均調和安定の理法」というバランスの法則で、世の中治まっています。例えば、地球が太陽の周りを回っていることも「平均調和安定の理法」です。遠心力と求心力がつりあって、そしてまわっています。この地球上の民衆の暴動も、安定するのにもバランスが取られるのです。呼吸だって、吸う息と吐く息とがバランスを取っています。しかし、バランスの理法がくずれると死ぬ前になると、吐く息が長くなり、吸う息が短くなっていきます。内臓でも五臓六腑がバランスをとって調和しています。バランスが壊れますと下痢と便秘となってきます。「平均調和安定の理法」がないと、胃腸の働きも肝臓の働きもバランスが崩れます。全部が調和で成り立っています。夫婦間でもケンカして相手に言い過ぎてしまうと、ご機嫌をとろうとします。今はバランスのくずれた世界になってしまっています。自分の気持ちだけで通ったり、自分の考えだけで通って行きますとバランスが崩れることになります。自分の気持ちだけで結婚すると後はいやとなります。恋愛結婚で、結婚しますと、そこに神理の意味がわからずにいますと、我慢しなければならなくなっていきます。今の地球人みたいに、物、金、地位、名誉などに執着した生き方をしていますとバランスを崩してきます。つわりも母親と子供のバランスを取ろうとして、つわりがあるのです。つわりのひどい時が、バランスの壊れていることをとくに現しています。現在の地球人は、心のバランスが崩れてきています。人間関係、友人、知人、親子、兄弟、姉妹、会社の同僚、上司など、いろんなところに現れています。自己中心の生き方は、調和が崩れていきます。家の中、様々なところで、気持ちのバランスがくずれてきています。物事の全て、子心であるとうまくいきません。してもらいたい人はその様になりません。神理を学んだものが、相手の気持ちを抱えて通っていくようにしないとバランスが取れません。これは神理を理用して実際にプラスの現象を実生活に現して生きていくのが、神理を実践した姿です。こういう意味で「平均調和安定の理法」を用いるということです。この世界は全て「平均調和安定の理法」であるバランスの法則が働いています。プラスをした分プラスの現象が起きます。逆にマイナスをした分マイナスの現象が起きます。当然の如くバランスが働くからです。他の為に役にたつ「平均調和安定の理法」に沿った生き方をして、素晴らしい生存の一生を送らなければなりません。
2025.04.13
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朴曰く集より 2 生薬(気味)藥能処方38黄蘗(おうばく)(苦寒)血熱を去り、下痢を止どめ、腹痛を治す。又黄疸を治す。何れも熱を除くが本薬の主る所なり。梔子檗皮湯39当帰(甘温) 中を緩め外の寒を退(しり)ぞけ気血の行りをよくすることを主る、故に手足を温め、腹痛を治し、内を調へ血を和し胎を安んず、之当帰の好んで婦人血の道の諸病、諸の冷え込み等に用ひらるる所以(ゆえん)なるべし。当帰四逆湯・当帰建中湯・当帰芍薬散・当帰散40通艸(つうそう)(木通)(辛平)気を通じ血を循らし、よく手足を煖たむ。故に当帰四逆湯に配伍せられ、手足の厥寒を治するに用ひらる当帰四逆湯41防已(辛平)気を増し外部に在る水を利す、故に風水、皮水を治し身重きを主る。防已を用ふる所身重に重きを置くべし。防已黄耆湯・防已茯苓湯・防已地黄湯・木防已湯・木防已去石膏加茯苓芒硝湯42黄耆(甘微温)外を補ひ堅きを緩め、寒を除く事を主る、故に自汗盗汗を治し肌表(きひょう)の滞を消す。桂枝加黄耆湯・黄耆建中湯・黄耆芍薬桂枝苦酒湯・黄耆桂枝五物湯43防風(甘温)風を去り疼痛を治す。其の効当帰に似て少しく異る所あるものに似たり。防風通聖散・消風散・大防風湯・釣藤散・当帰飲子44芎窮(川芎) (辛温) 気のめぐりを良くしのぼせを下げ頭を軽くし腹痛を治し月經不順を調へ又は下血を止どめ或は胎児を安んず、芎窮は当帰と合用せられ諸種の婦人病、昔時の所謂血の道に応用せらる此れ等は皆気の滞りを散じ血行を順にさせる為と思はれる。四物湯・芎帰膠艾湯・十全大補湯・温清飲・当帰芍薬散・川芎茶調散・葛根湯加川芎辛夷・白朮散45橘皮(辛温)胃中を温め、よくしゃっくりを鎮む。又よく胸満を治す。又よく魚毒を解す。橘皮湯・香蘇散・平胃散・二陳湯・茯苓飲・橘枳姜湯・抑肝散加陳皮半夏46紫蘇葉(辛温 所謂気剤として用ひらる。鬱気発散するの効あり。半夏厚朴湯に入る。其の他蟹の毒を解く特性あり。半夏厚朴湯 他 生薬(気味)藥能処方 山茱萸(酸平)小便の自利を止め不利を出し少腹を引しめ視力を益す等の効ありとなす。八味地黄丸・六味地黄丸・牛車腎気丸 犀角(苦寒)強力なる解毒作用あるものとみえたり。清営湯・犀角地黄湯 酸棗仁(酸平)熱を収め気を平らにするの効あり、故に不眠に用ひらる、又眠られざるに非ずとも気持ちイライラとして落付かざる者にも応用の機ある可し。酸棗仁湯
2025.04.13
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朴曰く集より 生薬(気味)藥能処方1桂枝(辛温)汗を発し表を調う、又衡逆を主る。衡逆とは下から上へつきあげる勢いを言う。動悸・頭痛・息切れ・肩のはり等此衡逆より生ずる者あり、表の陽気虚する時はよく此れ衡逆を発す。桂枝よく表を救う。又山椒の毒を解すに用いられる。桂枝湯・桂枝甘草湯・桂枝去芍薬湯・桂枝加桂枝湯・桂枝二越婢一湯・桂枝二麻黄一湯・桂麻各半湯2芍薬(苦平)結実(けつじつ)とは凝りの事なり、拘攣(こうれん)とは引かれ引きつられるをいうなり、芍薬はよくたるみを引きしめ、痛みを除くの効あり、結実も拘攣(こうれん)も弛みより来るものと見るべし。芍薬甘草湯・桂枝加芍薬湯・当帰芍薬散・複方靈黄參丸3甘草(甘平)緩和を主として逆をめぐらす効あり、逆とは正に反する事なり、めぐるとは元に戻る事なり、故によく厥(けつ)を復し熱を消し痛を和らげ煩を治す。甘草湯・甘草乾姜湯・炙甘草湯・甘草麻黄湯・甘草瀉心湯・甘草附子湯・四逆散・通脈四逆湯・複方靈黄參丸4生姜(辛温)気を扶(たす)け外を実す、之れ生姜の発汗薬に多く用ひらる所以(ゆえん)なり。生姜瀉心湯・生姜甘草湯・生姜半夏湯5乾姜(辛温)深きを温むる効あり、故に厥(けつ)を回し下痢を止め嘔を治す。乾薑黄連黄芩湯・乾薑人參半夏丸・甘草乾姜茯苓白朮湯・乾薑附子湯6大棗(甘平)攣引とはひきつり引かるる事なり、強(こう)急(きゅう)とはこわばりつまるなり、則ち大棗に緩和の効あるものと見ゆ、又大棗には血の循(めぐり)りをよくするのハタラキあり。苓桂甘棗湯・補中益気湯・甘麦大棗湯・平胃散・小柴胡湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・黄芩湯・半夏瀉心湯7葛根(甘平)組織のこわばりを緩める効ありて、其の作用する場所は主として首筋から背中へかけて働くものの如し。葛根湯・葛根黄連黄芩湯・桂枝加葛根湯8麻黄(苦温)よく表裏の水を逐(お)う。故(ゆえ)に汗を発し熱を解(げ)し喘(ぜい)を除き咳(せき)を鎮め、痛みを去り悪風寒を止(と)どめ水気を消す。麻黄湯・大靑龍湯・小靑龍湯・越婢湯・越婢加朮湯・麻黄附子甘草湯・麻黄醇(じゅん)酒(しゅ)湯・続命湯9厚朴(苦温)腹を温め腹満を除く。又胸(きょう)満(まん)、咳(せき)、喘(ぜい)、上気等を治し、或は咽喉(いんこう)の塞(つか)へを治す。併(ただ)しその根元は腹満にあり。厚朴生姜半夏湯・厚朴麻黄湯・厚朴七物湯・厚朴三物湯・厚朴大黄湯10杏仁(甘温)よく腫(しゅ)を消し喘(ぜい)を定(さだ)む。其の本油分の緩和作用と芳香の発散作用とにあるは疑ひなかるべし。桂枝加厚朴杏仁湯・苓甘姜味辛夏仁湯・麻黄杏仁甘草石膏湯・還魂湯11附子(辛温)表を実し陽を益し津液を保つ、故に悪寒を治し厥(けつ)冷(れい)を復(ふく)す。附子湯・桂枝加附子湯・桂枝附子湯・芍藥甘草附子湯・枝去芍薬湯附子湯・附子粳米湯・頭風摩散12石膏(辛微寒)熱気の泛(はん)乱(らん)を収め、気の発散を助け、熱による刺戟(しげき)症状を緩解する能あるものの如し。白虎湯・白虎加人参湯・白虎加桂枝湯・小靑龍湯加石膏13知母(苦寒)熱を収め、痛みを去り、腫(しゅ)を消す。本品の熱を去るは内の熱にして外の熱に非ず故に内熱ある者に用ひて外熱の者には用ふる事なし。(内熱と外熱との見分け方)内熱の者は口乾き、身重く、汗出で、さむけはする事なし。外熱の者は大抵口中乾かず、汗は出る者もあり無き者もあり、必ず悪寒あるものなり。熱あり、疼痛ありても身体は割合に重くはなし。桂枝芍薬知母湯・百合知母湯 生薬(気味)藥能処方14人参(甘微寒)乾きを潤し、しぶりを緩む。故に心下痞、痞堅、身痛、下痢喜嘔(きおう)、心痛、其の他を治す。人参湯・桂枝人參湯・桂枝加芍薬湯・各両人参三両新加湯・四逆加人参湯15白朮(苦温) 水をさばきその滞りを除きよく小便を調う。故に小便不利、小便自利を治す。不利は出工合悪きを謂ふ。又小便少なきをも言ふ。自利はよく出る者を言ふ。則ち出過ぎる者の事。小便の出が悪い筈なのに反って出の好い者の事も自利と謂ふ。小便が少なくて下痢する者、小便の出が好くて便秘する者、筋や骨の痛む者、めまいのする者、頭の重い者、胃がふくれて食進まず或は吐く者、朮のゆくべき場合には必ず小便の出工合を確むべし。〈応用〉水気(むくみ)の病、小便不調の病、胃腸の病、筋や骨の痛む病(手足やその節々や背骨などの)其の他に応用広きもの也。白朮附子湯・桂枝去桂枝加茯苓白朮湯・麻黄加朮湯16茯苓(甘平)水を収め乾きを潤しその不和を調う。故に動悸を鎮め衝逆を緩下し、水を利して眩悸(げんき)等を治す。真武湯・茯苓桂枝白朮湯・茯苓甘草湯・茯苓四逆湯・茯苓沢瀉湯・茯苓桂枝五味甘草湯・小半夏茯苓湯17大黄(苦寒)裏に熱ありて大便出でず、便秘し又は下痢するを治す。又腹痛、腹満を治す。或は内に熱あり、胃につかえありて吐する者を治す。或は頭痛する者を治す。大黄の行く所は内に熱あるが主なれば、小便の色濃く口中燥き又は眼の中赤き者等多し。大承氣湯・小承気湯・大黄甘草湯・桂枝加大黄湯・梔子大黄湯18半夏(辛平)気を補い水を去る。故によく嘔吐、腹中雷鳴、咳(がい)逆(ぎゃく)等を治す。又咽痛を治す。小半夏湯・半夏散・半夏瀉心湯・越婢加朮湯・半夏麻黄丸・葛根加半夏湯・大半夏湯・半夏乾薑散19黄連(苦寒)血の虚熱を去り虚熱より来る諸証を治す。皮膚の痒み又はタダレ心下の痞(ひ)、下痢、出血、心煩(しんぱん)、腹痛など皆それより生ずる証候となす。〈応用〉胸や腹の病、又はそれより来る発熱、心煩、下痢、腹痛、又は皮膚の熱あるただれを治すに用いられる。大黄黄連瀉心湯・瀉心湯・黄連湯・小陥胸湯・黄連粉20黄芩(苦平)熱を和し熱より生ずる心下痞、下痢、腹痛、身熱等を治すこと黄連の如し 而かもこの場合心煩の証は著しからず。これ黄連と異なる所なり。又黄連は上部にゆくこと多く、黄芩は下部にゆく事多きものなり、またよく黄連に伍(くみ)して用ひられお互にその効を強むる事を為(な)す。〈応用〉諸種の内に熱の有るによりて起る病ひ、特に下痢に多く用いられる。黄芩湯・黄芩加半夏生姜湯・六物黄芩湯・三物黄芩湯21細辛(辛温)中を温め、寒を去り、痛みを除き、痰(たん)を消し、咳嗽(がいそう)を治す。〈応用〉鎮咳薬として、又其の他胃腸の病、からだの痛み、中風等に広く用ひらる麻黄附子細辛湯・大黄附子湯・桂枝加芍薬加麻黄附子細辛湯22五味子(酸温)咳を治し小便を調のへ冒を治す、冒は則ち鬱冒のことにて、頭をすっぽりと被ぶせ包まれたるが如き感じを云、延(し)いて頭の重きにも宜し、頭のただぼーっとしたるにも宜し、耳のガンガンするにも宜し。茯苓甘草五味乾薑細辛湯23沢瀉甘寒熱を去り燥きを潤すことをなす、故に刺戟を緩和することを主どる、その主目証は、渴ありて水を欲するもの、冒眩あるもの、小便不利あるもの等なり。当帰芍薬散・沢瀉湯24猪苓甘平渴を止どめ小便を利するの効あり。大概内(おおむねうち)に熱あるものを治す、小便利せずして嘔吐するものにも宜し。猪苓湯・猪苓散・五苓散 生薬(気味)藥能処方25梔子(しし)(苦寒) 熱を去り胸中のもだえ苦しみを除き、或は心中の痛みを鎮め、又はのどの窒(ふさが)がりを開き、又よく不眠を治す。梔子は熱を去るが主能なれば平常冷え性にて腹下り易き者などには宜しからず。但し内に熱ありて下痢し又は下剤を用ひて強いて下し、其の余毒が去らずして下り居る者には用ふる事あり。梔子鼓湯・梔子厚朴湯・梔子乾姜湯・梔子生姜鼓湯・梔子甘草鼓湯26柴胡(苦平)半表半裏の熱を去る、故に胸脇苦満、胸中痛、心煩、往来寒熱、頸項強(けいこうきゅう)、脇下痞鞕(きょうかひこう)、心下(しんか)満(まん)等を治す。〈応用〉胸の病、むねわきの病、腹の病、耳の病、風邪のこぢらかし、瘧その他広く諸病に用ひらる。小柴胡湯・四逆散・大柴胡湯・柴胡桂枝湯27括蔞根(苦寒)渴を主どること疑いなかるべし、又熱を消し小便を利し急を和する効ありとなす。而してその急を和する趣やや葛根に比すべし。本品は渴を治するも石膏と同じからず。小便を利するも茯苓と異なる。深重なる観察と周到なる注意とにより始めて之を悟り得べきものならん。因みに葛根は味甘平なり、石膏は味辛微寒なり、茯苓は味甘平なり括蔞桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯・柴胡去半夏括蔞根湯・括蔞牡蠣散28牡蠣(鹹平)乾きを潤ほし血気の行(めぐり)を調(ととの)へ和す、故に胸(きょう)脇下(きょうか)の痞(つかえ)へを柔らげ或は寒(かん)瘧(ぎゃく)を治し或は水気を除き又は驚きを鎮むる等の能をなす。牡蠣湯29龍骨(甘平)内を補い縮まりを緩(ゆる)め血気を調(ととのえ)へ和す、故にボクは本品に頭をやすめ気を落付かせ疲労を治する能ありと言ふ柴胡加龍骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯。30膠飴(甘温)急を緩め力を与う。故によく裏急を治し腹痛を和す。小建中湯31枳実(苦寒)熱をさまし、しこりを消すの効あり。又痛みをゆるめ腫(しゅ)を去る。故に諸の熱実病又は癰腫(ようしゅ)等を治するに用ひらる。枳実芍薬散・枳実湯・枳実梔子鼓湯・桂枝生姜枳實湯32桃仁(苦平)血の燥きを潤し滞りを通じ結(けつ)を解く、故に血証薬として広く用ひらる。桃核承氣湯・桂枝茯苓丸33桔梗(辛微温)咳を止め痰を去り、膿を消し痛みを鎮(しず)む。又よく咽痛を治す。此(これ)みな気を増し気の鬱帯を除くに基づくものなり排膿湯・排膿散・桔梗湯・桔梗白散34地黄(甘寒)血の熱を涼し出血を止どめよく肌肉を潤し養ふ、故に腎気丸、三物黄芩湯、黄土湯、膠艾湯、炙甘草湯等に用ひらる。此れ等は皆つまる所は血を治する所にあるが故と見るべし。八味地黄丸35阿膠(甘平)肌肉の傷れを治し急を緩るむることを主る。故に出血を止どめ煩(はん)を去る。黄連阿膠湯36麦門冬(甘平)咳を鎮め咽喉(いんこう)の通りを好くし、熱を去る。特に虚弱の者の咳込み、微熱等を除く効あり麦門冬湯37呉茱萸(辛温)胃中を温め其の働きを鼓舞(こぶ)す。故に停水を去り吐き気を治し下痢を止どめ手足を温めまた頭痛を治す呉茱萸湯・温経湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯湯
2025.04.13
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傷寒雑病論集序論(ろん)じて曰(いわ)く、余(よ)毎(つね)に越(えつ)人(じん)、虢(かく)に入(い)るの診(しん)、斉(せい)侯(こう)の色を望むを覧(み)て、未(いま)だ嘗(かえ)て慨然(がいぜん)として其(そ)の才(さい)の秀(ひい)でたるを嘆(たん)ぜずんばあらざる也(なり)。怪(あや)しむは當(とう)今居(こんきょ)世(せい)の士(し)、曾(かっ)て神(こころ)を醫(い)薬(やく)に畱(とど)め、方術を精究(せいきゅう)し、上(かみ)は以て君親の疾(しつ)を療(りょう)し、下(しも)は以て貧賎(ひんせん)の厄(やく)を救い、中(ちゅう)は以(も)て保(ほ)身長(しんちょう)全(ぜん)して以て其の生(せい)を養(やしな)はんとはせ、但(ただ)、競いて榮勢(えいぜい)を逐(お)い権(けん)豪(ごう)に企(き)踵(しゅ)し、孜孜(しし)汲汲(きゅうきゅう)として惟(ただ)だ名利(めいり)是(これ)れ務め、其の末を崇飾(すうしょく)して、其の本(もと)を忽棄(こき)し、其の外を華かにして其の内を悴(つか)らす。皮の存せずんば毛は將(はた)た安(いず)くにか附かん。 卒然として邪風の氣に遭い、非常の疾(しつ)に嬰(ふ)れ患(うれ)い禍(わざわい)に及ぶに至りて、方めて震(しん)慄(りつ)し志(こころざし)を降(くだ)し節(せつ)を屈(くつ)し、巫(ふ)祝(しゅく)を欽(きん)望(ぼう)し、窮(きゅう)を告げて天に帰し、手を束ねて敗を受く。百年の寿命を齎(そな)え、至(し)貴(き)の重器(じゅうき)を持てるを凡醫(ぼんい)に委付(いふ)して、其の措(お)く所を恣(ほしい)ままにす、咄嵯鳴呼(とっさああ)。厥(そ)の身(み)已(すで)に斃(たお)れ、神(しん)明消滅(めいしょうめつ)し、変じて異物と為(な)り、重泉(じゅうせん)に幽(ゆう)潜(せん)されて、徒(いたずら)に啼泣(ていきゅう)を為(な)さしむ。痛ましいかな夫(そ)れ挙(きょ)世(せい)昏迷(こんめい)、能(よ)く覚悟することなく、其(そ)の命(いのち)を惜(お)しまず、是(かく)の若(ごと)く生(せい)を軽(かろ)んず、彼(か)の何ぞ榮(えい)勢(ぜい)と之(これ)云(い)わんや。而(しこう)して進んでは人を愛し人を知る能(あた)わず、退(しりぞ)いては身を愛し己を知る能わず。災(さい)に遇(あ)い禍(わざわい)に値(あ)い、身は厄地(やくち)に居(お)り、蒙蒙昧昧憃(もうもうまいまいしょう)として遊(ゆう)魂(こん)の若(ごと)し。哀(かなしい)いかな趨(すう)世(せい)の士(し)、浮華(ふか)を馳(ち)競(きょう)し、根本を固めず、軀(からだ)を忘れ物に狥(したがう)ふ、危きこと氷(ひょう)谷(こく)の是(ほとり)りに至(いた)るが若(ごと)く也。 余が宗族(そうぞく)は素(もと)より多く、向(さき)に二百に餘(あまり)りぬ。建安(けんあん)紀(き)年(ねん)以来(いらい)、猶(な)ほ未(いま)だ十(じゅう)稔(ねん)ならざるに、其の死亡せる者、三分にして二あり傷寒は十稔ならざるに、其の死亡せる者、三分にして二あり傷寒は十のうち其(そ)の七(しち)に居(きょ)せり。往昔(おうせき)の淪(りん)喪(そう)に感じ、横夭(おうよう)の救(すく)ひ莫(な)きを傷み、乃(すなは)ち勤(つと)めて古訓(こくん)に求(もと)め、博(ひろ)く衆方(しゅうほう)を釆(と)り、素問九巻、八十一難、陰陽大論、胎臚薬録、併せて平脈證弁を選用し、傷寒雑病論合せて十六巻を為す。未(いま)だ盡(ことごと)く諸病を愈す能(あた)わずと雖(いえども)も、以(もっ)て病を見れば源を知るべきに庶(ちか)く。若(も)し能(よ)く余(よ)が集る所を尋ねなば思い半(なかば)を過ぎん。夫(そ)れ天は五行を布(しき)きて以(もっ)て万類を運らし、人は五常を稟(うけ)けて以て五臟を有つ、經路府兪(けいらくふゆ)、陰陽會通(いんようかいつう)玄冥幽微(げんめいゆうび)にして変化極め難(がた)し。才高識玅(さいこうしみょう)に非(あら)ざるより豈(あ)に能(よ)く其の理致(りち)を探(さぐ)らんや。上古(じょうこ)に神農、黄帝、岐(き)伯(はく)、伯(はく)高(こう)、雷(らい)公(こう)、少兪(しょうゆ)、少師(しょうし)、仲(ぶん)文(ちゅう)あり。中世に長桑(ちょうそう)、扁鵲(へんじゃく)あり。漢(かん)には公乗(こうじょう)、陽慶(ようけい)及び倉(そう)公(こう)あり此(こ)れより下りて以往(いおう)は未だ之を聞かざる也。今の醫を観るに、經(けい)旨(し)を思い求め、以(もっ)て其(そ)の知る所を演(の)べんことを念(おも)わず、各々(おのおの)家(か)技(ぎ)を承け、終始舊(ふるき)に順い、疾(しつ)を省(かえり)み病を問ふ、務(つと)め口給(うきゅう)に在り。相対(あいたい)すること斯須(しゅしゅ)にして、便(すなわ)ち湯薬を処(しょ)し、寸を按(あん)じて尺に及ばず、手を握りて足に及ばず、人(じん)迎(げい)、趺(ふ)陽(よう)三部(さんぶ)を参(まじ)えず、動数發(どうすうほっ)息(そく)五十に満(み)たず、短期(たんき)も未だ決することをを知らず、診(しん)を九候(きゅうこう)にも曽(すなわ)ち髣髴(ほうふつ)なく。明(めい)堂(どう)闕(けつ)庭(てい)盡(ことごと)くを見察(けんさつ)せず、所謂管(ゆわゆるかん)を窺(うかがう)うのみ。夫(そ)れ死せるを視て、生(い)くると別(わか)たんと欲するに實(じつ)に難(かた)しとなす。 孔子云う、生れながらにして之を知る者は上学(じょうまなび)びたるは則ち之に亜(つ)ぐ、多聞(たぶん)博識(はくしき)も知の次なりと。余は宿(もと)より方術を尚とぶ、請(こ)う斯(こ)の語(ご)を事とせん。漢(かん)の長沙(ちょうさ)の守、南陽(なんよう)の張機著(ちょうきあらわす)。
2025.04.13
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食物各論体は食べ物から出来ています。いつも食べている食材ごとの働きを知り、治療・予防に役立てて頂ける表です。毒あり・多食を禁じる等の食材は、特に食養生ご指導の中で参考にされてください。 名気味働き胡麻甘平大腸、小腸の働きを良くし、新陳代謝を盛んにする。炒って食すれば風邪にかかり難い。油を取るには白い胡麻が勝り、服用には黒が良いと言われている。胡麻油甘微寒生で絞ったものが良品とされる。蒸したもの、炒ったものは食用にし、薬用としては用いない。頭とか顔の皮膚病に用い、腸内の熱を去る。通じが気持ちよく出る頃合いを服用の限度とする。又色々悪瘡などに効あり。小麦甘微寒病邪の熱を除き、のどの渇きを止め、小便の出を良くして肝臓の働きを良くする。出血性の病を治し、婦人を妊娠しやすくする。又、心臓の働きを高める。大麦鹹温少し冷やす。疲れやすい虚弱な人の顔色を益し、五蔵を丈夫にする。のどの乾きを消し、熱を除き、氣を益して中を調う。米甘平脾、胃の氣を益し、渇きを止め・中を温め・胃気を和す。糯米苦温中を温め血液循環を良くする。胃熱が強くなり、大便が堅くなる。酒を飲んで餅を食べると酔いがさめにくくなる。コムギノコナ甘温胃気を養い、不足を補い五臓を助け気力を強くする。蕎麦甘寒胃腸の働きを良くし、気力を益し、気の滞りを消し、熱腫、風痛を消す。もし脾胃虚寒の人が、これを多く食すれば元気がなくなり、毛が抜けやすくなる。薏苡仁甘微寒筋肉や骨が痙攣して屈伸出来ない人を治す。又、風とか湿が原因での痺れを除く。脾、胃を強め氣を益し、肺を補い・熱をさまし、風、湿の邪を除く。黄大豆甘温中を緩め氣を下ろし、大便を通利し、水毒の腫脹を消す。多食すると気がこもり、痰を生じ咳嗽を生じ体が重くなる。黒大豆甘平煮汁をのめば百病の毒及び虫毒を解し、痛みを治し、消渇を止む。久しく服用すれば体が重くなる。赤小豆甘平こわばりを緩め、大小便を利し、水腫を下し癰腫(ようしゅ)、膿血を排す。 名気味働き酒苦辛甘大熱五味を有しているという。酒の辛味は良く氣を巡らし、苦は氣を下ろし、甘は中の滞りを良くし、酸は瀉下す。少量ずつ服用すれば皮膚が潤い、体に良い。薬の効果を高め百邪の悪毒の氣を除き、血行を良くし、胃腸を丈夫にして体中の湿邪を散じ、憂いを消し、怒を発し、よくしゃべり、意がリラックスする。飲みすぎると心臓を悪くし、寿命を縮め筋肉や骨を軟弱にして氣利を生ずる。焼酎辛甘大熱長い間の冷えを治し、体内の水を消し、氣のこもりを散じ、冷痛を治す。過飲すれば胃を悪くし、胆を傷う。酒糟辛甘平中を温め、消化を良くし、冷氣を除き、草菜の毒を去り臓を調う。米酢酸平筋肉のたるみを引き締め、血行を促して爛(ただ)れを治す。癰腫(ようしゅ)を消し、水気を散じ、一切の魚、肉、菜の毒を除く。多飲すれば筋骨を損じ、又、胃を悪くし顔色を損ずる。豆腐甘鹹寒中を緩め、脾・胃を和し、腹の張満を治し濁気を下す。大根辛甘温葉は辛、苦、温、気を下し、穀物の消化を助け、中を和し関節の屈伸を楽にして五蔵の悪氣を追い、風氣をめぐらせて邪熱の氣を去る。胸より横隔膜に至るところを温め大小便を利す。生にて食すれば渇を止め、中をゆるめる。煮て食すれば飲食のめぐりを良くして散ずる働きあり。芥(からし) 辛温種は辛熱。茎葉の効果と種子の効果は少し異なる。茎葉は中を温め胃を開き寒を散じ、目、耳、口、前陰、後陰の9つの穴の流通を良くする。耳鼻を明らかにし、頭や顔の風の邪を去り、欬逆の氣を下し冷気を除き、腎の働きを良くする。種子は一切の寒の悪寒、のどの痺れ、腹の痛みを去り、胃や肺を温め、寒を去り、咳を治し、飲食を増す。化膿したおでき、痔疾、血便がある人は食してはいけない。多食すると目を疲れさせ、心臓を弱くし、氣を漏らし精を傷う。韭辛微温根、葉を煮て食すれば中を温め、氣を下して虚を補い、陽気を益し、腎臓の働きを良くし、腰とか膝を温め、腹中の冷えによる痛みによろしい。この葉は臭く、煮て食すれどもその臭、便に出ず故に氣強し、春食すれば香ばしいが、夏食すれば臭し。多食すれば陽気を散じすぎ、目が疲れ心臓を弱くさせる。飲酒後は多食を禁ず。熱病後10日位少し食すれば残熱を発す。6月多食すれば気力を乏しくさせる。 葱辛温弘景(こうけい)(神農本草経集注)は葱に熱と寒とあり、白は冷えで葉は温としている。私(藤本肇先生)は、白は肺を温め、葉は肝を温めると思う。ともに温であるが、その程度が違うので温と冷えに分けたのではない。(藤本先生は冷えの方に葱の根を良く使われていました)葱白を湯にて服用すれると、身を温め、風邪の熱、浮腫みを治し、良く汗を出し、上下の内熱を全身にめぐらし肺の病に良い。葱は発散することを司る。多飲すると心臓を弱らせる。冬などに生葱を多飲すると顔に皮膚病を起こすようになる。蒜(にんにく)辛温脾、胃、腎の働きを良くし吐いたり、下ったりして腹中が落ち着かないものに効あり。又、消化力を益し、胃を整え中を温め邪痺の毒気を除く。牛蒡苦寒歯痛、体が疲れてマラリアのような症状(発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛)がある病を労瘧いうが、これを治し五蔵の悪気を去り、顔目がむくみ、手足が弱く気の流れを良くし、冷氣積血を治す。芋甘平人を肥えさせ、胃を開き腸の閉じたるを通じ、妊婦が食すれば血を破り、汁を飲めば血の渇きを止める。宿血を破り、死肌(カサカサして油気がない)を去る。魚と和して食すれば氣を下して中を整え虚を補う。多食すれば宿冷を動じ、消化し難く気滞りて胃を疲れさせる。生姜辛温胃を暖め、水を逐い汁を出す。内臓の働きを助け、風邪による悪寒、発熱を除き、頭痛とか鼻塞、のぼせ、吐き気などに良い。久服すると心臓を弱め、肝を傷める。秋に多食すると春になって目を患うことがある。蕃椒(とうがらし)辛温消化を助け、結ぼれた氣を散ずる。胃の働きを良くして冷えの為に、へその周りが痛む疝氣を除く。脾、胃の虚弱な人はあまり食べてはいけない。多食すると目を疲れさせ、血の力が弱くなる。妊婦は流産しやすくなる。西瓜を食べすぎの毒を解するという。紫蘇辛温氣を下ろして、体内の冷えを温め寒熱を除き、一切の冷気を治す。肌を解し、汗を出し、風や寒さを散ずる、又、魚やカニの毒を解する。(蘇葉が入っている処方がカニにあたった時に使われるのは、その為です)鯉と一緒に食すると悪瘡を生ずる。艾(よもぎ)苦微温生のもの苦寒。吐血、下血、婦人の漏下を止め湿気を除く。蒟蒻(こんにゃく)辛寒のどの渇きを除く。冷やす。冷え性の人は少なく食す。生は喉を刺激し出血させる場合がある。 南瓜(かぼちゃ)甘温体内の活気を補い気力を益す。多食すれば脚気、黄疸を発する。蓮根甘平熱による喉の渇きを治し、留血を散じ、肺の動きを良くし肌を潤す。又、怒りを鎮め、消化を良くし、酒の毒及び病後の乾渇を解する。蒸して食すれば五蔵を補い、下黒を強くする。昆布鹹寒諸々の浮腫み、しこり、瘤、熱のこもり、首に来るぐりぐり、※瘰癧(るいれき)に効あり。※頸部けいぶリンパ節結核の古称梅 酸平毒なし。生梅、白梅、黒梅、功は似ている。熱気を下し熱を除き、心臓の働きを安定させる・体の痛み、半身の感覚麻痺、肌の荒れを止め、青黒いホクロ、爛れた皮膚病等を止める。多食すれば歯を損じ、筋肉を傷め、脾、胃を弱らせ肺に熱を持つ。桃辛酸甘温微かに毒あり。乾して食すれば顔色を益し、五臓を温める。生桃を多食すれば腹が腫れ、おでき、※根太を作る。毛嚢や皮脂腺に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して起こる皮膚の病気栗鹹温毒なし。腎気を補強し、胃、腸の働きを益し、氣を益し、飢に耐える。栗を日でさらして乾かしたものを食すれば、熱気を下して体力を益す。多食すれば生栗は消化し難く、熱すれば氣を滞らす。梨甘酸微寒毒なし。傷寒の発熱を治し、丹石(代謝石、黄土の相称)を解かし、大小便の通じを良くして、肺を潤し、心を涼し、おできの毒、酒の毒を解して、心煩を止む。多食すれば中を冷やし縮こませる。刃物の傷ある人、乳を飲ませている婦人、貧血の人は食すべからず。林檎酸甘温毒なし。体内にこもっている熱気を下し、水の飲みすぎの水を取り、霍乱や胃痛を治す。消渇するものによろしい。多飲すれば色々の脈が弱くなり、水を飲むと体中に停滞して冷え、吹き出物、根太を生じやすくなる。又、氣の渋りを生じ良く唾が出るようになり、胸苦しくなる時もある。胡椒辛温毒なし。気を下し中を温め、臓腑中の風冷の氣を除く。多食すれば肺を損じ、吐血するようになる。熱氣走り、おできを発する。西瓜甘寒毒なし。煩を消し、渇を止む。暑熱を解す。中をゆるめ氣を下し小便を利す。酒の毒を解す。汁を含めば口内炎を治す。多食すれば吐いたり下ったりする。胃弱の者は食すべからず。苺甘平毒なし。虚を補い、体中を強くし、活気を強め、肌の艶を良くして五蔵を安定する。砂糖と和して飲めば益あり。茶苦甘微寒毒なし。小便を利し熱を去り、渇を止め腫りを少なしむ。頭や目をすっきりさせ、中風で苦しがったり、睡多く醒めないものを治す。若い人で胃の丈夫な人、心肺、脾胃の盛んな人は荼を服むはよろしい。酒後の食毒を消す。久しく服すれば太った人の脂を去り、腫らせない。砂糖甘寒毒なし。心肺を潤し、酒毒を解し、口渇を止める。多食すれば心痛い。多食すれば心痛し。肌肉を消し、歯を損じ、ひきつけを起こす。食塩鹹寒毒なし。胃腸の熱が結ぼれて喘逆胸中の病いを起こしたものを吐かせる。多食すれば顔色が悪くなり皮膚が黒くなり筋肉を損ずる。鮭甘平毒なし。腹内の悪い血、腹内の小虫を去り、気力を益し、脾、胃を補い、体力が低下して疲れる人を強くする。鮎甘温毒なし。煮て食すれば憂いをとどめ、肺を正常にして胃を温め、冷えからくる下痢によし。鱒(ます)甘温毒なし。胃を温め体内を調和する。鰻甘平毒なし。皮膚に膿を持つ皮膚病を治し、腰、膝を温め精力を益す。久病の衰弱を補う。タコ甘鹹寒毒なし。血を養い、活気を益す。常に食すべからず。脾胃の虚弱の人、下痢をしている人は食すべからず。下血を治す。イカ酸平毒なし。活気を益し、志を強くする人に益あり。月経を良くする。スルメは消化し難く、多食は人に益なし。病人は食するなかれ。カニ鹹辛少し毒あり。諸々の熱を散じ、胃の働きを正常にし、経脈を良くして食物を消化する。海老甘温少し毒あり。スッポンの多食によって出来た皮膚病を治し、乳汁を出し身体を温める。多く食すべからず。伊勢海老甘平少し毒あり。気絶した時、回虫、虫歯、頭瘡、疥癬(かいせん)などによし。ブリ甘鹹酸温微かに毒あり。傷のある人、産後の婦人、肺が虚弱で熱を発しやすい人等は多食すると益なし。蒲鉾性温和病人によろしく食すべし。牡蛎甘温毒なし。煮て食すれば体が虚して弱っている者を治し、中を整え丹毒を解す。婦人の血氣、酒後の煩熱、渇を止める。焼いて食すれば皮膚を細やかにして顔色美しくする。 鶏甘温毒なし。虚弱な体を補強し、体を温め血を止め病を止める。鶏卵甘平毒なし。心を静め、五臓の働きを安定して驚きを止め、胎を安んじ、妊娠の熱病とか、狂い走る事を止める。男子の陰嚢が湿って痒みするものを治す。又、声が出なくなったものを治す。多食すれば腹中が鳴って風氣を動ぜしむる。豚酸寒毒なし。狂病久しく癒えざるを治す。胃の働きが虚し衰えているものを補助する。久食すると血のめぐりを悪くし、筋肉や骨を弱め、人の肌を弱らせる。久食するべからず。豚膏酸寒毒なし。胃腸を利して小便を通ず。五つの悪性の膿を持つ腫れものや、浮腫みを除き、髪を生ずる。牛甘温毒なし。体の中を安定させ活気を益し、脾胃を養う。腰、足を補強し、消渇を止め、唾や涎を止める。羊甘温毒なし。体中を補強し活気を益す。心を安定させ、驚きをしずめ、五労、七情、小兒の驚いて倒れる病を治す。胃を丈夫にして力を益す。ただし熱病、瘧病、妊婦は食するなかれ。(当帰生姜羊肉湯) 「腹満寒疝宿食病脈証并治第十」には「寒疝腹中痛、及脇痛裏急者、当帰生姜羊肉湯主之」。寒疝(かんせん)とは、寒邪の侵襲による血管収縮、筋緊張、平滑筋痙攣などによる腹痛です。要するに冷えによる腹痛です。また「婦人産後病脈証治第二十一」では「産後腹中痛、当帰生姜羊肉湯主之。並治腹中寒疝、虚労不足」とあります。産後腹中痛には当帰生姜羊肉湯がこれを主るのです。そして、腹中寒疝と虚労不足にも用いられます。
2025.04.13
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