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2025.01.14
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カテゴリ: 漢方

 自分が幸せになるなら相手の方も幸せにしてあげる気持ちを持つ事が、無我をつかむ近道なのです。心を広く持って隣人にも幸せをもたらすように、心を持っていけたならば五月病とかノイローゼ等が起こる事は少ないのです。

古書に養生法として人間は五常によって五臓の働きを順調に保っているという。それは次のようなものです。

仁……おもいやり、いつくしみ

礼……人のふみおこなうべき道

信……うそは言わない、まこと

義……条理、正しい道、道理にかなったこと

知……心に感じ取る、物事の道理が分かる

漢方医學での理解法は次のようになります。冬至を境にして夜と昼との長さが逆転して昼が段々長くなって陽分に変わって来るのです、陽分とは冬至から夏至にいたる間を指し、陽気が少しずつ多くなる時期をいいます。立春から立夏、夏至となり陽気が中心に働き一年で、一番強くなるのが夏至であり陽分は終わります。 5 月では 5 5 日が立夏で太陽が夏の位置に廻って来た事を意味します。

立夏から気候は漸次暖かくなり春の 72 日を過ぎ土用の 18 日を経過し 90 日目に立夏となり、気温は更に高くなって行きます。日本のような温帯地域であれば春、夏、秋、冬の気温変化は規則正しく循環するようになっています。

春は人体では気温が上昇するに従って血液は体表に流れる事が多くなって、体表に熱が集まりやすく汗を出して発散して、外界の気温と体温が調和して健康を保っているのです。しかし、人間の気持ちの持ち方や皮膚の冷やし過ぎによって、不調和が生じた場合には必要に応じて発汗させないと体内に熱がこもり発疹を生じる事があります。こんな時には「桂麻各半湯」を用いるのです。

その上に氣の働きが感情によって、発散が悪く精神不安や苛々によって、ノイローゼ症状を呈した場合には「桂枝加竜骨牡蠣湯」用います。これは気温の変化によって体内の熱が内にこもり発散出来なくなり、時期的には春から夏にかけてノイローゼやその他の症状を起こすのです。体表にトラブルを生じ発散が悪く内に熱がこもり苛々する。不安感があり、氣がこもり、動悸がして、髪が抜けやすく、夢精を見やすく、不眠傾向があるものに用います。

秋から冬にかけて精神障害を起こしたり苛々したりする場合には「柴胡加竜骨牡蠣湯」を用いるのです。何故かというと秋から冬にかけては氣血が体内に入る時であり、本方は内に裏熱を生じて氣血の流れが悪くなった者に用いるのです。熱が内にこもり其の為に苛々して細かい事が氣になり、動悸がして、咽に何かつかえた感じがあり不眠傾向、食欲不振、便秘しやすい時に、内熱を除いて氣血を全身に巡らせる薬方であります。

「柴胡桂枝乾姜湯」は寒症が強く、首筋に汗が出て、胃が冷えて食欲がなく、動悸し胸脇苦満や、渇があって小便不利する者に良いのです。

このように発散する事は自然界の中で、とくに太陽の影響を一年といわず毎日でもその影響を受けているのです。夕方に往来寒熱を起こしやすいのは、太陽の影響によって氣血が内裏に入るからで柴胡を用いるのは、この変化に良く対応しているのです。

その発散の良否によって起こるトラブルの理由も単純ではありません。まず基本から言えば、我々人間が体内に余分な熱を持ったという事は、血に熱を持って症状が酷くなるのであって、瘀血にもなるし氣血が死滅してしまう事さえあるのです。

五行色体表に心の液は汗であるとあり、発汗する事は血の熱即ち氣熱を除いて、血液を正常にする働きを指しているのです。

熱氣と水と血即ち、氣血水の虚実によって体内に生じた熱をどのように発散して病気を治して行くかが大切なのです。

発散を疎外しているのは皮膚であるか ? 血液であるか ? 寒であるか ? 水であるか ? を弁別して処方を選んでいかなければならないのです。五行色体表を理解すると役に立つ事がしばしばあります。

例えば、五労には久行・久視・久座・久臥・久立があります。

①久行  久しい間行動する事が多すぎると ( 運動が過ぎ、筋肉が疲れると氣・血の流れが悪くなって ) 肝臓を疲れさせてしまう。学生時代に運動選手だった人が会社務めになって運動不足に陥ると、よく肝臓をいためるから体力に応じた運動が大切です。『靈黄參』

②久視  久視は血脈を傷り心を労しす ( 視ることは目より氣が発散し緊張したり集中してたりして、集中して聞くと目が光り輝いて来ますが、疲れると瞼が重くなり眠くなるのは心が虚して来ているのです )

③久坐  久坐は肌肉を傷り脾を労します。脾は四肢を主どります。運動が不足すると氣血が足に流れにくくなり、脾にもこもりを生じ働きが抵下して脾が労します。年中坐ってばかりいて運動が不充分でありながら、よく食べると脾胃に無理が来て、これらの臓器を疲れさせてしまう。食後には適当な運動をして血液の循環をよくすれば良いのです。なお脾の強い人は手足が太いのです。

④久臥  久臥は度毛を傷り肺を労します。通常、呼吸は立ったり座ったりして行いますが、臥していては充分に呼吸は出来ません。寝てばかりいると、皮膚や肺が疲れるのです。

⑤久立  久立すれば骨を傷り腎を労します。永く立っていると体重が足腰に掛かり、うっ血を生じます。骨髄にも熱を持ち腎にも熟を待ちやすくなります。この生活が長く続くと腎を疲れさせることになります。

五志に悪の大過は肝を傷るとあります。怒りの氣は上焦が劇しく爆発を起こす氣です。肝は春に旺しますが、肝の氣が春の氣のようになれば安泰なのです。春の氣は芽生えの氣です。肝は血を蔵し少しずつ心に送りその気は春気に似ており肝脈は徴弦濡弱で長の脈です。荒々しい気は肝気を傷るのです。喜びの大過は心を傷りますが喜びは気の発散だからです。

夏は天の陽気が盛んで人の体も陽気が盛んになります。特に心は陽中の陽で陽気が一番強いため夏には心が旺して陽気を守るのです。喜びの大過は心虚になりますので用心して下さい。思いの大過大遇は脾を傷ります。考え過ぎは気が中心にこもります。脾は臓の中心で万物土に帰るといい体の心下は中心で土用の脈は緩脈です。

氣が心下にこもると血が脾胃にこもり、熱を持ち痛みとか潰瘍を起こします。憂いの大過は肺を傷ります。肺は秋に旺します。秋に気温が下がると気が中に入りその時、肺に氣がつまると眠れなくなり気が活発で奥に入れば眠れるのです。憂うる事が大過となれば肺に気がこもり発散ができないと肺を傷めます。肺は辛の葉を用いて発散をします。呼吸も肺の働きで吐く事が先です。

気を発する事が不充分ですと肺気を傷めます。驚恐悲の大過は腎を傷ります。気が沈んで腎気が動かなくなると不全を起こします。気の発散をさせればよいのです。驚恐悲を起こさないように気の転換をすれば良いのです。冬には腎が旺します。でも人は生活している限りは冬といえども発散はしているのです。人間は太陽の運行によって生じる春夏秋冬土用と昼夜を重ね春分・夏至・秋分・冬至を繰返し、自然界の陰陽の気の変化に対応・調和しながら、衣食住を与えられながら人生を送っているのです。気と同調する事ができる人は、天から与えられる自然治癒力を最大限に活用して生命を全うできる人であると思います。

こんな事を利用すると視力が不整脈に通じ炙甘草湯につながる事が理解できます。

五志で言えば不安感が強くなると腎氣の働きが傷られ奔豚氣病を起こします。

不安感を持ちやすいタイプとしては、顔色白く皮膚は水っぽくて、腹痛があって精神不安が強く、下腹から氣のしこりが咽の方にまで突き上げて咽がつまって死ぬ程の不安を生ずるものに良いのです。

不安感でも脾胃が中心のものには「甘麥大棗湯」が効果的です。生あくび出やすい人や夜泣きの子供にもよく効きます。

また「香蘇散」は常に胃腸の調子が悪く、食欲が少なく気分が落ち込みがちで風邪を引きやすい人に良いのです。水とか血がどのように働いて発散の邪魔をするのかを考えて頂くと処方に広がりが出て来ます。

昨今社会的に安定剤の副作用が大きな社会問題になって来ました。痴呆症の原因の上位にも安定劑の投与が考えられます。 氣の発散を完全に阻害してしまう安定劑を使わずに生藥で根本的な原因を治して不眠の改善にあたる事が本当の治療法であると思います。

また胸中に氣・血・水の変化によって熱がこもりますと不眠を生じる事は述べましたが、脾胃の働きが良くないと肺の働きは強くなり難いのです。

脾胃の働きはよく氣・血・水を巡らせる働きをします。胃の作用が正常であると、よく発汗しますし小便もよく出るのです。そして余分な水とか熱を体外に排泄する働きをします。ですからどこかに支えを生じたら、その原因を考えて取り除き、最後には胃の働きを強めると、大体氣血の巡りは全身的に良くなるのです。

不眠を生じる原因は胸中の氣・血の乱れによって熱がこもり、更にその事で不眠を助長する事もありますので、熱を取り除き、暖め、水分の停滞を除去する事で氣・血の巡りを良好にして安らかな睡眠を促すのが漢方の不眠症を治す方法といえるでしょう。

病氣とは人の身体に何か異常を生じて発散が出来なくなり、それに更に外界の影響を受けて困難になるのですが、全ての根底には自己の心の持ち方にあると思います。

さて最後に我々の治療法の最後は、己に克つ事を一緒になって考えてさし上げる事なのだと思うのです。






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最終更新日  2025.01.14 08:42:49コメント(0) | コメントを書く
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