きょういく行政書士日記

きょういく行政書士日記

Feb 22, 2005
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 平成12年の暮、私は例年通り山口県の実家に帰省した。6時間の新幹線の旅を終え、実家の居間でほ っと一息ついた時、母は私に一本のビデオを渡してくれた。「山口先生が出てたから、録画しといたよ。」その ビデオは「プロジェクトX~ツッパリ生徒と泣き虫先生~」であった。関東地方ではTVドラマ「スクールウォー ズ」が再放送されていた。伏見工業高校が初の全国制覇をした時、およびその後のTVドラマの放送時には、 私はテレビのない生活をしていて詳しい情報が入ってこなかった。TVドラマも再放送やビデオを借りて全編見 た状態だった。私は天理高校での3年生の引退試合からラグビーボールは握っていない。それは部内の3年 生チームと1・2年チームの試合だった。結果は我々3年生チームの圧勝だった。我3年生チームは点差が 大きく開き、勝敗が見えてきた頃からゴールキックはみんなが交代で蹴っていた。「今度は藤田の番やぞ。」 チームメイトの皆が簡単な位置からのゴールキックの時に私の順番をまわしてくれた。私の蹴ったボールは いい角度で飛んでいったがゴールポストのクロスバーに当たってはじき返されてしまった。「ああ、惜しいな。」 チームメイトも一緒になって悔しがってくれた。試合後、ラグビー部の部長をしてくださっていた後藤先生が私 にこう話してくださった。「最後のゴールキック、お前の3年間を表していたようやったな。」その言葉はなぜか 嬉しかった。それ以来、私はラグビーボールを握っていない。その後も新聞・雑誌のラグビーの記事は読むに は読んでいたが私がプレーしていた頃の選手がいなくなってからは興味が半減していた。私の興味はラグビ ーから空手の方に徐々に移行していった。しかし、そんな時でも私の頭の中には山口先生のあの菅平での叫 び声が何度かよみがえった。私が東京文理学院高等部の教員の職に就いた時、「学院だより」のコラムリレ ーに真っ先に書いたのがこの菅平の出来事だった。何年たっても生徒の心の残る教師でありたいと。生徒に 自分の気持ちが通じなくて悩んだ時期にも思い出したのがこの言葉だった。「教師だけが苦しいんじゃない、 生徒も教師にはわからない苦しみを持っている。」そう思って諦めず生徒に接していった。そんな矢先の山口 先生の再登場だった。私は多分、一回目の全国制覇辺りを中心の内容だと思っていた。ところがその中心は 私が悩んでいたあの頃の話であった。

 これは私の個人ホームページ「きょういく行政書士が行く」http://www.h6.dion.ne.jp/~zabieru/ の中の「カバチタレのプロジェクトXの一部である。私の中学・高校時代をラグビー中心に振り返った物語である。自分たちが与えられたものその下の世代に何らかの形で伝えて生きたいと思っている。






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Last updated  Feb 22, 2005 08:02:29 PM
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おいかわ@ Re:今日、初のプレミアムフライデーだ~藤田教育行政書士事務所(02/24) 最近よくタモリ倶楽部空耳アワーにて拝見…
zabieru@ Re[1]:日本人頑張ってます(09/21) saruyuriさん お久しぶりです。日本人は力…
saruyuri @ Re:日本人頑張ってます(09/21) やってくれました! ジャパン、大金星です…
zabieru0725 @ Re[1]:頑張れ  櫻木選手(05/18) saruyuriさん ラグビー以外でもおつきあい…

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