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音壁の世界(3) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(3) 【 ポップ偏差値 63 】日置明子 / Scarlet 作曲木根尚登 編曲清水信之 '95 「ナチュール」 TM NETWORKの木根尚登プロデュースという触れ込みでデビューした女性歌手のウォール・オブ・サウンド曲。アレンジは清水信之で当ブログでは、アイドル音壁大作、再び 薬師丸ひろ子 / 夕暮れを止めても彼の音壁作品として取り上げ済みです。曲は「大滝詠一 / さらばシベリア鉄道 '81」タイプ、というかオマージュといっていいほど良く似た雰囲気の音壁。暗く悲しげなメロディは個人的に好みではないけれど、なかなかキャッチーで良く出来ています。音壁の方はかなりの厚みでカスタネットの心地よい連打音、品を感じさせるストリングスなどは本家を凌駕する勢い。特筆すべきはきれいに鳴り響くピアノの音色で随所に効果的に配置され華を添えていてます。流石音壁大作「夕暮れを止めて」を作り上げた彼だけのことは有りますね。「さらばシベリア鉄道」の14年後の作品だけど、その手法を継承し更にしっかりと進化させた素晴らしい作品だと思います。欲を言えば折角の素晴らしい音壁なので、もう少しインストパートを多くして聴かせどころとして欲しかったかな。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(ピアノ音壁)ポップ偏差値合計776877106563
2024.06.16
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】J.P. Robinson / Our Day Is Here (Blue Candle 1504)'74 1965年から1974年にかけて10枚ほどシングルを残したマイアミのディープソウル歌手のシングル曲。Clarence Reidが作曲&プロデュースをしています。曲は哀愁に満ちたメロディが秀逸なサザン&ディープソウル。イントロのストリングスは上品でありながら、日本人の琴線に思いっきり触れる大泣きのメロディ。その後も全体を通して「これでもか!」ってぐらい哀愁感たっぷりに曲を盛り上げ泣かせにかかります。お歌の方も情感深く歌われるキャッチーなサビ、高いテンションを維持したまま更なる盛り上げりをみせるAメロと共に出来は良い。全体として一分の隙もない素晴らしい構成で、2分弱と短い分ぎゅっと凝縮された芳醇な悲しみの味わいがここには有りますね。でも流石に短すぎ!ってことなのか1976年にJimmy Beaumont And The Skylinersによって3分弱ほどでカバーされました。こちらも哀愁のギターが特徴的な素晴らしい出来。というか、この曲はどう料理しても良曲に仕上がりそうですね。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.06.09
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2 MY FAVORITE NORTHERN SOUL 2【 ノーザン偏差値 63 】BROADWAYS / SWEET AND HEAVENLY MELODY (MGM K13592)'66ニュージャージーの4人組黒人ヴォーカルグループのシングル曲で所謂ノーザンダンサー。後にモーメンツのメンバーとなるBilly Brownが在籍していた。シングルを僅か2枚しか残していないけど、その中にはスウィートソウル的なGoin' Goin' Goin'やAre You Telling Me Goodbye?があり、この頃からビリー氏は既にニュージャージーなスウィートソウルを展開していたことになります。You Just Don't Knowもキャッチーな人気曲で出来が良いので、シングル2枚、合計4曲全てが良曲だったという如何にもマニア受けしそうな密度の濃いグループでありました。本曲は唯一のダンサーで、快活で瑞々しいドラム&パーカッションが特徴的。リードの歌うサビ部分がない構成なので、主旋律はいまいち盛り上がりに欠けるけど、かわりに高揚感のある爽やかなハーモニーが主役的活躍をみせています。後半1分50秒ほどのところで躍動するドラムも楽しい。「YOU TUBE」で聴けます。
2024.06.02
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 56.The Beatles & Harry J. Allstars / Don't Let Me Down (Rocksteady Version) 試作品 史上最高のロックバンド、ザ・ビートルズの名曲「Don't Let Me Down」を2024年に新たにロックステディ・バージョンとして作成しました。オリジナルのヴォーカルとHarry J. Allstarsによるロックステディ・サウンドを組み合わせたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。具体的にはオリジナルからヴォーカルのみを、MARCIA GRIFFITHS版からサウンドのみを抽出し組み合わせています。(ココナラというスキルを売買できるサイトでパレコサウンドという方に安価に編集して頂きました。)本曲は当ブログで以前記事にしたMARCIA GRIFFITHSによるカバーが秀逸です。HARRY J. ALLSTARSによる非常に歯切れの良いリズム・トラックはオリジナルのゆるい曲調から一変し瑞々しくダンサブルなロックステディへと劇的に変貌させています。然しながらマーシャの歌声はジョンレノンの歌唱には遠く及ばない出来なので歯がゆい思いをしていました。一方のオリジナルの方もメロディは流石の出来ながら、ゆったりとした曲調にソウルフルな歌声が初期の瑞々しくノリの良いビートルズが好きな私の好みではないので、マーシャ版やインスト版の方を好んで聴く状況でした。今回のロックステディ版ビートルズはその両者の長所を生かし欠点を補いあい、ジョンの熱唱をグルーヴィなサウンドで聴ける素晴らしい作品になったと感じています。なお、安価に製作頂いたので若干聞き苦しい箇所がありますので、本作は試作品として公開させて頂きます。もしもご要望が多いようでしたらもっと本腰を入れて徹底的にマスタリングなど修正を加えてみたいとも思いますが、個人的にはある程度満足していますので、どなたか代わりに作ってくれないかな?とも思います。「YOU TUBE」で聴けます。また、こちらでも聴くことが出来ます。MARCIA GRIFFITHS / Don't Let Me DownHarry J. Allstars / Don't Let Me Down
2024.05.26
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私の好きな甘茶ソウル(5) MY FAVORITE SWEET SOUL (5)【 甘茶偏差値 67 】BINGO / WE CAN'T GET ENOUGH (SILVER BLUE 803)'73 フィリーソウルの重鎮Bobby Martinアレンジの元、スウィート・ファン垂涎のレーベル「Silver Blue」から出された1973年の甘茶ソウル兼フィリーダンサー。「Silver Blue」はソウルの伝説的海賊盤コンピSOUL FROM THE VAULT RARE SWEET DYNAMITEの記念すべきVOL.1で丸ごと特集されたほどのレーベルで、その第一曲目を飾ったのが本曲である。マスクマン氏の特製ミックスCDのタイトル曲にもなっていて氏によると本曲は「シルバーブルーの奇跡」と呼ばれていたらしい。もちろん全くヒットしなかった訳だけど、往年のスウィート・ファンには絶大な評価と人気を誇っていた曲でその内容からも実にマニア向けな曲と言えますね。曲はミディアム~アップテンポで悲しげなメロディが特徴的。バックを務めるのはMFSBのメンバーのようで厚みのある華麗なサウンドが素晴らしい。特にストリングスの華やかさとタイトなリズムが実にフィリーで美味。そして特筆すべきは悲壮感漂う主旋律を歌う緊迫感のあるリードヴォーカルとそれを盛り立てる甘みを持ち合わせながらも切実でヒリヒリ感満点のキャッチーなファルセット・コーラス。この狂おしいほどの妖しい魅力を放つコーラスには心底身震いがします。ネオアコにおいてはこうした切実感や緊迫感のある名曲は多いけど、ソウルではあまりないから(テリーハフぐらい)その意味では大変貴重な作品と言えますね。甘茶ソウルとフィリーダンサー、両者の好いとこ取りをしたこの素晴らしい内容が「シルバーブルーの奇跡」と言わしめていたのでしょう。因みにこのシングル一枚だけしか残さなかった謎のグループですが、本曲の「YOU TUBE」でのコメントを見ると「リードは私の父(Danny Thomas)だ」「叔父やその他の家族が所属」「メンバーに髪を切ってもらった」などとあり、どうやら地元フィラデルフィアのファミリー系グループのようですね。「YOU TUBE」で聴けます。5分10秒と長いTom Moulton Mixもどうぞ。 「スウィート・ソウル・ベスト10」募集中! 皆さんの好きなスウィートソウルを紹介しあい楽しもうというページです
2024.05.19
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洋楽スーパーポップの世界(6) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【もうすぐランクイン】Willie Nelson / All of Me '78 「STARDUST」 戦前1931年製作のポピュラーヒットを1960年代初頭から活躍するカントリーの大御所ウィリーネルソンがカバーしたカントリー。Booker T. Jonesがプロデュースとアレンジを手掛けた1978年のアルバム「STARDUST」収録曲。当ブログではドゥーワップの隠れた名曲カバー KING ODOM FOUR / ALL OF MEとしても取り上げましたが、オリジナルはFrank Sinatra、Paul Ankaといった人気歌手など、実に628ものカバーが存在します。約一世紀に渡りカバーされ続けてきた将に名曲中の名曲で、個人的にも大好きなメロディです。ウィリーネルソン版はカントリー風なギターが目立つ程度の非常に質素なサウンドが特徴的。そこにウィリーの暖かみのある少し感情を抑えぎみの枯れた風情の歌声がのるんだけど、なだらかで綺麗ながらも少し悲しげな甘酸っぱいメロディと実に相性が良く、将に素朴なカントリーここに極まれり!といった名曲となっています。メインフレーズをギターが奏でる間奏とエンディングも簡素な演奏ながらも実に美味で感動的。どこまで計算してこういう内容になったのかは分からないけれど、カントリーギターとの相性も抜群ですね。派手さがない分聴けば聴くほど味が出る名曲という気がします。尖った音楽ばかり聴いてきた音楽人生で、どちらかというとカントリーなど敬遠してきた口だけれど、カントリーでも相性次第でこんな名曲が仕上がるんだ!と認識を改めた次第。「YOU TUBE」で聴けます。
2024.05.12
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】HERBIE MANN / RIVERS OF BABYLON '74 「REGGAE」 1950年代中期から活躍しているジャズのフルート奏者、ハービーマンが1974年にジャマイカのTOMMY MCCOOK BANDなどをバックに製作したアルバム「REGGAE」収録曲。曲は1970年にジャマイカのMELODIANSがヒットさせた有名曲のカバー。オリジナルはかなりキャッチーな牧歌的メロディを持つ曲で、悲壮感のある歌詞とは裏腹に、レゲエの和めるリズムをバックに明るい陽光が降り注ぐ平和でのんびりとした雰囲気を醸す内容。後の1978年にドイツのディスコバンドBONEY M.が能天気なディスコアレンジでカバーし世界的ヒットとなったのも納得です。それらに対しハービーマン版はインスト・アレンジなので、あまりにもキャッチー過ぎたメロディの影響がほどよくデトックスされ、ハービーの爽やかでクールで洗練されたフルートの音色により、お洒落ミュージックに変貌した感じ。明るく平和な世界観と和めるリズムをそのまま活かしたうえで通なジャズファンや大人も楽しめる内容になったといったところ。TOMMY MCCOOK BANDによるレゲエサウンドも高品質で、空間的拡がりなどオリジナル以上に心地よく鳴り響きます。途中で聴けるピアノソロはGLADSTONE ANDERSONによるもので、やはりオリジナルの持つキャッチーさからの脱却を意識した演奏って感じですね。ジャズとレゲエの絶妙な組み合わせによるキャッチーながらも洗練されたお洒落な出来栄えということでフリーソウルファンにも受けるんじゃないかなと思いますがいかがでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。Melodians / Rivers Of BabylonBoney M. / Rivers of Babylon
2024.05.05
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】Jazzateers / Up To My Eyes '86「Blood Is Sweeter Than Honey」 AZTEC CAMERAやORANGE JUICEを見出した今や伝説的とさえ言えるスコットランドのポストカード・レコードでアルバム2枚分もの録音を残していたジャザティアーズ。Edwyn Collinsのプロデュースでも録音を残しましたが、不遇にもそれらが当時陽の目を見ることはありませんでした。うまく歯車が嚙み合っていればネオアコを代表するグループになっていたかも知れませんね。そんな彼らが1986年に残していながら長らく未発表だったアルバム「Blood Is Sweeter Than Honey」に収録されているのが本曲。(初出CDは「I Shot The President」で後に同名タイトルで再発された。)ちょっと地味で暗めだけどメロディはよく出来ていて特にサビのラインは魅力的。少し神経質っぽい感じのヴォーカルはネオアコ的で、それに加えて明るく快活で爽やかなコーラスが実に良いアクセントになっている。流石名門ポストカード出身だけのことはあるなと納得のいく出来ですね。ネオアコを代表するグループにはなれなかったけど、もっと評価されるべき素晴らしい曲だなと感じます。「YOU TUBE」で公式PVが見れます。
2024.04.28
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音壁の世界(2) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(2) 【 ポップ偏差値 69 】夕暮れを止めて '91 作曲/楠瀬誠志郎 編曲/清水信之当ブログで以前、アイドル音壁大作、再び 薬師丸ひろ子 / 夕暮れを止めてとして取り上げ済みの音壁名曲からヴォーカルのみを取り除いてカラオケ化(インスト化)したもの。近年の音楽編集ソフトの進化により、「ヴォーカルとサウンドとの分離」が容易になり、当ブログでも史上最強のウォール・オブ・サウンドとして複数の禁断の良曲を公開・紹介してきました。そこでは「ヴォーカルだけ抽出しサウンドは新規録音」という手法で行ってきましたが、今回はその逆パターンということになります。オリジナルは素晴らしいアレンジのウォール・オブ・サウンドでありましたが、アイドルの歌った曲ということで声質や唱法が少々残念な作品でありました。これは多くのアイドルもの又はアニソン系の音壁曲に言えることでありますが、音壁の著しい進化と歌手を本職としていない方の歌声との出来の著しい乖離は宿命ともいえますね。もちろん音壁自体アイドルやアニソン産業と密接に関わっている構造上、個人的にもそれは仕方のないことと心得ております。然しながら音壁者としては折角作られた素晴らしいサウンドを思う存分心の底から楽しみたいという気持ちを捨てることは耐え難い。そこで音楽編集ソフトの登場ということになった訳ですが、所謂カラオケ作成用のソフトは無料版含めて幾つも出ています。ある程度私のような全くの素人でも容易に作れるようなのですが、私はココナラというサイトでセミプロの方にかなり安価にて(ほぼ依頼の最低料金程度)作って頂きました。そうして出来上がったカラオケバージョンは若干の雑音混じりながらも十分満足出来る仕上がりとなりました。オリジナルのヴォーカルに隠れて良く聴こえなかった様々な楽器が活き活きと鳴り響きます。特にベースとドラムの重低音はこれまで以上の迫力をみせ、「これがアイドル歌手の歌っていた曲なのか?」と疑ってしまうほどの素晴らしさ。他にもカスタネットの響きは饒舌に尽くしがたいほどに繊細で美味。ここでのカスタネットの響きは長い音壁史でも最上位と言えるほどの出来と言えますね。またピアノの軽やかで綺麗な音色はヴォーカルにとってかわって主役を務めた感があり、単なるインスト化では物足りなくなりがちなカラオケ版を大いに盛り上げてくれます。更にヴォーカル入りだとなかなかフルヴォリュームで聴く気になれませんでしたが、これなら!と大音量で堪能出来、曲の評価も爆上がりです。優れたウォール・オブ・サウンドは大編成オーケストラのように楽しめる 岩崎元是 / 勇気のつばさでも書きましたが、緻密に細部まで計算し数多くの楽器を丁寧に配置したウォール・オブ・サウンドはインストで聴いてこそより楽しめるという側面が非常に大きいので、是非皆さんも気になる音壁作品をカラオケ化して楽しんで欲しいものです。私は今後もここで幾つかのカラオケ化した作品を公開していきたいと思っています。こちらで聴くことができます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.04.21
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 64 】OSMONDS / I'M STILL GONNA NEED YOU '75 1970年代初頭「ジミー坊や」の愛称で日本でも人気を博したJimmy Osmondを擁する白人ファミリーグループ、オズモンズの1975年のアルバムタイトル曲。ジャンル的にはバブルガムポップやポップロック的な扱いのグループだけど、ここでは甘茶者には人気の黒人グループYoungheartsの1973年のアルバム収録曲をカバー。ちょっと異色の組み合わせだけど所謂ブルーアイドソウルと呼べる内容になっています。スウィートソウル全盛時に作られたヤングハーツ版はなかなか甘くていいムードなんだけど、ちょっと大人しく上品過ぎる内容で特にリードに思い切りが不足している気がします。甘茶ソウル百科事典に取り上げられた訳でもなく残念ながらそれほどの出来や評判には至らなかった感じ。2年後のオズモンズのカバーはグロッケンが入るなどサウンドもコーラスも甘さはそのままにより分かりやすくなった感じ。そして何よりリードが瑞々しく良い意味でポップで魅力的。マニアックなソウルを白人のポップグループがカバーすると出来の悪さに幻滅するパターンが多いけど、この曲の場合は数少ない逆パターンの好例と言えるのではないでしょうか。「YOU TUBE」で聴けます。スタジオライブの様子もどうぞ。Younghearts / I'm Still Gonna Need You(24分12秒から)「スウィート・ソウル・ベスト10」募集中! 皆さんの好きなスウィートソウルを紹介しあい楽しもうというページです。お好きなスウィートソウルを10曲ご紹介下さい。 ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.04.14
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】HARRISON BROS. / I'LL BE STANDING BY '64 (ABC-Paramount 45-10593)1960年代に6枚ほどシングルを残したハリソン・ブラザーズの1964年のディープソウル。オリジナルはSoul Stirrers(リードはサムクック)の1962年のゴスペル「God Is Standing By」でJohnnie Taylorが作っている。後にJohnnie Taylor自身やAl Greenなどもカバーしているソウルの古典的名曲と言えるでしょう。ハリソン兄弟版は主語を「私」に替えた替え歌で、「神」という呪縛から解放されたかのように明るく快活で自由な雰囲気の内容になっています。トラック自体も大部明るく元気でポップになっていますが、何と言ってもヴォーカルの溌剌としたディープな歌いっぷりが素晴らしい。塩辛な声質も美味ですね。主語を替えたことで、曲の雰囲気もガラリと変わりゴスペルが上手くディープソウルへ良変換された好例という感じがします。個人的に宗教は大嫌いなので、加齢と共に歌詞に出てくる「神」という言葉への拒否反応が強くなってきた私のような者には実に好都合な曲でもあります。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.04.07
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 66 】Hilton Felton / A Man For All Reasons '80 「A Man For All Reasons」 レアグルーヴ界隈で人気のジャズのピアノ/オルガン奏者ヒルトン・フェルトンの1980年のアルバム「A Man For All Reasons」収録曲。ジャズファンク的要素から持て囃されているようだけど、アルバムタイトルでもある本曲は軽やかなソウル風味のインスト曲でフィリーソウルやフリーソウル的側面が強い。タイトなドラムに小刻みに鳴り響くパーカッションをベースにエレピが気持ちよさそうに奏でられていきます。乾いた心地よい風が吹く平和でのどかな草原がイメージできるような多幸感に満ちた雰囲気が延々続く様は、例えるのならBARRY WHITE / LOVE'S THEMEやTRAMMPS / TRAMMPS DISCO THEME等のソウルインスト名曲を彷彿させます。明るく爽快でポップで高揚感に優れている点は共通で、キャッチーさは幾分足りないけどスマートで実に和める内容。特にグロッケンの綺麗で可愛らしい響きがいいアクセントになっています。個人的に主旋律はどこか懐かしい古き良き純朴な時代を思い起こさせてくれていいんです。因みに17年ほど前に当ブログで取り上げたブルースインターアクションズ/P-VINE音源のGROOVE-DIGGERS 特典 VOL.1 (DISC UNION特典CD)の内容が良かったので、ずっとGROOVE-DIGGERSシリーズが気になっていたのですが、今般シリーズ全作を一気聴きした上での数少ない収穫の一つです。レアグルーヴものはその性質上良曲に巡り合える可能性はかなり小さい訳ですが、稀にこうした至極の名曲にバッタリ出会えるので侮れませんね。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(ソウル風味)ポップ偏差値合計86878888566ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.03.31
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ZOUK その華麗なる世界 【 カリプソ/ソカのコーナー 】【 ポップ偏差値 62 】Mighty Sparrow / 60 MILLION FRENCHMEN '69 「More Sparrow More」1950年代後半から2000年初頭まで長く活躍した中南米トリニダード・トバゴのカリプソの王様、マイティ・スパロウの1969年のアルバム「More Sparrow More」収録のカリプソ。当ブログでは、最高のカーニバルダンサー MIGHTY SPARROW / LIVE IN JAPAN '88として彼のライブパフォーマンスの楽しさ、素晴らしさを紹介済みです。私は彼の真骨頂は晩年のソカ的なノリノリの踊れるダンサー群と思っていますが、順にアルバムを聴いていたら1969年のアルバムにひっそりと、古き良き時代のカリプソという趣の良曲が収録されていました。(シングルカットはされていないようです。)「6000万人のフランス人(が間違えるはずがない)」というタイトルの本曲は、フランス人があいさつ代わりにする、いわゆるフレンチキスを恋人たちに奨励するような歌詞で、カリプソには珍しくメロディアスな曲。甘く優しくなだらかでどこか懐かしく郷愁を誘うような雰囲気が素晴らしい。軽やかながらリズミカルでグルーヴィなリズムにのり、ホーンの華やかな響きが平和な南国を感じさせます。スパロウの自由度の高い歌もいいけど、特に間奏で胸がキュンとするようなメインフレーズを奏でるホーンの甘く優しい響きがなんとも幸せな気持ちにさせてくれるのです。全体として如何にも60年代、70年代のカリブの小国の純朴で平和な音楽という感じで味がありますね。後にソカ仕様で再録されていますが、現代的で聴きやすさ、踊りやすさはあるものの純朴な味わいが影を潜めてしまい個人的にはあまりお勧めできません。「YOU TUBE」で聴けます。Sixty Million Frenchmen(ソカ仕様)Lord Creator / Sixty Million Frenchmen明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(カリプソ)ポップ偏差値合計76867887562
2024.03.24
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音楽グルメという流儀 6.至極のカバーソングを探求 SecondHandSongsの使い方 隠れた至極のカバーソング・ベスト10 画像1 52曲のYESTERDAYが表示される。BEATLES原曲のものが1060バージョン登録されていることが分かる。「至極の音楽」の探求において、自分のお気に入りのカバーソングを聴きまくるのは非常に有用です。ポップス、ロック、ソウルなどの黄金時代である1950年代~1980年代には非常に多くの素晴らしい楽曲が作られましたが、逆に言うとそれ以降の時代には素晴らしい楽曲はかなり少なくなってしまいました。従って少し極論になりますが、1990年代以降に新しく作られた音楽から「至極の音楽」を見つけることは確率的にも非常に困難と言えるでしょう。個人的にも往年の名アーチストが1990年代以降に新曲を発表しても全く関心を示せません。良い音楽、良いメロディというものが1980年代までに作り尽くされてしまった、と感じてしまうのは私だけでしょうか?然しながら、ポップスの黄金時代に作られた素晴らしい楽曲はカバーソングという形で現代にも受け継がれており、その中にはオリジナルを凌ぐ出来栄えの楽曲も多く見受けられます。往年の名アーチストの新録などを追いかけるよりも、既に「確固たる評価のある名曲」のカバーソングを探して聴きまくった方が遥かに高確率で「至極の音楽」に辿り着けると実感しております。インターネット普及以前はカバーソングを数多く探し出すのは至難の業でしたが、現在は幾つかのカバーソング探求に特化した非常に便利なサイトが出現しています。その中でも最大手なのが膨大なデータベースを持つSecondHandSongsという海外のサイト。例えば、史上最も多くカバーされたとされるビートルズのイエスタデイは1255ものカバーがヒットします。海外のサイトなので日本人による楽曲やカバーには弱い感じですが、洋楽系の「至極のカバー」の探求にはもってこいのサイトで超オススメです。私もかなり重宝しております。日本語訳にも対応していますので使い方は簡単だと思いますが簡単に説明させて頂きます。まずは曲名で検索し、複数の候補の中から該当曲をクリック。「VERSIONS」というタブをクリックすると、カバーソングの一覧が出現します。すると1.オリジナル言語によるカバー2.インスト・カバー3.他言語によるカバー(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、他)の順番で、年代順に表示されます。「YOU TUBE」で聴けるリンクがついていたりするのも便利です。また、「PERFORMER」のタブをクリックすると、「ORIGINALS」と「COVERS」というタブも出現します。ビートルズで言えば、「ORIGINALS」は『ビートルズがオリジナルで他のアーチストのカバーがある曲』の一覧です。また、「COVERS」は『ビートルズがカバーした他のアーチストの曲』の一覧です。つまり、双方向のカバーソングが一望できるということになります。曲名ではなくアーチストで検索することも可能です。うーん便利過ぎる!「至極の音楽」探求におけるこのサイトの有用性に気づいてから私は自分の好きな曲を全てこのサイトで調べ、目ぼしい曲を聴きまくりました。すると自力では到底知り得なかったであろう素晴らしい楽曲と大量に出会うことが出来ました。中には「至極の音楽」と呼ぶに相応しい私の生涯の宝物となった曲も沢山ありました。(下記にその一例を列記します。)この記事を読まれている皆さんも『自分の好きな曲のカバー』をこのサイトで調べれば、かなりの高確率でこれまで知らなかった素晴らしいカバーソングに出会えると思われます。個人的に『他言語によるカバー』はオリジナルと聴感の異なる新鮮な味わいを持った曲に出会える可能性が高いと思われるので特にオススメの項目です。(インストよりも下にあるので見逃し易いのでご注意してください。)画像2 ビートルズがオリジナルで他のアーチストのカバーがある曲が204曲登録されている。因みにACROSS THE UNIVERSEが224のアーチストによってカバーされていることが分かる。画像3 ビートルズがカバーした他のアーチストの曲が108曲登録されている。画像4 YESTERDAYのバージョンが1255曲登録されており、英語版から年代順に並んでいる。画像5 画像4の最後尾では、スペイン、オランダ、韓国、スウェーデン等の各国語バージョンが並んでいる。 隠れた至極のカバーソング・ベスト10(順不同) (全てオールディーズの老舗長寿番組である山下達郎のサンデーソングブックでオンエアされていない曲です。)Jackie Trent and Tony Hatch / GOIN' BACKLESLEY GORE / YOUNG LOVERay Conniff / ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONGGlen Campbell / I Love How You Love MeClaudine Longet / Let It Be Me (Je T’Appartiens) Sinéad O'Connor / Streets of LondonLena Andersson / Hej du glada sommar (Tie a Yellow Ribbon)Curt Haagers / Det är dej som jag behöver (I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU)SPOONBREAD / HOW CAN YOU MEND A BROKEN HEARTCHANT PAUL / WHITE CLIFFS OF DOVERいかがでしたでしょうか?是非あなたが探し当てたお勧めの「至極のカバーソング」を教えて下さい。音楽グルメという流儀
2024.03.17
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音楽グルメという流儀 1.音楽グルメという流儀 音楽における美食家又はグルメに相当する言葉は何だろうか?グルメ漫画「美味しんぼ」における海原雄山のように、私は長年至極の音楽を愛好し求めて止みませんが、それを指す良い言葉が浮かびません。音楽通という言葉は、幅広く深い知識の持ち主という感じだし、音楽愛好家だと意味が広すぎて散漫過ぎる。コレクターは意味も志向も違う、至極の音楽の求道者だとプレイヤーを指す感じ。「至極の音楽を愛好し、求めて止まない」この流儀は、ちょっと言葉の響きはいまいちですが『音楽グルメ』と呼ぶのが一番しっくりくる気がします。料理や食事の楽しみ方が人それぞれであるのと同様、音楽の楽しみ方も人それぞれです。そこで『音楽グルメ』などと言うと、心温かい良心的な、あるいは一般の音楽ファンからは相当嫌われそうですね。美食の鬼である海原雄山が悪役の嫌われ者として描かれていたことや、一般に美食グルメはお金のかかる流儀であることからも多少嫌悪を抱かれてしまうのは致し方ないかなと思います。然しながら、グルメ漫画「美味しんぼ」が売れたり、ミシュランガイド日本版が長年刊行され続けていたりするのと同様、音楽においても至極の音楽を求めて止まない者は一定数存在するのは明白です。また、ミシュラン三ツ星店が軒並み高額の出費や数か月の予約待ちが課せられるような美食グルメとは異なり、音楽の方は誰でも手軽にいつでもお金をかけることなく楽しめますね。私は当ブログにおいて約20年、私が良いと感じ是非他の方に聴いて欲しい、同好の士と喜びを分かち合いたいという純粋な想いから約1700曲ほど良曲を紹介してきました。マニアックなものが多いからなのか滅多に賛同を得られることはありませんが、稀にその音楽の素晴らしさを共有できた時の嬉しさは格別です。(決して知識をひけらかしたり、コレクションを見せびらかしている訳ではありません。また、広告収益は一切受け取っていません。)ポピュラーミュージックの中でも特にポップな音楽を追い求めていますが、少し補足しますと、その音楽を聴いて純粋に「至極の音楽」と感じられるかどうかが唯一のポイントとなります。即ち、話題性、流行、名声、歴史的価値、歴史的意義、コレクション性、大御所だから、長年のファンだから、ライブで乗れるから、レコード屋さんが薦めるから、再生数が多いから、レア高値盤だから、恩や義理・人情、お付き合い・・・等々そういった付随的要素は一切排除します。冷徹なようですが、そうしないと世に存在する膨大な作品の中から「至極の音楽」のみを効率的に追い求めることは不可能だからです。私は今でも聴くたびに「実際に体がピリピリしてしまう」ような至極の音楽を求めて止みませんが、それを音楽グルメと呼び、その流儀を広く知らしめようという記事って全く目にしないな、食文化においては美食は広く親しまれてきてるのにな、じゃあ私がいろいろ書いてみよう!という想いから、今般「音楽グルメという流儀」というページを作るに至りました。このことを意識し始める大部以前に当ブログで書いた記事も含めてまとめていきたいと思います。若い音楽ファンが音楽グルメという流儀に関心を持ち、楽しむ一助になれたら幸いに思います。「至極の音楽を求めて止まない」という、あくまで純粋な気持ちからの記事になりますので、どうか善意にご解釈頂き、温かい眼差しで見守って頂けますようお願い致します。(決して世の多くの音楽ファンの多種多様な楽しみ方を否定する記事ではありません。) 2.チェックシートで全曲完全評価! 骨の髄までしゃぶり尽くせ! チェックシートで全曲完全評価!なんか受験マニュアルみたいなタイトルになってしまいました。私は貧乏性なので音楽アルバムを聴く際には、そのアルバムの持つ美味しいところを骨の髄までしゃぶり尽くさないと気がすみません。なので、聞き漏らしなどがないようにアルバム収録曲をチェックするチェックシートというものを作って評価しています。未聴なものなど一部例外もありますが、基本的には我が家にある全アルバムの全曲を完全評価しています。これはA4サイズの紙にアルバムのタイトル欄と30曲までを評価できるマスのあるもので、このマスに該当曲の善し悪しを◎、○、□、△、×の5段階評価していくというもの。大抵の場合アルバムを三回ぐらい聴きかえし、その間にチェックを終えますが、○か□か迷うような曲については判定出来るまで、延々10回ぐらい聴きかえしたりもします。ジャンルにもよりますが、アルバム収録曲のうち、概ね偏差値55程度のものを□、偏差値60以上のものを○とチェックします。そうして○以上のものだけをジャンル別に精選MDに集めて、普段はその精選MDをカーステや部屋で楽しむというもの。当然そうして精選、美味な曲のみを抽出したMDの味は格別で、何物にも代えられない宝物となっています。(甘茶ソウル、フリーソウル、ネオアコ、NEW WAVE、洋楽ポップス、アイドルポップ、ナイアガラ系、、、。)そうして出来た精選MDを更に精選し、偏差値70クラス以上ばかり集めた究極の精選MDを作ったりもします。逆にいったん精選、抽出作業の終わったアルバムは二度と聴きかえすことはなく、大抵の場合は売却処分となります。冷たい言い方ですが、アルバム収録曲に入ってる偏差値60未満の佳曲には二度と聴くチャンスは与えません。世の中にはまだまだ聴ききれない程の絶品曲が埋もれているのですから当然です。こうして作られた精選MDを楽しむ至福の時間だけでも相当な時間になるのですから当然です。こんなリスナー、アーチストにとっては相当嫌な奴なんだろうなあ。 3.格付けしてみよう ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽2005年9月に開設以来、曲単位で約1600曲ほど良曲を紹介してまいりましたが、当ブログではお勧め曲の推薦度合いや出来栄えを可視化するのに偏差値を使用してきました。(あくまで個人的感覚かつポップという観点から評価したものですが。)星の数とかハートマークの数などで簡単に評価する方法もありますが、それでは世にあふれる大量の良曲を紹介するのに度合いが分かりにくく、説得力も乏しいですし、幾ばくかでも客観的(に見える)で、より細かな数値化が必要と考えてのことです。ある意味それは楽曲に対して、より深く真剣に対峙し自分なりに責任をもって評価したいという気持ちの表れでもあります。結果として、当ブログにおける偏差値の最高値は75で、基本的にはこの数字を上限値としてまいりました。これまで最高値75をつけた曲は様々なジャンルで合計19曲あります。計算してみるとこれまでの人生で私は延べ約200万曲聴いてきており、その僅か0.001%、ブログで紹介した約1600曲のうちの約1%ですから、概ね妥当な分布になっているのではないかと思います。常に至極の音楽を求めて止まない私ですが、逆に考えれば、これまでの人生で出会えた極上中の極上の音楽はたった19曲しかない訳です。近年は「YOU TUBE」や音楽配信、discogsやsecondhandsongsなど便利なサイトなどの出現でより探しやすい環境となり、多くの良曲に出会い易くなりましたが、それゆえ逆に、偏差値75級の絶品曲とはもう二度と出会えないのでは?という実感もあります。 4.限界を超える音楽の創造 二次創作の薦め ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽そんな中数年前、私の大好きな往年の名曲で『この曲をウォール・オブ・サウンド(音壁)化したら、どんなに素晴らしい曲になるだろう?』という思いから、とあるプロのアーチストの方に駄目もとで音壁化を依頼したところ、何とご快諾頂きました。当初私は、オリジナル音源に追加で音壁的な装飾音を施して頂けたら、と思っていたのですが、『それでは(そんなぬるい手法では)音壁にならない』とのことで、サウンドは全面的に作り直して頂くことになりました。つまり往年の名曲を『ヴォーカルだけ抽出し、それ以外の全ての楽器を新規で録音』頂いた訳です。所謂、漫画などで言う二次創作、美少女フィギュアで言うところの魔改造といったところでしょうか。そうして出来上がった作品は私の想像を遥かに超える、とてつもない作品となりました。本来この世に存在するはずのない、将に禁断の音楽の誕生です。(当然ながら道義的問題・著作権の問題がありますので、その取扱いには慎重にならざるを得ません。)自分の大好きな曲が自分の好きなアーチストの方に自分の望む通りのアレンジを施してもらう、音楽マニアにとってはこれ以上に無い僥倖でありましょう。そしてそれは数値化すると、偏差値75を遥かに超えると言わざるを得ない史上空前の作品になった訳であります。そもそも技術的にヴォーカルだけ抽出するということは、数十年前までは不可能だった訳ですから、音楽においてこうした手法はまだ市民権を得ていません。然しながら急速に進化するAIなどの技術により今後はこうした二次創作が盛んに行われ、往年の名曲が様々なアレンジにより新たな魅力を吹き込まれ現代に蘇ることも多くなるのではないかと予想します。当ブログではそうして作られた楽曲の幾つかを紹介して行きたいと思いますが、それがそうした流れへの礎の一つにでもなればいいなと願います。 5.プロデュースしてみよう 音楽愛好家の最高の贅沢とは?・・・私的プロデュースの勧め(画像はテリー・ジョンスン氏が描いた雑誌ビックリハウスの表紙より)長年音楽ファンをやっていると、お金の無かった中学・高校生時代と違っていろいろと贅沢が出来るようになってきます。自分でお金を稼ぐようになれば、給料やボーナスの多くをレコードやCDの購入にあてたり、コンサートに行きまくったり、アーチストの関連グッズを買い漁ったりといろいろ贅沢が出来るようになるでしょう。でも音楽愛好家にとって究極の、最高の贅沢とは何でしょうか?投資目的だったのかもしれないけどマイケル・ジャクソンのようにビートルズの版権を買ってしまう、なんてのも壮大な話だし、好きなアーチストに自分のためだけにコンサートを開いてしまうなんて話も有りそう。超高額のレア皿や直筆サイン等をオークションで競り落とすことなどは現実的だけど、それって「レコード」コレクションや「グッズ」愛好であって真の『音楽』愛好とは違うよね。私が考える音楽愛好家にとって究極の、最高の贅沢は音楽のプロデュース。自分の好きな作曲家に自分の好きな曲調での作曲を依頼し、自分の好きなアーチストに歌ってもらう。これこそ究極の贅沢ではないでしょうか?(ついでに好きなアーチストにジャケットを製作してもらったり)何を隠そう私は自分でプロデュースした曲が2曲程あります。もっとこの人のこういう曲を聴きたい!という欲求を実現させてしまったんだけど、手間もお金もそんなにかからなく出来ちゃうんですよね。何より作っていく過程が楽しいし完成した自分の嗜好に合わせた曲を楽しむのは至高の贅沢という感じ。このサイトを訪れてくれる(私の嗜好と似通った)音楽愛好家さんに、どんどん個人プロデュースして世により多くの素晴らしい曲を発信して欲しいなあと思います。(私がプロデュースした曲が何かというのは秘密です) 以下は予定です。 音楽グルメ道 至極のカバーソングを探求 SecondHandSongsの使い方 隠れた名カバーソング・ベスト10・曲単体で聴こう・究極のベストセレクションを作ろう・ガイドブックを頼ろう・コンピレーション、セレクトテープを聴こう・アーチスト本位ではなく自分本位で聴こう・純粋に音楽、曲を楽しむということ・レア高値盤に注意しよう・至極の名曲をどのように堪能するか?・信頼出来る情報源・カラオケ・バージョンを作って再発見・新譜を追うのはかなり非効率的続く
2024.03.10
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洋楽スーパーポップの世界(2) 山下達郎 サンデー・ソングブック 【 ポップ偏差値 69 】Anthony & The Sophomores / PLAY OUR OLDIES, MR. DEEJAY '6360年代に活躍した白人DOO-WOPグループのシングル曲。元々は「Sing This Oldies Mr. Bassman」として録音されたものだけど、ジョニー・シンバルの「ミスター・ベースマン」のヒットの影響でタイトルを変えて録音し直されたもの。曲はアップテンポで明るく快活なノリの良いドゥーワップ。ハイテナーなリードと明るく楽しいコーラス、ベースなどドゥーワップ・グループを構成する各パートがそれぞれ大活躍します。特に高音部のメロディを爽やかに伸びやかに気持ちよさそうに歌うリードが魅力的。また、短い間に目まぐるしく変わるメロディはどこをとっても出来が良く、アップテンポなドゥーワップの楽しさ素晴らしさが堪能できる大傑作と言えるでしょう。ただし、所謂オールディーズヒットとも言えるドゥーワップの超有名曲群と比べると万人受けするような単純明快さは少な目で、その分初期ビートルズに通じるような若者受けするスマートさと溌剌さ、グルーヴなどを感じさせますね。1983年の山下達郎のサウンドストリートのDoo-Wop特集の第5回、ゲストがシャネルズの鈴木雅之氏の時にオンエアされています。個人的にはこの回を聴いて知った曲なんだけど、後のサンデーソングブックのDoo-Wop特集の焼き直しの回では、この回は復刻されなかったんですよね。従って、サンデーソングブックの熱心なファンでもこの曲を知らない方は多いのかも知れませんのでどうかご注目を。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(スマートさ)ポップ偏差値合計98887978569ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.03.03
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見栄講座 音楽編 見栄講座 音楽編 ベスト6 思いっきり見栄を張りたい方に朗報! インスタ等で思いっきり見栄を張りたい方に朗報!音楽を見栄を張るための道具として捉え、『私は知力も高く、センスもバッチリなのよ』とライバルに差をつける音楽は何なのか?バブル前夜にヒットしたホイチョイプロダクションによる著作『見栄講座』を参考に、その音楽編をベスト5形式で考えてみた。6.Einstürzende Neubauten / Kollaps '81 ドイツのインダストリアル・ミュージックやノイズミュージックを得意とする実験的バンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの「崩壊」というタイトルの1STアルバム。メキシコのトルテカ文明の遺跡の洞窟に描かれた壁画の一部である一つ目人間のイラストが不気味でバンドの難解な雰囲気と合致している。知性派タレントの山田五郎氏も愛聴自慢をしたことがある。そして唐沢なをき氏も「まんが極道」において「偉くカッコイイ」漫画家を演出する道具としてノイバウテンを登場させている。ギャグ漫画のネタになるほどですので見栄を張るにはもってこいのバンドと言える。(注:ノイバウテン自体はコミックバンドではありません。)1.SCRITTI POLITTI / JACQUES DERRIDA '82イギリスのNEW WAVEバンドで「政治的な文書」を意味する造語がバンド名。この12インチのタイトルはポスト構造主義の代表的哲学者ジャック・デリダを歌ったものである。浅田彰、岡崎京子ご用達である(本当)。高学歴で知性の高さセンスの良さを匂わせたいならこの12インチ盤をさりげなくインスタ画像の隅に忍ばせたいものである。2.BRIAN ENO / ANOTHER GREEN WORLD '75環境音楽の第一人者として知られ如何にも高尚であるが、「アナザー・グリーン・ワールド」など環境音楽以前の作品には俗世離れした仙人的魅力に満ちた作品を多数残している。環境音楽の『ミュージック・フォー・エアポーツ』も映えるが本作収録の「Golden Hours」などを流してライバルに天と地ほどの差を見せつけたい。「ENO IS GOD」イーノの達観性とは?3.CAL TJADER / LA ONDA VA BIEN '80アメリカのヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーのインストアルバム。同アルバム収録の「Mambo Mindoro」は情熱と冷静さが混在する大人の知的で洗練された異世界マンボ。音楽として実にクリエイティブな作品だがマニアックな内容で敷居も高い。TJADERという綴りが素人には判読が難しいのも高ポイント。独創的な異世界マンボ Cal Tjader / Mambo Mindoro 「La Onda Va Bien」'804.JOY DIVISION / CLOSER '80ジョイ・ディビジョンは80年代に活躍したNEW WAVEバンド。ヴォーカルのイアンカーティスが自殺してしまったことで有名。同アルバム収録曲は「THE ETERNAL」など崇高で将に死線ギリギリといった渾身の曲が複数収録されている。自殺といった特異性もあり、その相乗効果でライバルを圧倒したい。第15回セレクト 真夜中に聴きたい音楽 「オヤジ涅槃」 zouky's select5.小沢健二 / 犬は吠えるがキャラバンは進む '93あまりマニアックな音楽だとそもそもライバルが気づかない可能性も高い。少しユルめのライバルに見栄を張りたいなら、東京大学卒の小沢健二辺りが適当だろう。叔父に小沢征爾もいるし、実際に高学歴女子アナ小宮悦子も大ファンだそうな。特に1stアルバムの本作は村上春樹のような少し難解で長いアルバムタイトルが如何にも知性派っぽくて良い。(続く)(この記事は以前ベスト5まで発表したものにノイバウテンを追記した記事となります。)
2024.02.25
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2 MY FAVORITE NORTHERN SOUL 2【 ノーザン偏差値 64 】ALEXANDER PATTEN / NO MORE DREAMS (Capitol 5677)'661966年頃にシングル3枚だけ残しているカリフォルニア出身の黒人R&Bシンガーのノーザンダンサー。軽快なピアノの際立つサウンドをバックに激しく歌うダンスナンバーだけど、本コーナーで取り上げる中でもかなり泥臭く黒っぽいですね。彼の自作曲のようでメロディはなかなかキャッチー。垢ぬけたスマートさという点では物足りないけど、その分ドス黒いグルーヴは迫力満点。歌も声質もなかなかいい感じで「ノ・ノ・ノ・ノー」と絶唱するところがバッチリ決まっていて一番の聴きどころかな。黒人男性の迫力あるノーザンダンサーとしてなかなか魅力的だけど女性受けは厳しいかも知れませんね。「YOU TUBE」で聴けます。
2024.02.18
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】Cleaners From Venus / A MERCURY GIRL '87 「Going To England」 1980年代に活躍したイギリスのギターポップ・ユニット、クリーナーズ・フロム・ヴィーナスの1987年のアルバム「Going To England」収録曲。元々は1986年のアルバム「LIVING WITH VICTORIA GREY」に収録されていたものだけれど、いまいちチープなアレンジだったからか翌年に作り直した感じですね。グループ名が「金星の掃除屋」で曲名が「水星の少女」ってことで何やら宇宙的ロマンを感じさせますが曲はシンプルで落ち着いた淡々としたバラード。派手さはないけどソロでも活躍したMartin Newellによるメロディは魅力的で秀逸です。そして何と言っても特筆すべきは間奏で聴けるピアノの綺麗な音色。甘く悲しげな美しい旋律を高らかに奏でます。ここの部分は少しウォール・オブ・サウンド的雰囲気があるので、本格的音壁として作り替えたらどうなるだろう?と思わず夢想してしまいますね。上品で知的で控えめな雰囲気ってことでセーラーマーキュリーのテーマソングとして推奨します。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.02.12
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 73 】The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)【Original】Composer / Lennon-McCartney , Producer / George Martin【2024 Wall Of Sound Extended Version】 Vocal / The Beatles Instrument, Arrange, Produce / @otokabe_master史上最高のロックバンド、ザ・ビートルズの名曲「No Reply」を2024年に新たにウォール・オブ・サウンド・イクステンディド・バージョンとして作成しました。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏に作って頂いた「名曲のウォール・オブ・サウンド化」シリーズの第8番目の作品となります。「YOU TUBE」で聴けます。(なお、説明欄では@otokabe_master氏に寄稿頂いた解説を読むことが出来ます。)また、こちらでも聴くことができます。以下、ネタバレを含みますので、まずは上記リンクよりお聴き頂くことを推奨致します。オリジナルはビートルズの1964年のアルバム「FOR SALE」収録曲。本国イギリスではシングルカットされておらずビートルズの中では比較的地味な存在。曲も2分15秒と短く全体的にボサノバ調でロック色が比較的薄い作品(そこが魅力でもある訳ですが)。ただしサビの溌剌とした高揚感のあるロック的盛り上がりは流石のビートルズ節という感じです。個人的には初期の大ヒット曲群にも匹敵する魅力的なフレーズかと思いますが、このサビが一度しか登場しない変則的な構成には長年消化不良な気分でおりました。また、手拍子交じりで盛り上がるこのサビがウォール・オブ・サウンド(音壁)と相性抜群であろうことから@otokabe_master氏へ音壁化を依頼することとなった訳です。音壁版はリンク先の解説にもありますように、約20種もの楽器を重ねた分厚いサウンドが特徴的。軽やかなボサノバ調は影を潜め全体を通してリズミカルなロック調です。すこし快活で明るい雰囲気が加味された感じでしょうか。またウォール・オブ・サウンド仕様ということで、個人的希望もありピアノの少し悲しげな響きも目立つものとなりました。高音域ではフィルスペクターでもお馴染みのスレイベルやカスタネット、低音域ではティンパニなどの迫力ある重低音など、かなりオリジナルとは異なる音の洪水状態ですので、あまり音壁に馴染みのないビートルズファンの方は違和感を覚えるかも知れませんね。構成としては消化不良だった一度しかなかったサビ部分も三度登場ということで、ジョンの切実な気持ちのこもった激しい歌声が十二分に堪能できるかと思います。そのサビでは、カスタネットが力強く鳴り響き、より切迫感と説得力が増したと感じます。発表から60年後の最新の分厚い音壁をバックにつけても、しっかりと存在感を示すジョンのヴォーカルはやはり素晴らし過ぎますね。なお、新たに加わった間奏ではマージービート風のギターが入り、偉大なるビートルズへの敬意を感じさせます。@otokabe_master氏による「名曲のウォール・オブ・サウンド化」シリーズは他にもとてつもない作品が複数あります。他にも音源の公開を予定していますので、どうぞお楽しみに。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(音壁&二次創作)ポップ偏差値合計8777791081073(ご参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2024.02.06
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音壁の世界(2) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(2) 【 ポップ偏差値 69 】ASSOCIATION & COURETTES / NEVER MY LOVE (2022 Wall Of Sound Version) A 2022 work by The COURETTES, a Brazilian-Danish duo who have been active since 2015. They seem to have a deep respect for Phil Spector, and specializes in monophonic wall-of-sound. The original work also develops a high-quality wall of sound and has a really good impression, They have expanded their wall of sound beyond their original work. This is the case with the works listed below, which are based on "extracting only the vocals, All the sounds have been newly recreated as Wall Of Sound." In other words, They are doing the same thing as the "Famous songs made into Wall Of Sound" that I have created by Mr.@otokabe_master.What's more, each work is well-crafted, It has a great sound that sounds like it was made in the 60's by Phil Spector. In the history of Wall of Sound, the only people who have created such derivative works are The COURETTES and Mr.@otokabe_master, so there is no reason not to support him. Among them, the performance of NEVER MY LOVE is especially wonderful. This song is a Wall of Sound version of Association's 1967 worldwide hit song. A complete change from the original chorus-based soft rock sound. The result is an impressive wall of sound. And it’s monaural! The castanet also sounds at the perfect timing.While taking advantage of the quality of the original melody, I would like to pay my respects to the idea and sense in which they remade this song with a new powerful and tasteful sound. In recent years, I've been constantly searching for which songs would be suitable for a "wall of sound." For me, this song was not considered as a candidate at all, so it feels like a nice present. However, personally, I like a wall of sound with a stereo feel that gives a sense of depth and spatial expansion. For example, the same 1967 hit song created by Mr.@otokabe_master Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version) I prefer a modern arrangement like this.COURETTES' "Famous songs made into Wall Of Sound" It is expected that this will continue, but I would like to look forward to creating a wall of sound with a stereo feeling like this. We look forward to COURETTES' continued success in the future.【 COURETTES' "Famous songs made into Wall Of Sound" 】ASSOCIATION & COURETTES / NEVER MY LOVEJAY & THE AMERICANS, COURETTES / COME A LITTLE BIT CLOSERGRASS ROOTS, COURETTES / WAIT A MILLION YEARSMAURICE WILLIAMS & THE ZODIACS, COURETTES / STAYFOUNDATIONS, COURETTES / BABY NOW THAT I'VE FOUND YOUJOEY DEE & STARLITERS, COURETTES / PEPPERMINT TWISTFLAMIN' GROOVIES, COURETTES / SHAKE SOME ACTIONJOHNNY THUNDERS, COURETTES / YOU CAN'T PUT YOUR ARMS AROUND A MEMORY【 Mr.@otokabe_master's "Famous songs made into Wall Of Sound" 】(For your reference)Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)* この記事は以前書いたものを英訳したもので内容はほぼ同一です。
2024.02.05
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U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編(3) 35.SLY SLICK AND WICKED / GET DOWN LIVE (BAD BOY'S 1001) '74A1 Too Much Man For A Weak Lovin' WomanA2 Symphonic RevolutionA3 You Got To FunkafizeA4 Confessin' A FeelingB1 Hey Big BrotherB2 Pusher ManB3 The World Is A GhettoB4 The Truth Shall Make You FreeB5 Rock And Roll1977年にJu-Parからアルバムを出しているClevelandのソウルの3人組コーラスグループとは別グループで、こちらは1972年にConfessin' A Feelingをヒットさせているロサンゼルスの7人組ヴォーカル&インスト・グループ。グループ名はLost Generationのヒット曲からとったそうな。U.S.BLACK DISC GUIDEの究コレ掲載のこのアルバムはそんな彼らのライブ盤。72年の時点でシングル1枚しか出しておらず、ほとんど持ち歌の無い彼らのライブ盤ということで実際にカバー曲がほとんどのようだ。内容はスロウやファンキーなアップなど交えたものだけど、かなりB級、いやC級感が漂う出来。録音も良いとは言えず、観客の歓声やざわめきなども入り場末のキャバレーかどこかでやっている売れないバンド感が強烈に漂う。一番の聴かせどころは唯一のヒット曲のA4ということになるけど、そもそもスウィートソウルとライブの相性は悪い。フィリーソウルに代表されるようにスウィートといえば華やかでしっかりと練られた煌びやかで緻密な演奏をバックに何度も録音し直した完璧なハーモニーが特徴的。その点を考えれば、『スウィートソウルのライブ』という存在自体が矛盾みたいなもの。当然のようにここで聴けるものも稚拙な出来となっていてアルバム通して聴くのが苦痛なレベルで、このレコードが当時全く売れずにレア盤化したことは容易に想像がつく。「持ってな恥」という表現を借りればこれは「持ってると恥」レベルの内容かと思いますが、一応究コレ掲載盤ということで自慢げに持っている人もいるのだろうか。(偏差値60以上はありません。)
2024.01.28
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 63 】SNOWBOY / Casa Forte (Joe Claussell's Spiritual Life Samba Remix) '99 「The New Latinaires 2」 1985年以降ラテンジャズのパーカッショニストやDJなどとして活躍してきたスノーボーイのハウス系ラテンジャズ。本バージョンはヴォーカルはLiliana Chachian嬢でJoe ClaussellがREMIXを行っていて他にも幾つものバージョンが存在します。基本は憂いを帯びたメロディが印象的なハウスなんだけど、サンバ的パーカッションをふんだんに使用しているので、本来ハウスが好きではない私のような者にも十分楽しめる内容かと。情感深いメロディにヴォーカルということで歌ものとしての要素を備えているうえ、リズムもスピーディかつグルーヴィ。そしてクイーカやサンバホイッスルなどを時折交えた現代的なサンバ仕様であることが特徴的で、特に全編に渡って響き渡る力強いパーカッションが心地よい。スノーボーイはジャズダンスについての本も執筆しているほど研究熱心で、将に音楽オタクが様々なジャンルの美味しい要素をその豊富な知識と技量をもって結集させて出来上がったサウンドという感じで好印象。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(サンバ)ポップ偏差値合計78788687463
2024.01.22
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音壁の世界(2) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(2) 【 ポップ偏差値 69 】ASSOCIATION & COURETTES / NEVER MY LOVE (2022 Wall Of Sound Version) 2015年から活躍しているブラジル人とデンマーク人の男女デュオ、ザ・クーレッツの2022年の作品。フィルスペクターを深く敬愛しているようで、モノラルにこだわったウォール・オブ・サウンドを得意としています。オリジナル作品も良質なウォール・オブ・サウンドを展開し、実に好感が持てますが、彼らはオリジナル作品以外でもウォール・オブ・サウンドを展開しています。下記に列挙した作品がそうなのですが、『往年の名曲のヴォーカルのみを抽出し、サウンドは全て新たにウォール・オブ・サウンドとして作り直したもの』です。つまり、私が@otokabe_master氏に作って頂いている「名曲のウォール・オブ・サウンド化」と全く同じことをされている訳ですね。しかもどの作品もしっかりと作りこまれ、フィルスペクターが60年代当時に作ったかのような素晴らしいサウンドが施されています。ウォール・オブ・サウンド史上、このような二次創作を行っているのは、彼らザ・クーレッツと@otokabe_master氏しかいない訳ですので、これは応援しない訳にはいきません。その中でも特にNEVER MY LOVEの出来が素晴らしい。本曲は1967年のAssociationの世界的ヒット曲をウォール・オブ・サウンド化したもの。オリジナルのコーラスを主体としたソフトロックサウンドとうってかわって迫力あるウォール・オブ・サウンドに仕上がっています。しかもモノラル!カスタネットもこのタイミングでしかあり得ないでしょってな絶妙なタイミングで決め打ちしてくれますね。オリジナルのメロディの出来の良さを活かしつつ、新たな迫力ある味わいあるサウンドで本曲を作り替えたその発想とセンスには敬意を表したい。近年は常々どの曲が「ウォール・オブ・サウンド化」に適しているかと模索している私ですが、この曲は全く候補に挙がらなかっただけに嬉しいプレゼントという感じです。ただ個人的には、奥行や空間的拡がりを感じさせるステレオ感のあるウォール・オブ・サウンドが好きなので、例えば、同じ1967年のヒット曲であり、@otokabe_master氏が作成したFrankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)のような現代的なアレンジがより好みではありますね。クーレッツの「名曲のウォール・オブ・サウンド化」はまだまだ続くと予想されますが、こうしたステレオ感のあるウォール・オブ・サウンド化にも期待したいところではあります。COURETTESの今後の益々の活躍を期待します。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(音壁&二次創作)ポップ偏差値合計7876610107869【 COURETTESの他の「名曲のウォール・オブ・サウンド化」作品 】JAY & THE AMERICANS, COURETTES / COME A LITTLE BIT CLOSERGRASS ROOTS, COURETTES / WAIT A MILLION YEARSMAURICE WILLIAMS & THE ZODIACS, COURETTES / STAYFOUNDATIONS, COURETTES / BABY NOW THAT I'VE FOUND YOUJOEY DEE & STARLITERS, COURETTES / PEPPERMINT TWISTFLAMIN' GROOVIES, COURETTES / SHAKE SOME ACTIONJOHNNY THUNDERS, COURETTES / YOU CAN'T PUT YOUR ARMS AROUND A MEMORY【 @otokabe_master氏の「名曲のウォール・オブ・サウンド化」作品 】(ご参考)Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)
2024.01.15
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】FRANKIE GEARING / SPINNING TOP (Beale Street Records 1179)1970年代に活躍したデトロイトの黒人女性三人組ヴォーカルグループ、Quiet Eleganceのリードヴォーカルだったフランキー・ギアリングのソロ曲。Carl Simsのシングルを出していた南部メンフィスのBeale Street Recordsから出ています。曲はテンポの速いポップでキャッチーなサザンソウル。明るく爽やかで実に快活な印象を受けます。サビは少し暗めだけど、それ以外はかなり明るめかつ肯定的で将に70年代的な明るい未来への憧憬で満ちてますね。Quiet Elegance / After You同様DAN GREERの作品。サウンドもポップだしサザンソウルの入門編的作品としても適当かも。因みにスピニングトップとは(回る)独楽のこと。「YOU TUBE」で聴けます。
2024.01.08
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 63 】SWISS MOVEMENT / TAKE SOME TIME (RCA APB0-0092)'73 1970年代初頭に活躍した4人組コーラスグループの唯一のアルバム「IT'S TIME FOR THE SWISS MOVEMENT」収録曲。テンプテーションズのメンバーによって見いだされ、プロデュースされたアルバムとのことです。懐中時計を模したジャケットからもどうやらグループ名はスイス製の時計の動きという意味っぽいですね。スイス時計の精度や品質の高さ、伝統に憧れての命名といったところでしょうか。唯一のアルバムがU.S.BLACK DISC GUIDE #343と甘茶ソウル百科事典P.45で取り上げられていることからも思惑通り、質の高いアルバムを残せたようですね。そのどちらでも触れられていませんが、アルバム最後を飾るこの曲はスウィートソウル仕立ての良曲。時計の秒針が刻む擬音を入れた明るく爽やかな仕上がりです。リードヴォーカルの声質は聞きやすいけれど引っ掛かりが無い箇所が幾分物足りなく、全体としてこってりとした甘さや萌えという点で不満を感じますが、スキャットなどを交え随所で多用される厚いコーラスは魅力的です。「YOU TUBE」で聴けます。
2024.01.01
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小沢健二/FLIPPER'S GUITARの元ネタリスト曲毎 【おまけコーナー】小山田圭吾くん お洒落でセレブな二歳児コメントは全く付かないけど当ブログの人気コンテンツである小山田圭吾氏の子供時代シリーズ第4弾。今回は二歳一か月の時のお母さんとのツーショット。ご自宅付近でピクニックバスケットを持ってこれからお出かけという風情。ボーダー柄のニットが後のフリッパーズギター時代のファッションを彷彿させるお洒落具合ですね。既にこの頃からお母さんによってファッションセンスが磨かれていた模様。白いブーツが何とも高価そうで将にセレブ親子という印象です。それにしても二歳児の小山田圭吾くんの何と可愛らしいこと。こちらのページの最下部で拡大版が見れます。私信:小山田くんは今でもネオアコを聴かれてますか?ブルーベルズの往年の名曲をウォール・オブ・サウンド化しましたので是非聴いてみてください → The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)小山田圭吾くん 2歳 幼稚園児のCORNELIUS 僕のパパはマヒナスターズ マヒナスターズ三原さと志さんと赤ちゃん時代の小山田圭吾もうすぐ1歳の小山田圭吾くんとマヒナスターズ三原さと志夫妻フリッパーズギターの何が凄かったのか?→『ネオアコで世界一の楽曲を作った』ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.12.25
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) MEDITATORS / WHEN YOU GO TO A PARTY '70 「RUPIE EDWARDS / HIT PICKS VOLUME 1」収録 レゲエ歌手でプロデューサーでもあるルピィ・エドワーズのサクセルレーベルのコンピ「RUPIE EDWARDS / HIT PICKS VOLUME 1」収録曲。日本盤CDも出ていて個人的にこの日本盤で知った曲です。初期レゲエやロックステディ中心のコンピでその中に入っていたのがこのロックステディなんですが、ほぼ同時期の有名なメディテイションズではなくメディテイターズというグループ名なのが誤認しやすいかも。曲は1970年産ということで、時代的にはロックステディ晩年の作品という趣き。ほとんど余計な装飾音のない素朴で簡素な内容ですが、逆に言えば誤魔化しなしでメロディと歌の魅力だけで成し得た良曲といえますね。ゆったりとしたリズムに物悲しくも甘みのあるメロディに如何にもロックステディ定番的なベースラインが特徴的。(後の1971年にGregory IsaacsがLonely Manとして同トラックを使いまわしてます。)全体的に受ける謙虚な姿勢に好感が持てるのです。ロックステディ晩年のジャマイカの良心という感じでしょうか。「YOU TUBE」で聴けます。Gregory Isaacs / Lonely ManFROGGY RAY / WHEN YOU GO TO A PARTY 1971ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.12.18
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「恋はあせらず」トラックの世界(2) THE WORLD OF "YOU CAN'T HURRY LOVE" TRACKS (2) 【 ポップ偏差値 60 】COCKROACHES / GOOD,GOOD,GOOD '91「POSITIVE」1980年代から1990年代にかけて活躍したオーストラリアのパブロックグループの「恋はあせらず」トラック。なんとゴキブリという風変わりなバンド名だけど、曲は明るく爽やかなハリーラブ。厳密にはベースラインは異なるけど、ギターのカッティングや跳ねたリズムなどが同じですね。メロディもよく出来ていて明るくキャッチー。間奏の平和な感じなど如何にも陽気なオーストラリア産という印象で和めます。そう奥深い内容ではないけど1991年の作品にしてこの明るく乾いた陽気なハリーラブは希少かも。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(陽気)ポップ偏差値合計87777777360「恋はあせらず」トラック世界大会開催中! "YOU CAN'T HURRY LOVE" TRACKS WORLD CHAMPIONSHIPツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.12.11
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ビートルズクイズ これは難問! SFビートルズ漫画 僕はビートルズ 原作:藤井哲夫 漫画:かわぐちかいじ 【ネタバレ有り】【注意!ネタバレ有り】当ブログでSFビートルズ漫画 僕はビートルズ 原作:藤井哲夫 漫画:かわぐちかいじとビートルズの214曲目 APPLEJACKS / LIKE DREAMERS DOとで紹介済みの私のお気に入りの漫画「僕はビートルズ」。ビートルズを知っている友人・知人に読んでもらうと皆さん感激される超お勧めな音楽漫画です。この漫画には一箇所地味だけど読み飛ばしがちな重要なシーンがあります。それは、最終第10巻の終盤、話しが終わり本物たちと別れるこのシーンです。ここで、レイは本物のビートルズに何かを言おうとしますが躊躇して言うのを止めてしまいます。他の偽ビートルズのメンバーもレイの真意に気づいて驚いている様子です。でも、結局レイは何も言わず、そのまま別れて終わるシーンです。読後に友人にこのシーンが何を意味しているか質問してみると「分からない」とのこと。意外にもビートルズ好き、漫画好きでも分かりにくいんだな、面白いシーンなのにな、と思ってクイズにしてみました。ビートルズ好きならじっくり考えればきっと分かるはずです。是非漫画を読んで考えてみてください。 ビートルズ作曲者あてクイズ! ザ・ビートルズ全曲バイブル史上最高のカバーソングは? BEATLES / PLEASE MR. POSTMAN '63異次元的な突出ぶり BEATLES / SHE LOVES YOUオーパーツ・ミュージック 有り得ない音楽 BEATLES / PLEASE PLEASE ME '63
2023.12.04
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2 MY FAVORITE NORTHERN SOUL 2【 ノーザン偏差値 64 】Cliff Nobles & Co. / The Horse (Phil L.A. Of Soul 313)'68 U.S.BLACK DISC GUIDE #76でも紹介されているクリフ・ノーブルズはアラバマ生まれのソウル歌手。ペンシルベニアで結成した彼のグループ名義で一枚のアルバムを残していて、そのアルバムタイトルとなっているのが本ヒット曲。シングルのB面曲として発売されていて そのA面Love Is All Rightのインスト曲という体裁が本来の姿ということになります。どのようにしてこの曲がチャートを上り詰めて行ったのか興味深いところですが、最終的にビルボードホット100で最高2位とのこと。基本はR&BテイストのダンスナンバーでアレンジはBobby Martin、バックは後のMFSBの面々でフィラデルフィア録音。ヴォーカルのクリフ・ノーブルズは基本的に参加してないので実質的に初期MFSBの楽曲と捉えられないこともないのかも。それゆえ単調ながらもしっかりとした黒いグルーヴを感じさせキャッチーなホーンも印象的。リズムもスピード感があるしドラムも躍動感があり、踊るにはもってこいのノーザンダンサーと言えるでしょう。同系統の前年1967年産のインストヒット曲、Archie Bell and The DrellsのTighten Upを彷彿させるものがありますね。なお全くの余談になりますが、ヴォーカルのクリフ・ノーブルズの残した「THIS FEELING OF LONELINESS」は高沢仁氏に「シングル盤中のシングル盤」と言わしめた極上のソウル名曲。「YOU TUBE」でPVが見れます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器快活さボーナス(MFSB)ノーザン偏差値合計77779688564ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.11.27
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】GEORGE MCCRAE / BEAUTIFUL '16 「LOVE」約50年前の1974年に「Rock Your Baby」のヒットで一世を風靡したジョージ・マックレーの晩年2016年発表の14枚目のアルバム「LOVE」収録曲。ソウル的に人気が高い訳でもなく一発屋的印象が強いのですが、晩年になってなかなかいい曲を作ったなという印象。曲は70/80年代製作といっても通じてしまいそうな素朴で軽めのアレンジはフリーソウル的かも。どこか既聴感のある甘く品のあるメロディは出来が良く、ジョージの情感深い歌声も熟練の味わいという感じ。控えめながらもギターのカッティングが往年の南部マイアミのT.K.サウンドを彷彿させて懐かしい。もはやほとんど注目されないジョージ・マックレーではありますが、この隠れた名曲に注目して欲しいですね。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.11.20
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) ギターポップ推薦曲(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 77 】The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)【Original】Composer / Hodgens-McCluskey Producer / Colin Fairley & Robert Andrews【2021 Wall Of Sound Version】Instrument, Arrange, Produce / @otokabe_masterネオアコファンにも人気のスコットランドのロックバンド、ブルーベルズのギターポップ名曲「I'm Falling」を2021年に新たにウォール・オブ・サウンド・バージョンとして作成したもの。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏に作って頂いた「ウォール・オブ・サウンド・シリーズ」の2番目の作品となります。「YOU TUBE」で聴けます。(なお、説明欄では@otokabe_master氏に寄稿頂いた解説を読むことが出来ます。)また、こちらでも聴くことができます。以下、ネタバレを含みますので、まずは上記リンクよりお聴き頂くことを推奨致します。オリジナルはギターの刻みとピアノの軽やかな響きが心地よいネオアコ系バラード。恋人への後悔の念が痛々しくも、甘く悲しげなメロディが秀逸な人気曲です。泣きのギターも印象的ですが、個人的にはピアノの切なくも軽やかで感動的な響きにウォール・オブ・サウンド(音壁)的魅力を感じておりました。@otokabe_master氏に作って頂いた中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)の素晴らしさに感動し、同じくピアノを主軸としたこの曲の音壁版を是非聴いてみたいという思いから製作を依頼しました。オリジナルではギターの活躍度が高く、それはそれで非常に魅力的なのですが、音壁的にはギターはそれほど相性は良くないので必要最小限にとどめて頂き、代わりにピアノの軽やかな響きをメインとしたサウンドとなりました。他にもカスタネット、カバサ、鈴の音といった高音域の繊細な響きからベースやドラム、ティンパニなどの迫力のある重低音まで、まんべんなく配された様々な楽器が分厚い音壁となって迫るかなりオリジナルとは異なる内容です。特に力強くメインフレーズを奏でるピアノは、音壁の相乗効果でより劇的に変貌しただけでなく、他にも随所で様々な表情を見せ脇役的にも大活躍します。そして圧巻なのは、最初の間奏におけるピアノのメインフレーズをサポートするカスタネットの連打音。ここでの重厚な音壁、軽やかなピアノをバックにカスタが力強く鳴り響くことを夢に見なかったネオアコ系音壁者は私だけでしょうか。実に感動的な瞬間でこのバージョンの最大の聴きどころかと思います。後半でもこのコンボがエンディングまで展開されますが、史上最強クラスの良質な迫力ある音壁により、「I Should Have Known Better」と後悔の念を歌うリードの説得力が倍増したと感じますがいかがでしょう。なお、エンディング近くではカスタネットの鳴り方が変化しますので是非ご注目を。追記:本バージョンはbluebellsの公式サイトにおいて二度ご紹介頂きました。メンバーや多くのファンの方からも好意的なコメントを頂き感無量です。A great Japanese/Spector style re mix by @zoukySome Japanese producer has surprisingly given I'm Falling the "Wall of Sound " treatment. Sounds Grand.@otokabe_master氏による「史上最高のウォール・オブ・サウンド・シリーズ」は他にもとてつもない作品が複数あります。他にも音源の公開を予定していますので、どうぞお楽しみに。(ご参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.11.10
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 63 】ATKINS / BABY YOU'RE THE ONE LP(WARNER BROTHERS 3659)'82男女混合のファミリーコーラスグループのグループ名と同名の1982年のアルバム収録曲。このアルバム1枚を残して儚く消えてしまったようですが、当ブログで既出のLOVE IS GROWING STRONGなど良曲が多い。残念ながらU.S.BLACK DISC GUIDE、甘茶ソウル百科事典のどちらでも取り上げられてません。ファミリーというのが甘茶的にそそるものが無いからですかねえ。曲はゆったりとしたテンポのスウィートソウルで、ちょっと悲しげなファルセットリードが特徴的。感傷的な甘いメロディの出来もよく優等生的な内容だけど、70年代スウィート好きにはどこか過剰な何かが欠けている感が否めないかな。とはいえこの内容ですら今では有り得ない古き良き時代のソウルの大切な遺産と感じますね。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.10.30
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】JESSE LANKFORD / WHAT'S A MATTER BABY (Polydor PD 2-14025)78? ヒューストンの白人歌手JESSE LANKFORDによる1962年のTimi Yuroのヒット曲のカバー。(secondhandsongs.comによると23ものカバーが存在します。)てっきり黒人歌手かと思っていましたが、どうやら白人のようですね。6オクターブの声域を持つ歌手としてヒューストンでは人気があったとのこと。彼の1978年のアルバム「We'll Take Our Last Walk Tonight」にも同曲のクレジットがあることから(プロデュースは同じHUEY P. MEAUX)1978年頃の作品と思われます。曲は明るく晴れ晴れとした女性コーラスを導入しカバーの中でもかなりポップな内容。JESSEのヴォーカルは瑞々しく明朗で、力強く伸び伸びと実に気持ちよさそうに爽快に歌い上げます。6オクターブの声域の持つ余裕からなのか、流石の歌いっぷりで実に魅力的ですね。快活な曲調&唱法は相性バッチリでメロディの出来も良く、聴いていて楽しい気分にさせてくれます。もっと彼の歌声でこうした明るい良曲のカバーを沢山残して欲しかったですね。「YOU TUBE」で聴けます。Timi Yuro(オリジナル)ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.10.23
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】Brian / It Never Crossed Your Mind 「Understand」'92ダブリン生まれでロンドンで活動していたというブライアン。90年代に2枚のアルバムを残していて、これは彼の1stアルバム「Understand」収録曲。ブライアンというと日本人にも馴染みのあるありふれた名前だけど、Ken Sweeneyというシンガーソングライターのソロプロジェクトの模様。小山田圭吾のCORNELIUSみたいなもんですね。アコースティックギターに打ち込みドラムという質素な構成ながらも繊細ながらも煌びやかなアコギの音色が印象的。曲全体としては冷静で落ち着いた淡泊なものでサラレコードのような内省的な雰囲気が強く、そこに好感が持てます。メロディも派手さはないけれど良質でなかなか心に染み入ります。打ち込みドラムによりポップな仕上がりとなったけど、ドラムなしのより簡素な内容を聴いてみたいかも、とふと頭によぎりました。「YOU TUBE」で聴けます。ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.10.16
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) 洋楽スーパーポップの世界(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 79 】The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)【Original】Composer / Bickerton-Waddington, Arranger / Gerry Shury, Producer / Wayne Bickerton 【2023 Wall Of Sound Extended Version】 Vocal, Instrument / The Rubettes Instrument, Arrange, Produce / @otokabe_master名曲「Sugar Baby Love」を2023年に新たにウォール・オブ・サウンド・エクステンデット・バージョンとして作成しました。ベースやドラムなど一部楽器の音を削り、幾つかの楽器を新たに足したもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏に作って頂いた「ウォール・オブ・サウンド・シリーズ」の7番目の作品となります。「YOU TUBE」で聴けます。(なお、説明欄では@otokabe_master氏に寄稿頂いた解説を読むことが出来ます。)また、こちらでも聴くことができます。以下、ネタバレを含みますので、まずは上記リンクよりお聴き頂くことを推奨致します。オリジナルは1974年のイギリスのバンド、ルベッツのヒット曲。日本でもたびたびCMで使われる大人気曲ですね。明るく元気一杯で高揚感があって、将に当ブログで取り上げるに相応しいスーパーポップな内容。ファルセット遠吠えにワッシュワリワリ(Bop-Show-Waddy-Waddy)コーラスの爽快感はCMソングにうってつけです。ただでさえポップス史に燦然と輝く超凄ポップな曲ですが、@otokabe_master氏にウォール・オブ・サウンド(音壁)化して頂いたら一体どこまでポップになるのだろう?と期待に胸が膨らんでの音壁化です。ただし残念ながらここまでの全6作品と異なり、今回はヴォーカル、コーラス部分を分離・抽出することが出来ませんでした。低音部分(ベースとドラムス)は分離できたので、低音域では完全新規録音でやりたいことが実現出来たのですが、中音から高音域に関しましては、オリジナルの演奏はそのままに、新たに幾つかの楽器を足す形での音壁化となりました。将来的に更なる技術の進歩により完全な抽出が可能となり、全て新録での100%理想の音壁化が出来る日が来ることを待ちたいところです。オリジナル自体グロッケンやピアノなど音壁的側面のある曲でしたが、本バージョンでは、更に高音部において鈴やカスタネットなどを大幅に導入してあります。また、低音部はドラムの4つ打ちを8ビートへ変更することにより、カスタネットが際立つように工夫し、更にティンパニを加え迫力ある重低音が楽しめる内容へ。全体として新たに数多くの楽器が加わることにより この曲の持ち味である爽やかで透明なヴォーカル&コーラスワークが聴こえにくくなった嫌いはありますが(そこを楽しみたい方は是非オリジナルで!)厚みと奥行のあるウォール・オブ・サウンドにより、オリジナルを更なるポップの極みへと昇華させられたのではないかと思います。また、オリジナルではおそらくはラジオでのオンエアを意識してのことだと思いますが、終盤のナレーション後は山場のファルセット遠吠えフレーズが完走されることなく約20秒ほどでフェイドアウトしてしまいます。かなり消化不良な内容でしたので、本バージョンではファルセットフレーズをなんと延々4回、合計2分ほどループさせ、この曲最大の聴きどころをたっぷりと堪能できる仕様と致しました。更にこの終盤部分では、カスタネットの激しい連打が大爆発、これでも食らえ!とばかりに盛り上げるアレンジを追加するなど音の洪水状態。爽やかなファルセット&ワリワリコーラスと共に永遠に聴き続けていたい・・・と思うのはきっと私だけではないはず。是非フルヴォリュームでご堪能ください。@otokabe_master氏による「史上最高のウォール・オブ・サウンド・シリーズ」は他にもとてつもない作品が複数あります。他にも音源の公開を予定していますので、どうぞお楽しみに。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(音壁&二次創作)ポップ偏差値合計101010878108879(ご参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.10.06
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 60 】PAT KELLY / TWELFTH OF NEVER '69 元Techniquesのリードで後にソロとして活躍したパット・ケリーの1969年のシングル曲。オリジナルは1957年のJohnny Mathis with Ray Conniff and His Orchestraで、バックはストリングス中心でリズム隊の無い質素な内容。他にSonny James、Sam Cooke、Bobby Vinton、Billy J. Kramer with The Dakotas、Glen Campbell、Chi-Lites、Tammy Wynette、Chairmen of the Board、Bee Gees、アグネスチャン、Olivia Newton-Johnなど200以上のカバーが存在する人気曲です。感傷的なメロディに甘い歌声が映える曲ですが、オリジナル同様ほとんどリズムを感じさせない内容が多い。それらに反しパット・ケリー版は実にリズミカルで個人的にはこの曲のベストカバー。プロデュースはBunny Leeで初期レゲエ、ロックステディな内容。溌剌とした躍動感のあるリズムをバックに、しかし歌声は甘く切ない。この組み合わせの妙味もまたロックステディの醍醐味の一つですね。なお、パット・ケリー版のオリジナルは1968年版ですが、1969年にアレンジを変えて再発されています。瑞々しいオルガンなど加えてかなりポップな内容で後者がお勧め。(誤ってMAX ROMEO名義で印字されているので注意が必要)因みに曲名の「TWELFTH OF NEVER」というのは、「決して来ない12=この世の終わり」(まで君を愛す)という意味の模様。「YOU TUBE」で聴けます。PAT KELLY / TWELFTH OF NEVER(1968年版)Glen Campbell / TWELFTH OF NEVERツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.10.02
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洋楽スーパーポップの世界(4) 【 ポップ偏差値 63 】REVILLOS / MOTOR BIKE BEAT '80 1980年代初頭に活躍したイギリスのロカビリー/パワーポップ系バンドのシングル曲。オートバイの効果音が入るなどタイトル通りバイク狂に向けて作ったようで、能天気な世界を実現。スピード感、グルーヴ感もなかなかのもので如何にも大貫憲章氏主宰のロンドンナイトなどのクラブで受けそうな曲ですね。女性ヴォーカルと2人の女性コーラスを伴う形態はこの後に活躍したGo-Go'sを彷彿させます。明るくポップな内容なのは好感が持てるんだけど、そう奥深い内容ではなく、キャッチーな出来故に飽きやすいのが玉に瑕。それと能天気というよりはお馬鹿そのものと感じてしまうのは気のせいだろうか?個人的には可愛らしい女性コーラスがなかなかの萌えでお気に入り。「YOU TUBE」でPVが見れます。60年代のゴーゴーガールのような女性のダンスが楽しい。これはクラブで真似して踊りたくなりますね。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(能天気)ポップ偏差値合計98797777263ツイッター始めました(@zoukyeee)。
2023.09.25
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 65 】WIGAN'S CHOSEN FEW / FOOTSEE (Instrumental) '74有名な甘茶ヴォーカルグループとは無関係なカナダのグループ「CHOSEN FEW」の68年のインストでノーザンソウル人気曲。discogsでは24番目の「CHOSEN FEW」として掲載されてますが、やはり同名グループが多すぎる弊害で後に頭にWIGAN'Sとつけて改名されました。このWIGANというのはイギリスのノーザンの有名なクラブの名前なので、「ウィガン・カジノで持て囃される方のチョーズンフュー」という意味での改名となったようですね。結局はこのシングル一枚だけしか残せなかった典型的な一発屋グループといった感じでしょうか。曲は疑似ライブ仕立てで迫力と重量感のあるベースとドラムの織り成すリズムが非常にスピーディでダンサブル。歓声や掛け声、手拍子などが入り臨場感も抜群なのでクラブ受けも納得の出来。個人的には途中から入るバグパイプ風のお道化た感じのフレーズが萎え。スマートでカッコ良い曲調と整合性が取れていないように思え、そこさえ無ければ・・・。クラブ人気曲ということで1974年には3分程の長いバージョンとして再発されています。The Chosen Few / Footsee (Vocal Version)(元歌)The Chosen Few / Footsee (Instrumental) '68(2分25秒版)The Chosen Few / Footsee (Instrumental) '74(3分4秒版) こちらの映像がノーザン・クラブの雰囲気も伝わってオススメです。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(臨場感)ノーザン偏差値合計88788678565
2023.09.18
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 65 】LABI SIFFRE / CANNOCK CHASE '72 「Crying, Laughing, Loving, Lying」イギリスの黒人シンガーソングライター、ラビ・シフレの1972年のアルバム「Crying, Laughing, Loving, Lying」収録曲。曲名のカノックチェイスというのはイギリスにある自然が豊富な森林・田園地帯のことで、このアルバムの収録曲が書かれた場所でもある。曲は哀愁を感じさせるギター中心のフォークソング。カノックチェイスの豊かで美しい自然美を歌ったものと推測できるけど、その物悲しくも仄かな甘さを感じさせる熟成されたメロディは内省的で人生の酸いも甘いも知り尽くしたかのような思慮深さを感じさせて良い。サウンドはベースやドラムの入らない簡素なものながらも万華鏡のように煌めくアコースティック・ギターの音色が魅力的。それはあたかも決して抜けられない深い樹海を彷徨うかのような異世界感がありますね。後半に入る上品な弦の音色や情緒的で胸を打つスキャットなどシンプルな中にも聴きどころは多い。フリーソウルコンピには彼の「THE VULTURE」が収録されているけど、個人的にはこっちの方がお勧めです。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.09.11
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) フリーソウルコンピ未収録推薦曲(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 79 】Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)【Original】Composer/B. Crewe, B. Gaudio Producer/Bob Crewe Arranger/Artie Schroeck, Bob Gaudio【2022 Wall Of Sound Long Version】Vocal/Frankie Valli Instrument, Arrange, Produce/@otokabe_master名曲「Can't Take My Eyes off You」を2022年に新たにウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョンとして作成しました。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏に作って頂いた「ウォール・オブ・サウンド・シリーズ」の4番目の作品となります。「YOU TUBE」でShort Edit版が聴けます。(なお、説明欄では@otokabe_master氏に寄稿頂いた解説を読むことが出来ます。)また、こちらでも聴くことができます。以下、ネタバレを含みますので、まずは上記リンクよりお聴き頂くことを推奨致します。オリジナルは4シーズンズのリード、フランキーヴァリによる1967年のヒット曲。secondhandsongsによると396ものカバーが存在する大人気曲ですがウォール・オブ・サウンド(音壁)化でのカバーは皆無のようです。4シーズンズ自体も1964年のRAG DOLLがウォール・オブ・サウンド(音壁)的ですが、本曲は音壁ではありませんでした。然しながらサビではタンバリンが使われるなどかなり音壁が嵌りそうな素材ですし、私も大好きな曲なので@otokabe_master氏に音壁化を依頼致しました。オリジナルの将に60年代な古めかしいサウンドは味は有りますが、現代でも通用するかと言われればかなり疑問符が付く内容。音壁版では転がるドラムなど60年代の風味を残しつつも現代にも通用する絶妙なアレンジになっています。特に音圧が大きいのが爆音での鑑賞に十二分に対応出来ているかと。これまでの@otokabe_master氏の作品同様ピアノやカスタネット、鐘の音などが中心の音壁ですが、オリジナルと比べかなり華やかな雰囲気になりました。フランキーのリードを盛り立てるカスタネットの音色はオリジナルに入っていても良かったのに・・・というぐらいの相性の良さ。特にこの曲最大の特徴であるキャッチーなサビでのすこし大きめのカスタの音色や音壁群はフランキーのリードの盛り上がりを更に盛り立て抜群の相乗効果となっています。これを聴いてしまうとオリジナルには戻れなくなってしまいそう。そして圧巻なのは、オリジナルにはなかったインストパート。ここではオリジナル以上に世界的ヒットとなったボーイズタウンギャング版のインストのメロディを流用、追加挿入して頂きました。「君の瞳に恋してる」として日本でもヒットしフリーソウルコンピにも収録された人気曲ですが、ロングバージョンで聴けるインストパートはオリジナルの世界観を踏襲しながらも独自に創造されたメロディ。上品なストリングスで奏でられるメロディは実に清々しく心に沁みる優雅な内容で私も大好きです。軽いディスコサウンドは全く好みではなかっただけに、このパートをフランキーの歌声と繋げて聴けるのは将に二次創作ならではですね。一回目はサビの終わりと共に消えてしまった力強いカスタの連打がそのまま継続し、華麗に舞い上がるストリングスを伴いこのインストに突入。重厚な音壁をバックにボーイズ版ではストリングスが奏でていたメロディをここではピアノが力強く、優雅に音壁してくれます。音楽万歳!音壁万歳!と叫びたくなる将に超極上のサウンドかと思います。@otokabe_master氏による「史上最高のウォール・オブ・サウンド・シリーズ」は他にもとてつもない作品が複数あります。他にも音源の公開を予定していますので、どうぞお楽しみに。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(音壁&二次創作)ポップ偏差値合計810977101081079(ご参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)
2023.08.31
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) アイドルポップの世界(1) 【 ポップ偏差値 74 】村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)【原曲】作詞/康珍化 作曲/亀井登志夫 編曲/井上鑑 '85【2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン】演奏・編曲・プロデュース @otokabe_master 日本アイドルポップ史に燦然と輝く不朽の名曲「オペラグラスの中でだけ」を2022年に新たにウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョンとして作成したバージョン。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏製作の「史上最高のウォール・オブ・サウンド・シリーズ」の第3弾となります。オリジナルは当ブログで本家大滝詠一を上回る胸キュン大名作 村田恵里 / オペラグラスの中でだけとして既出ですが、アイドルポップ史でも類まれな素晴らしいメロディを持つ隠れた大名曲。セールス的には全然ヒットしませんでしたが歴戦の洋楽ファンも唸らせるマニア好みの世界的楽曲とも言えるでしょう。その主たる要因は歴史的ウォール・オブ・サウンド 大滝詠一 / 幸せな結末を作り上げた井上鑑氏によるウォール・オブ・サウンド(音壁)的手法にあります。然しながら音壁的にそれほど派手なアレンジにはなっておらず、アイドルポップ向けにマイルドに味付けされたようですね。そこでここは容赦なく全力投球した音壁版を聴いてみたいということで@otokabe_master氏に製作を依頼したという経緯になります。音壁版ではオリジナルには無かったカスタネットを全編に導入し、ギター部分をピアノに置き換えエコー感を増幅。曲における歌の比重が下がり、ウォール・オブ・サウンドをより堪能出来る内容になっています。そして一番の聴きどころはオリジナルになかったインストパート。アイドルポップ屈指の美メロと言えるAメロ部分が贅沢な音壁仕様でインストとして追加挿入されています。品のあるストリングスをバックにカスタネットの連打が心地よく鳴り響く非常に躍動感のある感動的なパートです。他にもアカペラ的パートが村田恵里の歌唱力の高さをより際立たせるアレンジとなっていて聴きどころは多い。そもそもオリジナル自体が音壁的でしたので、「中島みゆき / 悪女」の音壁版ほど劇的な変化は感じられないかも知れませんが、アイドルポップ史に燦然と輝く不朽の名曲が、より完成度の高い音壁版として生まれ変わった音楽史的意義は大きいと感じております。@otokabe_master氏による「史上最高のウォール・オブ・サウンド・シリーズ」は他にもとてつもない作品が複数あります。音源の公開を予定している作品も複数ありますので、どうぞお楽しみに。(参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version) 世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)
2023.08.28
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 64 】KEITH BARROW / IF IT'S LOVE THAT YOU'RE LOOKING FOR '78 (Columbia 3-10846)70年代を中心にロスで活躍したソウル歌手キース・バロウの78年のアルバム「Physical Attraction」収録曲。アルバムを4枚も出していながら甘茶ソウル百科事典にもU.S.BDGにも一切触れられてないからソウルファンには馴染みが薄いかも知れませんが、良質な甘茶ソウルがあります。フリーソウル・コンピに収録されている「You Know You Want To Be Love」が彼の一番のヒット曲のようですね。同曲同様に柔らかなハイトーン・ヴォイスが最大の魅力となっています。曲はゆったりとした和み系スウィートソウル。作曲はMichael Stokesで派手さはないけれど全体としてなだらかで綺麗なメロディが美味。時折女性のささやき等を交えキースの自由度の高い甘い唱法が冴える。全体として品の良さと甘茶ソウル的センスの高さを感じさせる好内容。彼のちょっと怪しげなルックスとの関係は定かではありませんが、29歳という若さでエイズによって死去。もっともっと良質な作品を残せていただろうことを想うと実に残念ですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.08.21
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】FRANKIE NEWSON / TAUNTING LOVE '68 (USA 911)1968年から数枚のシングルを残しているミシシッピ出身の黒人歌手。元々はWillie Parker名義で1958年からシングルを出していました。68年からは活動の拠点をシカゴに移しましたが結局アルバムは残せなかったようですね。曲はゆったりとしたウォーキングテンポの甘いディープソウル。TAUNTING LOVEというタイトルは あまりポピュラーではないようですが、他人からあざ笑われるような愛とでも訳すのでしょうか、自省的なラブソングという趣き。イントロのトロリとした甘いギターのフレーズは魅力的で要所で使われ効果的。悲しげで優しいスキャット交じりの女性コーラスや品のよい甘いストリングスも情緒的な世界観に華を添えます。リードはサムクック風で真顔で語りかけるような唱法は曲に説得力を持たせている感じ。全体として派手さはないけど、じっくりと向かい合って聴きたい心に沁みる名曲です。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.08.14
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洋楽スーパーポップの世界(6) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【もうすぐランクイン】EDWIN STARR / Raindrops Keep Fallin' On My Head '70 「War & Peace」収録世界有数のメロディメーカー、バート・バカラック作曲による1969年のB.J. Thomasの世界的ヒット曲のカバー。非常にカバーの多い曲ですが、原曲に忠実でゆったりとしたテンポの大人しいカバーが大半です。本曲は翌1970年の黒人歌手EDWIN STARRによるカバーでモータウン産。大勢に反してスピーディで躍動感のある異色の内容となっています。かなりテンポアップしたしっかりとしたリズムをベースにホーンやストリングスなどを添えた華やかなサウンドが特徴的。コーラスもふんだんに導入され流石モータウンという感じの実にポップな出来。個人的感想としてはエドゥインの歌唱はあまり輝いているとは感じず、オリジナルのメロディをこの速度で歌うのは相性的に多少難しかったのかなと。サウンド的には面白いのでもっとインスト部分を聴かせる内容の方が良かったかも知れませんね。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.08.07
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】THE SILENT LOVE / SARAH '00 「DECADE」収録Funny Little Dreamというデュオでも活躍しているインドネシアのジャカルタの歌手Ganesha Mahendra Nurdinのバンドが2000年に発表したアルバム「DECADE」収録曲。「YOU TUBE」での再生数もかなり少なく、個人的に一体どういう経緯でこんなマイナー曲を知ったのか全く覚えがないんだけど、なかなかの良曲です。ジャカルタといえば以前ジャカルタの煌めきギターポップ MONTE CARLO / I KNEW IT 「SUMMER IN VIENA」も取り上げてますが、密かにネオアコ/ギターポップ系の良質な発信地になっているのかも。「YOU TUBE」の説明文に「The Field Mice」にインスパイアされたとの記述があることから、曲名のサラという女性名もSarah Recordsから拝借したものなのかも知れませんね。そんな訳で曲も体温低い FIELD MICE / IF YOU NEED SOMEONE 「Where'd You Learn to Kiss That Way?」辺りを彷彿させるような繊細で思慮深さを感じさせる良質なギターポップ。悲しげで内省的な雰囲気のバラードだけどメロディラインは美しくヴォーカルも甘みがあって良い。バンド名にサイレントと入ってるけど全体に感じさせる出しゃばらず謙虚な雰囲気に好感が持てるのです。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.07.31
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 61 】DOBBY DOBSON / TROUBLE JIM '67ロックステディの名曲「I'm A Loving Pauper」で有名なドビィ・ドブソンの1967年の甘いロックステディ。本曲はそのB面になります。Loving Pauperほどキャッチーではないけれど、甘いメロディと優しい唱法はスウィートソウル・ファンにも受けそうですね。恋人との甘い日々を反芻するかのような、甘さとほろ苦さが混在するメロディが美味。レゲエ前夜、トレジャーアイル産のロックステディの質素で軽いリズム・トラックとの親和性も高い。全体として感じられる古き良き時代の純朴な南国の甘いラブソング感は暑い季節の避暑的音楽に適してると思います。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.07.24
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私の好きな甘茶ソウル(6) MY FAVORITE SWEET SOUL (6)【 甘茶偏差値 66 】EDDIE KENDRICKS / PLEASE DON'T GO AWAY '74 「FOR YOU」元テンプテーションズのリード、エディ・ケンドリックスの1974年のソロアルバム第5弾「FOR YOU」収録曲。エディ・ケンドリックスは甘茶ソウル百科事典ではほぼ未掲載に近く、ソロ歌手ということもあり個人的には聞き逃してしまっていたアーチストなんですが、きちっと聴けばマニアも唸らせる特選甘茶もありますね。元テンプテーションズだし、最大手のモータウンから出ているアルバムの収録曲だしと考えると無難なメジャー志向の曲ばかりかと決めつけてかかりたくなりますが、そこは甘茶ソウル大豊作の74年産ということもあってか、ファルセット主体のハードな王道スウィートがありました。立ち上がりは遅くいまいちキャッチーさに欠けますが、中盤になってようやく登場する抑制が効きながらも美しいメロディのサビはジワジワと心に染み入ります。中盤以降はそのサビがずっと続くのですが、コーラス的に歌われるサビメロをバックにエディケンの我を忘れたかの如く激しいファルセットが延々悶えまくります。恍惚とし忘我の境地に達したその緊迫感と過剰なまでのファルセットぶりは非常に美味ですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.07.17
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【 ポップ偏差値 61 】JACK COSTANZO (EDDIE CANO参加) / Malaguena '58 「LATIN FEVER」シカゴ出身で小型太鼓ボンゴの有名なプレイヤー、ジャック・コスタンゾの1958年のアルバム「LATIN FEVER」収録曲。メキシコ出身のJosé Conrado de Tovarによる1928年のインスト曲のカバー。「マラゲーニャ」というのはスペインの民族舞踏を指す言葉のようですが、本カバーはラテンジャズ仕様での作品。本アルバムにはピアノにエディ・カノがゲスト参加しており、当ブログ激推しの熱いラテングルーヴ EDDIE CANO / I CAN'T CRY ANYMORE級のスーパープレイを探し回っている中で出会いました。基本は暗めのサルサ風味のラテン・ジャズ。ボンゴやパーカッションが激しく鳴り響く熱く黒いリズムが特徴的。インスト曲なので主役はエディ・カノによるピアノになりますが、主旋律を奏でると同時に打楽器群と一体となりパーカッシブな役割も担っている感じ。「I CAN'T CRY ANYMORE」ほど美メロかつキャッチーな内容ではないけれど、ぐいぐいと先導していく高速ピアノはここでも健在。全体としてこれが1958年製?と疑いたくなるような先進的で熱いグルーヴを感じさせる素晴らしい出来になっています。エディ・カノ好きには溜まらない内容かと思いますがレアグルーヴ好きな方もいけるかも。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(ラテンピアノ)ポップ偏差値合計77688686561
2023.07.10
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