「もしも○○が××な性格なら」
○番町皿屋敷のお菊さんがいい加減な性格の場合。
皿を数える時。
「にー、しー、ろー、はー、とお」
「おい!何をいい加減な事してんねん!」
「ええやんか、毎日数えてんねんから。ぽんぽん言わんでも。疲れてんねん、夏ばてで。」
「井戸ん中は涼しいんとちゃうんか」
「それはそうやねんけど、西瓜がちょうど冷えごろで、食べ過ぎて昨日から下してんねん・・」
○愛妻家の竹取の翁の場合、いらちのかぐや姫の場合。
「なんか光っとるなぁ。なんだろかいな。・・・あっ、竹が光っとる。・・こら、婆さんにも見せてやらんと。」(と、翁は家に取って返して)
「婆さん、婆さんや、竹薮ん中で竹が光っとるが!」
「また、おじいさん、蛍と見間違いをしたんでしょう。今日はもう遅いから明日にしたらどうですか。ちょうど、お酒も燗がついてますし。」
「いや・・・確かに竹が光っておったんだがなぁ・・。」
「はいはい、おじいさんがそう言うのなら光っておったんでしょうが、今晩はもう遅いですから、明日の夕方に行ってみませんか?」
「ま、それもそうじゃな。・・・じゃ、婆さん、ついでくれんかな。」
「はいはい。これも召し上がれ。」
「うん、これはタケノコの煮つけじゃないか。婆さんの煮付けは美味いからなぁ。どれどれ・・・・。うまいなぁ・・・わしゃ、婆さんと一緒になってほんによかったと思っておるで。」
「まぁ、まぁ。」
翌日の夕方、二人は竹薮に行ってみました。翁が記憶を頼りに光っていた竹の場所に行ってみますと。そこには、一本の竹がまるで爆発したように途中から裂けておりました。
「こっ、これはどうしたことじゃ!」
「おじいさん、何か手紙のようなものがありますが。」
「どれどれ見せてみなさい。」
<一晩中待っていたのに。光まで出してサインを送っていたのに。待ちきれないので先に月に帰らせていただきます。かぐや>
「おじいさん、これは何?かぐやって誰なんですか?」
「????」
「昨日、どこかの若い娘と逢引の約束でもしてたんでしょう!」
「わしゃ知らん。そんな事はないで。」
「いいえ、この手紙が何よりの証拠、ワタクシ実家に帰らせていただきます。」
「おーい、ばあさーん・・・ああ、行ってしまった。・・・それにしても、なんじゃいこの手紙は・・。」
このようにして、翁は涙に暮れるのでありました。
翁は、後に自分の体験を本にして自費出版し、友人関係に配布し、ちょっとした人気者になりましたとさ。
これ以後、個人の内輪話を題材としてお話を作り上げ、仲間内だけで楽しむ事を「がくや」ということになりましたとさ。
え?「がくや」ではなくて「かぐや」?
それはよくあることなんです。写して行く過程で写し間違いが発生したんでしょうね。濁点の位置が変ってしまったんですよ。
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