ようやく秋も深まり、朝夕は寒さを感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか ? 普段は賀状のやり取りだけで済ませて頂いておりましたが、本日は最近の政局及び予定されております衆議院議員選挙について私見を述べさせていただき、ご理解を賜りたいと思い、お手紙を差し上げました。
すでに 70 近い私の人生の中で、これほど腹が立ったことはありません。言うまでもなく、現政権による党利党略解散です。森友学園、加計学園獣医学部新設を巡ってお友達、腹心の友に対する露骨な配慮が行われたことは状況証拠からしてほぼ確実だと思われます。その事を裏付ける書類は処分され、処分した人物は論功行賞として国税庁長官に栄進しました。
露骨といえばこれほどわかりやすいやり方も珍しいところです。
それだけではありません。
歴代の元内閣法制局長官が実名を出して批判をした「集団的自衛権行使」 ( 「戦争法案」と呼ぶ向きもありますが ) 。これは歴代自民党政権の、「日本を戦争に巻き込まない」「自衛隊はあくまで専守防衛の部隊であり、その事によって国民の理解が得られている」という選択の結果でした。
それを「閣議決定」で変更しました。
続いて、「共謀罪」です。ニュース等で報じられましたが、当の法務大臣がろくに答弁できず、ついには答弁しようとすると制止されるという醜態を伴ったいくらでも拡大解釈可能な法案です。思想、信条の自由、そしてその現れとしての言論、出版の自由にタガをはめようという悪法です。
給料は上がったと報じられていますが、それは正規職員の場合であり、若い人たちが多くを占める非正規雇用の人たちとの格差は一向に縮小しておりません。
現政権が一日でも多くその座にとどまり続けることは日本にとっての不幸に他ならないと考えます。
そして、上に書かせていただいた諸問題と疑惑にすべて蓋をしての解散です。
本来ならば、野党共闘によって現政権を追い詰める絶好の機会であったと思われますが、ここに来て様相が複雑になってきました。それは、小池新党・「希望の党」の誕生と、前原氏による民進党解党です。
こういう職業についていることもあって、政治の動向については関心を持たざるを得ないのですが、小池百合子という人の過去を見るにつけ、あの方は、「自分が総理大臣になるためには、何でもするし、自分以外の人はそのための駒」という姿勢を一貫して貫いてきた人だと思います。
誕生したばかりの「小池チルドレン・都議」たちはどうなるのでしょうか ? 「育児放棄」と揶揄した方がいらっしゃいますが言い得て妙であると思います。
「希望の党」の構成メンバーは、右派から極右までずらりと並んでおり、解党した民進党のメンバーを小池氏が「選別」するようです。
選挙用に「マニフェスト」を作っているようですが、それは彼女のこれまでの言動を見ますのに、単なる人気取りの包装紙であり、もしも政権をとるようなことにでもなれば、「政治の現実」に合わせていくらでも変えることになるでしょう。消費税引き上げ反対も、原発廃止も、反故にされるでしょう。これは、彼女の経歴と言動を見返してみますと容易に想像できることだと思っております。「天性の詐欺師」とは言いすぎでしょうか ?
私は、憲法を守り、それを生活の中に生かすことを望んでいます。戦争はどんなことがあっても行ってはなりませんし、思想信条の自由、そして言論出版の自由、教育の自由は基本的人権の中核をなすものとして大切にされねばならないと思っています。
民進党、共産党、社民党、自由党が地域の人々の要望に押される形で手を組み、現政権の議席を奪い取るというやり方はいったんストップせざるを得ないでしょうが、各地で、この厳しい状況の元でも初心を忘れずに共闘を探っていく動きは確実に存在しております。
選挙区で、野党統一の初心を忘れていない候補者がおりましたら、ぜひともその方に一票を投じて下さらないでしょうか。また、不幸にして共闘が成らなかった場合には、共産党候補に一票を賜ればと思っております。
ここまで読み進めていただいてありがとうございます。投票なさる時の参考にしていただけましたら幸いです。
季節の変わり目の気温の変動の激しい折、御身体を大切になさってください。
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