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PATRICIA CORNWELL
『POSTMORTEM/検屍官』
PATRICIA CORNWELL
女性検屍官ケイ・スカーペッタが活躍するシリーズの1作目
パトリシア・コーンウェルはマイアミ生まれのミステリー作家
(どうでもいい事ですが、お誕生日が私の息子と同じです)
警察担当記者、検屍局コンピュータープログラマーの経験を生かし
1990年にデビュー作として出版されたこの作品は
数々の賞を得て話題になったので、存在は知っていたのですが
あまりにも話題になりすぎていて、次々と新しい作品が出るし
なんとなく今まで無視してきました
読む気にさせてくれたロッキーさん、どうもありがとう
怖いけど面白かったよ
主人公はケイ・スカーペッタ
バージニア州検屍局長に任命されてもうすぐ2年
彼女を目の敵にするものも多く、いろんな意味で追い詰められつつ
でも、強いなぁケイは
検屍の対象を、ただの材料とは思っていない
今のところ、彼女の真の優しさ強さを知っているのは、死者たちだけかもしれない
ケイを慕う10歳の姪ルーシー、IQはとても高い
市警部長刑事マリーノ、風采は上がらないけど、腕利きのたたき上げ
州地区検事ボルツ、女性が誰しも憧れる好感度の高さ、しかし攻撃的な面もあり
警察担当女性記者ターンブル、悪名高いが実は正義感が強い
そのほかプログラマーや指紋係、技師、精神科医、FBI容疑者性格分析官etc.
個性的なキャラクターが沢山登場する
いかにも、シリーズ化?と感じるわかりやすい人物紹介
個人的に、この人好き、とか、こいつ嫌いだ、と思えてしまうほどの丁寧さ
ケイはあまりよく思ってはいないようだけど、私はマリーノ刑事が好きだな
主人公ケイよりも、マリーノのほうがより気に入ったよ
彼を主人公にしたシリーズもあると良いのに
正直、猟奇殺人ものは好んで読まない、怖いから
実際、この本を読んでいる時、思わずあちこち鍵をかけてしまったくらい
いくらおばさんの年になっても、ずうずうしさで殺人者から身は守れない
以前病院に勤務していて、科でひとりきりで夜勤をやった事もあり
霊安室や解剖室を含む真夜中の見回りも仕事のうちで
ごくごくたまには、そういう部屋の後片付けをすることもあり
モルグや検屍のシーンを読んでいて、思わず思い出してしまったりして
仕事にしている時は怖いとは思わなかったのに
今ごろになって、背筋が寒くなるのを止められなかったよ
何の関係もないと思われる4人の女性が、2ヶ月ほどの間に惨殺される
だんだんと、その間隔は短くなっているよう
そしてさらに、次の犠牲者が
無作為に選ばれたようで、じつは驚くべき共通点
事件を解決したい目的は一緒でも
それぞれの確執にとらわれつつ、画策が事件に絡みつく
さんざん詮索させたわりには、あれっ?と思うほどあっけないラストだったけど
とにかく、解決してほっとしたよ
2004年01月23日記
『BODY OF EVIDENCE/証拠死体』
PATRICIA CORNWELL
『検屍官』に続く、ケイ・スカーペッタシリーズの2作目です
今回も興味深い登場人物がたくさん出てきました
もう、憶えるのが大変です
それでも、ちゃんと丁寧に人物紹介してある所があるので
そこに戻って確認すれば大丈夫
何者かに付け狙われ脅迫されていた女流作家ベリルが
一時避難していたキイ・ウェストから自宅に戻った晩、惨殺されます
身の危険を感じていたはずの彼女がなぜ、犯人を家に招き入れたのか?
そして、書き上げたばかりの自伝は何処へ消えてしまったのか?
ベリルを才能ある作家として世に送り出した高名な作家ケーリー・ハーパー
ケーリーの姉スターリング・ハーパー
15年ぶりに現れた、ケイの昔の恋人マーク・ジェームス
NY芸能芸術関係の悪徳弁護士でベリルの遺産管財人ロバート・スパラチーノ
ベリルの行きつけの洗車場の心優しい従業員アル・ハント、と、その友人
ケイや2作目で警部補に昇格したマリーノとその同僚たち
FBIの職員たちetc.
前回に劣らず、実に個性的な登場人物
どう考えてもつながりがあるとは信じがたい多くのキーワードたち
なにげないヒントがあちこちにちりばめられていて
それがごくごく最後のほうで、まるでジグソーパズルのように
あっという間にはめ込まれていくのは驚きに価すると思う
2作目の構成ははさらにみごとです
マリーノ氏もますます良い感じです
ただ、3作続けて読むにはちょっと重たいかも
次々と悲惨な状況を見せ付けられるとね
だから、ちょっとだけ次は軽いの読んでみます
それにしても
ベリルの災難は、身近にも起こりえる事なのかもしれないなぁ
2004年01月25日記
『ALL THAT REMAINS/遺留品 』
PATRICIA CORNWELL
ケイ・スカーペッタシリーズの3作目です
2年前から起きている、ドライブ中のカップルを狙った連続殺人
4組のカップルは、かなりの時間がたってから発見されたため
死因もわからず、情報も少なく捜査は行き詰まっている
そしてまた、カップルが行方不明に
カップルのうち女性の方の母親は、麻薬対策委員会の委員長を勤める大物
新たな行方不明のカップルは、連続殺人の次の犠牲者なのか?
それとも、母親を失脚させるため仕組まれたものなのか?
こんなとき、母親が願うのは、せめて駆け落ちであって欲しい
そうであっても認めないけど
でもほんとはそんなこと関係なくて、どこかで幸せでいて欲しい
そのためだったら、名声などきっと捨てられるもの
そして結局自分を責めて、自滅してしまうんじゃないだろうか
このシリーズ(まだ3作しか読んでないけど)では
女性がいろんな意味で攻撃される事が多いように思う
とくに仕事一途の女性に対するまわりの態度が厳しくて
著者もたくさんそういう辛い経験してるのかなぁと思ったり
ケイと再燃した恋人との関係も、はたからするともどかしい
マリーノ刑事まで消えようとしている愛にすがってもがいているし
思いやりの嘘、嘘をつかないための沈黙、陰謀の気配・・・
事件の解決に、どう向かっているのか?
毎回、行き先を見失ってしまいそうな展開
犯人探し以外に思いが及んでしまう事件ものもめずらしい
実際に事件の捜査に関わっている人にも、日常があって
家族や友人とのふれあいもあれば、食べ、寝て、楽しみもあり
時間は流れていくものだと気付かされる
命がかかわる仕事に携わる人たちは特に、自分を見失いがちなんだろうな
何年も前に亡くなった叔父のひとりは、捜査1課の刑事で
あるとき、地元で話題になった過去の殺人事件のことを話してくれた
被害者は、行方不明になってからかなり経ってから発見されたのだけど
いちばん最初に
あぁ、この人はもう死んでいる
と直感したそうな
百貨店の火事の現場を調べた時の事も話してくれた
被害者が、どんなふうに死んでいたか
こんな会話を日常に持ち込まれたら、家族はたまらないなぁ・・
叔父よりも、ずっと連れ添った伯母の話のほうが、私には興味深いかも
今度あったら聴いてみよう
2004年01月31日
『CRUEL AND UNUSUAL/真犯人』
PATRICIA CORNWELL
ケイ・スカーペッタシリーズの4作目です
クリスマスまであと10日ほど
10年前の殺人により死刑囚となったロニー・ジョー・ワデル
彼の刑執行日、瀕死の少年が発見される
少年は、ワデルの犠牲者が発見された時と似た姿勢で放置されていた
数日後、占いを業とする女性が死亡しているのが発見される
自殺に見せかけた殺人のよう、そして部屋からはワデルの指紋
殺人そのものには共通点は見出せなくても
さらに発見される犠牲者にも感じられるワデルの気配
ワデルは既に処刑され、火葬にされているというのに・・?
もしかしたら刑に処されたのは別人??の可能性?
謎を探るうちに、ケイ自身が容疑者扱いされてしまう
読み始めたとき
なぁんだ『グリーンマイル』みたいな内容なのか
とちょっとがっかりしかけたんだけど、そうじゃなかった
前の3作とも少し違う
どうやらこの作家は、1作ごとに成長しているみたい
前の作品よりこっちが良いという意味じゃなくて
読者を飽きさせないものを提供する努力を惜しまない
そういう姿勢でいるらしいなと感じさせる
結構ページ数も多くて、文字数も少なくないけど
ほぼいっきに最後まで読み通した
悲惨な殺人を扱ったお話なのに
読み終わった後、さほどの悲壮感を抱かないのは
登場する人の中に、たまらなく個性的で魅力的な人たちが多くいるからかな
ケイのピンチを必死に救おうとする仲間がいて良かった
それにしても、真犯人は…捕まったのかな?そこだけ不安なんだけど
2004年05月15日記
『THE BODY FARM/死体農場』
PATRICIA CORNWELL
ケイ・スカーペッタシリーズの5作目です
『真犯人』から約2年後の秋、前作の事件をほのめかせる新たな被害者は11歳の少女エミリー
自宅から連れ去られたエミリーは、湖の岸辺で無残な姿で発見された
かつて幼子を亡くし、夫も急逝し、さらに起こった悲劇で少女の母親ディネサはひとりぼっち
長年FBIのVICAP(凶悪犯逮捕作戦)に関わり、心身ともに傷ついていた刑事マリーノが
悲しみを背負うディネサに惹かれていくのも頷けるシナリオではある
CAIN(犯罪人工知能ネットワーク)の開発に携わるケイの姪ルーシーに忍び寄る罠
そしてケイ自らが落ち込む恋愛の新たな苦悩
何もかもひとりで背負い解決しようとするケイはとても逞しくて頼もしくもあるけれど
危なっかしくて、いじらしい
「ボディファーム」自体は、実在する研究施設の通称であるらしい
どういうものかはあまり説明したくないけれど
今回の作品には核になる事件以外の要素も入り組んで
最後まで読んで、この事件そのものが結末を迎えても
やや強引な感じもするし、すっきりしないものが多く残されている
どうやら一部は次回作へ引き継がせるつもりらしい
前作から続く事件の真の結末が早く知りたくてたまらないのはやまやまだけど
ちょっとひといき入れないと、心に闇が忍び込みそうな不安が止められない
2005年02月20日
『FORM POTTER'S FIELD/私刑』
PATRICIA DANIELS CORNWELL
ケイ・スカーペッタシリーズの6作目です
『死体農場』の事件の年のクリスマスイブ、ニューヨーク
幕開けは、サンタが起こした殺人事件
とにかくも、あの神出鬼没のホラー映画のモンスターのように
ヒトの神経狂わしそうに猟奇的な犯人の起こした事件が一応解決をみた事が
この本を読み終えて良かったと、これで私も安心して眠れると、そう思わせた
シリーズがこの先長く続いていることが分かっているんだから
事件が解決することをバラしても、ネタバレとは言わないよね
こういう本を読むごとに、悪意が近くにあるような
大事なものを無くしそうな不安に陥れられる
2005年03月14日記
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