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2020.07.20
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テーマ: 読書(8283)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



祝祭と予感 [ 恩田陸 ]

本の目次・あらすじ


「祝祭と掃苔」
亡き恩師・音楽の楽しさを教えてくれた綿貫先生の墓参りをする、亜夜とマサル。
そこに付いてきた塵。

「獅子と芍薬」
マサルの師・ナサニエルと、コンクールの審査員・三枝子。
元夫婦の二人の、出会い。

「袈裟と鞦韆」

作曲家・菱沼忠明が出会ったひとりの生徒と、その死。

「竪琴と葦笛」
ジュリアード音楽院のプレ・カレッジのオーディション。
才能コレクターの巨匠に師事することになったマサルが、ナサニエルを先生にするまで。

「鈴蘭と階段」
ヴィオラに転向した奏は、自分の楽器決めに悩んでいた。
そんな折、パリにいる亜夜と塵から一本の電話がかかってくる。

「伝説と予感」
サロンコンサートを終えたホフマンは、ピアノの音を耳にする。
それは、昨夜自分が弾いた異版のダヴィッド同盟舞曲集。
玄関脇のピアノを弾く、小さな男の子。

引用



「消えもの」であるところ、一期一会であるところ、五感に訴えるものであるところ―――


感想


2020年読書:113冊目
おすすめ度:★★★

111.蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ] 」の続編?
本編に登場した人たちの、サイドストーリー。
未来のものも、過去のものも。

本編は細かい文字で2段組びっしりの分厚い本だったけど、これは余白たっぷり、行間たっぷり、文字大き目のオマケ短編という感じ。
各編のタイトルの付け方も、いまいち…。


なんかこう、無関心な父との2人、根無し草の放浪の旅っていう感じがしていたから。

「袈裟と鞦韆」が良かった。
寒々としたホップ畑の光景が浮かんだ。
ずっとずっと、頭の中にある音を五線紙に落とし込もうとして、「頭でなっている音と違う」と思い続けて。
畑を吹き抜ける風は、ホップの揺れる葉音は、こんなにも恐ろしく美しいのに、それを表すことも出来ない。
家族が良かったと言っているのも、分かる。
音を書き起こすには、手足を縛られたような、不自由な世界。
自分ひとりが異星人のように感じられる。
でも、もしかしたら天の国であれば、それは叶うのかもしれない。

本編では「天才たちを見る語り手」「サポーター」だった奏の話が気に入りました。
音楽家と楽器の相性、めぐりあわせ。
それによって引き出される驚くべき力。
奏がチゲのスープを研究しているところが良い。

それぞれが悩み、苦しみ、もがきながら、向き合う音楽。
美しく崇高なそれにこうべを垂れ、忠誠を誓う。
御身が傍にあらんと、日々研鑽に励む。

これって、別のものにも言える。
将棋の物語を読んでも、同じことを思った。

あなたのそばにいたい。

神様、みたいな名前の、音楽。


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最終更新日  2020.07.20 00:00:20
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