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2020.09.01
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テーマ: 読書(8289)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



屋上で会いましょう [ チョン・セラン ]
"옥상에서 만나요" by 정세랑

本の目次・あらすじ


ウェディングドレス44
一着のウェディングドレスを巡る、44人の花嫁たちの物語。

ヒョジン
先輩が冷蔵庫を突然開けて、私はけがをした。
日本でパティシエ修行をするヒョジン。
逃げて、逃げて、ここまで来た。

ご存じのように、ウニョル
大学院生のジョンヒョは、仮倭(カウェ)に夢中だ。
日本の海賊のふりをして略奪と放火を行っていた人たち。

日本人とオーストラリア人を入れたバンドのキーボードをしながら、彼女は悩む。
物語としか言いようのない、ウニョルの話を論文として出すか否か。

屋上で会いましょう
やってられない時は、いつも屋上に来た。
室外機に座って、スイーツを食べた。
先輩(オンニ)たちが立て続けに結婚してしまい、不満をぶつけたところ、一冊の本を手渡される。
それは運命の相手を召喚する呪文書。
私が呼びだしたのは、ヒトではないものだった。
それは、絶望を食らう。

ボニ
姉の甘皮(ボニ)が死んでしまった。突然に、何の前触れもなく。
残された私は、友人たちと突然死のネットワークを作る。
星のように瞬く、たくさんの死。

永遠にLサイズ

彼女は、愛しい男に再会する。
干し柿を避ければ生きていける、アンデッドとして。

ハッピー・クッキー・イヤー
中東から医学実習の留学生として韓国にやってきたイスマイルは、友人ケヒョンの叔父が経営する菓子工場で事故に遭い、片耳を失う。
しかし、なくなった耳の先から生えてきたのは、お菓子だった。

離婚セール
既婚、未婚、子供あり、なし。


ヒタイとスナ
敵対するタイショク国とショウショク国。
式典で将軍が殺され、一触即発の事態が起こる。
ショウショク国の言葉が分かるスナ、タイショク国の言葉が分かるヒタイ。
矢文から生じる誤解の物語。

引用



「でもダンナさんは優しいですよね?うらやましいと思ってた」
「夫の問題じゃないのよ。私のほうが制度に頭を下げてしまったわけ。そしてそのことに気付いた韓国社会が、いろんなことを当たり前のように私に押し付けてくるようになったの」
「当たり前のように押し付ける?」
「そう。突然みんなから『しなければならない』という言い方をされるようになった。大人になってからは、一度もそんなふうに言われたことはなかったのに」


感想


2020年読書:148冊目
おすすめ度:★★★★

面白かった。ひとつひとつの話が、独特。
すごく不思議。日常の話なのに、気付けばSFでファンタジーになっている。「今昔物語集」を思い出した。
私は特に「ボニ」が好きだな。視覚に映像として喚起される。星のように明滅するその点。

著者のチョン・セランは、1984年ソウル生まれ。編集者を経て作家。韓国の文壇からすると、異端のデビューの仕方をしたらしい。
他の作品も読んでみたくなった。

韓国の女性作家の作品ばかり読んでいるからかもしれないけれど、そこに男性社会への激しい「怒り」が迸っている。
これは、フェミニズム的な作品ばかりが入ってきているから?全部がそうなの?
でも読んでいて思う。ひとごとじゃないよね。
身に覚えのあることが、たくさんある。
作中で、妻が夫に「貴方は私が見えているものが見えていないのだ」と言う。
そのとおりだと思う。

「渓谷に筌(うえ)をしかけるような計画」という表現があり、古風な言い回しだなあと思った。
これは韓国の慣用句(故事成語・고사성어)なんだろうか?
※筌(うえ・통발)は、魚をとる道具。
調べても「득어망전(得魚忘筌・魚を得て筌を忘れる)」しか出てこなかったんだけど。


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最終更新日  2020.09.01 12:30:08
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