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2020.11.04
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テーマ: 読書(8283)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



アフリカ出身サコ学長、日本を語る [ ウスビ・サコ ]

本の目次・あらすじ


第1章 赤の他人に教育されるマリ ーサコ、すくすく育つ
第2章 ヨーロッパだけが世界じゃない ーサコ、異文化に出会う
第3章 マリアンジャパニーズとして生きる ーサコ、家庭を持つ
第4章 十人十色の学生たち ーサコ、教鞭をとる
第5章 一緒に、大学をつくりたい ーサコ、学長になる
第6章 ここがヘンだよ、日本の学び ーサコ、教育を斬る
第7章 大学よ、意志を持てーサコ、大学を叱る


引用


これまで長年枠にはめてきた日本の学校教育は、本質的には変わらない。そうなると、「学校教育はある意味で日本人養成課程なのだ」と認識できている自分がいるかどうかが、重要になる。認識したうえで、自分で判断し、「自分のためになるからこの教育を受けておこう」と選択できればいい。そこは、「選択の結果」でなければならない。


感想


2020年読書:186冊目
おすすめ度:★★★★

アフリカ出身サコ学長??とタイトルに惹かれて読んでみたら、面白かった!
日本で初めてアフリカ出身で大学の学長(京都精華大学)になった、サコさん。
マリ共和国の首都バマコ生まれ。お父さんは公務員。親戚やら30人くらいがごちゃごちゃ生活する家で育ち、フランス流の教育を受ける。その後、国費留学で割り当てられた留学先・中国へ。日本人留学生に興味を持ち、日本に留学。専門は建築。

文体に関西弁が入るし、突っ込みも入るし、その一方でかっちりした内容もある。
西洋至上主義と、多様性について考えさせられる。
マリの住宅と日本の畳の話、中学の家庭科で居住の基本として「寝食分離」を知った時のことを思い出した。衛生面を考えて寝る場所と食べる場所を分けましょう。でもそれってもろに西洋的な考え方だよね。日本が長く送って来た暮らし方を真っ向から否定している。
その時に、「私は、そうは、思わない」と言えること。でもそう言えるためには、たくさんいろんなことを見て、聞いていないといけない。
大人になってようやく言える。「私は、そうは、思わない。」
だから勉強(これは座学に限らない)って本当に、大事だ。

教育に関して檄を飛ばしているところは、私も「そうそう!」と膝を打った。
日本の教育ってほんと、フレーム構造。

自分の子供たちが今からそこに入っていくのだ。それが世界の全てみたいな顔をした、逃げ場のない、閉塞感しかない場所へ。そんな蠱毒みたいなことあるか。
…と思うのは私が楽しい学校生活を送れなかったからか。
普通のふりをして、違和感を押し殺して、何時間も縛り付けられることに耐える。

大学に入った時、はじめて勉強が楽しいと思った。
高校までの勉強は、理系も文系も運動も音楽も、何でもオールマイティにこなさないといけない。

でも言語系の学部に入り、「自分が知りたいことを学ぶ、知らなかったことを学ぶのって、なんて楽しいんだろう」と思った。それだけでも大学に行った価値があった。
でもその学ぶ楽しさ、生涯学んでいこうと思えるために、小中高とずっと我慢しないといけないのか?

子どもたちには、外の世界をたくさん見せてやりたい。そんなちっぽけな、一時だけ無理やり押し込まれるところなんて、どうでもいい。そこでのさばる価値観は、とるに足らないものだ。君は自由だ、どこへでも行ける。君が決めていいんだ。
そのことを、教えてやりたい。私が誰にも教えてもらえなかったことを。

大学教育はオワコンだ、と前に読んだ。
そうだ、と思うけど、違う、と思う。
「就職のための大学」はオワコンだろう。でもそうじゃない「学びの場としての大学」はこれからもっと必要になる。
自分を幸せに出来るのは自分だけだ、って多くの人が気付き始めた気がしてる。
そしてその幸せって何だろう?
私は、今際の時に生まれた時に与えられたものをすべてを取り去られ、貴方の中に残ったものだけが天国に持って行けるものだ、という話が好きだ。
愛情、知識?お金でないことは確か。
それは、自分が生きて、学んで、得たものだけだ。

私はずっとずっとずっと、学び続けたい。
だって、世界を知ることはこんなに楽しいから。
知らないことがこんなにもたくさんあることが、嬉しいから。

それを、もっと早くに知っていたかったな。
教育に出来ることって、それなんじゃないだろうか。
それは学校に限らないのだけど。

解説も刺さりました。
「中途半端に関心を持つくらいなら関心を持たない方がましだ」
これね。凝り性の日本人特有かもしれない。
なんとなく、好きにも「勝ち負け」がある。
それって結局、優劣をつけて点数化される世界で生きて行くということなんだろうな。
なんとなく好き、それでいいじゃん。
私の方が好き!と声高に主張したところで、誰も幸せにならない。
あなたの好きと、わたしの好きは両立しうる。
あれ、これって多様性とグローバル化の話と一緒かも知れない。


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最終更新日  2020.11.04 05:09:47
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