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2021.03.12
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テーマ: 読書(10233)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



火のないところに煙は [ 芦沢 央 ] ​

本の目次・あらすじ


『小説新潮』から短編小説の依頼を受けた私。
テーマは「神楽坂怪談」。
私は、ある体験を思い出す。クローゼットに仕舞われたそれ。

第一話 染み
第二話 お祓いを頼む女
第三話 妄言
第四話 助けてって言ったのに

最終話 禁忌

引用


その霊との縁を作りたくなければ、寄り添うように語りかけてはいけません。


感想


2021年読書:032冊目
おすすめ度:★★★

2021.03.01  022.汚れた手をそこで拭かない [ 芦沢央 ] を読んで、「ぞわぞわして怖いからやだ~」となったのに懲りずに芦沢央さんを読む。怖いもの見たさ。
こっちの方がまだ「ぞわぞわ」がマシだった。
この人の本、ホラーなんだけど後からじわじわ来るんで怖い。
「やだやだ」と思いながら読んでしまう。
「ほらほら、後ろ後ろ!」「そっち行ったらあかんて!」てぎゃあぎゃあ叫びながらホラー映画見ちゃう感じだろうか。

元編集者の作家、実際に新潮に掲載していた、実体験を模した内容。
一話ずつ完結しているけど、数珠つなぎになっていって、最後に全体像が明かされる。
リアルタイムで掲載されているのを読んでたら余計に虚構と現実が入り混じって怖かっただろう。

なんていうか、気持ち悪い、収まりの悪い、納得できない。

でも、それならその逆に作用することもあるんじゃないのか?
天秤の片側が傾ぐなら、その反対にも同じだけ。
そうして世界はバランスを取っているんじゃないかしら。

私はまったく死んだ人間が影響を及ぼす「そういうもの」を信じていないのだけど、生きている人間の「そういうもの」はある、と思う。
そしてそれは、マイナスの力の方が強く働くんだろう。


世界は危うい。
日常を生きる事は、薄氷を踏むようなものだ。
だから、たまたま運が良かっただけ―――運が悪かっただけ。
それに因果を求めるのは致し方ないことだろう。
だってそうじゃなければ、救われない。
(いや、因果を求める方が救われないだろうか?)
宗教は、科学は、その因果を説明するために存在する。
目を瞑って世界を歩めるように。
足元が盤石であるかのように。

でも、と思う。薄目を開ければ見える―――何も見えない。
どこで途切れるかもしれぬ細い、綱渡り。
私たちは一歩一歩、そこを歩いているのだ。
足がすくんで動けなくなる。いっそ飛び降りてしまいたくなる。
だから、見てはいけない。

ホラー小説を読むと、いつもそういうことを思いだす。


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最終更新日  2021.03.12 12:00:10
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