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2021.11.18
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テーマ: 読書(8213)

本のタイトル・作者



ぎょらん [ 町田 そのこ ]

本の目次・あらすじ


死者が遺すと言う、想いの珠・「ぎょらん」。
不倫相手だった会社の先輩の通夜に出席した華子は、ひきこもりの兄に先輩が死んだ事故現場へ「ぎょらん」を探しに行こうと誘われる。

ぎょらん
夜明けのはて
冬越しのさくら
糸を渡す
あおい落葉


引用


学校が嫌いだったの、と訊くと喬史は首を横に振り、自分が嫌いだったと言った。自分がみんなの中にいなきゃいけないことが怖かった、とも。


感想


2021年272冊目
★★★

しかし「ぎょらん」の表紙が…苦手。なんかこう、怖い。

『52ヘルツのクジラたち』の町田そのこさん、デビュー作である『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』につぐ2作目がこの『ぎょらん』。
魚の卵のような死者の遺す赤い珠を巡る短編連作集。
1作目の「ぎょらん」で登場するニートのおにいちゃん・御舟朱鷺が物語同士を繋いでいる。

私は「糸を渡す」が一番好き。
お母さんがビーズ教室をやっていたの、無意識だったけど、昔のビーズ作りが楽しかった影響だったんだ。

誰かが死に、残された者たちが傷を持ちながら、その傷と向かい合うために「ぎょらん」を介している。
最後の「珠の向こう側」は、せっかくの物語の種明かしをしてしまって、ちょっと残念な気がした。

死者は何も残さない。生きている人が、そこに意味を見出すだけだ。

身もふたもないけれど、それだけなんだろう。
死者は語らない。何も語れない。

もしもその言葉を聞けたなら―――こう言っただろう、ああしただろう。
こんなことを、思っただろう。
その「呪」を具現化したものが「ぎょらん」だ。

私はきっと、それを目にしても、食べない。触れない。
ただじっと、消えるのを待つだろう。


エンディングノート、大事ですね。
口座の場所とか分かるように書いておこう。

これまでの関連レビュー


52ヘルツのクジラたち [ 町田そのこ ]
夜空に泳ぐチョコレートグラミー [ 町田そのこ ]




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最終更新日  2023.01.01 17:27:01
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